ウマ常   作:バイク

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今回はカフェトレがメインのお話です。


結んではいけない

 

 スイープトウショウの一件から時間が経ち、あの時のような問題が起きることはなくなった。普段学園にいる奇妙な怪異とは違う妖怪、悪意に満ちている者もいれば特に何かしてくることはない妖怪もいる。

 

 

 

 もうあのようなことはごめんであるが悪意のある怪異とかであればマンハッタンカフェのお友達とそのお友達達とその下部達が追い払ってくれる。お友達を筆頭に構成されたよくわからない払い屋チームはどこでも大活躍である。

 

 

 

 放課後のトレセン学園カフェトレとタキトレは地学教室に段ボールに入った道具などを運んでいた。授業で使う道具を運び終えると黒板に落書きが書かれていることに気がついた。

 

 

 

「タキトレさん、黒板の落書き消しときます?」

 

 

 

「落書き?なんも書いてないけど?」

 

 

 

「え?」

 

 

 

「怪奇現象に巻き込まれすぎでカフェトレ君、もしや幻覚が!お薬飲む?」

 

 

 

「しれっと実験台にしないでください」

 

 

 

「バレたか、タキオンの新薬に付き合わないといけないから先戻るぞ」

 

 

 

 教室から出て行きカフェトレは1人残る形になった。そのまま黒板に近づき足下に落ちている折れたチョークに気がつきもう一度黒板に視線を向けた。綺麗な文字ではないが一つ一つ解読するように声に出して読んでいく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「た、す、け、て、つ、れて?」

 

 

 

 ふとドア越しに誰かに見られている気配がした。急いでドアを開け廊下を見渡すが誰もいなかった。

 

 

 

「トレーナーさん?」

 

 

 

 カフェトレとカフェはベンチに座りながら先ほどまでの経緯を話していた。

 

 

 

「そうですか地学教室に……誰にも見えないものが見えてしまうのは大変ですね」

 

 

 

「カフェと同じだね」

 

 

 

「そうですね、それと実は寮にも妖怪が現れたんです」

 

 

 

「へ~え?ちょっと待ってカフェ!カフェは妖怪は見えないんでしょ?」

 

 

 

「はい、ですが一週間前くらいから寮の中で気配を感じましてお友達のような存在とはまた違う、なにかが感じました。寮の中を駆け回る転んだような音がしたり、そのうち夢にまで声が聞こえる、誰かを探すような必死な声が」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 必死な声、それは助けを求めるような声だったらしい。うかつなことはしたくありませんがスイープさんの時と同じような、何かしらの問題があると思ってあの陣を使いました。スイープさんから借りた本にあった妖怪が見える陣

 

 

 

 処分されていなかったあの本が再び使われるとは想像していなかった。てっきり厳重に保管されていると……魔法使いの道具として自分の部屋に置いてあるんだ。

 

 

 

 スイープさんに借りた本の陣を紙に書き写し部屋で使ってみたところ妖怪が現れました。

 

 

 

「小娘、私が見えるのか」

 

 

 

 声を聞いて陣を見たとき足下だけ見ていましたのでそれだけでも大きいと感じました。近くにお友達もいましたがびっくりしていまして2人で落ち着けと心の中で言い合っていました。

 

 

 

「もし私の声が聞こえるのなら助けて欲しい」

 

 

 

 驚いて顔を上げるともじゃもじゃの妖怪がいました

 

 

 

「ビワハヤヒデじゃなくて?」

 

 

 

「怒られますよもじゃもじゃ感は似ていますけど、話がそれましたね」

 

 

 

「すまん人の子よ、脅かす気は無い、近道をしようとしたのだがこの寮から出られなくなってしまった」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 恐らくお友達やマチカネフクキタルのトレーナーが術や札で悪意ある者などから守るために施した札などが原因だろう。お友達と調べ上げてルートを見つけ無事に返してあげたと、良いことではないか

 

 

 

「ちゃんと出られたようで入り口のところに花の枝が置かれていました」

 

 

 

「そうか」

 

 

 

 少なくとも悪意ある者ではなくってよかった。カフェは異形との交流を問題はしていないそうで良かった。

 

 

 

「お友達はまだ気配がすると言うんです何かがまだいるような」

 

 

 

「何かが先輩とかに相談……先生?」

 

 

 

「おいこの缶詰を開けろ~」

 

 

 

 缶詰を頭に乗せながらやってきた猫、普段は猫の姿をしているが立派な妖怪である。その後カフェと別れてからトレーナー室で缶詰を開けて食べさせていると先ほどの話をしていた。

 

 

 

