平和であるトレセン学園、毎日が学生の楽しそうな声で過ごせる日々、各トレーナー達も担当のチーム、ウマ娘達とレースに向けて会議や練習の日々、しかし平和とは突如として壊れるものだ。
「聞いたか?」
「はい」
「帰って来るんだとさ」
「そうっすね」
「帰ってこなければいいのにな~って思ってしまう」
「また波乱の日々ですね」
「もうやだ」
「「先輩が帰って来る」」
そんな話をしていると外からというか廊下から騒がしい足音が聞こえてくる。懐かしいこの感じ、絶望を運んでくる死神の足音、もう逃げられないことを示していた。
覚悟を決め、後輩であるライストレと扉を見る。
「ただいま!肉〇〇器達よ!」
「お帰りです蜻蛉先輩」
「お疲れ様です」
「ふははははは、元気そうで何より」
「相変わらず元気そうで何よりです先輩」
「うむ、そうだお土産があるから貴様等にもやろう、担当の分もあるぞ」
お土産というワードで一気に冷や汗が流れた。
「さて生徒会室に行くぞ」
「待ってください!お土産はいりません!」
「気持ちだけで十分ですよ」
「なーに、遠慮するな、すでに理事長達にも渡してある」
あかん、既に手遅れだ。この人を止めれるのはただ一人なんだが、恐らく駄目だったんだろう。いったい何を渡されたんだ、たづなさん。
渋々と生徒会室に向かう三人、心の中でルドルフにすまないと思いながら重い足取りで向かう。すれ違うたびに怯えたり、不審者を見る眼で見られる蜻蛉トレーナー、謎の目元を隠すマスクにマント、トレーナーというよりただのコスプレイヤーにしか見えない。
ついについてしまった。生徒会室、案の定トレーナー室に訪れた時と同じように入る。書類整理をしていたのか、驚いているルドルフ、エアグルーヴ、ブライアン。
「ふははははは相変わらずしかめっ面で仕事をしているようだなシンボリルドルフ」
「あ、ああ、蜻蛉トレーナー、帰ってきていたのか」
「貴様!ちゃんとノックをしてから入室しろ!」
「……………あれに注意するだけ無駄だ」
「さて、奴隷ども、貴様等に土産をやろう」
「「あ~」」
「さて、ライストレ、貴様にはアイアンメイデン!」
「なぁ!」
「貴様には荒縄!」
「誰を縛れと?」
「ルドルフには鞭だ!」
「鞭か、あいにくそういう趣味は持っていないのだが」
「エアグルーヴにはボールギャグ!」
「たわけが!そんなもんいらん!」
「ブライアンには△木馬!」
「いらん」
「あんた海外に行ってたんだろ、何を買ってきてるんだ!」
「なーに、向こうでも調教しがいのあるウマ娘が多くいたからな~、そのついでだ」
「あんた本当に何してんだ」
こんな感じのくせに重賞ウマ娘とか、ダービーとかいろんなレースを勝ち取らせているチームトレーナー、こんなんじゃなければ素直に尊敬できるのに、実績に半比例してただの変態だ。
「相変わらずのようだが、向こうでの活躍は耳にしている。多少嫌な噂もだがな」
「私も噂は聞いているぞ、シンボリルドルフ、無敗で三冠を取ったらしいな」
「ああ、だいぶ前のことではあるがな」
「私は結構貴様を気に入っているぞ、絶対なる皇帝シンボリルドルフ、数多くのウマ娘を這いつくばせ玉座に座るウマ娘だと」
「ちょっと待ってくれないか、どんな噂だそれは」
「一見Sを装っているが私の目にはⅯの才能が見えるぞ~」
「貴様!会長になんてことを!」
「相変わらずだな変態トレーナー」
「私はS!相性はバッチリだな、ちなみに」
なぜかこちらに指を向ける
「お前もSだな、しかも表に出さない分さらにねちっこい、あらゆる欲望を抱いている」
いや、知らんよ
「人のことを貴様の言葉で語るな!」
「私のザ・ワールドではない、人は必ずSかⅯに分かれているのだ。私は一目見ただけでそれを見分けることができる~」
「はい、ライストレはM!」
「いや、なんでそうなるんですか!」
「担当である教え子にお兄様呼びをさせて気持ち良くなっているから」
「なってませんから!」
「ブライアンはS!己の我儘をつき通すからな~、しかしどこかしらMの素質が見える」
「……………言いたいことはそれだけか」
