《完結》新たなHOPE! -もうひとりの戦士-   作:ねここねこねこ

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遅くなりました。
GW明けから新しい事業を始めることになり、時間がなかなか取りにくいため早くても土日の更新になります。



第八話 VS悟空

「こ、ここが破壊神様の……?」

 

 悟飯はキビトによって連れてこられた場所を見渡していた。

 界王神と同等の存在であるということを聞いていたため、場所も聖地・界王神界と同じく自然に溢れた場所、もしくは相応の神々しい場所だと思っていた。

 しかし、悟飯にとってこの場所はそうではなかったようだった。

 

「とりあえずビルス様達のところへ行きましょうか。悟空さん達も向こうにいらっしゃるみたいですし」

 

 界王神が行き先を指で示し、そこに向かって歩いていく。

 キビトとピッコロもそれに習って後ろを歩いていくが、悟飯は一つだけ疑問に思っていた。

 ついていきながら、隣を歩いているピッコロへと我慢できずに尋ねてしまう。

 

「どうしてあっちにお父さん達がいると思うのでしょうか? 向こうには〝気〟を感じないのに……」

 

 その言葉を聞いて、ピッコロは口を開く。

 

「本来、〝神の気〟というものは常人には感じ取ることが出来ないらしい。界王神様達の気も感じ取ることは出来ないだろう?」

「あ……言われてみればたしかにそうですね」

「これから会う破壊神ビルス様や付き人である天使のウイス様も同じ〝神の気〟を持つのだ」

 

 悟飯は一旦納得しかけたのだが、更に疑問が浮かぶ。

 

「でもお父さんやベジータさんはサイヤ人ですよね? 俺の世界ではちゃんと気を感じ取ることは出来てましたし」

「それはな、あいつらは〝神の気〟に似た気の性質となったからだな」

「それは──」

 

 どういうことなのかと悟飯が続きを促そうとしたところで、界王神より「着きましたよ」と言われ前を向くと、そこには見たことがない人物が二人と見知った顔が二人。

 そのうちの一人は、かつて自分が目指した(いただき)にいた存在()であった。

 

「……あ…………」

 

 悟飯は胡座をかいて座っている父を前にして言葉を失う。

 そんな悟飯の様子など気にした素振りを見せない彼は、悟飯を見つけると軽く手を上げて「よっ」と挨拶をしていた。

 

「お、おとう──」

「界王神様達も〝力の大会〟ぶりだなあ〜! 元気にしてたか?」

「……ええ、悟空さんやベジータさんもお変わりないようで」

 

 十年以上ぶりの感動の再会。その出鼻を挫く行動。相変わらずの空気を読まない悟空()の行動に固まる悟飯。

 ピッコロも流石に酷いやつだとは思っていたが、()()()()()()()()を無視して勝手な行動は取ることは出来なかった。

 

「へぇ……ボクに挨拶無しなんて、いい度胸してるじゃない?」

 

 頭の後ろで腕を組んでビーチチェアに座っていた耳の大きい猫獣人が、勝手に話を進めていた界王神達に対してやや不機嫌そうに話し掛ける。

 キビトは破壊神に恐れ(おのの)き、鼻水を垂らしながら界王神の後ろに隠れるが、界王神は恐怖をおくびにも出さずにビルスへと挨拶をする。

 

「ビルス様、お久し振りです。本日はここにいる孫悟飯さんについて、ビルス様達にお聞きしたいことがありまして参りました」

「孫悟飯……悟空の息子のことかい? 力の大会で見たときより少し変わっているねぇ」

 

 界王神は話を逸らし、話題を悟飯に持っていく。

 ビルスは話を逸らされたことには気付いていたが、そこまでこだわっていたことではなかったため気にしない。

 それよりも力の大会で優勝に貢献した第七宇宙チームのリーダーであった悟飯が、わざわざ用事があって来たことに少しだけ興味を持ったようであった。

 

 悟飯を見たビルスは、顔の傷だけでなく目つきや纏っている雰囲気が以前見たそれとは違っていたため、目を細めて(いぶか)しげな表情をしていた。

 それに回答したのは横にいたウイスだった。

 

「ビルス様、彼は以前平行世界から来たトランクスさんの世界の悟飯さんですよ」

「なに? ザマスのときのか。時間移動は大罪だとあのとき伝えたのに、また来たのか?」

「いえ、今回はそういうことではないみたいですねぇ」

 

