転生特典はナルト。世界観がぐちゃぐちゃなハイスクールD×Dの世界で最強を目指す 作:やまたむ
日本のとある地方都市、駒王町。そこにある小学から大学まで一貫の学園、駒王学園。
前世と同じような構造の家や、ビル、デパートがある町。そんな町のなかにも、前世とは違うところが存在した。
「分身の術!」
小学校への登校中なのだろうか。ランドセルを背負った少年が、そう言って全く同じ姿の少年を隣へと召喚した。
それをみて、『おぉ、すげぇ……』と思う取り巻きの少年たち。
そう、この世界は、『普通の』ハイスクールD×Dの世界ではない。NARUTO -ナルト-における、『チャクラ』、それが、一般に普及し、技術として人間なら誰もが扱える力として、定着した世界なのだ。
そんな世界において、チャクラのコントロールは基礎中の基礎。小学生のうちに『分身の術』は誰しも扱えるようになる。きっと、この『すげぇ……』と感心していた子達の年齢は7、8歳位なのだろう。
そんな、初歩的な術を扱えない高校生が、『
「はぁ……」
まだ、新学年が始まって一ヶ月くらいしか経っていないにも関わらず、クソデカため息を真斗はつく。そして、そんな彼の背後から、同じく初歩的な術である『分身の術』が使えない少女、『
「なに、大きなため息をしておるのじゃ。妾の気も滅入るであろう」
「あぁ、うん。知ってる。で、なにか用?」
「まーた、そのような態度を……まあ、よい。幼馴染みのよしみじゃ。気にせんでおこう」
「本題は?」
「あるわけなかろう? 幼馴染みと登校する以外の用が」
こんの、のじゃロリ……と心のなかで呟く真斗。そんな顔で睨み付けていたせいか、
体躯に似合わず、強力な力で小さな指のあとが真斗の頬に刻まれる。
「いったいなぁ……八坂さんも躾間違えてるよ……」
「母上の悪口は妾が許さんぞ?」
「八坂さんじゃなくて、虚葉の悪口だから」
「なお悪いわ!!」
ガシッと飛びかかり、頭の操縦権を握る虚葉。ブンブン振り回されるも、気にした素振りもなく、なされるがまま登校していると、眼鏡と坊主の二人組が腕を交差させ、突進してきた。
「なにイチャついとんじゃワレ!!」
「俺たちにもその特権を寄越せ!!」
「やれー! 松田! 元浜!」
分身の術すらまともにできない真斗に、二人のラリアットを避ける術はなかった。
いつの間にか頭を踏み台に、真斗から飛び退いていた虚葉は、適当な家屋の屋根の上で真斗がきれいに放物線を描きながら、数メートル飛ばされるのを眺めている。
コンクリートの地面に頭から激突した真斗は、「つぅ……」と呟きながら立ち上がると、それをした本人たちを睨み付ける。
身の毛がよだつような恐怖を感じ、三人はがっちりと抱き合い、ぶるぶると震え上がった。
「はぁ……」
真斗が大きくため息をつくと、恐怖を与えるほどのプレッシャーは失くなった。
「まだまだじゃの、真斗は」
かっははは、と豪快に笑う虚葉に、なにが? とドストレートに殺気を向ける。そんなものどうってことないと、快活に笑いながら、虚葉いった。
「そう、それじゃよ。まだまだ、自分の力のコントロールができておらぬ。ちょっと、感情のセーブを間違えただけで、人を怯えさせてどうする? バカかえ?」
「おう、喧嘩売ってんだな、売ってるみたいだなおい」
「真斗じゃ妾には勝てんよ。触れることすら無理じゃろうて」
「知ってるよ……」
ぷはーと、大きく息を吐く真斗。彼らなりのコミュニケーションに、三人組は置いてけぼりをくらう。
それから、三人組を含めた五人で登校すると、虚葉を他の女子たちにより、引き剥がされ、いつもの四人組へと戻った。
「おい」
「はーっはっはっは。残念だったなマナト。貴様も、もう、我らと同じ穴の狢。一蓮托生。ようこそ、落ちこぼれ変態四人衆へ」
「大体お前らのせいだからな……」
「なあに、強力な力やチャクラ量、それらが半端なかったとしても、俺達の絆は変わらねぇ。真斗。お前もそう思わないか?」
「おっぱいは世界を救うって話は、いやってほど、去年聞かされたけど?」
「だが、お前も感化され、さきほど、虚葉嬢チィッパイを頭で堪能していたのであろう?」
「否定はしない……」
顔を赤く染め、三人組から目をそらす。そう、この三人組、なにも、仲間が抜け駆けし、女の子といちゃついているのがムカついて、ラリアットをかましてきたわけではない。
虚葉という、割りと上級の美少女が、冴えない落ちこぼれ高校生といちゃついていたら、他の男子生徒がぶちギレるから、身内で処理したと体裁を保つためにやったのだ。決して、真斗が羨ましいとか、美少女といちゃついてムカついたからとか、そんな感情的な理由ではない。
「つまり、マナトも
