円卓の獅子がゆくトレセン生活   作:uahfuw

10 / 17
タウラス杯許さん...絶対上がってやる...



第9話

『スペシャルウィークデビュー戦勝利! 天を仰ぐ見事な棒立ち...』

 

昨日のスペ先輩の失態がでかでかと新聞に載ってしまった。...でもかわいい。

 

俺もデビュー戦が迫ってる。頑張らんとな。

 

「レオ、お前も特に作戦はない。好きに走れ。ただ...」

 

「?...なんだよ。」

 

「模擬レースの時のような走りをしようとは思うな。」

 

デビュー戦の打ち合わせをしていると、トレーナーに変なことを言われた。

 

「...実は、模擬レース中の記憶がないんだ。だから俺が一体どう走っていたのかも分からない。」

 

「...ま、ならいいんだけどよ。」

 

 

 

 

それから数日後、スペ先輩が2勝目、ウオッカ、スカーレット、マックイーン、テイオーもデビュー戦で勝利、ゴールドシップとスズカ先輩も連勝を上げる。

 

そして、俺の番がやってきた。俺が大トリってマジかよ...

 

トイレの洗面器で顔を洗いながら思考する。

 

芝の2000m、まぁ問題ない距離。

 

やり場のない不安がまとわりついてくる。だがそれを弾き飛ばす程の高揚感。

 

...やっぱレースは気分が上がるなぁ...

 

この燃え上がるような感覚...気持ちいい...

 

俺は笑いそうになるのを堪えながらパドックに向かった。

 

 

 

 

 

「続いて1枠1番、ラウンドレオン!」

 

俺がパドックに出ると、観衆の目が一斉にこちらに向く。

 

「ラウンドレオン...どうなんだろうな。」

 

「男のウマ娘って言っても大したことなさそうだな。」

 

別に気にしたりしない。レースが終わる頃には手のひらくるんってとこだ。

 

...だが...なんだその面は...

 

俺の目にチームメンバーの心配そうな顔が映る。

 

なに心配そうな面してやがんだお前ら。...気に入らねぇなぁ...

 

俺は少し乱暴にジャージを脱ぎ捨て、パドックを去る。

 

お前らはただ、俺を称える準備だけしてればいい。

 

勝つのは俺だ。

 

 

 

 

 

ゲートの準備を待っていると、横から声がかかる。

 

「今日はよろしく。いい勝負にしよう。」

 

こいつは...あぁ、確か一番人気の。名前なんて憶えてねぇが。

 

他人に声掛ける余裕...自信満々ってか?他のやつらに比べていいじゃねーの。

 

その鼻っ柱、俺がへし折ってやる。

 

「...あぁ、いい勝負になるといいなぁ。」

 

...準備出来たっぽいな。あぁ...待ちくたびれたぜ...

 

 

 

 

全員がゲートに入る。...まだか...

 

そしてゲートが開き、一斉にスタートする。

 

...一人を除いて。

 

「あぁっと!?ラウンドレオン大きく出遅れた!」

 

馬鹿が、わざとに決まってんだろうが。

 

最後尾から群れの動きを観察する。

 

...大した速さじゃない、溜めているかあるいは...

 

バ群の最後尾から3バ身ほどの間合いを取り、レースを進める。

 

そして勝負所の最終コーナー手前へ。

 

...さぁ、お手並み拝見。

 

スピードを上げ、バ群の外側を駆け抜ける。

 

...なんだよ...大体バテてんじゃねぇか...

 

他のやつらに呆れていると、一人バ群から抜け出したやつが。

 

...いいぜ、勝負だ!

 

最終直線、俺と一番人気の一騎討ちが始まる。

 

互いが先頭を譲らない。観客の目にはそう見えているだろう。

 

「...それが限界らしいな。」

 

「!?...」

 

そして均衡は崩れ去る。残り200mで俺はさらにギアを上げた。

 

 

 

「ラウンドレオン1着でゴール!出遅れからの8人抜きで見事勝利しました!」

 

「...ふぅ...勝った。」

 

体を覆っていた熱が冷めていくのを感じる。

 

「...おめでとう、私の負けだ。」

 

「えっ、あぁ...えと...いい勝負だった...」

 

この人も速かったなぁ...負けるところだった。

 

そうだ、スピカの面々はと...いた。

 

俺はメンバーに向けて、手を振る。

 

競技場は歓声に包まれた。

 

 

 

 

 

「お前ら...中々やるな!この調子ならチームリギルに追いつくのももうすぐだ。」

 

チームメンバー全員の勝利、めでたい事だな。

 

ん?ウイニングライブ?...俺のなんか誰が得すんだっての。

 

そんなことより、スペ先輩が三冠を目指すようだ。

 

次の弥生賞に勝って皐月賞への自信をつけたいところ。

 

今日もトレーニング頑張るぞ...その前に。

 

「スペ先輩、トレーナー、ちょっと話が。」

 

 

 

 

 

「話ってなんですか?」

 

「...スペ先輩。...この間の件は全て勘違いです。俺はただこいつに気を付けるよう話していただけですので!!!」

 

この間の「レオトレカップリング事件」の誤解を解かねばならん。俺はホモじゃないッ!!!