 ウイスは事情を察したのか、ビルスの言葉を否定する。

 その言葉に一瞬だけムッとしたような表情をしたビルスではあったが、今は事情を聞くのが先だと界王神の方を向く。

 そして、界王神は事情を説明し、ビルスは納得したような素振りを見せる。

 

「…………なるほどな。死んだはずの人間がなぜかこの平行世界に来てしまったということか」

「不思議なこともあるものですねぇ」

 

 ビルスは少し考え込んでいたのだが、ウイスは薄く笑いながらその様子を眺めていた。

 ベジータは視線をビルス達から悟飯に変える。そして少し落ち込んだ様子の悟飯を見て、話し掛ける。

 

「おい、悟飯。お前はこっちの世界のやつとは違って、少しはやるようだな」

「え……あ、でもこちらの世界に来てからピッコロさん達に修行を付けてもらったので……」

 

 ベジータの問いに悟飯は答えるが、回答が間違っていたのか、ベジータは首を振る。

 

「単純な戦闘力だけのことではない。その歳になるまで訓練をサボることなく続けていること、その積み重ねのことを言っているんだ」

「え……」

 

 ベジータは気付いていた。彼が研鑽を重ねているということに。

 それが復讐心からなのか、世界を守りたいと思っているからかなのかはベジータにとってはどうでもいい。

 サイヤ人として()()()()()()()()者がいたことを認めているようであった。

 

「確かにそうだなぁ! 単純な強さだけならこの世界の悟飯と同じくらいかも知んねぇけど、ちゃんと修行を続けていたのはオラも分かっぞ!」

「…………はい、ありがとう、ございます……」

 

 いつもその背中を追いかけていた。自分が強くなっても、更にその遥か先にまで強くなっている二人。

 その二人から認められていたという事実に、悟飯は涙が零れ落ちそうになるのを必死に堪える。

 誰もが──ビルスでさえ──その様子を見て黙っていたが、空気を読まない男(当人の父)はあっけらかんと笑いながら立ち上がって口を開く。

 

「じゃあ、いっちょ組手をやってみっか!」

「…………お前はなんでそう空気が読めないのだ」

 

 悟空の発言に全員がため息をつき、ピッコロが苦言を(てい)す。

 しかし彼は首を(かし)げることもなく、少し離れたところまで歩き、悟飯にも来るように伝える。

 

「……ははっ!」

 

 ポカンとしていた悟飯だったが、いつでもどこにいても変わることのない偉大な父を目の前にして、笑うしか出来なくなっていた。

 それだけで少しずつ、彼に掛けられた()が解かれていくようであった。

 

「悟飯、無理はするな──」

「いえ、せっかくなのでお願いしたいと思います」

 

 ピッコロの気遣いを制し、悟飯は目元を拭うとそのまま悟空の元へと向かう。

 戦う意志を見せた悟飯に対し、悟空は笑顔で応える。

 

「よろしくお願いします」

「おうっ!」

 

 悟飯は悟空に頭を下げると、気合いを入れる。

 

「はああぁぁぁあああ!!」

「……おいおい、こりゃあやべえかもな」

 

 気を高めていく悟飯。超サイヤ人になると思っていた悟空は、自分の世界の悟飯と同じくアルティメット形態へと変化していく様子に冷や汗をかく。

 そして、そこにはあの魔人ブウをも圧倒した最強の戦士が現れたのだった。

 

「ピッコロと修行していたとは聞いていたが、まさか界王神のところで潜在能力を解放していたとはな」

「……それだけではないぞ」

 

 ベジータの言葉にピッコロが口を挟む。

 目線を一瞬だけピッコロに向けたベジータは、悟空達の方を向き直しながら「それは楽しみだ」と笑っていた。

 界王神やキビト、ビルスやウイスもその様子を黙って見ている。

 

「よっしゃ! じゃあかかってこい!」

「ええ、いきます」

 

 悟空は通常形態のまま構える。それはウイスにも散々指摘されていた()()に他ならない。

 しかし、もはやそれは彼に染み付いてしまっているのか、追い詰められるまで実力を発揮しないという弱点を抱えているのだった。

 悟飯はそれを気にせずに悟空へと突っ込んでいく。

 

「おっ、ほっ!」

 

 悟飯の攻撃を自身の勘とセンス、経験を頼りに(さば)いていく。

 しかし、彼の戦闘力は通常形態の悟空ではもはや太刀打ちできるレベルではないのは周知の事実であり、すぐに追い込まれていく。

 

