「ここがトレセン学園か~」
「かなり広いな、それにウマ娘もいっぱいだ」
「よく来たな二人とも」
「あ、今日はよろしくお願いします」
「お願いします」
「ああ、案内はするが大人しくしてくれよ」
前回のバーの一件からトレセン学園を見学したいと伊織と耕平が言っていると寿から連絡があり、特に大きなレースは控えていないので問題なく案内をすることになったがいささか不安である。ここの生徒は女子しかいない、おまけにアルコールやたばこは嗅覚が鋭いウマ娘にとっては害でしかなく、事前に荷物検査などは済ませているが不安である。
「一応言うが変なことはするなよ」
「大丈夫ですよ」
「ええ、問題ないです」
「そうか」
とりあえず案内をすることにして学内は一部のウマ娘は授業中なので案内することは避けてターフから案内することにした。しかしここは女子校、花の楽園である。童帝二人は大興奮だ。
「ブルマだと!絶滅したと思っていたが実在したとは」
「就職先は決まったな」
「俺が面接官なら即落とす」
「いい胸だ、凄く揺れている」
「ご、合法ロリだと!楽園は存在したのか!」
「今すぐ燃やすぞてめーら!」
欲望の塊だった、この二人を担当にだけは近づけたくない、むしろ近づけたらどうなるかわかったもんじゃない、こうなれば早急にお帰り願おう。
しかしそんな考えとは裏腹に二人には刺激が強いウマ娘がこちらに走ってきていた。
「トレーナーさーん!」
「タイキ!」
「ハウディ~でーす!」
相変わらずの大型犬タイキシャトル。見る者かまわずハグしてくるが受け止める側のことも考えて欲しい。吹き飛ばされないように耐えるのも一苦労である。
「おーうトレーナーさん、この人達は?」
「見学者だ」
「じゃあお近づきの印に!」
「あ」
「おおっ!」
伊織がタイキシャトルにハグされ、豊満な胸に顔を押しつけられていた。焦った表情をしながらも感触と匂いを堪能する北原、そして耕平にハグをすると何かを言っているが顔を胸で潰されている。おそらく息が出来ないのだろうがそのまま窒息してくれればいい
「それじゃあでーす」
「いい胸の感触だった」
「巨乳もいいな、なんともいい香り」
「おいこら、高校生相手に変な興奮をするな」
「「トレーナーとは天職だったか」」
「どこで天職を感じてんだバカ2人!」
このままだとトレーナーという職業が変な目で見られてしまうため、真面目に解説を加えながら各施設を紹介していく、トレーニングルームやプール。図書室やターフ、レースに関するのを中心に紹介した。
「スク水JCとJK」
「濡れる体操服、飛び散る汗と透ける下着」
「レースに関する知識と静かな図書室、何も起きないはずはない」
「「ターフで激しく揺れる胸!」」
「お前ら・・・・」
こいつらの想像力と妄想力にはあきれることしかできなかった。否定は出来ない部分があるのでいちいち言わないが、仮にも仕事である。真面目にやっているのだがそういうこともある。
そろそろ昼時なので食堂に向かい、混む前に各料理を注文する。学生が多く料理の種類も豊富なため選ぶのに悩むが3人とも定食を頼んで席に着いた。
「おお、凄く美味い」
「ああ、うちの食堂とは大違いだ」
「一般の学校に比べてここは栄養や味の重視が一番だからな、食べるのも勝つための基本、そして飽きられないように美味しく食べて貰うように日々工夫されているんだ」
「なるほど、食事の面でもしっかりしているんですね」
「これなら毎日でも食べたいほどだ」
「味もそうだが、特に量が凄いからな、そろそろ来るかな」
入り口の方を見るとちょうどオグリがやってきた。相変わらず一体何十人前なのか分からないほどの量を注文しこちらにやってくる。
「トレーナー、この2人は?」
「ああ、見学者」
「そうか、オグリキャップだよろしく頼む、ここの料理は最高だ。味もそうだが量が多い、たくさん食べてくれ」
「「あ、はい」」
「普通はそういう反応だ」
あの華奢な身体のどこに入るんだと言うほどの量がテーブルに運ばれてくる。流石に驚愕を隠せない2人は食べ始めから食べ終わるまでずっと見ていた。
「どうなってるんだ」
「ウマ娘ってこんなに喰うのか」
「怪物だな、食いっぷりが」
「けど綺麗な食べ方だ、でも明らかに食べすぎじゃあ」
「いつもこんな感じだから気にするな、見た目に反して消化速度とエネルギーへの変化速度が尋常じゃないだけだ」
「「それなんて生き物」」
「?」
何度もおかわりをしながらようやく満腹になったのか、大きくなったお腹を撫でながら満足そうな表情をする。そして次はデザートを取ってきたので流石に「まだ喰うのかよ!」と2人はツッコンだ。オグリキャップのインパクトが強すぎたせいでウマ娘は大食いというイメージが2人にはついたが、周りを見渡すと普通な量を食べるものもいれば小食な者もいる。
