ウマ常   作:バイク

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いつか、男を見せるときがある


料理教室

 

 

 日頃トレーニングなどでお世話になっているトレーナーに感謝の意味も込めて何かお礼したいと思うウマ娘が料理などはどうかと考え家庭科室に集まった。講師として立つのはヒシアマゾンとスーパークリークの2人、どちらも料理上手であり、頼れる存在でもある。1人に関しては発作さえなければの話である。

 

 

 

「おう、それじゃあ今日は肉じゃがを作っていくよ!」

 

 

 

「材料は各テーブルにありますので皆さん一緒に作っていきましょう~」

 

 

 

 2人の指導の下、参加したウマ娘は皆同じように下ごしらえから調理に入っていく、料理となれば1人1人が違う味になることもあるが、そこに関しては基本的に作っていくため味はほとんど変わらないであろう。

 

 

 

 しいて言うなら具材の形や大きさなどくらい、しかし担当が一生懸命になって作ってくれた料理はトレーナーなら喜んで平らげるだろう。調理する中にはカレンチャンの姿もあり、お兄ちゃんの胃袋を掴むため参加したそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「う~ん、形があまり可愛くない~」

 

 

 

「大丈夫ですよ~最初の内はみんな一緒です。なにより愛情さえ入っていれば大丈夫です」

 

 

 

「クリークさん、そうだね!」

 

 

 

「よーし、後はそのまましっかり味を染みこませるため煮込む、できあがったら盛り付けて完成だ!」

 

 

 

 しっかりと味を染みこませるため時間をかけて煮込む、煮込むことで形が多少崩れるのもあるが、味がしっかりすれば問題ないであろう。続々とできあがっていくなか、カレンチャンも出来たようで、皿に盛り付ける。

 

 

 

 その瞬間、クリークとヒシアマゾンは固まった。全員同じ材料で、同じように作ったのに、カレンチャンの出来た肉じゃがはダークマターになっていたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちょっと待ちな!何がどうなってるんだ?」

 

 

 

「あらあら~、真っ黒」

 

 

 

「また失敗した~、なんでだろう」

 

 

 

「いやいや失敗とかのレベルじゃないよこれ!」

 

 

 

 カレンチャン以外は全員綺麗に出来ているが、カレンチャンだけ真っ黒の炭のようなダークマターができあがっていた。何故だと考える2人、しかし特に自己流で作っているわけでもなく、同じ材料と同じやり方同じ時間で作っているのに何故こうなったのか理解ができなかった。

 

 

 

 カレンチャンいわく料理を作るたびに真っ黒になるらしい。料理によって全てが真っ黒になるわけではないが、カレーなどは野菜がまるごとなど肉が焼けてないなど、違う問題もあふれ、料理のセンスは壊滅的であった。

 

 

 

 日頃から可愛いを追い求めてる割には料理のセンスは可愛いレベルではない一面が見られてしまった一同であった。しかしそのギャップもまた可愛い、そう思うファンもいるだろう。しかし思い出して欲しいこの料理を食べる相手のことを、そうトレーナーであることを忘れないで欲しい。

 

 

 

 胃袋を掴むどころか掴むことすら出来ない、深い衝撃を喰らわしてしまう可能性がある。けれどあまりストレートに言うとショックを受けるかもしれない。なんとかしてオブラートに包みながらもう一度調理することを勧め、もう一度同じように作り始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・」

 

 

 

「・・・・・・・・」

 

 

 

「・・・・・・・」

 

 

 

「・・・どうしてだろうね」

 

 

 

「どうしてですかね」

 

 

 

「また真っ黒」

 

 

 

「・・・・いや、見た目は些細なことだ、味だよ味!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 見た目は関係ないと自分に納得させながら一口、食べた瞬間膝から崩れ落ちたヒシアマゾン、一瞬で意識を刈り取れたこの料理はもはや兵器であった。クリークも味を確かめたが立ったまま意識を持って行かれた。

 

 

 

 途中何かが呼んでいたが意識を引き戻し現実に返ってきた。2人の姿を見てカレンチャンは少し落ち込んだ様子を見せた。フォローに何人かが入るが、カレンチャンは大丈夫といい振る舞った。

 

 

 

 しかしこれではトレーナーに食べさせることが出来ない、それどこか2人の間に亀裂が入るかもしれない。どうすればいいのか悩んでいるが解決方法が見つからない。それどころか過去に何度か手料理を振る舞っていたことも知りさらにどうすればいいのか悩んだ。

 

 

 

「カレンいるー?」

 

 

 

「お、お兄ちゃん!」

 

 

 

「「!!」」

 

 

 

 最悪なタイミングでトレーナーが現れたためすぐに料理を隠すことは出来ず、カレンチャンのトレーナーは真っ黒のダークマターに気がついてしまった。なんとなく察したのか優しい表情でカレンチャンに近づき頭を撫でる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えへへ、また失敗しちゃった」

 

 

 

「頑張ってるんだな流石カレン!」

 

 

 

「えへへそうでしょう」

 

 

 

「ちょうどお腹減ってたし食べてもいい?」

 

 

 

「え?でも」

 

 

 

「頂きます」

 

 

 

 肉じゃがとは思えないようなダークマターを気にせず食すお兄ちゃん。明らかに肉じゃがからはしないようなゴリなどバキッなどの音がする。周りもどんな歯ごたえの肉じゃがだと思っているが決して口に出さなかった。

 

 

 

 それ以上に美味しそうに食べているお兄ちゃんことカレンチャンのトレーナーに男としての最高の姿を見せて貰っている事への敬意を祓っていた。心の中で全員が敬礼していたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ご馳走様、ちょっと喉渇いたから飲み物買ってくるね、美味しかったよカレン」

 

 

 

「お、お兄ちゃん」

 

 

 

「お邪魔しました~」

 

 

 

「良かったですねカレンチャン、もう一度頑張りましょうか」

 

 

 

「うん」

 

 

 

 オトコマエ!オトコマエだよトレーナーさん!!!!!

 

 

 

 カレンチャンのトレーナーの評価はウナギ登りした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 飲み物を買いに行ったカレトレは途中の廊下で力尽きて倒れた。

 

 

 

「カレトレ!おい救急車!」

 

 

 

「傑、あとは頼む」

 

 

 

「何をだ!」

 

 




男前なカレトレ、勝手にダークマター生成器にしちゃったけど大丈夫かな?怒られないかな?
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