「ぐっ!」

 

 ついに悟飯の一撃をまともに受けてしまい、悟空は遙か先まで吹き飛ばされてしまう。

 悟飯はそれを追いかけることなく、その場で両手を右の腰辺りに持ってくる。

 

「む、アレは!?」

「ええ、悟空さんの技ですね」

 

 正確には亀仙人の技なのだが、それはもはやどちらでも良い。

 悟飯は全身に纏った気を両手に集中させていく。

 

「かめはめ…………波ぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 悟空がすぐに戻ってくるのは予測できたため、即座に全力のかめはめ波を放つ。

 その先には父がいるにも関わらず、殺してしまいかねないレベルの攻撃にピッコロは冷や汗をかいていた。

 

(こちらの世界の悟飯はまだ甘いところが多い。もし今と同じような状況になったとしても、かめはめ波の出力を抑えていただろう。

やはり…………俺達がいなくなったという環境が悟飯を変えてしまったのだな……)

 

 ピッコロは甘さを捨てた悟飯がどれだけ強くなるのか予想も出来ていなかった。

 いや、正確には予想はしていたのだが、目の前にいる孫悟飯は()()()()()()()()()だったのだ。

 

 この世界の悟飯には、常々甘さを捨てろと伝えてきた。同時にその甘さは悟飯にとっての長所でもあると。

 事実、悟飯の甘さに救われたのは紛れもなくピッコロ自身なのだから。

 だが、悟飯に甘さを捨てさせることが本当に良いことなのか、彼の中で迷いが出るようになってしまっていた。

 

「────ッ!?」

 

 考え事に(ふけ)っていたピッコロは、大きな爆発音で意識を悟飯達の方へと向ける。

 視線のはるか先には、両腕をクロスして全力で防御した()()()()()が立っていたのだった。

 

「あ、あれは……?」

 

 悟飯はかめはめ波を撃った格好のまま、姿が変化した父に対して目を見開いていた。

 それは超サイヤ人でも、超サイヤ人2でもない。ましてや自身の今の形態であるアルティメット化でもない。

 悟飯はそこで()()()()()に至る。

 

「これが……超サイヤ人……3……」

 

 悟飯はその圧力に息を呑む。

 見た目のシルエットは超サイヤ人のそれと同じなのだが、髪や目は青く、纏うオーラは冷静さを象徴するかのような綺麗な水色を纏っていた。

 何よりも驚くのは()()()()()()()()()()()ということだった。

 

 悟空はゆっくりと歩いてくる。

 未知の存在となった悟空に対して、悟飯は冷や汗をかいていた。

 

「……話には聞いていましたが、それが超サイヤ人3()なのですね」

 

 悟飯の言葉に対して、悟空は(かぶり)を振る。

 

「いいや、ちげえさ。これは()()()()()()()()を更に極めた、()()()()()()()()っちゅうやつだ」

「超サイヤ人……ゴッド? ……ブルー?」

 

 悟空の口から発せられた言葉に、悟飯は聞き覚えがなかった。

 その様子を見た悟空はふっと笑うと、通常形態に戻る。

 

「悟飯、超サイヤ人はどこまでなれるようになったんだ?」

「えっと……2までです」

「そうか。じゃあその先の3()から見せてやる」

 

 そう言うと、悟空は気合いを入れ始める。気がどんどん膨れ上がっていき、周囲の空気が震えていく。

 驚くべきは見た目の変化だ。悟空の髪が少しずつ伸びていき、顔の形も若干変わっていっているようであった。

 

「……これが超サイヤ人3だ」

「……あ…………」

 

 超サイヤ人2とは違うオーラの纏い方に神々しさすら感じてしまっていた。

 結局髪は腰まで伸び、眉も無くなったせいか悟空の面影が無くなっていたのだが、その分強くなっているのが分かった。

 

「けどな、これは消耗が激しくてな。継続して戦うには向いてねぇんだ。……次は超サイヤ人ゴッドだな」

 

 再度元の状態に戻ると、今度は軽く気合いを入れるだけで悟空は変身をする。

 それは界王拳を使った時のような色をしていたのだが、悟空は髪や目も赤くなり、身体も若干細くなっているようであった。

 

(これだ……お父さんの()が感じられなかったのは。……ゴッド……神……?)