放課後になりチームの練習を見せることにした。やることは基本的に併走トレーニングではあるが、本来の脚質以外の走りもさせている。武器を増やす意味もあるが、それぞれの脚質の利点を再認識させ、本来の脚質の際にどのタイミングで仕掛けさせるかを実践的に行わせるためである。
「苦手な走りをさせることはあまり意味はないが、実際に知っているのと知らないのでは大いに違う。意外にもちょっとしたことが本番で役に立つことがある」
「なるほど」
「さっぱりわからん」
「お前らに説明した俺がバカだったよ」
実際にウマ娘の本気の走りを見せてはいるが、バカ2人は別のところばっかり見ている。具体的には胸とか尻とか、トレーナーとして以前に男として気持ちは分からなくもないがやっていいことではない。
「あまり見過ぎるなよ、女ってのは男の視線に敏感だ」
「知っていますが」
「吸い寄せられるんですよ」
「「特にあのお姉さん系の人!」」
「ああ、エアグルーヴか」
確かに綺麗ではあるし、魅力的ではある。けど実際は母親的な感じがするウマ娘だ。しっかりしているし周りからの評価も高い。雑誌では嫁にしたいランキング上位を毎月独占している。
「真面目な話、トレーナーは全員がしっかりしている感じですか?」
「耕平の言うとおり、しっかりはしている。けどトレーナーも人間だミスをすることはあるが、担当の体調管理や些細なことでも見逃さないように気をつけている」
「なるほど、つまり合法的にいろいろ観察できると」
「つまりむっつりスケベの集団と」
「俺結構真面目に答えたよな、今すぐ燃やすぞお前ら」
「「す、すみません」」
「トレーナーといってもおかしな奴もいるが、ほとんどがおかしくなる」
「例えば?」
指さした方を見る耕平と伊織、その先には全身が光っているトレーナーがいた。また別のところでは担当ウマ娘の着ぐるみで人形を配っているトレーナー、おしゃぶりは咥え、担当にあやされているトレーナー、弟扱いされているトレーナー、過呼吸になっているトレーナーがいた。
「「な、なんなんだあの人たちは!!」」
「あれがトレセン学園に入ったトレーナーの一部末路だ」
一番の拷問はでちゅね遊びだろうが、毎回家の天井壊したりドア壊したりする奴より遙かにマシに思えてしまうときがある。トレーナーという職業はモテるのかなど聞かれるが、実際モテる。だけど同業者や理解がある人がパートナーでない限り上手くいくことはない、毎日のほとんどの時間をウマ娘に費やすのだ。自然とパートナーとの時間も短くなる。だからこそ卒業後に付き合ったり、結婚したりする人もいるが、大半は喰われてゴールインすることが多い。
婚活会場と呼ばれるわけである。不本意ではあるが、否定が出来ない事実でもある。
「トレーナー、この2人は?」
「ああ、見学者」
「伊織です」
「耕平です」
「見学者ということはトレーナーを目指している者か」
「いや、興味だけで来た感じだな」
「そうか、だが志を同じくして持つ者もいる。いつかトレーナーになりたいと思ったときこの光景を思い浮かべてやってきてほしい」
「「は、はい」」
「絶対トレーナーにはさせないがな」
夕方になり下校する者が増え始めた。見学の時間もこれでおしまいということで2人を見送る。意外にも途中から真剣に話を聞いたり質問してきたりするので2人とも根はしっかりしていると改めて感じたがそれを上回る性欲を感じた。
「今日はありがとうございました」
「とてもいい一日を過ごせました」
「そうかい、トレーナーはおすすめしないぞ」
「ずっとトレーナーになること反対するじゃないですか」
「やましい気持ちはありましたが今は違います」
「ほう、トレーナーは試験が難しいぞ大手企業を受けるレベルだぞ」
「「やはりトレーナーは諦めるか」」
「よし、今のでお前らが凄いバカってのがわかった」
二人を見送って帰ろうとしたがものすごい早さで車がやってきて、わずか0.25秒で男2人にぐるぐる巻きにされガムテープで口を塞がれ拉致された。目の前で犯罪が起ったがなぜか伊織だけ連れて行かれた。
「何が起った」
「すみません。大学の同期です」
「お前らってなんなの?」
「今日はありがとうございました。ちょっと探してきます」
「あ、ああ」
殺伐としてる友達だなと考えながら帰った。次の日ある噂を聞いた。走行中の車から飛び出す男、そしてケンカなのか戦いあってる4人がいたとかなんとか、この噂を聞いてなんとなく2人と昨日の車のことを思い出した。改めて平和っていいなと思った。
来週は皐月賞、末になればいよいよ天皇賞春楽しみです。