ウマ常   作:バイク

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日本料理とグラスワンダー

 

 グラスワンダー彼女は日本文化を愛している。特に和食に目がなく旅行先や出張先には日本食の美味しい店をトレーナーと行くことが多く、トレーナーも日本食が大好きである。

 

 

 

 日本に来て数年が経ち最近では少し日本食の新しい可能性がないのかを考えることが多くなった。特にトレーナーはそんなグラスをあらゆる名店に連れて行くので解決も時間の問題と思っていたが一向に解決せず悩んでいる。

 

 

 

 その考えは気がつけば練習にも影響が出ており、エルコンドルパサーのデスソースを料理に入れられても気がつかずぼーっとすることもあった。深刻な問題と考えたトレーナーはすぐに創真の元へ行き、珍しい日本食がないかを聞いた。

 

 

 

「日本食ですか?それなら乾先輩の店とかどうですか?日本料理店「霧のや」って言うんですけど」

 

 

 

「予約がしばらく先まで取れなくってそこには行けないんですよ」

 

 

 

「魚は?」

 

 

 

「日本料理に再構築した物ならありますけど魚は…………あ、あった」

 

 

 

「あるの!」

 

 

 

「ええ、でもちょっと変わった料理ですけど学生時代に審査して貰ったときに合格を貰った一品ですそれなら」

 

 

 

「ありがとう!材料は何がいる!何でもそろえるよ」

 

 

 

「落ち着けグラトレここでボンボン発想出すなマジモンの金持ちが」

 

 

 

「へ~金持ちなんすか」

 

 

 

「少なくとも日本で一番有名な人の末裔だし」

 

 

 

「それはどうでもいいんですよグラスの為なら何でもしますよ!」

 

 

 

 それならばと必要な材料をメモし買ってきて貰うことにした。特に高い物が必要ではないので比較的簡単に一部は手に入る。山菜系が手に入るかどうかだけだ。 

 

 

 

 メモされた材料を買うべくグラトレはすぐさま買い出しに向かい材料をそろえに向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方その頃グラスワンダーはというとタンポポを口いっぱいに頬張りながらぼーっとしていた。

 

 

 

「お腹壊すわよ」

 

 

 

「まるで牛デース」

 

 

 

「なんかセイちゃんロックオンされてない?」

 

 

 

「多分頭のそれよ」

 

 

 

「グラスちゃん落ち着いて!」

 

 

 

「タンポポの日本食はないのでしょうか」

 

 

 

「さあ?探せばあるのじゃない?」

 

 

 

 タンポポを頬張りながら気がつけばいつものメンバーが集まってきていた。その中でセイウンスカイの頭にあるタンポポらしき物を狙っていたが、タンポポの日本料理がないかと口にしていた。

 

 

 

 いつものメンバーと戯れていると遠くの方から自分のトレーナーが呼んでいるのが聞こえた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「グラ~~~ス!!!」

 

 

 

「トレーナーさん?」

 

 

 

「あらどうしたのかしら」

 

 

 

「両手に買い物袋?」

 

 

 

「タンポポの日本料理でも作る気ですか?」

 

 

 

「今すぐ食堂に行くぞ!」

 

 

 

「はい?」

 

 

 

 訳が分からず食堂へ向かうと今話題の料理人と同期のトレーナーがいた。グラトレの買ってきた袋を受け取ると中身を確認し、すぐに調理に掛かる。

 

 

 

 おそらく作る料理は川魚の揚げ物、しかし材料の中にある柿の種が分からなかった。一体これをどのように使うのか下ごしらえが進んでいくと柿の種の使い道が分かった。

 

 

 

 袋に入れられた柿の種は砕かれ川魚の衣として使われていく。体感15分ほどだろうかあっという間に料理が完成し目の前に置かれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「柿の種を衣にとは、凄い発想だ」

 

 

 

「では早速いただきます」

 

 

 

 グラスワンダーは熱々の揚げ物を箸で掴みかぶりつく、バリッバリッとザクザクと普通の揚げ物からは聞くことのない音を出しながら味わって食べる。

 

 

 

 素晴らしい歯ごたえ、中身はほくほく衣に守られ川魚の旨味がしっかり凝縮されている。この魚は岩魚だろうか魚の種類を想像し食べ進めていく。

 

 

 

 なにより柿の種自体の味のおかげで衣からしっかりとした美味しさが感じられる。グラトレは添えられている卵の素と木の芽のふわふわソースが気に入った。

 

 

 

 卵の素

 

「卵黄にサラダ油を少しずつ加えながらマヨネーズのようにまろやかになるまで泡立て器で混ぜ合わせたもの、材料のつなぎや風味付けなど様々な場面で使用される」

 

 

 

 

 

 

 

 

 卵の素に塩と刻んだ木の芽を混ぜ込むことで爽やかな風味が加わり油っぽさが打ち消され上品な味わいを創り出している。

 

 

 

「衣のザクザク感の合間に感じるこのクリーミーな口当たりが食欲をそそる」

 

 

 

「山菜を揚げたものも凄くいい」

 

 

 

「よくこんな料理作ったな、柿の種って」

 

 

 

「日本料理におかき揚げってのがあるでしょ、砕いたおかきを素材にまぶしてあげることで食感を良くしたり味に意外性を持たせる料理です。おかき揚げでしたら実家で作ったことがあったんで」

 

 

 

「なるほどその応用で柿の種を使ったって事か」

 

 

 

「ゆきひら流「岩魚のお柿揚げ」ってとこですね」

 

 

 

「よく合格したな」

 

 

 

「いや~はははは」

 

 

 

 

 

 

 

 

 ゆっくりと味わいながら食べ進めるグラスワンダー、柿の種が旬を迎えた岩魚をぎゅっと包み込んでそれはさながら清廉な人魚への情念に満ちた熱い抱擁の様、柿の種との愛に溺れてしまう。

 

 

 

「御粗末!」

 

 

 

「創真さんこの料理とても美味しかったです。新しい日本食を垣間見た感じです」

 

 

 

「垣間見たっていうか、喰ったけどな」

 

 

 

「これで練習にも身が入ります」

 

 

 

「グラトレに感謝しろよグラス」

 

 

 

「はい、ありがとうございますトレーナーさん」

 

 

 

「グラスが元気になってくれて良かった」

 

 

 

「次はタンポポ料理をお願いします」

 

 

 

 

 

 

 

 

「え?」

 

 

 

「へ?」

 

 

 

「タンポポ料理?」

 

 

 

「はい」

 

 

 

「作れる?」

 

 

 

「あ~わかんないっすタンポポは初めて何で」

 

 

 

「時間があれば?」

 

 

 

「いけると思います」

 

 

 

「お願いしてもいいかな?」

 

 

 

「うす、任せてください」

 

 

 

 後にレースで勝利するとこの時に頼んだタンポポのフルコースがグラスワンダーの目の前に並び、タンポポ天国と言いながら全ての料理を食らいつくしまんまると太り気味になるグラスワンダーであった。

 

 

 

 




タンポポ料理ってあるのかな?
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