 

 悟飯は一つの推測をする。超サイヤ人ゴッドというのは、一種の()と同じようなものなのではないかと。

 先程ピッコロから途中で終わってしまった説明──悟空達が神の気と同じ性質を持つようになったのはこのことではないかと。

 

「それでこの変身が、超サイヤ人ゴッドの力を持った超サイヤ人──超サイヤ人ブルーっちゅーやつだ」

 

 そう言いながら先程の青色を纏った超サイヤ人へと変身する。

 ここまで説明され、悟飯は全てを理解した。

 悟空はサイヤ人として更なる境地に達していたのだ。強さを求め続けるサイヤ人であり、悟空のような才能を持つ者だからこそここまでの強さを持つことが出来たのだと。

 

「……流石ですね。ですが、俺も今まで遊んできたわけではないです」

「そりゃそうだな。おめえを見りゃわかるぞ。その状態でもオラ達に届きつつある(りき)を持ってるかんな」

「ええ。だからこそ、今こそお父さんを超えてみせます!」

 

 悟飯はアルティメット状態から更に気合いを入れ始める。

 身体から徐々に赤いオーラが出始めていた。

 

「そ、そりゃあまさか……()()()か!?」

「……あの野郎、いつの間に」

 

 悟空は驚き、ベジータは別の意味で驚いていた。

 

「これが俺の本気────〝究極形態(アルティメット)界王拳〟だぁぁぁぁ!!!」

 

 悟飯は悟空へと突っ込んでいき、顔面を思い切り殴る。数mほど後退した悟空に追撃のラッシュを続ける。

 為す術なく攻撃を受け続ける悟空を思い切り蹴り上げ、上空へと舞い上げる。

 

「──くっ!」

「喰らえっ!!」

 

 悟空は体勢を立て直そうとするが、上空に先に移動していた悟飯によるダブルスレッジハンマーで今度は地面へと大きな音を立てて突き刺さっていくのであった。

 ゆっくりと降りてくる悟飯。しかしその様子は──。

 

「……はぁはぁ……はぁはぁ」

 

 界王拳を解き、息を荒くしていた悟飯。界王拳を学んだとはいえ、まだ一週間。悟飯の才能を持ってしても極めるには程遠く、体力をかなり消耗してしまっていた。

 しかし、この渾身の一撃を喰らっても、悟空はまだ起き上がってくるのだった。

 

「……いちちち。おめえ、まさか界王拳使えるようになったんか! こっちの世界の悟飯じゃあ修行が足りねえから無理だったんだけどな」

 

 頭を抑えながらもゆっくりと立ち上がる悟空。

 そして素直に界王拳を使えるようになった悟飯を褒めていた。修行をサボっていたこちらの世界の悟飯と違って、我流とはいえ修行を続けていた。

 そのためある程度の土台は出来ており、ピッコロとの精神と時の部屋で細かな気のコントロールの訓練を行っていたのも功を奏していたのだった。

 

「……まさか()()()()自分の変身に界王拳を乗せることを思い付くなんてな」

「俺……()……? ま、まさか!?」

「はああぁぁぁあああ!!」

 

 悟空は超サイヤ人ブルーの状態から更に気合いを入れ始める。

 元々持っている水色のオーラの周りに、先程まで悟飯が纏っていた赤いオーラを纏わせていく悟空。

 

「これが〝超サイヤ人ブルー界王拳〟だ」

「────なっ!」

 

 

 

 

 

 悟飯が声を上げて構えようとした瞬間に何かの衝撃を受け、彼はそのまま意識を失うのであった。

 

 

 

     ◇

 

 

 

「…………ん……ここは……?」

「悟飯さん、気が付かれましたか!」

 

 悟飯が目を覚ますと界王神の声が聞こえ、そこである程度のことを思い出していく。

 先程まで悟空と組手をしていたのだが、超サイヤ人ブルー界王拳の前には体力を失ってしまった悟飯では太刀打ちできずに一瞬でやられてしまっていた。

 上半身のみ起き上がらせた悟飯は、近くで座っていた悟空に笑い掛ける。

 

「……はは、やはりお父さんは凄いですね。まさか超サイヤ人ブルーの更に上を見つけていたとは」

「おめえだって同じじゃねぇか。オラも流石にやべえかもって思っちまったぞ!」

「ここは親子ということだな。……まだまだボクには敵わないけどね」

「ふふっ。そんなこと言って、ビルス様はちょっとやばいかもとか思っちゃったりしてるんじゃないんですかぁ?」

 

