王のもとに集いし騎士たち   作:しげもり

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捏造設定炸裂の回です。読み飛ばし推奨回


賞金の使い道

ドバイでの賞金が振り込まれた。アメリカの分は審査ののちまた後日だ。

 

悩んだ末に活動資金が必要なので結局は円建てで受け取った。

 

1着賞金87万米ドル約9,400万

 

「分配は・・・」

「先生にお任せしますよ」

「・・・あまり人が良すぎると悪いやつに騙されるぞ」

「そこは先生を信頼してますから」

「すまんな。次の賞金が出るまで今回は頼らせてもらう」

 

ハルウララの賞金 1着賞金87万米ドル約9,400万だが全額が入るわけではない

 

ここでサラリーマンと同じように源泉徴収額がかかり消費税がかかる。

学園の方で消費税額控除してくれなければ専門の税理士を雇うところだ。

旅費や食費を経費として認めてくれるのは助かる。

税金の不足分は学園が調節して支払い代行してくれる。

ウマ娘の個人所得とせず事業所得とみなしてもらうらしいがそこはお任せだ。

そして寄付金としての控除がある。

 

税引き後 残り約7700万円

 

ちなみに賞金の3割は学編への寄付だ。チームの規模や賞金額によりもちろん個々で違うが・・・

その後いくらかが抜かれて手元に残る。

一部の10%の1軍のウマ娘が他の生徒と教師の生活を支えている。

才能のある学生の入学費が安く生活が保障されている理由がそれだ。

食費やコースの整備や服などは莫大な金額がかかる。

あながちシンボリルドルフのすべてのウマ娘のためというセリフは間違いではない。金額的にはだが。

ただこれらは彼女たちが知るべきことではなく俺たち大人が解決すべき問題だろう。

資金の計算で彼女らを困らせることは無い。

実際問題、学園は自転車操業の運営ともいえるが・・・理事長を始め経営に優秀な人が多い。

 

寄付金後 残り5390万円

 

「・・・そういえばウララさんはどうだ?記者連中が押しかけてないか」

「記者たちもまさか商店街で売り子してるとは思いませんよ

もっとも気づいてる詳しい記者は何人かいますが」

「そうか。もうすぐ学園で記者会見が行われるだろうけどな」

 

俺はハルウララの周りをうろついていた男を思い出す。

 

「十分注意しろよ。彼女を利用しようとする悪い大人は大勢いる」

「将来的にはSPも雇いたいところですけどね。警備員をつけないといけないとも考えています」

「さすがにそこまでは・・・まあ学園内は警備が行き届いているけどな」

 

彼もたいがい心配性だ。俺も人のことは言えないが。

 

 

会話をしながら俺たちは計算を続ける。

 

「予備の衣装、靴。いずれは次の遠征代か」

今回は旅費がキングの家が出してくれたが次からは自分たちで計画して払わねばならない。

キングヘイローの家にいつかお礼に行かないといけないな・・・

 

「それにあの子たちの衣装もでしょう」

「そうだな」

学園から服や靴は支給されるが一定の水準でそれ以上こだわるなら各自でということだ。

靴底の蹄鉄の素材や形にこだわればお金は湯水のように流れてゆく。

スポーツというのは恐ろしく金がかかる。

スポンサーをつければいいのだが学園の学生はそれが原則禁止されている。

大人たちや会社の宣伝に巻き込まれたり裏の世界に八百長や賭け試合持ち掛けられたりの危険を理事長は気にしている。

そしてそれは正しいしスポンサーがいないからこそ学園は自由に発言できてるともいえる。

 

「5人で1000・・・いや1390は欲しい。もっともこれ以上メンバーが増えなければだが」

「増やさないんですか?」

「これ以上面倒見れるか?」

 

俺の言葉にアオ君は黙って首を振る。

 

運営費後 残り4000万円

 

「半分は・・・いや3000はウララさんが取っておいた方がいい。広報パーティの付き合いもあれば将来もあるし」

「将来ですか?」

「ああ、結婚もあるだろうし子供も生まれるだろう」

「そんな・・・早すぎやしませんか?」

 

