王のもとに集いし騎士たち   作:しげもり

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トレーナーの給料編

 

 

 

今日はトレーナーの飲み会だ。気が進まないがアオ君のみんなが期待してますからという言葉で参加している。

・・・俺なんかが参加しても場が盛り上がらないだろう。少ししたら帰るか。

 

「えっ!先生やめちゃうんですか?」

 

後輩君にこれからのことを聞かれて答える。

 

「ああ、べつにこれからもキングのマネージャーは続けるんだから今までと変わらんだろう」

 

ふとトレセン学園の任期が終わればどうするかという話題になった。

その後のことを聞かれて俺は答える。

キングヘイローたちが学園を出た後はそれについていく予定だ。

 

「いや、しかしトレセン学園は環境いいでしょう?保証も手厚いですし」

 

「確かにな・・・料理はうまいし施設も充実してる。・・・ただ給料が出ないのはな・・・」

 

「は?」

「え?」

 

アオ君たちは驚くが、俺は正式に試験を受けて学園に雇われたわけじゃない。いわばモグリで学園の温情でいるだけだ。

学園から食費は出るし学食も学園の設備も利用できる。通信費も無料だ。生活には困らないのだが・・・

 

それに今はキングのポケットマネーで生活してるようなもんだし。

 

いわばヒモだ。時々求人誌を眺めているのだが就職できるイメージがわかない・・・

 

俺はふと当時のことを思い出す。

 

キング「私はあなたの将来を買うわ!あなたにはそれだけの価値があるのよ!」

俺  (やだ、男前・・・)

 

そんなこと言われたら一生ついていくわ!

 

 

「キングさんの家からいくらもらってるんですか」

 

俺は黙って片手を突き出す。

 

「50万ですか」

 

「いや5万だ」

 

「はぁあああ!?」

 

キングヘイローのポケットマネーだ。あの子も買いたいものがあるだろうに・・・

 

それを考えると無駄に使うことができない。断ってもお金を押し付けてくるので断り切れない。

キングヘイローの孫に小遣いを上げるおばあちゃんのような表情は気にかかるが・・・

 

光熱費と食費や通信費がかからないので俺には実質書籍を買うくらいしかない。あとは趣味のゲームくらいか。

書籍も学園の図書館に要望出せばいいんだが時間がかかるしな・・・

あとで本は代理購入に出来ないか学園に問い合わせてみよう。

 

「ねぇ、あなた私にやとわれてみない?その3倍・・・いえ5倍出すわ」

「・・・そんなことができるわけないだろう。断らせてもらう」

 

なぜかすごい勢いで迫ってくる女トレーナーをあしらう。

・・・金額に少し惹かれたのは秘密だ。

 

「それに自分の意見が受け入れられる今の環境も気に入ってるしな」

 

トレーナーとウマ娘で意見が合わずに対立することなんてよくある話だ。

チームにトレーナーが多くいれば新人トレーナーの意見が受け入れられることは少ないし、

それは企業などのプロチームに行けば派閥という形で表れてくる。

 

 

「しかしもったいないですね。企業のチームトレーナーになればもっと儲かるでしょうに」

「それは買いかぶりすぎだ。俺は企業の面接にもいったが断られた」

 

「ええっ?断る企業なんかあるんですか?」

「ああ、あるぞ。たとえば・・・」

 

俺が面接で落ちた企業名を答えるとみんなは難しい顔になる。

 

「あそこがそんなに難易度が高いとは思えませんが」

「コーチ陣の入れ替えの時なんですかね・・・」

 

せっかくの酒の席だ。もう少し明るい話題の方がいいだろうと俺は話題を変える。

 

「まぁ、上には上がいるということだよ。そういえばこないだの新人生徒たちのレース運びは良かったけど」

「ああ、聞いてくれよあれは・・・」

 

チームスピカのトレーナが面白おかしく語りだし俺たちは笑いながら相槌を打つ。

 

みんな気のいいトレーナーばかりだ。みんな優秀だから話しているだけで勉強になる。

変わり者も多いというがウマ娘の最高学府だけに人柄がいいやつばかりだ。

いや、あの理事長が選んだ人たちだからか。

 

「・・・みんなと話すのもたまには良いかもしれないな」

 

俺は久しぶりに楽しい時間を過ごし帰路につくのだった。

 

 

 

 

 

――後日

 

 

「ねえ、あなた!私の家がケチだったという噂が流れてるのだけど!」

「ひどいな・・・おおかたキングの母親の商売がたきが流した噂だろう」

 

その後小遣いを増やすというキングヘイローと絶対にいらないと言う俺とで激しい言い合いになるのだが

結局は今のままでしばらく続けるということで落ち着いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




主人公の給料はキングの実家から出てます。キングは見栄を張って自分が払ってるように言ってますけど
(そのせいでややこしいことに)

キング母「今までの家庭教師代より安いんだけどいいのかしら・・・」
キング 「今度絶対にお金を受け取るようにきつく言っておくわ・・・」

ちなみにモグリトレーナーは企業面接をトレーナーではなく一般応募で受けてるので落ち続けてます。

実際ゲーム中のトレーナーの給料っていくらくらいなんでしょうかね?



マルゼンスキーさんがカウンタックLP400持ってるとしたら整備費用だけで月60~100万はいきますからね
(自分で整備できる。もしくは実家が整備屋と提携してるかもと言うのはありますが)
レースで結果を出してる人の家はそれなりにお金を持っているのでは?という話
あとマルゼンスキーさん乗ってるのは25アニバーサリー版だと言ってくれ・・・え?オリジナル?

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