淫魔「人間とかいう種族wwww」 作:にんげん
今回は突然の日記形式です。ごめんね
通常の小説形式だとR18不可避な気がしました。
日付は適当で意味はないので悪しからず。
〈月§日
また異種族を殺れって依頼だ。
ここ最近はかなり多い。
目玉が飛び出るほどの報酬額だが……。
どうかな。かなりきな臭い。
俺のような零細の殺し屋にまで仕事が来るんだ。
同業にも話が来ているはずだが。
いくら何でも怪しすぎる。
まだ受ける気にはなれないな。
°月Η日
同業者がかなり減ってきている。
異種族を相手に仕事をしているからだろうか。
その影響で俺の所に依頼が殺到している。
依頼者もそれぞれ異なっているし、全て高額報酬。
というか、もう異種族がターゲットの依頼しか来ない。
手を出したら終わりなのは明らかだが……
÷月Μ日
蓄えが無くなってきた。
異種族狙いの依頼の莫大な報酬金がどうしても脳裏をよぎる。
依頼者も他に当てがないようで、毎日新しい依頼が来る。
断っても断ってもまた依頼がくる。相当な熱意だ。
当たり前だが、依頼に失敗したらしい同業とは連絡が取れない。
どんな末路を辿ったのかね。あまり考えたくはない。
Τ月Π日
いよいよ後がない。
受けるかどうかは今日決める必要がある。
ここを逃せば、もうまともなコンディションで仕事ができない。
塩と水で暮らすのは限界だ。
だいたいおかしいんだ、どうして異種族がターゲットの依頼しか来ない?
俺は……誰かに嵌められているのか?
恐るべきことに、受ける依頼には困らない。
だが、どれも目に見える地雷だ。
この稼業で食っていくには、自分から踏みに行くしかないらしい。
¶月Π日
依頼を受けた。
ターゲットはエルフ。普通の人間と何が違うかはさっぱりわからない。
馬鹿な話だが、失敗を前提に考えて仕事選んだ。
この依頼を選んだ理由は、この仕事が最も豊富に逃走経路を用意できたからだ。
偵察も済ませたが、一般人をやるのと何が違う?
他の同業者が失敗するような案件には到底思えない。
気色の悪い仕事だ。
手は抜かないが……どうなるかね。
Ε月δ日
失敗した。
脳天にライフルの弾丸を打ち込んだはずだが、無傷だった。
どういう絡繰りなのかさっぱりだ。
べらぼうに頑丈なのか、魔法のような不可解な力があるのか。
即座に撤退して失敗を報告したが、妙なことにそれを咎めるような連絡はなかった。
そんなことあるか?
とりあえず食い物を買って食おう。
もし死ぬとしても固形の食物食べてからじゃないと死に切れん。
Θ月Γ日
起きたら枕元に矢が突き刺さっていた。
隠れ家の窓をぶち抜いたらしい。
エルフからの報復活動が始まったようだ。
命を狙われたんだ、当たり前のことだろう。
だが、いったいどうやって俺を捕捉した?
数km先から狙撃した俺の存在が見つかるとは考えにくい。
とにかくフェイクの痕跡を散らしながら全力で逃走を繰り返すしかない。
刺さっていた矢は分解し、あえてあちこちに分散させて捨てた。
何が起きるかわからんが、やつらの謎の力を混乱させられるかもしれない。
これが裏目に出ない事を祈る。
β月ρ日
起きたら電話が掛かってきた。
知らない女の声だった。
間違いなくターゲットのエルフだろう。
必ず捕まえると、そう死刑宣告に等しい言葉を浴びせられた。
持っているスキルを全て駆使して痕跡を抹消しながら今日も逃げる。
同じ場所にあまり滞在はできない。
η月χ日
差出人不明の手紙が隠れ家に届いていた。
内容はエルフからの殺害予告みたいな感じだ。
ぞっとするような内容の文章が手書きで記されている。
無駄に達筆なのが嫌だ。
俺とエルフで逃走と追跡の知恵比べが始まっている。
今の所負け越しているが……
捕捉こそされているが、まだ追いつかれていないらしい。
完全に振り切ることができれば、俺にもまだ未来があるか。
ξ月З日
一人での逃走に限界を感じ、運び屋を手配したが手遅れだった。
連絡した直後に運び屋の連絡先を書いた矢文が飛来してきた事でそれを悟った。
徐々に追い詰められているのを感じる。
じりじりと、ゆっくり確実に。
よほどタチの悪い狩人に目を付けられたらしい。
Κ月Ф日
毎日接近を知らせるために居場所を様々な手段で伝えてきやがる。
今日は俺の隠れ家を遠くから撮影したビデオレターが届いた。
もう、かなり近い。
やり口の性格が悪すぎるだろ、くそ。
Ρ月ρ日
おわりだ。
俺の部屋のドアを撮影した写真が、大量に送られてきてる。
つまり、これを書いてる今エルフが部屋の前にいるってことだ。
他の同業もこうやって終わったのか?