「そういえば先ほどあの小娘から妖怪の匂いがしたぞ」

 

 

 

「ええ、陣で妖怪を助けてやったらしいです」

 

 

 

「ふ~んどうだかな?」

 

 

 

「え、先生?」

 

 

 

「あれはまだ新しい匂いだった。そいつはまだ出て行っていないんじゃないのか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それが本当だとしたらカフェが危ない、カフェだけではなく全体的に寮のウマ娘が危ない。すぐに先生と一緒にカフェのいる寮へと向かう。本来立ち入り禁止だが事情が事情な為特別に入ることが出来た。

 

 

 

 ロビーで事の詳細を話すと二階から物音が聞こえたので早速行動することにした。他のウマ娘はまだ帰ってきていないようなので早めに終わらせることにする。

 

 

 

 廊下から見張っていると一匹のネズミのような生き物が走って行く姿を見た。すぐに先生は姿を変え捕まえに行くが噛まれたりして逃してしまった。しかし逃げた先がこちらだったのでそのまま捕まえてロビーに戻り話を聞くことにした。

 

 

 

「……ここにいるのですか?」

 

 

 

「あ、こっちだよカフェそれでここで何してるんだ?」

 

 

 

「私はごらんのとおり旅兎、友人と2人で喰っては寝喰っては寝の旅をしていたのだ」

 

 

 

「え、兎なのか?ネズミに見えるぞ?」

 

 

 

「アホめ無知め、ネズミか兎かは尻尾を見れば分かるだろが!」

 

 

 

「あ、可愛い」

 

 

 

 着ている服を少したくし上げ尻尾を見せてくれる兎の妖怪、丸いボンボンのような尻尾、確かにネズミの尻尾とは違う形だ。

 

 

 

 

 

 

「え、何が可愛いのですか?」

 

 

 

「ああこの妖怪はネズミじゃなくて兎って事」

 

 

 

「えーい集中して聴かぬか人の子よ!その友人とこのあたりを通った時デカイもさもさの妖怪が入っていくのが見えた。見えぬ壁や曲がれぬ廊下などでとうとう友人とはぐれてしまった。それからずっと友を探し続けておるのじゃ」

 

 

 

 カフェが夢で聞いた誰かを探すような声はこのあやかしの方か

 

 

 

「友達の方はどんなあやかしなんだ?」

 

 

 

「私と同じ旅兎だ」

 

 

 

 つまりこの寮にもさあやかし兎一組が入って迷子になったってことか旅兎は友人を見つけたらすぐに出て行くとのこと、術のこと含めあまり人間のことは好きではないらしい

 

 

 

「トレーナーさん?妖怪さんはなんと仰ったんですか?」

 

 

 

「ああ、友達を見つけたらすぐに出て行くってさ」

 

 

 

 それにしても学園にいたあいつは一体?

 

 

 

「そのもさあやかしは?」

 

 

 

「時々戻ってきておる。ちょうどそこの窓のところから中をのぞいてる」

 

 

 

 示された場所を見ると一つの窓があり、そこには花瓶に入った花の枝が飾られていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「梅の花?こんな季節に?」

 

 

 

「ええ、あれが置かれていたものです。飾っています」

 

 

 

 花の枝を見ながら綺麗だなと思い、出会えた証として気に入っているのだろう。花のにおいを嗅いでいるカフェの窓の近くに大きな影が映った。

 

 

 

 慌ててその場から引き離し正体を確かめるべく外に出た。外に出てすぐに確認しに行くと恐らく外に出ることが出来たもさあやかし、妖怪だろう。

 

 

 

「お前はカフェに外に出して貰った妖怪か」

 

 

 

 質問に答える気は無いのかそのまま背を向けてどこかに向かい始めた。慌てて捕まえに行き何故まだいるのか、黒板のことを含めて問いただすと急にこちらに詰め寄ってきた。

 

 

 

「小僧!お前アレを読んだのか!」

 

 

 

 明らかな動揺、先ほどまでとは違い問い詰めるかのように手を差し出してくるがその手を自分の顔に恥ずかしそうに顔を隠した。

 

 

 

「まさかアレを人の子に読まれてしまった。情けない情けない」

 

 

 

 後悔するかのような声と仕草、一体どういうことだろう

 

 

 

「あれは一体なんなんですか?」

 

 

 

「お前もまっすぐ私の目を覗くのだな、そうだなこうして話を聞いてくれる者も現れるのも何かの縁だ内緒だぞ小僧これから話すことは」

 

 

 

「それはまだ約束でき」

 

 

 

 優しく肩に手を置かれる

 

 

 

 

 

 

 

