戦闘シーンかっこいいですか?
それと、ハハソの変身シーンは書いていて思いついたものですが、もっとかっこよく活躍させたかったです。
「ハハソくん!」
カジカさんの声がする。
「ハハソくん!」
うつ伏せの状態の僕を抱き起こし、ネブッチョウの耳をしたカジカさんが起こす。
「…大丈夫です。……死んでませんよ。」
カジカさんは鼻を啜っている。
「どうして?」
「嫌な予感がして追いかけてきたの。」
「オオカミ様は!?」
「ハハソ!その少女と仲良くな。君の神の力は吸い取ったぞ。君は普通に戻ったからな。」
「待って!…」
カジカさんに押さえつけられた。
「…カジカさん。」
「ハハソくん……」
「…行かせて。」
「…怖い。」
「カジカさん…」
僕はカジカさんに抱きつく。
「ハハソくん…」
「…ごめんなさい。」
抱きついた時には、お諏訪様にもらった箱をちゃっかり隠しておいた。
ぱかっと開ける。
虹色の光がカジカさんを吸い取る。
「なに!?ぎぁー!」
少しのけぞったが、そのまま僕に覆い被さった。
「ハハソか!」
「…えっ?…田代さん加藤さん!」
「大丈夫だったか?」
「田代さん、加藤さん。この戦いは僕が止めます。カジカさんをお願いします。」
カジカさんから抜け出し、抱き抱えて、2人に渡す。
「なんとか止められるのか?」
「策がないことはないです。」
「おお!そうか。」
「ただ…この女の子に謝らないとかもしれないことになるかもしれません。」
「…謝りに戻ってこい。例え魂だけでもな。」
「……はい!」
箱を開ける。紫の光が僕を包む。
巻かれると、僕はオオカミ様に向かって走る。
「オオカミ!」
煙がなくなると、僕には
オーサキの耳。
ネブッチョウの鱗。
オーサキの脚。
左腕がネブッチョウの尻尾になっていた。
「オオカミ!オオカミ様!止まって!」
「ハハソか!?もうやめろ!死ぬぞ!」
「僕の命であなたが止まるなら、それでいい!」
「なにをバカなことを…」
右手を懐にいれて箱を出そうとする。
「させるか!」
左腕をオオカミに投げる。
いい感じに巻きつき、オオカミを止める。
「ニャハハハハ!大成功にゃ!」
「………。」
ネブッチョウとオーサキも頭の中で喋る。
「ニャハハハハ!ハハソ。やっと戻ってきたにゃ。」
「………。」
「しっかし、おミャーも罪作りな男にゃ。カジカをあんにゃに傷つけるにゃんて。」
「…ここでオオカミ様を止めないと、神も仏も民衆もみんな不幸になる。オーサキ。ネブッチョウ。僕に力を貸せ!」
「ニャハハハハ!強制発動にゃんだから、おミャーのやりたいようにするにゃ。
たにゃし!
カジカは…おミャーのことが…いやおミャーのことが好きなんよ。」
「………」
「絶対に帰る。だから君たちが必要だ!」
「…そういうところに惚れたんかにゃ?」
「ハハソ!離せ!このままだと大宮郷が…」
「オオカミ様!過去に戻ろうとするな!これはお諏訪様と、お妙様が最後の最後に力を振り絞って命令した結果だ!」
「なに!?」
オオカミの動きが止まる。
こもっていた力も減る。
「オオカミ!君がこの世界に来た後だがな、僕たちはそのあとどうなったのか見た。結論から言うと、お諏訪様は火の鳥になって妙見大菩薩に突っ込み、箱を奪取した。
その箱を見たら、お妙様の優しい心はもうなかった。
戦う前に妙見大菩薩も箱で強化していたからな。だから、お妙様の心は妙見大菩薩の中にある。
そしてここに戻ってくるときに見ていたのだが、激突した後、最後の力を振り絞り、お諏訪様と妙見大菩薩の名の下に、オオカミを祀り、仏教も受け入れる方針に決めたことで大宮郷の平和と繁栄を守ったんだ。お前はそれを壊そうとしているんだぞ!」
「…ではどうすればいい!?あの復活した妙見大菩薩をそのままにしておいていいのか?」
「箱で悪霊を追い出するですよ。」
「なに?」
「箱に悪霊を詰めて、妙見大菩薩をお妙様に戻すんです。」
「…そんなこと出来るのか?」
「オオカミ様。僕も手伝います。」
「なに?」
「神様なら、人を信じてください。神様はそこにいて、見ていてくれればそれでいいんです。」
「……。」
「ベスト…自分のできる力を最大まで引き出すのが人間の勤めです。だとしたら、神様はそれを見ていてください。」
「…分かった。ハハソ。一緒に妙見大菩薩を救ってやろう。」
「はい。…それと、それは、大宮郷に住む人たちも同じですから。先程、自分の大宮郷と言いましたが、もうここは人間たちが自分たちの力だけで反映させています。