異種族を狙った仕事が多いのも、やつらの手口だったのかもしれない。
とっとと足を洗うべきだったのだろうか。
玄関の電子ロックが解錠された。
おわりだ。
◆
Τ月Π日
今日、長に人間の狩人にお見合いの応募を出してもらった。
すごくドキドキする。受けてくれる人はいるのだろうか。
周りのみんなはどんどん伴侶を捕まえている。
私も絶対にチャンスを物にしなくては。
ρ月Γ日
なかなか相手が見つからないらしい。
人間はみんなとっても魅力的だから、仕方ないのかもしれない。
でも、私も全力で狩りの技術を磨いている。
私を見出してくれた人が、絶対に後悔しないように修行を繰り返す。
最高のコンディションを常に維持する。
それが今の私にできること。
δ月Λ日
私のお見合いがとうとう誰かに受理されたらしい。
いったいどんなアプローチをしてくれるのか、今から楽しみでしょうがない。
どんな手段であろうと、絶対に逆探知してみせる。
でも、あからさまだとはしたないから、平常を装う。
それが礼儀ってものだから。
〇月Н日
お見合い相手は、本当に最高の人だった。
数キロ先からの狙撃が初対面。
私を挑発するような手段だった。
明らかに愛の深さと狩りの能力を試されている。
こんな熱烈なプロポーズをされるなんて、エルフ冥利に尽きる。
もし私が千里眼の術を会得していなければ既に破談していた。
それくらい、相手の人は私に期待してくれている。
……すごく滾る。
絶対に捕まえてあげるから、待ってて。
Π月Λ日
私に撃ち込まれた弾丸の記憶を魔法で抽出し、彼の寝床を割り出した。
この魔法による追跡を想定したのか定かではないか、ミスリードを誘うようなトラップが複数あった。
彼はかなりのやり手らしい。相手にとって不足はない。
地の果てまで追いかけて娶ると心に誓っている。絶対に逃がさない。
私の持っている技術を総動員する。
今日の日のために人間の使う利器について徹底的に学習してある。
私が森の狩人だったように、彼も都市の狩人ということなのだろう。
相手の土俵に乗り込み、私の愛の巣に引きずり込む。
そのために妥協も油断も慢心も、全て捨てた。
Λ月¨日
彼に宛てて迸る愛の感情を文にしたためて矢に括り、彼の元に弓で放った。
あんな大胆な求愛行動をした彼のことだ、きっと読んだら感動で打ち震えてくれるに違いない。
寝床の窓は裏から鋼の鉄板で打ち付けてあり、弓の腕が生半可であれば気持ちをお返しすることすら満足にできなかっただろう。
もちろん私の矢なら容易に貫ける。
つくづく彼は最高だ。
私は彼の期待に応えられることが、心の底から嬉しい。
今まで努力してきたことが彼に一つずつ認められているようで、すごく温かい気持ちになる。
絶対に彼の期待を裏切ってはいけない。
最高な彼に相応しい自分を見せつけて、格をわからせてあげよう。
Ξ月υ日
彼の逃走経路は見事の一言。
位置を捕捉しているにもかかわらず、なかなか追いつくことができない。
もし私が人間の文明の予習をしていなければ、今頃とっくに撒かれていただろう。
放った矢をマーカーに転移魔法で飛ぶ予定が、彼が矢をバラして散らしたらしい。
マーカーの座標が混線してしまい転移魔法が扱えなかった。
じっくり手紙を読んでほしくてすぐに転移しなかったせいで、彼に対策されてしまった。
私はすっかり捕まえた気でいたのだ。だからこうなった。
僅かでも慢心したらこれだ。油断を見抜きするりと包囲をすり抜ける。
本当に最高だ。
それに比べて私はなんて愚かなのか。彼に隙を与えてしまった。
きっと彼もがっかりしていることだろう。
少しでも彼を失望させてしまった自分が憎い。
自己嫌悪でどうにかなりそうだが、まだ諦めない。
こんなに最高な人に見初めてもらったのだから、彼の信じる私を信じよう。
υ月β日
彼の信用を取り戻すため、総力を挙げて番号を見つけ出し、電話で直々に愛の言葉を思う存分囁いた。
きっとこれで彼も私のことを見直してくれるはず。
その後彼の元へすぐさま急行したけれど、もう姿は無かった。
痕跡もゼロ。
まだ私の事を試してくれるらしい。
彼がまだ私の事を見捨てていないことがわかって心底ほっとした。
それと同時に、自分の中で決意が漲ったことを自覚した。
電話越しに聞いた彼の声を思い出すだけで体が火照る。
早く会いたい。
絶対逃がさない。
β月〇日
まだ追跡は続いている。
彼と結ばれたあと、どんな生活を送るか思いつく限り書きなぐって手紙にして送った。30枚は送っただろうか。
きっと彼もその気になってくれただろう。
もう彼との追いかけっこも佳境だ。
幸せな生活がすぐそこまで来てる。
狩人としての力を全て出しきる。
χ月´日
彼が協力者と連絡を取ったのを察知した。
許せない。二人だけの世界に邪魔なんていらない。
即座に矢で匂わせる文を送った。
一気に追い込みをかける。
彼にどっちが上か分からせないといけない。
今日は彼の隠れ家を動画で撮影し、それを送り付けた。
υ月Ν日
今日でおわり。
彼の隠れ家の前まできた。
ドアを撮影し、彼に写真を送った。
お互いに気持ちの整理はできただろう。
これで私が"上"だ。
麻痺毒の調合も完璧。
今日の為に転移魔法の下準備もしてある。
幸せになろう。
人間:殺し屋。なぜかエルフに熱烈求愛したことになっている。技量の高さ故にエルフを燃え上がらせてしまい、幸せにされてしまった。もちろん他の種族相手の依頼を受けても似たような結末が訪れる。
銃火器:上位種には効かない。戦車の装甲を割り箸鉄砲で貫こうとするくらいの行為なので、人間がこれで上位種に立ち向かう姿は愛らしすぎて萌えると評判。
エルフ:人間を徹底的に屈服させる事にこだわりがあり、一番最初に上下関係を示す"わからせ"行為をしてくる。捕まったあとは従順になるまであらゆる悦びを体に教え込まれる。もちろんこれは愛情の裏返しなので、愛の深さと調教の激しさは比例する。