ポケモン不思議のダンジョン ~似て非なる世界との境界線~ 作:いねっしー
第一章1話と同じく、えげつない駆け足です。
終わりの前兆
「えっほ、えっほ、えっほ!」
空に煌々と我が物顔で輝いていた星はその繫栄に幕を閉じ、空の一部がオレンジ色に染まりだす朝焼けの下で、ポカブはクチバシティを4つ足でかけていた。
「おーいポカブー」
すると、背後から聞きなれた声が聞こえてくる。
「この声……ポッチャマ?」
走りながら振り向くと、背後ではポッチャマが息を切らしながら付いてきていた。
「はあ、はあ……最近、ポカブが早起きだから、気になって私も起きたら、まさか走ってたなんて……」
ドサイドンの一件以降、強くなろうと決意したポカブは早速ブースターに教えを請いに行ったのだが、帰ってきた返事は「自分で考えないと先には進めないよ」だったのだ。
ライチュウに聞いてもよかったのだが、ブースターの言葉にも一理あると感じ、ポカブは最近、朝早起きして走るという、古典的な手法をとっていたのだ。
「ああ、まあな」
足を止めてポッチャマを待つ。
「私も、一緒に走るよ」
ポカブの元に着いたポッチャマが言う。
「おう、いいぜ」
少し声が上ずったような気がしたものの、ポッチャマと共に走り出す。
そんな平穏な朝の時間を過ごして、程よく疲れギルドに戻る。
時はすでに朝の7時頃なのか、日は登り切っていた。
「お、やっと帰ってきた」
2匹そろってギルドに入ると、いつもと違いそこにはギルドのメンバーが終結していた。
「皆さん、どうしたんですか?」
いつもなら誰かはいなかったりするのだが、この時間でここまでそろっているのは珍しかった。
「よし、これで全員か。これから緊急会議を開く」
そしてライチュウが、そう宣言した。
え? 緊急会議?! だからここまでそろって――
「緊急会議開くのか?!」
ライチュウの言葉にブースターが驚きの声を上げる。
「……いや、ブースター知らなかったんだ」
ついついポカブからため息がこぼれる。
「言っただろブースター……まあいい、議題は近くの町ブラッシータウンで見つかった、記憶喪失のポケモンについてだ」
「記憶喪失のポケモン……」
ついつい言葉が漏れる。
……というか、ここクチバシティだよな? なんでその近くにブラッシータウンなんだよ。なんでカントー地方とガラル地方の町が近いんだよ。
「ブラッシータウンにはギルドがない。ギルド本部の命令でここから調査隊を派遣することになったのだが、そのポケモンを今発表する。メンバーは、ブースター、ラランテス、そして、同じ記憶喪失のポケモンということでポカブ。この3匹で……」
「あ、ちょっとすみません」
ライチュウの言葉をブースターが遮る。
「僕ちょっと用事があって……」
「ギルドよりも重要な?」
ライチュウが不審がる目で見る。
「はい」
ブースターは、即答する。
「……はあ、分かった。じゃあブースターの代わりに俺が行く」
「あ、あの!」
今度はポッチャマが声を出す。
「わ、私も行きたいです!」
が、ポッチャマのその発言を聞いたライチュウは、いやそうな顔になる。
「ポッチャマ、これは遊びじゃ……」
「わかってます! でも、私だって……」
「……分かった。好きにしろ」
ライチュウはそう言うと、ギルドの奥へと歩みを進める。
「出発は1時間後だ。各々、準備しろ」
ライチュウはそう言って、その場を後にした。
クチバシティからダンジョンを抜けること3時間。そこには剣盾で見たブラッシータウンよりも大きい町があった。
「さて、ここだ」
結局メンバーは、ポカブ、ポッチャマ、ライチュウ、ラランテスとなった。
「で、どこなんですか? 記憶喪失のポケモンは」
ポカブがライチュウに聞く。
「そうだな、確か……」
ライチュウが言葉を発しようとした途端……
「キャーーー!」
ブラッシータウンの端っこの方で、何やら叫び声が聞こえた。
そして、その叫び声に同調するかのようにポケモンたちが町の外へ逃げようとする。
「わ、ちょ、どうしたんですか!」
逃げ惑うポケモンたちに、ポカブが声をかける。
「どうしたもない! まどろみの森に、突然ポケモンたちが現れて暴れてるんだ! あいつらブラッシータウンにも来るぞ! 何が目的なんだ! 君たちも早く逃げろ!」
そう叫ぶと、そのポケモンはどこかへいってしまう。
「ポカブ」
ライチュウも聞いていたのか真剣な表情だった。
「はい、行きましょう! まどろみの森に!」
そうして4人は、まどろみの森の方向へかけていった。
注意!
良いこのみんなは逃げてる人たちに向かって逆走しないでね!
まどろみの森に何があるのか、突然現れたポケモンとは!
あとなんか他にもいろいろ! 物語の根幹にかかわる話が今、始まったりします。