「エアグルーヴは一見Sを装っているがその実態はドM、強気な態度で普段はいるだろうが、気を許した相手にはとことん甘え、めちゃくちゃにされてもいいと思っているはずだ」
「なっ!ふざけるな!誰がドMだ!いい加減にしろ」
「ちなみに理事長はM、たづなは超ドS、さっき渡した先が四角いムチを渡したら目を輝かせていたぞ、おそらくこれから」
「理解したくないし、聞きたくない」
「つれないな~」
「さっさと帰りますよ、ただでさえあんたのチームメンバーが待っているのに」
「む、そうだったな~ 放置プ○イをしたままだったな」
「さっさと行け、このたわけども」
生徒会室を後にして蜻蛉トレーナーの担当メンバーの元に向かった。向かったのはいいがこの後カオスになるとはまだ誰も予想できなかった。
「帰ってきたぞ!」
「あ、おかえりなさいトレーナー!」
「ふむ、私がいない間、特に問題はなかったようだな」
「お疲れ様です蜻蛉トレーナー」
「ふむ、サブトレとして問題なく出来ているようだな」
「はい、問題なく」
「ふはははよいぞよいぞ~他の娘たちはどうした?」
「本日は休みとなっています。ハードな練習が続いたりレースに出場したりなど疲労がたまっていますので」
「そうかそうか、そろそろ貴様もサブトレから卒業する頃合いだな~」
「ご冗談を、私などまだまだです」
いや、あんたはそろそろ本当にサブ卒業した方がいいよ双熾さん、長いことこの人のところでサブトレしてるけど、普通に担当持っても問題ないよ?
「さて、明日からは我がチーム全員で模擬レースを行う、申請だけ頼むぞ」
「かしこまりました」
「あ、完全に忘れていた。そういえば面白いやつを連れてきているのだった」
「面白いやつですか?」
もういやな予感でしかない、面白いやつ?あれか、ゴルシ的なポジションのやつか?あんまり変なの連れてこないでくれよ、葦毛大好きやろうとか、ゲートで20分くらい暴れるやつとか、練習はサボってレースのこととか覚える気ないとか?
「おそらくどこかにいるはずなんだが~・・・・・お、いたいた」
いたと言われた方を向くとそこには奇妙な人と、人ならざる生き物がいた。むしろ人の方も何というか癖が強く、人ならざる生き物はもはや化け物である。やはり蜻蛉先輩が連れてきた人は普通じゃなかった。
「YO そこの道行く兄ちゃん♪姉ちゃん♪」
「この時代突き進むスタイル 確立 独立♪」
「時代の反響♪ 一人の絶叫♪」
「この亀社会に生まれた俺たち若者♪ それでも耐え抜く俺のスピリット デメリット♪」
「これって友情?愛情?亀参上? EYAーー♪」
うわ~なんかとてつもなく変なのが来た~、想像以上にやばい、ゴルシ以上かもしれない!
「この矛盾の中で生きてる俺たち苛立ち♪」
「許せなくやるせなく亀助け人生♪」
「さあ立ち上がるなら今♪」
「道進むなら今♪」
「これって純情?正常?亀参上?EYAーー♪」
うわ、なんか持ってたバケツ投げた!投げたバケツが三女神の噴水のところに!おいおいマジで何してんだよしかもなんか亀入ってたし
「理不尽な貴婦人なエンジンな状態全開♪
「なんで亀ラップなの?なんで亀ラップなの?」
「なんでかな~~?」
「なんでだろーー♪」
「それはね?」
「それは?」
「それはね?」
「それは?」
「メケメケメケメケメケ メケメケメケメケメケ メケメケメケメケメケ
メケメケメケメケメケ メケメケメケメケメケ メケメケメケメケメケ」
「んーーーーーーーー」
「マジでーーーーーー」
「んーーーーーーーー」
「マジでーーーーーー」
いや、なにがマジで?
「うそうそうそうそ うそうそうそうそ 本当はね本当はね」
「本当・・・は?本当・・・は?」
「ニョーーーー ニョーーーー」
「・・・・・・・・・コペポーーン」
アフロが割れて開いた!!!そしてなんか変なのがいる!!
「ニョーーーー ニョーーーー」
「鬼は外!!!」
アフロの中にいた変な生き物をどこかに投げる変な生き物
「あーーー!?」
「くるくるりーん」
「プププププププププププ」
「あ!ビビビビビビビビビビ
口からちっさいお相撲さんが飛び出たーー!!そんで変な生き物に攻撃した!!
