《完結》新たなHOPE! -もうひとりの戦士- 作:ねここねこねこ
→これは来週ではなく、今週のでした(笑)
ベジータの希望──わがまま──で、悟飯との組手を行い、ボロボロになった二人を先程と同じくウイスが治す。
「それにしても今の悟空とベジータ相手にほぼ互角の戦いをするとはな」
「そうですねぇ。あの二人も相当強さを増していると思っていたのですが……やはりサイヤ人と地球人の混血は潜在能力が高まるのでしょう」
ビルスとウイスはブルマからお土産で貰った唐揚げを頬張りながら、素直に悟飯を褒めていた。
二十三歳という若さで、親世代である悟空・ベジータ両名とここまで戦うことが出来るということは通常では考えられなかった。
それも悟飯の今までの境遇もあってのことなのであろう。
「……そういえばお父さんに聞きたいことがあったんでした」
「ん? なんだ?」
「お父さんから見て、この世界の俺って……
悟飯は父や他の戦士が生きているこの世界の悟飯が、悟空目線でどう映っているかが気になっていた。
それに対し、悟空は少し悩んだあと、ゆっくりと口を開く。
「……ん〜、幸せっちゅうんがどういうことなのか分からねぇけど、悟飯はいつも笑顔で
オラとしてはもっと強さにこだわって欲しいんだけどなぁ。そうすりゃあ、おめえのようにまだまだ発展途上でも、オラ達に追い付くことができているかんなぁ」
「ビーデル……パン……」
悟空が口を滑らせたその二人の名前を聞いて、悟飯は二人がこの世界の自分の妻と子供なのだと確信する。
そして自分と違って、強さを求めなくても大丈夫な世の中になっているということがとても羨ましいと思ってしまっていた。
「ふん。最近はやるようになっているが、今までトレーニングを怠けていた悟飯が、貴様に勝てる道理はない。それにそっちの世界は貴様とトランクスしかいないのだろう? それならばこの世界とは違う、
考え込んでいた悟飯を励ますかのように、ベジータは珍しく饒舌になっていた。
突然ベジータがそのようなことを言い出したことに、全員が目を丸くしていた。
「な、なんだ! 俺はカカロットと違ってまともなことくらいは言えるぞ! 第一、世界は違えど
やや顔を赤くして、そっぽを向きながら早口になるベジータ。
ここに
しかし、悟飯はベジータの優しさに気が付いていた。
彼が「俺とも戦え」と言ったのは、ただ単に自分が戦いたいということだけではなかった。
サイヤ人は戦いを通して更に成長をする。強敵であればあるほど、成長度は更に増す。その
実際に悟飯は二人との戦いを通して、界王拳の倍率を更に上げることに成功していた。
「ベジータさん……ありがとうございます!」
「……ふん」
素直にお礼を言われたベジータは、冷たく返事をする。
悟飯は相変わらずだなと苦笑いするが、心の中で再度お礼を伝える。
(ベジータさん、ありがとうございます。貴方のことは、元の世界に戻ったときにトランクスへ改めて伝えますね)
そうこうしているうちに界王神が時の指輪を確認して戻ってきたため、悟飯は元の世界に戻る時間となっていた。
「ではこのポタラを
「右耳、ですね」
界王神は自身の
ポタラは近くにいる者がそれぞれ左右の耳に付けることによって、究極の戦士へと融合することが出来る。
間違って融合しないようにと、そのことを注意点として伝えたため、悟飯は疑問を持つこともなく右耳へと付ける。
「悟飯」
悟空が悟飯に声を掛ける。
先程散々話した二人だったため、最後の挨拶であろうと悟飯は推測する。
「おめえはあっちの世界でよく頑張った。おめえがいなかったら、地球はとっくに人造人間達に滅ぼされていただろうな」
「……え…………?」
「向こうの世界のオラが、おめえにバトンを渡した理由がよく分かったぞ。今のおめえになら、地球の命運をオラ達の代わりに任せることが出来るからな」
不意の言葉。
自分はまだまだ尊敬する父に追い付くことなど出来ない。それなのに受け取ったバトンはとても重く、自分へとのしかかってしまっていた。
これを本当に自分が受け取る資格などあるのかと。
「お……父……さん……」
悟飯の目から涙が零れてくる。
トランクスが成長するまでは、戦える者は自分しかいないと母を捨て、甘さを捨て、夢を捨てた。
全ては父から受け継いだバトンに応える、ただそれだけのために。
人造人間にボロボロにされても、片腕になろうとも歴戦の戦士達が救ったこの地球という星を守り抜く。
誰かに認められるということなど、望んでいない──そのはずだった。
「俺……