ドヤァとうざいキメ顔を
「軽く一発の威力じゃねぇ!?」
「よーし、あと二人も覚悟は良いな?」
クルッと振り返る真斗に恐怖を覚え、松田と元浜の二人はいち早く校門をくぐる。真斗はぐったりと倒れた一誠を二人に向けてぶん投げた。
相当な怪力なように感じるが、大雑把なチャクラコントロールで肉体を強化したため、腕や肘、手首を痛めてしまう。
「つぅ……」
「だ、大丈夫?」
「ん?」
突然、後ろから心配そうに、声をかけてくる女子の声に、振り返る。
そこには、背丈は女子の平均くらいで、瞳が薄紫という特徴的な虹彩を持った少女がたっていた。
どうやら、先程の呟きが聞こえていたのか、それとも、一連の流れをずっと眺めていたのか、無理な投げ方をしていたので、傷をおっていなかったか、心配で声をかけてきたようだ。
「あぁ、うん。平気。それより、
といいつつも、制服を押し上げるような特徴的な胸部に視線が集中している真斗。遥か前方から殺傷力のない紫炎で攻撃される。
「あいつ……」
「あ、あの。それじゃぁ、私、いくね。それと、これ……」
「ん? あぁ、湿布か……ありがと」
「ううん、気にしないで。それと、女の子は視線に敏感だから、気を付けた方がいいよ?」
「……はい」
優しくしかられ、シュンとする真斗の背をいつの間にか接近していた変態トリオがポンポンとたたく。
「かわいいもんな、雨龍さん。マナトに告白したんだろ? お前、何で、フッたんだ?」
「いや、僕には会わないでしょ。あんな良い子。もっと優秀で、強い人じゃないと」
「自己評価低いねぇ……あー、だから、
「虚葉は関係ないだろ」
「虚葉嬢もかわいいからな。このモテ男め、死ね」
「いやだから、なんでそうなる」
「俺たちが羨ましいと思ったからだ」
私怨じゃねぇか……三人に聞こえないように呟く。
なんだかんだ、普段の日常的な会話に、ちょっぴり嫉妬をのせた四人組は自分達の教室へと向かう。
「そういや、昨日すげぇ良いスポット見つけたんだけどよ。放課後、一緒に行かねぇか?」
「覗きはしないから」
「とかいって、結局ついてくるんだろ?」
「そうそう、お前らの監視だからなって言って一緒に覗くくせに。このむっつりめ」
「ほら、さっさと、いくぞ」
「逃げた」
「逃げたな」
「逃げやがった」
そう言って三人をおいていく真斗にも、女子からの嫌悪の視線があることを、四人は知るよしもなかった。
※※※
放課後、体育館の片隅。小さな穴に眼鏡と坊主の二人組が、陣取りその穴から中を覗いていた。何しているのかと、疑問に思うが、もう遅い。結局、三人組に着いてきてしまった真斗も同じ穴の狢だったわけだ。
「おい、俺にも見せろよ!!」
「まて、待つんだイッセー。まだ、俺たちも見えてないんだ」
「カメラ、カメラをぉ……!」
「騒いでちゃ、覗きの意味ないでしょ」
バカらしい。そういいながら離れるつもりのない真斗に、雷が一閃。呆気なく、地面と濃厚なキッスをした。
「ま、マナト!!」
「なにがあった!?」
反射的に三人が振り返ると、そこには、鬼の形相をした女生徒の集団。なかには、苦笑いを浮かべていたり、涙を浮かべていたりと、十人十色な表情が見えかくれする。
そして、真斗を落とした本人は、手に黄色い雷を纏っており、残り三人に照準を定める。
「いい加減、反省しろっていってるでしょうが!! 雷遁・地伏電」
代表格の女子生徒が、地面に手をつけ、雷を放つ。その雷は、地を這い四人を襲った。
追い討ちをかけられた真斗はギャグマンガのように黒焦げに、防御の術を持っていなかった三人組は黒焦げになりながら、地面に倒れ伏した。
フンッと怒りながら女子生徒たちは退散していく。
残された四人に、小柄で、苦笑いを浮かべていた少女が近寄った。
「相変わらず反省せぬの。もう少し学習すればどうじゃ?」
ツンツンと黒焦げーズ最初の犠牲者、真斗を木の棒でツンツンとさわりながら、虚葉は尋ねる。
「飛雷針……」
「そうじゃの、女生徒が習得しておるとは思わなんだわい」
「……誰が?」
「さての。優秀なものが多い学校じゃからの。中学で覚えておったんじゃろ。お主ももう少し、ちゃんと術を学んだらどうじゃ? 将来が心配じゃぞ」
「キミは、僕の母親か」
「こんな、無能な息子なんぞお断りじゃ」
「僕も、こんな母親嫌だね」
ピキッと言う擬音が入りそうな笑みを浮かべる虚葉に、「やべ、失言した」と呟く真斗。その光景を眺めていた三人は「ナームー」と手を合わせ、真斗に降り注ぐ紫炎にドン引いていた。
「なんで、こんな目に」
「真斗がバカなのが悪い」
「理不尽だ……」
そんなやりとりは、いつも通り過ぎて、泣けてくる。そんな感想を抱く真斗だった。