「ミラクル痛いっちゃ」
「もあー もあー」
「はっちゃけろ~~ はっちゃけろ~~」
「もあ・・・もあ・・・もあ・・・もあ・・・もあっぷ! スキあり!!!!!」
「イヤアアアああアア!!!!」
誰得だよ、変な生き物のスカートめくるって、それなら普通のこの方が何百倍もましだ。
「ちゅちゅちゅ ちゅちゅちゅ スケベ発見 スケベ発見」
「このへんにスケベが来なかったでちゅか?」
「来なかったでちゅ!」
「ボーーーー ボーーーー ボーーーー」
「ありがとうっす!!! 自信出るっす!!!」
「ボーーーー んぐっ!?」
突如光り出し軽い爆発を起こす生き物、壊れたガラクタみたいになった。そして右目から小さい同じ生き物がおひらきと掲げている。
「やっだもーん☆ やっだもーん☆」
「ん~~~~しょうがない子ねーーー」
「じゃ、最後までつきあってあげるっちゃ 特別っちゃよ!」
「うれしいでございまーす! うれしいでございまーす!」
「パラレルやっちゃってー!!!! パラレルやっちゃってー!!!! パラレルやっちゃってー!!!!」
「・・・以上!」
「以上じゃねーーー!!無駄に長いし意味分からんし、そもそも誰だ、なんだその生き物全身トゲだらけのオレンジの生き物!なんだよ亀ラップって、あんた本当になんてやつ連れてきたんだバカ先輩!」
「おーおー、長いツッコミだなSだな」
「いっかいあんたぶん殴ってもいいか?」
本気でその顔に拳を打ち込みたいが怒りをなんとか抑える。常識に捕らわれてはいけない、もうそんな生き物と割り切れ!
「先輩、もうなんかわけがわからないよ~」
「おまえもそっちに行かないでくれ、ツッコミが追いつかない」
「ふむ、あともう一匹いたのだがどこに消えた?」
「・・・・・まだいるのか」
「とりあえず探しに行くか~」
「ならば食堂だな、そこにいる可能性が一番高い」
「よし行くぞおまえら!」
「なんでおまえらが仕切ってんだ!」
とりあえず向かった食堂、普段なら利用する学生でウマ娘が多く賑やかであるはずだが、妙な感じがした。妙な感じがする原因はある一点のスペースであった。そこにいたのはスペシャルウィーク、スペだ。いつものように食事制限がない限りたくさん食べる大食い娘なのだが、珍しく箸が止まっている。
箸が止まっているからこの人だかりなのか?スペシャルウィークのところに向かうと大きな皿があり、巨大なところてんがあった。
「スペどうした?」
「あ、トレーナーさん」
「何というか珍しいな、ところてん嫌いなのか?」
「あ、いや、嫌いって訳じゃないんですけど・・・その」
「ん?どうしたんだ?」
歯切れが悪いスペシャルウィーク、食べたいと言うより食べにくい事情があるように見える。
「お嬢さん、いつになったら食べてくれるんだい?」
「うお!ところてんが喋った!」
「ところてん嫌いっていうより、喋るので食べにくいんです」
「いや、普通は喋らないよ!絶対食うなこのところてん」
皿の上にあったところてんは喋り動き出した。全身をプルプルとさせながら皿の上であぐらをかく、目の前にいるこの地球外生命体、動くところてんに脳が正常に処理しきれなかった。
「やはりここにいたか天の助」
「ボーボボ、ここなら俺を食べてくれると思ってな」
「最期の地を見つけたか」
「ああ、ここが最果ての地、目の前に俺を食べてくれそうな美少女がいる。食べられるなら本望だ」
「天の助、本当にいいのか?」
「首領パッチ・・・いいんだ」
「あいにくうちのスペに食わせるわけにはいかねーな」
「なぜだ!食われたくても食べてもらえないやつもいる世界!悲願が叶うというこの瞬間!なぜ阻止する!」
「賞味期限と消費期限!」
「な!?」
よろよろと後ずさり項垂れる天の助と呼ばれるところてん、否定できないと涙を流す姿を見て少し罪悪感が芽生えるが、体調管理はトレーナーとして絶対崩さすわけにはいかない、悪いが野良猫とか野良犬に食べられるか燃やされてくれ
「過去、ガムに負けてるんだよ・・・犬にすら食べられなかった」
「・・・・・・なんかごめん」
ボーボボと首領パッチに慰められる天の助、悔しそうにしている天の助、オロオロしているスペ、まだまだどうなるか予想がつかなかった。
分かる人には分かるキャラ、2作品のキャラが登場しています。まだまだ続きます。