 

「...あぁ、すみません!すっかり忘れてました!」

 

「お前も気にし過ぎだっての。なぁ?」

 

「お前は黙れッ!」

 

「ぐへっ!」

 

トレーナーの腹に軽めのアッパーを入れる。

 

「...とにかく、そういう事なんで。」

 

「はい!じゃあトレーニング行きましょう!」

 

...やっぱスペ先輩のセラピー効果しゅごい...これがスペシャルセラピー...

 

ラウンドレオンのやる気が上がった

 

 

 

 

 

 

「レオ...ちょっと。」

 

「ん?なんだよ。」

 

練習後、マックイーンに校舎裏に連行される。はよ風呂入りたいんだが。

 

「...あなた、スペシャルウィークさんの事どう思ってますの?」

 

「ハアッ!?ななななんだよ急に!?」

 

「その反応やっぱり!」

 

マックイーンの質問に赤面していると、両肩をガッシリ掴まれた。

 

「私というものがありながら、他の子に目移りするなんて...」

 

「目移りって...」

 

一体いつ俺がお前とそこまでの関係になったんですかね。

 

確かにスペ先輩の事は好きだ。いや大好きです。

 

でもダメです。彼女にはスズカ先輩がいる。

 

スぺスズしか勝たんやろがいッ!!!だって二人の時の嬉しそうな顔見たら...もう...

 

だからこの想いは、胸に秘めておきましょう。そうしましょう。

 

「...別にお前が思ってるような関係じゃねぇよ...俺はただ純粋にスペ先輩を尊敬してる。そんだけだ。」

 

「それならいいですが...そういえば、おばあさまが久しぶりに会いたいと言っていましたわ。」

 

「...そうか。」

 

メジロ家には色々と世話になっていてな。

 

例えば俺が怪我をした時、マックイーンが何処からともなく主治医を召喚してくれるんだ。

 

まぁその他もろもろ、何故か色んなサポートを俺に施してくれる。その当主には頭が上がらないよ。

 

なんかうちの親とも仲いいし。コミュ力つよつよか?

 

「じゃあ、都合いい日教えてくれ。行くから。」

 

「では今度の日曜日にしましょう。私から伝えておきます。」

 

...ファッション考えないと...制服の方がいいか...?

 

 

 

 

 

1.名無しさん 20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX:XX

 

俺今度金持ちの女友達の家行くことになったんだけど、服どうすればいい?

 

2.名無しさん 20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX:XX

>>1

裸でいいんじゃない?

 

3.名無しさん 20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX:XX

>>1

ここに頭の良い人しか見えない服があるじゃろ?

 

4.名無しさん 20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX:XX

>>1

○ね

 

 

こいつらやっぱダメだぁ。

 

んんんんんん~どうしようかなぁ~。

 

服のチョイスに頭を悩ませていると、ノックの音がした。

 

「はーい。誰かな。」

 

ドアを開けると、いつぞやの怪物がいた。

 

「こんばんは。ご飯は食べてしまったか?」

 

「いやまだですけど...」

 

「よかった。この間のお礼でたこ焼きをご馳走したい。食べられるか?」

 

「えぇ。」

 

「じゃあ早速部屋に来てくれ。タマとクリークが待ってる。」

 

...部屋にお呼ばれしちゃったよ。でもたこ焼き大好き。

 

 

 

 

 

オグリ先輩に連れられ部屋に着くと、タマモ先輩とクリーク先輩がたこ焼き機と食材を準備して待っていた。

 

タマモ先輩も地方から上がってきた紛れもない実力者だ。意外と常識人で頼りになる。

 

「お?来おったで!」

 

「あらあら。こんばんは、レオンくん。」

 

...これご馳走してくれるのタマモ先輩だよね。オグリ先輩...?

 

「...食材は私が用意した。」

 

「どないしたん急に。」

 

「レオンがお前なんもしてなくない?みたいな視線を向けてきた気がして。」

 

「ただの被害妄想ですね。」

 

誰もそんなこと考えてませんよ。HAHAHA。

 

てかなんで白米が用意されてるんだろう。炭水化物×炭水化物?

 

 

 

 

香ばしい匂いが部屋中に漂う。お腹がなりそうだ。

 

...オグリ先輩よだれ出てますよ。

 

垂れそうなのを眺めていると、横からクリーク先輩によって拭い去られる。

 

「よっしゃ!一丁上がりや!」

 

「「「いただきます。」」」

 

ふぅー...ふぅー...はむっ

 

...うま。これが大阪の味...

 

「レオンくん、こっち向いて?」

 

「ん?」

 

声の方を向くと、口元をクリーク先輩に拭われる。この人待ち構えてない?

 

「口元にソース付いてましたよ?」

 

「...俺のソースよりたこ焼き食べないと。オグリ先輩の胃に吸い込まれちゃいますよ?」

 

「...」モグモグ...

 

...すげ、たこ焼きをおかずに白米掻き込んでるよ。

 

俺も試してみっか。...モグモグ...

 

...あ、うま。

 

「あらあら、顔が溶けてますよ~」

 

 

 

 

レオン達の楽しいタコパは夜遅くまで続いた...

 

 




PVPはスタミナSSに金回復積まんとダメです
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。