『スペシャルウィークデビュー戦勝利! 天を仰ぐ見事な棒立ち...』
昨日のスペ先輩の失態がでかでかと新聞に載ってしまった。...でもかわいい。
俺もデビュー戦が迫ってる。頑張らんとな。
「レオ、お前も特に作戦はない。好きに走れ。ただ...」
「?...なんだよ。」
「模擬レースの時のような走りをしようとは思うな。」
デビュー戦の打ち合わせをしていると、トレーナーに変なことを言われた。
「...実は、模擬レース中の記憶がないんだ。だから俺が一体どう走っていたのかも分からない。」
「...ま、ならいいんだけどよ。」
それから数日後、スペ先輩が2勝目、ウオッカ、スカーレット、マックイーン、テイオーもデビュー戦で勝利、ゴールドシップとスズカ先輩も連勝を上げる。
そして、俺の番がやってきた。俺が大トリってマジかよ...
トイレの洗面器で顔を洗いながら思考する。
芝の2000m、まぁ問題ない距離。
やり場のない不安がまとわりついてくる。だがそれを弾き飛ばす程の高揚感。
...やっぱレースは気分が上がるなぁ...
この燃え上がるような感覚...気持ちいい...
俺は笑いそうになるのを堪えながらパドックに向かった。
「続いて1枠1番、ラウンドレオン!」
俺がパドックに出ると、観衆の目が一斉にこちらに向く。
「ラウンドレオン...どうなんだろうな。」
「男のウマ娘って言っても大したことなさそうだな。」
別に気にしたりしない。レースが終わる頃には手のひらくるんってとこだ。
...だが...なんだその面は...
俺の目にチームメンバーの心配そうな顔が映る。
なに心配そうな面してやがんだお前ら。...気に入らねぇなぁ...
俺は少し乱暴にジャージを脱ぎ捨て、パドックを去る。
お前らはただ、俺を称える準備だけしてればいい。
勝つのは俺だ。
ゲートの準備を待っていると、横から声がかかる。
「今日はよろしく。いい勝負にしよう。」
こいつは...あぁ、確か一番人気の。名前なんて憶えてねぇが。
他人に声掛ける余裕...自信満々ってか?他のやつらに比べていいじゃねーの。
その鼻っ柱、俺がへし折ってやる。
「...あぁ、いい勝負になるといいなぁ。」
...準備出来たっぽいな。あぁ...待ちくたびれたぜ...
全員がゲートに入る。...まだか...
そしてゲートが開き、一斉にスタートする。
...一人を除いて。
「あぁっと!?ラウンドレオン大きく出遅れた!」
馬鹿が、わざとに決まってんだろうが。
最後尾から群れの動きを観察する。
...大した速さじゃない、溜めているかあるいは...
バ群の最後尾から3バ身ほどの間合いを取り、レースを進める。
そして勝負所の最終コーナー手前へ。
...さぁ、お手並み拝見。
スピードを上げ、バ群の外側を駆け抜ける。
...なんだよ...大体バテてんじゃねぇか...
他のやつらに呆れていると、一人バ群から抜け出したやつが。
...いいぜ、勝負だ!
最終直線、俺と一番人気の一騎討ちが始まる。
互いが先頭を譲らない。観客の目にはそう見えているだろう。
「...それが限界らしいな。」
「!?...」
そして均衡は崩れ去る。残り200mで俺はさらにギアを上げた。
「ラウンドレオン1着でゴール!出遅れからの8人抜きで見事勝利しました!」
「...ふぅ...勝った。」
体を覆っていた熱が冷めていくのを感じる。
「...おめでとう、私の負けだ。」
「えっ、あぁ...えと...いい勝負だった...」
この人も速かったなぁ...負けるところだった。
そうだ、スピカの面々はと...いた。
俺はメンバーに向けて、手を振る。
競技場は歓声に包まれた。
「お前ら...中々やるな!この調子ならチームリギルに追いつくのももうすぐだ。」
チームメンバー全員の勝利、めでたい事だな。
ん?ウイニングライブ?...俺のなんか誰が得すんだっての。
そんなことより、スペ先輩が三冠を目指すようだ。
次の弥生賞に勝って皐月賞への自信をつけたいところ。
今日もトレーニング頑張るぞ...その前に。
「スペ先輩、トレーナー、ちょっと話が。」
「話ってなんですか?」
「...スペ先輩。...この間の件は全て勘違いです。俺はただこいつに気を付けるよう話していただけですので!!!」
この間の「レオトレカップリング事件」の誤解を解かねばならん。俺はホモじゃないッ!!!