「私はずっと北にある古木に住んでいたが人に切られてしまってな、私がどんなに恨み言を叫んでも誰1人気づかない私の住んでいた古木の対となる木が南の山にあるのだ。そこならまだ住めるかもしれんと向かったのだが、途中横切ろうとしたこの家から出られなくなってしまった」

 

 

 

 これまでのことを詳細に話してくれる。優しい口調で話すあやかしに敵意は感じなかった。

 

 

 

「腹立たしく私の心は荒れたが不思議な術を使う不思議な小娘だった。震えていたのに助けて欲しいと言ったら、初めて人の目を見た。ああそれはとても……とても」

 

 

 

「おいいつまでそんなのと話しておるさっさと兎こうを見つけて帰るぞ」

 

 

 

「ん?なんだあの毛糸玉のような生き物は?」

 

 

 

「にゃんだと!」

 

 

 

「うさこうとは?」

 

 

 

「あなたに着いて二匹あやかしが迷い込んでカフェが心配するから見つけて出してあげたいんです」

 

 

 

「ふんちょうど良い手伝おう出して貰った礼が出来ぬかと娘の様子をうかがっていたのだ」

 

 

 

 悪い妖怪ではなさそうだ。優しい部類に入る。

 

 

 

「トレーナーさん大丈夫ですか?」

 

 

 

「大丈夫だよカフェ」

 

 

 

 窓を開け心配そうにこちらを見てくるカフェ、こちらのことを話そうとすると口元をもさあやかしに塞がれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「小僧黙ってろ余計なことを言うならこの首へし折るぞ」

 

 

 

 本気ではないだろうが忠告に従い何も言わなかった

 

 

 

「いけるとこは限られるだろうが幸い小娘に貰った地図がある」

 

 

 

 あのあやかしまるで………………

 

 

 

 その後は全員で探すことになった。見えないカフェも探すのを手伝ってくれるらしいが一部原因はお友達にあるとのこと、そのお友達も一応手伝ってはくれるが妖怪は見えない

 

 

 

 途中他の生徒も帰ってきたがかまわず探し続ける中時間だけが経っていった。探せる範囲は探し尽くし終わろうとしたときもじゃあやかしが何かに気がついた。

 

 

 

 術の対象か見えない扉がありそこを開けるともう一匹の旅兎がいた。旅兎の二匹はうれしさのあまり抱き合い感謝の言葉を述べた。今回のことでもう人の住む場所に入ることはないだろう。人間のことも嫌いではなくなったらしい。

 

 

 

 もさあやかしはそのまま二匹を連れて出て行こうとする。慌てて止めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうせ我らは見えまい」

 

 

 

「見えて無くても別れ際くらい」

 

 

 

「見えぬ相手にはいないも当然、もともと結ぶだけ無意味な縁、そういうことは見えるお前が一番分かっているだろう」

 

 

 

「…………それは」

 

 

 

 禁術についてカフェについて話す妖怪、あの目を見てしまってからはどうしても離れがたい気持ちになってしまったらしい。この地に残っても妙な寂しさは積もってばかり

 

 

 

 カフェの声がする。それと同時にその場から離れて出て行こうとする妖怪 

 

 

 

「待ってくれせめて伝言はカフェに伝えておくことは」

 

 

 

「おまえに頼みがある伝える気は孟冬もなかったがあまりに気持ちがあふれるので書き殴ってしまった。もしお前がアレを読めてしまうことがあってもどうかアレだけはどうか内緒にしてくれ」

 

 

 

 カフェがこちらにやってくると同時にその妖怪は駆け抜けていった。その証拠に黒く長い髪が風によって揺らいだ。カフェトレは妖気に当てられ軽い気絶を起こすが伝えたいことがあった。しかし意識がなく伝えることは出来なかった。

 

 

 

 ああカフェ、小さいけどまだ聞こえるんだ。兎たちがあのあやかしがさようならって言ってるんだ。ありがとうって言ったんだ。カフェにも聞かせてやりたいのに俺にばっかり聞こえるんだ。

 

 

 

 翌日妖怪のことを含めて話すと安堵した表情で良かったと、無事に帰れたことを喜んでいた。1人地学教室に向かい書き殴られた文字を読んでいく

 

 

 

 

 

 

「ま、よ、迷った、わ、たし、を」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 迷った私を助けてくれた 連れて行きたい叶うならば

 

 

 

 

 

 

 

 

 

美しき山を 美しき谷を 共に見たいと思ってしまった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この気持ちを人はなんと呼ぶのだろうか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   それは…………それはまるで

 

 




妖怪って書いてあやかしに使用としたけど読み方が違う場合は難しいから断念
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