滅茶苦茶まずい
仕事が早めに終わったので早めの昼食にしようと思い食堂に向かうとどこかで見たことのある青年が厨房にいた。誰だったかなと思い出そうとすると向こうはこちらに気がついたみたいで手を振りながら向かってくる。
「あ、お久しぶりっす」
「……………創真か!卒業してからフラフラしてるってのは噂で聞いてたけど、まさかここにいるとは」
「いや~久々に日本に帰ってきたんですけどちょっと顔出しに来たらここの料理長に捕まって」
「そらそうだろ食通や料理人には有名だからな、そういえば城一郎さんは?」
「親父はニューヨーク、てか俺よりも知ってるでしょ最近じゃあここでメシ作ったって聞きましたよ」
「ああ、ちょっとラーメン大好きお姫様にな」
こいつがここにいるってことは理事長も知ってることなんだろう。それよりももう少ししたら一気に生徒が流れ込んでくる。心配することはないが喰う奴は喰うからな~
みんな食い過ぎて太り気味の未来しか見えない、また練習メニュー考えないといけなくなるな~全員に新作ゲソ料理食わせる罰ゲーム用意しとくか
「それよりなに作りましょうか!」
「そうだなせっかくだし二つ、昔作ったって聞いたローストポーク、あと例のやつ」
「ほ~ちなみにいろんなバージョンありますがどうします」
「何でもいいよ、ゴルシに喰わすためにちょっと味わおうと」
「あいよ少々お待ちを!」
厨房に戻るとすぐに調理に掛かった。その間にのんびりと今後のことも考え新しいメニューを考える。考えてる途中やっぱアレを頼んだことはちょっと後悔し始めた。
ドロップキックですむのかそれともマックイーンが巻き添え犠牲になるのか、マクトレに怒られる未来が見えるな、最悪オグリならなんとかいけるかもしれない
「へいお待ち!なんちゃってローストポークおあがりよ!」
「お、来たな」
なんちゃってローストポーク厚切りベーコンとジャガイモなどを使った創作料理、早速一口囓る。外はカリッと中はジューシー、噛みしめるたびにじっくり焼かれたベーコンの香ばしい肉汁がたっぷりとあふれてくる
じゃがいもをほくほくに蒸かしたものに油を吸いやすい繊維質のキノコ類を刻んで練り込んである
それに厚切りベーコンをぐるりと巻き付けオーブンでじっくりと焼き上げる。するとベーコンは油が抜けカリカリになりじゃがいもが豚の旨味と油を全て受け止める。
だからこそ外はカリッと中はジューシーな官能的な食感が生まれる。ローストポークという肉料理とは呼べないのかもしれないが十分すぎるほど美味い料理だ。
「うん、凄く美味い」
「御粗末!」
「トレーナーさんすっごく美味しそうなの食べてるベ」
「うお!いつの間に!スペ!」
「すみませんこれと同じの10人前で!」
「少々お待ちを!」
「あ、そうだアレを」
「あいよ、炙りゲソのピーナッツバター和え、さぁおあがりよ」
「え、なんですかそムグッ!」
後にスペシャルウィークはこう答えた。ゲソの風味が良くない方向に変貌を遂げ身体じゅうをまさぐられるような不味さでしたと
「うえ、こりゃあ笑えるほど不味いな」
「でしょでしょ~」
「…………」
「スペちゃんが死んでる!」
口直しに先ほどのなんちゃってローストポークを食べたことで復活したスペシャルウィーク、ちょっとしたいたずらで食べさせられたそれを警戒しながら出された料理を食べ進めた。
流石におはだけとかおはじけとかダメだよな~