お諏訪様や妙見大菩薩に縋ることもありますが、本当に助けてくれるだなんて思っている人はいません。
自分で決意を固めるために神に縋るんです。だとしたら、オオカミ様はそれを受け止めてください。」
「…分かった。人の心も、決意も受け止めよう。」
僕はだんだん締まりを緩める。
しかしオオカミは箱を取り出そうとはしなかった。
オオカミと僕は先頭集団に追いつこうと走る。
僕らの周りにいた人々はもう走ってない。
「みんな!引け!ここで死んではならん!ここからは私に任せろ!」
播磨組の連絡部隊があっちこっちにいるが、その人たちが連絡してくれる。
「しかし、もう先頭集団はもう四天王に襲いかかってますよ!」
「四天王は攻撃するな!おす…妙見大菩薩も危ない。なにをされるか分からない。近づくな!」
「オオカミ様のために道を開けろ!」
「先頭集団は手を出すな!」
人々が叫ぶ。
その声は、四天王たちにも聞こえた。
「我々には攻撃しないらしいな。」
木の下を見ると人々が集まっている。
木を登ってはこないが、砂糖を見つけたアリのように集まってきている。
「…やれやれ。そういえば持国天。ところで仏教徒はなにしてるんだ?」
「ああっ?あぁ…実は、三十四ヶ所に呼びかけたんだが…広見寺での騒ぎを思いの外、知られ渡ってて、仏教の味方する人間はいないし、妙見大菩薩の言うことならまだしも、四天王の言うことなど聞くものか!……と言うことです。」
「…なら、ここでオオカミを倒すしかないな。」
「…持国天と増長天。」
「「はい。」」
「この…人々は任せました。オオカミは私が倒します。」
「「はい。」」
「妙見大菩薩!」
「おっと!…もうオオカミやってきましたよ。」
「……うっ。」
「また頭の中を何か喋ってるんですか?」
「えっ…えぇ。だけどもう大丈夫。」
「ほんじゃ、まぁ」
「後で会いましょ。」
2人はそのまま下に落ちた。
「わぁ!急に落ちてきやがった!」
「やっちまえ!」
「いや、手を出すな!」
ワー!ワー!ワー!と声がする。
2人、手を繋いで空に飛んでいる。
「妙見大菩薩!」
「オオカミ…と、前の世界に送った少年か…帰ってきたのか。」
「お妙!私の声が聞こえるか!」
「「聞こえる!早く助けて!」喋るな!喋るな!喋るな!」
「!?頭にいるんだな。すぐ助ける。待ってろ!」
「させるか!」
剣を投げる。
「わっ!」
オオカミが手を離す。
「あっ!ちょっ!」
ハハソが落ちる。
「しまった!」
すぐ手を掴みなんとか助ける。
「!?…これは驚いた。神の力が残ってないな。」
「…まずい、バレた。」
「なら、これでどう?」
妙見大菩薩は高度を取り、妙見宮に向かって飛び始めた。
「逃すか!」
オオカミは追いかける。
「うん?」
妙見大菩薩は踵を返すと、こちらに向かっている。
「チャンス!うぅ?」
いや、弓を構えている。
「まずい!」
耳の近くを空気を突き破り、矢が飛ぶ。
一本だけでない。
5本ほどいっぺんに飛んでくる。
「危ない…なぁ!」
ハハソを空に飛ばしたり、落ちているところを拾ったりしながら、なんとかオオカミは追いかける。
「空を見ろ!」
下には一般人が見ている。
「あれはオオカミだ!」
「広見寺が言ってたが、四天王をはじめ仏教を名乗っている神々は仏教じゃないらしい。」
「がんばれ!オオカミ!邪教を倒せ!」
「負けるな!俺たちがついてるぞ!」
「オオカミ様!」
「オオカミ様!」
「諸君ありがとう!しかし残念ながら、妙見大菩薩も大切な仲間になれそうなんだ!私は正しく諸君らを導ける妙見大菩薩を取り戻すぞ!」
「おー!」
「いいぞ!」
「妙見大菩薩を救え!」
妙見宮の上空。
妙見大菩薩は頭の中の自分と戦っていた。
「妙見大菩薩。やめて!あなたは大宮郷をどうしたいの?あなたについてきてた部下たちも徐々に潰すし…」うるさい!うるさい!うるさい!」
「妙見大菩薩!」
「来たな…オオカミ!」
「妙見大菩薩。私の元に来ないか?」
「なに?」
「妙見大菩薩。三峰神社から聞いたのだが、あなたは大宮郷の民から、目の神、養蚕の神として祀られているらしいな。それだったら、私と共に、大宮…」
「黙れ!ふざけたことを言うな!これは私の本心だ!大宮郷を私のものにする。その邪魔をする貴様ら邪神に…」
「……さっきみたろ?大宮郷の人々は私を応援してくれている。君はもういることが出来ないぞ。」
「…黙れ!なら……」