「...あぁ、すみません!すっかり忘れてました!」
「お前も気にし過ぎだっての。なぁ?」
「お前は黙れッ!」
「ぐへっ!」
トレーナーの腹に軽めのアッパーを入れる。
「...とにかく、そういう事なんで。」
「はい!じゃあトレーニング行きましょう!」
...やっぱスペ先輩のセラピー効果しゅごい...これがスペシャルセラピー...
ラウンドレオンのやる気が上がった
「レオ...ちょっと。」
「ん?なんだよ。」
練習後、マックイーンに校舎裏に連行される。はよ風呂入りたいんだが。
「...あなた、スペシャルウィークさんの事どう思ってますの?」
「ハアッ!?ななななんだよ急に!?」
「その反応やっぱり!」
マックイーンの質問に赤面していると、両肩をガッシリ掴まれた。
「私というものがありながら、他の子に目移りするなんて...」
「目移りって...」
一体いつ俺がお前とそこまでの関係になったんですかね。
確かにスペ先輩の事は好きだ。いや大好きです。
でもダメです。彼女にはスズカ先輩がいる。
スぺスズしか勝たんやろがいッ!!!だって二人の時の嬉しそうな顔見たら...もう...
だからこの想いは、胸に秘めておきましょう。そうしましょう。
「...別にお前が思ってるような関係じゃねぇよ...俺はただ純粋にスペ先輩を尊敬してる。そんだけだ。」
「それならいいですが...そういえば、おばあさまが久しぶりに会いたいと言っていましたわ。」
「...そうか。」
メジロ家には色々と世話になっていてな。
例えば俺が怪我をした時、マックイーンが何処からともなく主治医を召喚してくれるんだ。
まぁその他もろもろ、何故か色んなサポートを俺に施してくれる。その当主には頭が上がらないよ。
なんかうちの親とも仲いいし。コミュ力つよつよか?
「じゃあ、都合いい日教えてくれ。行くから。」
「では今度の日曜日にしましょう。私から伝えておきます。」
...ファッション考えないと...制服の方がいいか...?
1.名無しさん 20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX:XX
俺今度金持ちの女友達の家行くことになったんだけど、服どうすればいい?
2.名無しさん 20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX:XX
>>1
裸でいいんじゃない?
3.名無しさん 20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX:XX
>>1
ここに頭の良い人しか見えない服があるじゃろ?
4.名無しさん 20XX/XX/XX(X) XX:XX:XX:XX
>>1
○ね
こいつらやっぱダメだぁ。
んんんんんん~どうしようかなぁ~。
服のチョイスに頭を悩ませていると、ノックの音がした。
「はーい。誰かな。」
ドアを開けると、いつぞやの怪物がいた。
「こんばんは。ご飯は食べてしまったか?」
「いやまだですけど...」
「よかった。この間のお礼でたこ焼きをご馳走したい。食べられるか?」
「えぇ。」
「じゃあ早速部屋に来てくれ。タマとクリークが待ってる。」
...部屋にお呼ばれしちゃったよ。でもたこ焼き大好き。
オグリ先輩に連れられ部屋に着くと、タマモ先輩とクリーク先輩がたこ焼き機と食材を準備して待っていた。
タマモ先輩も地方から上がってきた紛れもない実力者だ。意外と常識人で頼りになる。
「お?来おったで!」
「あらあら。こんばんは、レオンくん。」
...これご馳走してくれるのタマモ先輩だよね。オグリ先輩...?
「...食材は私が用意した。」
「どないしたん急に。」
「レオンがお前なんもしてなくない?みたいな視線を向けてきた気がして。」
「ただの被害妄想ですね。」
誰もそんなこと考えてませんよ。HAHAHA。
てかなんで白米が用意されてるんだろう。炭水化物×炭水化物?
香ばしい匂いが部屋中に漂う。お腹がなりそうだ。
...オグリ先輩よだれ出てますよ。
垂れそうなのを眺めていると、横からクリーク先輩によって拭い去られる。
「よっしゃ!一丁上がりや!」
「「「いただきます。」」」
ふぅー...ふぅー...はむっ
...うま。これが大阪の味...
「レオンくん、こっち向いて?」
「ん?」
声の方を向くと、口元をクリーク先輩に拭われる。この人待ち構えてない?
「口元にソース付いてましたよ?」
「...俺のソースよりたこ焼き食べないと。オグリ先輩の胃に吸い込まれちゃいますよ?」
「...」モグモグ...
...すげ、たこ焼きをおかずに白米掻き込んでるよ。
俺も試してみっか。...モグモグ...
...あ、うま。
「あらあら、顔が溶けてますよ~」
レオン達の楽しいタコパは夜遅くまで続いた...
PVPはスタミナSSに金回復積まんとダメです