口から出かかったそれはお前たちしだいだろという言葉を俺は飲み込む。

 

「ウマ娘のレースで活躍する期間は短い。それに人生何かあるかわからん。

ケガや病気にはさせないが結婚を始め先のことなんて誰にも分らないしな」

「そうですね。ではウララの名義で貯蓄しておきます」

 

手取り後 残り1000万円

 

「・・・金額的には多いが何かするには少ない」

「物品や資材の購入はどうです?」

「そこはできるだけ学園を頼らせてもらおう。その分は払ってるんだし」

 

 

あの学園長は変な重機やニンジン畑など無駄遣いが多いが役に立つだけに文句が言えない。

理事長はポケットマネーというが理事長の給料は一体どうなっているのか・・・

 

「ウイニングライブ用の費用というのもありますが」

「・・・そこは捨ててるからな。ステージ衣装買うくらいなら他に使う」

 

他のウマ娘は芸能界を目指してライブ用に衣装やステージセットまで用意するらしいがそんなものは不要だ。

 

「あと使ったことがないのは広告費用、宣伝費用か・・・」

「広報活動で百貨店やレース場で歌うというのはありますが・・・」

 

俺は学園出入りの広告業者にもらった資料を読むがいまいち効果がわからない。

 

「全くわからん。芸能界のことなんて知らないからな」

「僕もですよ。・・・必要なんですか?」

「芸能界や歌手や俳優を目指してるウマ娘はつぎ込むらしいが。

学園内にはレースより芸能活動を重視するチームもあるからな・・・

あとSNS宣伝費か。工作費に近いな」

「ああ、人気稼ぎですか。」

「悪い噂の火消しもあるだろうけどうちのメンバー気にしないからな・・・」

 

キングヘイローなんかは悪い噂を言われなれているともいう。地味に傷ついてはいるだろうが・・・

 

それに芸能界はあまり近づいて欲しくない。騙されるという娘の事件などもあるし。

悪い大人たちに利用されて欲しくない。

 

「俺達では考えが浮かばないな。ウララさんを呼ぶか」

「ウララに聞くんですか?」

「稼いだのはウララさんだしうちのエースなら何かアイディアもあるだろ。」

 

まああまり期待してないが・・・

 

「ウララちゃんありがとうありがとう!」

「えへへ・・・いいんだよ」

 

「なんでこんなことに」

 

目の前では泣きながら感謝する商店街の人たちに囲まれているハルウララがいる。

 

ハルウララに尋ねると「助けて欲しいんだけど・・・」

 

と言われて借金で苦しんでいる商店街の人を助けることになった。

 

「ありがとう!!これでこの店を立て直せるよ!」

 

「人が良すぎるだろ・・・」

 

事業がうまくいかず借金や金銭問題で困っている人達、生活苦の商店街の人にハルウララは威勢よく金をばらまいていた。

 

まあ、稼いだお金をどう使うかは本人の自由だが人が良すぎる。

 

俺は笑い合うハルウララと商店街の人を見てため息をつく。

 

その後俺はまたこんなことがないようお菓子はハルウララの名前を使った商品開発などのアイディアの助言。

学園へのウマ娘用の物品納入の口添えやホームページでの客寄せとネットでの宣伝。

それと税金対策や店舗の運営などのコンサルタントをアオ君と一緒に教えて回るのだった。

 

 

 

だがこれがのちに巡り巡ってハルウララたちを助けることになると知るのは

それからずいぶん先の月日がたってのことになるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




「人の心を買ったよ~」の巻
この後誹謗中傷を受けたりウララを害しようとする人たちから彼らは全力でウララを守ることになります
まあそれ以上の結びつきがウララたちと周りの人たちには以前からあるのですが

ウララを狙う大人はたくさんいます。史実では色々大変なことになってましたが・・・


あと税金高すぎませんかね

理事長「寄付!私は全財産をこの学園につぎ込んでいるっ!諸君らにもそのつもりでいてもらいたい!」
ざわ・・・ざわ・・・

もちろんこのあとたづなさんに理事長は叱られた。

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