「そんなことはねぇさ。おめえがいたからこそ、おめえの世界の人達はまだ生き残ってるんだ。……一人で抱え込むのは辛かっただろ? 今まで良く頑張ったな」
悟空は涙で溢れた顔をしている悟飯を抱きしめ、頭を撫でる。
そして、それをきっかけに今まで彼が囚われていた
「ありがとう……ございます。ありがとうございます……」
悟飯は泣き止むまで、ずっとお礼を言い続けるのだった。
◇
「じゃあ僕は元の世界に帰りますね」
「ああ、元気でな」
どうせなら他の人達と会ってから帰ればいいと勧められたのだが、悟飯は「そうすると元の世界に帰りたくなくなってしまうかもしれないので」とそれを固辞する。
「お父さん。帰って、人造人間の件が片付いたら……お母さんのところに戻って、たくさん謝りたいと思います」
「ああ、それがいい。チチのやつも、悟飯が戻ってきてくれるなら怒ったりなんかしねえさ」
悟空と握手する悟飯。
「ベジータさん。トランクスに、貴方は本当に素晴らしい戦士だったと伝えています。トランクスが貴方を追い越せるように強くしてみせます」
「……そうか。それは楽しみだな」
握手に応えることはなかったが、微かに笑ったベジータはトランクスのことを頼んだと言わんばかりの表情をしていた。
そして、悟飯はピッコロのところへと向かう。
「ピッコロさん、今まで本当にありがとうございました。ピッコロさんがいなかったら、僕はここまで強くなることは出来なかったと思います」
「…………そうか」
「それで……最後にピッコロさんにお願いがあるのですが……」
少し気まずそうにピッコロへとお願いがあると伝える悟飯。
「なんだ? 言ってみろ」
「
悟飯のこの言葉に、ピッコロは昔のことを思い出していた。
それは悟飯の少年期時代。超サイヤ人になるべく精神と時の部屋で修行後、出てきたときにお願いされたことと同じであったのだ。
ピッコロはそのときと同じく笑いながら返事をした。
「……わかった。かっこいいやつをプレゼントしてやる」
そう言うと、悟飯の方に手を向けて服を交換する。
悟飯はピッコロのようにマントやターバンをしていなかったが、それは紛れもなくピッコロの衣装であった。
「わぁ! ……ありがとうございます!」
悟飯は子供のように嬉しそうな顔をしていた。
ピッコロもその姿を似合っていると素直に褒め、握手を交わすのだった。
「それでは時の指輪で悟飯さんを元の世界に返しますね」
「皆さん、本当にありがとうございました! このご恩は決して忘れません!」
悟飯がそう言うと、界王神は時の指輪に力を込めて二人はこの世界から消えていくのだった。
◇
「……ここは……?」
「悟飯さんが亡くなったとされる日から一週間と数日ほど経っていますが、あなたの世界です」
二人が到着した場所。それは最後に人造人間と戦った西の都だった。
悟飯がすぐに駆けつけたため、場所によっては全壊しているところはあるがまだ半分以上は無事の状態だった。
「それでは私は元の世界に帰りますね」
「ええ。本当にありがとうございました」
「いいんですよ。私も元の世界の悟飯さんには助けられましたから。こちらの世界でも平和を取り戻してくださいね!」
界王神は手を振りながら消えていった。
彼がいなくなったのを確認したあと、西の都の現状を確認するべく散策する悟飯。
(あのあと、人造人間の二人はすぐに帰ったんだな。必要以上に人を殺されなくてよかった……)
人造人間19号と20号は悟飯を仕留めたあと、傷付いてしまったため西の都から離れていた。
様子を見るに、それから今までの間で襲撃は起こっていないようだった。
(……これ以上被害は出せないな。早く人造人間達を──)
「悟飯……さん……?」
被害状況を確認し、少しでも早く人造人間を倒そうと決心を固めようとしたところで後ろから声を掛けられる。
振り向くと、そこには紫色の髪をした少年が泣きそうな顔をして立っていたのだった。
「生きて……いたんです、ね……」
「ああ。心配させてしまってすまないな、トランクス」
トランクスは嬉しさのあまり、悟飯に向かって飛び込んでいくのであった。
美味しいところを悟空に取られてしまい、隠れて嫉妬していたときに、悟飯にお願いをされて嬉しそうな笑顔を見せたツンデレさん。
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次回、本編最終話です。
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