「冗談じゃねーよ!ずっと身動き取れねーだなんて!大体グラトレ!お前何やってるの!さっきまでもの凄い優位に立ってなかったっけ?」
「我慢できなかったもので、けど大分楽になって気がする…………やっぱダメだ」
「腕が何で二本あるか知ってるか?それはな」
「早まるな傑!希望を捨てるな!」
「…………」
「ニシトレ君?ちょっと喋らなくなってますけど大丈夫ですか?駄目ですよ?それだけは駄目ですよ!」
各自テンパったり無言で片手を眺めたりこの極限の状況下の中でどうするべきか悩み始めていた。しかしこの状況では賭けだのなんだの言っていられなかった。
「賭けだのなんだの言ってる場合じゃねーぞこりゃあ、ここに閉じ込められたままじゃあ勝負もクソも」
「クソと言う言葉を使うな今!カリカリしてるんだから!」
「とりあえず紙を手に入れるのが先決だ。どうだここは協力しねーか?」
「ライバルと組めと?そんな手に乗ると思いますか」
「てゆーかくっせーんだけど、いつまでブリブリ垂れ流してるんだ」
「そうですねここはお尻を拭くために専念しましょうグラトレさん」
「しかし協力すると言ったって手はあるのか傑?」
「紙はなくとも知恵はあるだろ大人四人の知恵を振り絞ればなんとかなるさ」
「しかし大人四人と言ってもケツにうんこ付いた大人四人だぞ?そんな大人に何が出来るんだ?てゆーか俺たちは大人なのか?」
「自分を卑下しないでください、こういうときほど精神を高潔に保ちましょう。人間どんなになっても品性だけは失うわけにはいきません」
「いいこと言ってるけどニシトレ君それ言ってる奴もミソ付けてるからねこれ」
「まず状況を整理しましょう。今このトイレにはトイレットペーパーはありません。普段から使われていないこともあって誰かが来ることも考えにくい、尻を拭いていない状態ではズボンをはくことすら出来ない、これでは助けを呼びに行くことも難しい」
「自分らでなんとかするしかないって事か、とりあえず全員持ってる物全部出せ」
「おおおおお~~~~」
誰がそんな物出せって言ったよ、持ってる物出せとは言ったけど持っていなくてもいい物を出すなよグラトレ!
紙などあるわけがないそんな物があればとうに尻を拭いて脱出しているはず、他の者もそうだと考えながら何か無いか持っている物から何か役に立つ物はと探すエルトレ
「あ!これなんていいんじゃないですか紙やすり」
「「か!紙やすりだと!ふざけんな!肛門が血だらけになるわ!!!」
しかし今この状況においては紙やすりですら高級ローションティッシュスコッチに匹敵する物! チョー欲しい!
「ふざけんなよニシトレ君そんなもんでケツなんか拭いたら肛門が死ぬだろう」
待て!落ち着け!惑わされるな!ヤスリという言葉にごまかされるな!
嫌違う!この男紙やすりを欲しているのを感づかれないように芝居を打っている。
あいつ俺たちの数手先を見据えて行動してやがる!ならば!
「そうだぞニシトレ君そんなもん役にすらたたん!」
「そうですよそんな物すぐに流しなさいそして貴方も流れなさい」
「もう!なんなんですかみんなして!紙じゃないですか!最高級ローション配合のティッシュスコッチに匹敵する物でしょう!」
全員にして捨てろとの言葉を受けプリプリと怒るニシトレ、しかしそんな状況下の中で役に立つかもしれないから貸して見ろとのツンデレ攻撃を披露した。
ツンデレだと!!!
まさかそのような技をこの男!まさか最初からこの男の手のひらの上でもてあそばれていたのか!
さながら釈迦の手のひらであがく晴天体制のごとく!この男ただ者ではない!流石三冠ウマ娘を輩出してきた事だけはある強敵だ!
そして各自に配られた紙やすり、受け取った紙やすりは4人全員に行き渡り平等の条件となった。
ヤスリのメが思っていた三倍粗い!しかも両面!流石の俺のケツでもこれは厳しいぞ!こんなのどうやって拭くんだ!?
ジョリ……ジョリ…………ジョリ……ジョリ……
あれ?嘘でしょこの音?…………マジで?拭いている!?間違いなくこの音は拭いている!
ば、ばかな!多少なりともケツの耐久度に自信がある俺でも躊躇する物だぞ!
まさかやつは暑い砂漠の上で何万回と尻を打ち続けてきた仙人とでも言うのか!
「いや~ニシトレ君これすげーわ効くわ~」
え?嘘でしょ?まさか拭いてるの?拭くわけないよね??紙やすりで拭くなんてしないですよね!
実際に尻を拭くことはなく壁や床にこすりつけているだけだがこの極限状態の中その可能性を考えることが出来ない2人であった。
しかし早く拭いてここから出なければいけない理由がある以上2人の男はどうするべきか究極の決断を強いられていた。
一度冷静になるべく懐から一枚の写真を取り出す。そこに映っているのは自分の担当の笑顔、彼女達の為に自身の、いや自分たちのためにこの決断を下すことが出来るのか写真の中にいる担当に心の中で語りかけている中あることに気がついた。
これ紙じゃねーか!!と
「いやいやいや、流石にエルを汚すことは・・・少し興奮するが駄目だ!」
「グラスのだったら顔で受け止めることも出来るが・・・・くっどうすべきか!」
エル・グラス・エル・グラス・エル・グラス・エル・グラス
そこから先の判断は覚悟を決めた男の顔であった。すぐにトイレを流すと勢いよく扉を開けて担当の待つ場所へと駆け抜けていった。そして担当の場所にたどり着き顔を見ると安心したのかエルトレは尻から大量の血しぶきをだしながら倒れ、グラトレは体力を走るのと気張ることで使い果たし互いに倒れた。
残った2人は持っていたトレーニング用のメモ用紙で済ませ無事に戻っていった。