これは多くのファンを獲得するまでのスマートファルコの最初の握手会である。
「スマートファルコンさんの初握手会、僭越ながらデジたんボランティアで警備させていただきます!」
「お待たせー!ファルコの握手会にようこそ!」
「ファルコンさんよろしくお願いします!」
「よろしくねデジタルちゃん!」
ひょええええと叫びながらも河川敷でしっかりと意識を保ちながら警備をするデジタルはまさにオタクの鏡だろう。握手会とあってどれだけの人が来るのか想像できなかったが、いるのは男の人1人のみ
「いやー、ちょっと寝不足で新しい歌の歌詞を考えていたら、えへへ」
「新曲!是非とも完成しましたら披露を何卒!」
「うん、待っててね」
「ありがとうございます!それでは早速握手会の方を初めて行こうと思います!」
こちらでーすどうぞの一言で男の人が前にやってくる。
「ふんっ!」
「あ、いつもファルコのライブを聴きに来てくれる人だ!お久しぶりです!」
「お久しぶりですね!あえてここは敬語を使わせていただきますよ!これから始まるパーティーの序章に過ぎないのだからね」
「時間です」
デジタルによってその場から遠ざけられる男、これが後のトレーナーと言うことはまだ知らない
「え、滅茶苦茶凄い人来たんですけど、それにいるのあの人だけだし」
「ふんっ!また来ましたよ!」
「お久しぶりです」
「少し見ないうちに髪が伸びたんじゃないですか?」
「やだ~やめてよ~」
「なんて冗談を挟む昼下がりのティータイム」
「時間でーす」
再びその場から話される未来のトレーナー、なんとも言えない表情のデジタルはあの人しかいないことで、握手を全然しないことに疑問を感じていた。
「すみませーんちょっと休憩貰ってもいいですか?」
「あ、どうぞ」
そういってからポケットからナニかを取り出すファルコ、それは一見電子たばこのように見えるがただのアロマのやつである。
「え、ファルコさんそれって」
「あ、これはただのアロマの香りがする水蒸気のやつだよ、お気に入りの香りで好きなんだ」
「おっふ耐えろデジタル、つまり普段から良い香りをしている正体があれで今まで私はファルコさんの口から出た香りを嗅いでいただと!!んんっつううう!!!!」
あまりの衝撃に気絶しかけるが、なんとか耐えたデジタル。まだ始まったばかりここで倒れてはオタクの名に恥じる。気合いと根性で耐えるデジタルは後ろに人が来ていたことに気がつくのが遅れた。
「ふん!あ、すみません」
「あ、すみません」
背中を向けるトレーナー、その間に急いで状況をファルコに伝える。
「ファルコンさん対応お願いします。あ、輪っかは作らなくていいです。それ本当に大丈夫なんですか!」
「あ、ごめんなさい」
すぐに再開するが少々気まずい空間と時間が出来る。遠くに指を指しながらナニかを探すふりをしつつ何事もなかったように戻るファン一号
そのままナニかを探すようにファルコ周りなどを見ながらポケットからビニール袋を取り出した。そのままビニール袋をばっさばっささせながらファルコの近くを袋で空気を集めるようにして振り回した。何回か振り回して袋の入り口をしっかり掴みそれを頭の上までの高さに持ち上げた。
「いただきましたよぉ!!!!!!」
「はい、時間でーす」
手に入れた戦利品を高らかにあげながらその場から一度去って行くトレーナー、その光景に流石のデジタルも驚きを隠せなかった。
「ええ、あの人ファルコさんが吐いた煙持ち帰るって、凄い執念を感じます。ってまたですか!滅茶苦茶来るじゃないですか!」
「滅茶苦茶来ますよ!」
「あ、聞こえてた」
「私1人ですからね!」
「ファン一号さん、これは握手会だよ、握手しましょう?」
「そう簡単に私と握手できると思うなよ!」
「そんなこと言わずに、はい!」
「ふんっ!はっ!みんなで行こう有馬記念!」
「時間です」
「ふんっ!はっ!やぁぁぁぁ!!!」
「やああああじゃなくて」
「えやあああああああああ!!!!!」
「えやあああああじゃなくてw」
一体どんな生物に乗って移動する真似をしているのか、本当にクセが凄すぎて流石のデジタルも引き気味である。
「ほんと握手会ってこんな感じでしたっけ」
「こんな感じですよ」
「逃げ切り~逃げ切り~」
「ああ、新曲ですね!」
歌いながら新曲をしっかり聴くファン一号、途中で合いの手のごとく振られるがすぐに対応する。
「逃げ切るなんて訳分かランボルギーニ!!」
「時間です」
「ふふふふんっ!」
「いや、今時ギアチェンジなんて分かる人いませんよマルゼンスキーさんくらいですよ」
エアランボルギーニをギアチェンジしながら帰って行くファン一号であった。余談ではあるがこの件を新刊にしてコミケに出したところ結構売れたためネタの宝庫の一つとして重宝しているとか
改めてこんなファン一号、トレーナーは嫌だなクセが強すぎる