天に右腕をかかげる。
光が右手に集まる。
「お諏訪を葬った拳をもう一度大宮郷に…」
「オオカミ。本気で撃つぞ。あれが撃たれたら、大宮郷は滅ぶぞ。」
「わかってる。見たことないけど、分かってる。」
「箱を…」
光がお諏訪を倒した時より集まる。
「大宮郷よ。光と消えろ!」
流星拳発射。
「させるか!」
僕は、オオカミを蹴り、妙見大菩薩に向かって飛ぶ。
「こいつ!お諏訪と同じことが通じると思ってるのか!」
「思ってる訳…」
箱を開ける。
「ないだろうぉぉぉぉお!」
拳が箱にめり込む。
箱から虹色の光が妙見大菩薩を吸い込む。
「なに?」
「逃すか!」
右手で、箱を持ち、左腕を妙見大菩薩の首に巻きつける。
2人で落ちてゆく。
しかしこれでも大損害が出てしまう。
しかしその2人を背後から狙う男が1人。
「…妙見大菩薩を名乗り、人心を惑わす悪霊よ!」
箱を開ける。
お諏訪様からもらった箱を。
「箱の中に帰れ!」
ハハソの箱より強い虹色の光が2人を包む。
「にゃ!?」
耳がなくなる。
左腕が人間に戻る。
「ぐぅ…」
全力で左腕に力を込める。
ものすごく眠くなる。
すると、妙見大菩薩からなにやら黒い玉が飛び出た。
その玉は争いながらも、箱に吸い込まれた。
「ぐわっ……カジカさん…」「うっ…オオカミ…」
お妙様とハハソは力なく落ちる。
ハハソから閉じた箱が手から落ちる。
「ハハソ!お妙!」
オオカミは急降下。
お妙とハハソを小脇に抱える。
箱は落ちてゆく。
「……。」
オオカミは自分の箱を少し開ける。
「ネブッチョウ。オーサキ出ろ。」
オコジョみたいなのと、小さな蛇が出て、オオカミの頭に乗った。
そして箱を下に投げた。
「…妙見大菩薩を名乗った悪霊よ。」
項垂れてるハハソから短刀を引き抜く。
二つの箱を狙う。
「大宮郷から…」
短刀を振りかぶる。
神の力で刃がぐんぐん伸びる。
「消え去れ。」
振り下ろす。
轟音と共に箱二つが真っ二つに斬られる。
中にどす黒く、煙のような玉が入っていた。
その玉が、斬られて、割れて、消えた。
オオカミはゆっくり妙見宮に降りる。
ワー!ワー!ワー!と歓声が上がっている。
境内に播磨組。フクロウ。そして、大宮郷の民が集まっていた。
みんな、播磨組とフクロウがオオカミについて触れて回ったらしい。
みんな歓声でオオカミを迎えた。
「みんなありがとう。この2人を頼む。」
その声すら聞き取れないようであったが、すぐさま、社殿に担ぎ込まれた。
オオカミも近くに行きたかったが、どうにもならない。
人々が集まりすぎて近づけない。
しかも、みんな自分を祝福してくれるものだから、対応しないわけにいかない。
「オオカミ様。この2人はいかがしましょう?」
「うん?」
人々にしょっ引かれる感じで縄に繋がれた、持国天と増長天が連れてこられた。
「この2人か…」
「是非あの短刀でお斬りください。」
「そうだそうだ!」
「待て!もう悪霊は退治したのだ。
オオカミは持国天と増長天に近づく。
「君たちはどうしたい?」
「「なにを!?」」
ザワザワ。
「我々は、妙見大菩薩の命令にしか従わない。妙見大菩薩が死ねば、妙見大菩薩を枕に撃ち死するだけだ。」
「それはだめだよ。」
「なに?…妙見大菩薩!」
いつのまにかお妙が起きていた。
「持国天、増長天。いままでご苦労様でした。残念ですが、私は1000年前のあなたたちが洗脳しようとした前の私に戻りました。」
「………。」
「………。」
「では、あなたたちはどうしたい?」
「…我々は誰かに命令されないと動けない。ただ.」
「ただ?」
「…ここにいても大宮郷の人々とは仲良く出来る気がしないから、暇が欲しい。そうすれば、もう少し過ごしやすいところが見つかりそうだ。」
「そう。なら、増長天と持国天。」
「「はい。」」
「…私の力で、多聞天と広目天を治してあげるから、そうしたら、国に帰りなさい。」
「「はい!ありがとうございます!」」
「おぉ!…なんと見事な結末…」
「さすがお妙様。過去の恨みを水に流して、誰も傷つかない答えを導き出すとは!」
オオカミがお妙様に近づく。
「どこもおかしくないか?」
「ええ。…助けてくれてありがとう。」
「…当たり前だろう?家族なんだから。」
「へへへ…」
とても嬉しそうに笑った。
「ところでハハソは?」
「………。」
「お妙?」
「ハハソくん…少しおかしい…」
「なに?」
ぐったりしたまま、ハハソは動かない。