 お互いに褒め合う悟空と悟飯。そこに同じ発想に至るのはさすが親子だと腕を組みながら口を挟むビルス。

 強がるビルスをウイスは笑いながらからかい、それをきっかけに場の空気が和んでいった。

 ある程度時間が経ったところで、ウイスが本題に入る。

 

「そういえば忘れていましたが、悟飯さんがなぜこの平行世界に来てしまったのかということでしたよね」

「な、何か分かったのですか!?」

 

 悟飯がウイスの方を向き、答えを急かすように詰め寄る。

 天使に対して確実に不敬な態度と取られてもおかしくないのだが、悟飯の気持ちを理解しているウイスは薄く笑いながら話を続ける。

 

「ええ、あくまで推測ですが」

「お、教えて下さい!」

「きっかけはやはり()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()でしょうね」

 

 ウイスは咳払いをすると説明をしていく。

 トランクスがタイムマシンでこの世界に来てしまったことで、平行世界が生まれてしまった。

 そこまではあり得ること──時間移動は大罪なのだが──なので、置いておく。

 

 そして、この世界と平行世界に繋がりが出来てしまったのだ。

 初めはタイムマシンを介することでしか、その繋がりを移動できなかったのだが、ザマスの件によって状況は変わってきてしまう。

 ザマスとの戦い、最後に出てきた〝全王〟が平行世界を消滅させてしまった。

 

 そのときの衝撃が原因で平行世界の複数の時間軸でこの世界と繋がってしまい、悟飯は死んでしまう直前にたまたま渡ってきてしまったのだろうということであった。

 直接的な原因となったのは全王だが、きっかけになってしまったのはトランクスであるとはそういうことだった。

 しかし、この話を聞いたとき、悟飯はこの世界に来てしまった理由よりも別の言葉に衝撃を受けてしまっていた。

 

「俺の……世界が……消滅してしまった、のですか……?」

「────ッ!」

 

 ピッコロ達があえて言わないようにしていたことをウイスが話の流れで言ってしまったため、ピッコロは止めることが出来なかった。

 衝撃を受けている悟飯に対し、ピッコロは苦々しい表情をしながら心配そうに悟飯を見つめる。

 だが、ウイスはその質問を軽い口調で答える。

 

「それは()()()()()()()()()()の話ですね。貴方が生きているということは元々の歴史にはなかったはずです。

それであれば恐らく悟飯さんが生きているという平行世界が出来ていますので、貴方の世界は無事ですよ。

()()()()がもう一つ出来ているはずなので、界王神様が後ほど確認すれば分かるかと」

「そう……ですか……」

 

 自分の世界が無事であることには良かったのだが、逆に消滅してしまった世界があるという事実に素直には喜べない悟飯。

 やはり孫悟飯とはどの世界であっても本質の優しさは失っていないのだった。

 

「で、ではもしかして時の指輪を使えば、悟飯さんは元の世界に戻れるということでしょうか?」

「……ええ。大丈夫でしょう。ただ、時の指輪でも過去には戻れないので、悟飯さんが亡くなったとされる日からこの世界で過ごした一週間以上の時間が向こうでも過ぎてしまっていますけれど」

 

 界王神は〝時の指輪〟のことを思い出すことが出来ていなかったことを恥ずかしく思いつつも、ウイスに確認をすると是という返事があった。

 

「悟飯さん! これで元の世界に帰れますね!」

「……ええ。ありがとうございます」

 

 先程の件もあり、喜びづらいとは思いつつも界王神にお礼を伝える。

 さっそく帰ろうという空気になったところで、ベジータから待ったが掛かる。

 

「待て、悟飯」

「ベジータさん……?」

 

 悟飯を呼び止めたベジータが何を言い出すのかと身構えていると、彼から驚くべき言葉が出てくるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………俺とも戦え。カカロットばかりずるいぞ」

 

 

 

 まさかの言葉に全員がずっこけるのであった。

 




心配そうに悟飯を見つめるツンデレさんがてぇてぇと思っていただけた方は、お気に入り登録、高評価や感想をぜひお願いします!

超サイヤ人やアルティメット化は〝変身〟、界王拳は〝技〟という認識のため、この話では上乗せ可能ということで話を進めていきます。

悟飯の界王拳は覚えたてのため、三倍までしか使えないです。
それでも体力消費は激しいです。
悟空は二十倍まで使えます。

あと1〜2話くらいで本編完結の予定です。
後日譚として、魔人ブウ編やその他の話を見たい方っていますかね?
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