「んーーー!!いい朝だっ!」
「スースー…むにゃ…」
僕は伸びをしてカーテンを開けた。しずくはまだ寝ていたが、時間を見ると起きる時間だったので僕はそのまま窓を開けた。
「おはよーございまーーーす!朝でーす!」
「んん〜…飛鳥ぁ…まだ寝かせてよぉ……」
「だが断る。」
僕はすぐさまカーテンを全開にして太陽の光をしずくにあびせた。
速攻で枕に顔を埋めたてダンゴムシみたいに丸まっているが、僕は容赦なくしずくを起こした。
「なんで普段はきちんとしてるのに、朝だけはこんなに弱いんだよー!」
「むにゃむにゃ…飛鳥…うるさい…」
「なっ!しずくこそ起きろよなー、起きないと言うならもっとうるさくするからな!」
「そんな…事より2人で一緒に寝よ…」
「そーだね。じゃあ僕も………ってんなわけあるかぁ!早く起きて!」
激しいノリツッコミをしながら僕達の一日が始まった。ご覧の通り桜坂しずくさんは見た目の割には朝にすごく弱い。お陰様で普段の姿から幻滅した人もいるだろう…。
ほらしずく!読者のみんなの為にも早く起きるんだ!
「飛鳥ー…もうちょ…「だめだから!」
もうちょっとだけと言おうとしたみたいだが、僕はそれをあえて言わさずにしずくを起こした。
「起きろぉぉぉダンゴムシの演技なんかしてないで早く?!ね?!起きるだけでいいからさああぁ!!」
「スースー…」
「寝るなああああああああぁぁぁ!」
このダンゴムシの演技をしてる奴と格闘する事30分が、経った。
ようやくしずくも目を覚ましたみたいで朝ごはんを食べにやって来た。
「飛鳥おはよ♪」
「おはよしずく!って違うわ!何そんなに呑気でいるんだよ!君が起きないから僕は30分も無駄にしたんだよ?!」
「いいじゃん…別にそんくらい」
「いや良くないわ!そんな事より身支度は出来たの?!髪はしっかりいつも通りだね!顔洗ったね!よし飯を食え!」
「ふふ。飛鳥君たらしずくの世話焼き係かしら?」
「違うから!お母さん!!」
「露骨に否定されてる僕の気持ちにもなって欲しいよ…。」
「あらあら。照れなくても良いのに」
世話焼き係を真っ向から否定されて、朝から僕は少し萎えたけど元気なしずくが見れた事なので良しとしようかな。
そして朝ご飯を食べ終えて、一段落した後僕らは学校へ行く支度をして一緒に玄関へ向かった。
「それじゃお母さん行ってきます!」
「行ってきますね〜」
「はい、行ってらっしゃい。帰りに2人で寄り道でもしてらっしゃい」
「気が向いたらそうさせてもらいます」
僕らはそう言ってしずくのお母さんに手を振って見送ってもらった。
一応今日から僕らは虹ヶ咲学園に通うことになるのだが…。
「そう言えば…あの学校…学科が多かったなぁ…。」
「そうだね。そう言えば、飛鳥はなんの学科にしたの?」
「え?僕?僕はその…いつか世界でバドミントンで活躍したいし…国際交流学科にしたよ…英語覚えなきゃだし。」
「ふーん…とか言っときながら、本当は私と一緒にいたいから選んだんじゃないのぉ?」
「え、あ、いや、ちが、………くは無いか…。」
そう、僕らの今日から通う学校は学科や部活、同好会が普通の学校と比では無いほどしっかりしているらしい。部活動だけでも100は超えてるとか。いや〜…凄いね!
「にしても飛鳥もう入る部活決めたようだね♪ラケットなんか持って。」
「そもそもその為だけに、編入させられたようなもんだからね。」
「フフっ、そうだったね、そう言えば。」
「しずくわかってて聞いたでしょ。」
そんな他愛もない話をしながら歩いてたら気付いたら駅に、着いていた。
ちなみにここから東京までは約1時間とちょっとだ。それまでの間どうしようか。
ホームへ出ると早朝なのでまだ人は全然いなく、周りを見渡しても僕らしかいなかった。
「なんか……私達だけしかいないみたいだね…。」
「そうだね。時間が時間だしね。」
正直駅のホームも東京の駅とかに比べたら、狭いので余計に本当に僕ら以外の人間しかいないと錯覚してしまう。
「電車まだ来ないね…」
「あと五分後だよ」
「そっか」
男女が横に並んで立っていると、改めて身長差を実感する。しずくは確か157だっけ?僕は168だから11cmほど差が出るのだが、思いの外11cmって結構あるなって実感してしまう。
「あ、来たよ飛鳥。」
「よし、乗ろっか。」
そんなくだらないことを考えていたら気付いたら電車が来ていた。
中に入ってもやはり僕ら以外の人は見当たらなかった。
「隣座ってもいい…?」
.
「もちろん。断る理由もないしね。」
電車に乗る度隣に座って良いと聞いてくるが、逆にこんな人気の無い電車の中で離れて座る方が逆に抵抗を覚えてしまう。
そのまま僕らは電車に揺られてお互い何も話さないちょっと気まずい空気の中時を過ぎるのを待った。
でも流石に何も話さないのはまずいと思ったので、僕は一人の男として行動を起こした。
「ね、ねぇしずく?」
「なーに?飛鳥。」
僕はちょっとぎこちなくしずくの名前を呼んだがしずくは、いつも通りの話し方で返してくれて少し安心した。
「そのさ、今度二人で休みでかけない?その…一応居候だけど付き合ってるし……」
「えっ?」
最後の一言が、余計だったかもしれないが一応僕は遊びに行かないか?と誘ってみた
「あ、いやぁ部活とかでいそがしいならぜ、全然無理しなくていいからね?!」
「私は大丈夫だけど…飛鳥の方は…平気なの?」
「え?うんまぁ平気だよ。だったら誘ってないし。」
「そっか。じゃあ一緒にデートしよっか!」
「ほんと?!よっしゃぁ…!」
「ふふ、そんなに喜ぶこと?」
「当たり前だよ!しずくと二人きりなんて嬉しすぎるよ!」
正直こんな可愛い子とデートなんて、普通有り得ないだろう。
だから僕は飛び跳ねるくらい嬉しかった。
「あ、でも授業中寝たらまた考えさせて貰うからね?飛鳥。」
「……ヴっ。気を付けます。」
最後に警告を受けて僕らはそのまま学校の最寄りの駅で降りた。
そして改札を抜けた瞬間僕らは2人して唖然としていた。
「と、都会だな…。凄い…なんて言うか、近未来的…。」
「そ、そうだね…。」
あまりにも普段見てる景色とは違って僕らは度肝を抜かしていた。まるで別の世界に来ている感覚だった。
「と、とりあえず学校に行こうよ。」
「そ、そうだね。」
駅を歩いて10分程度経ったあと。僕らは学校へ登校したのだが、ここでもまた驚いてしまった。
「でか…。」
「青藍とは比べ物に……」
そう、あまりにも校舎がでかい事に僕らは驚いた。普通こんなでかい学校は都内でもないだろう。生徒数はざっと2000は超えるだろうか。
「よしとりあえず職員室へ……」
しかしここで問題が発生した。
「ねぇ。飛鳥私達今何処に……」
「あ…」
詰んだ。迷子になった。
マップがあるにしろデカすぎてよく分からなかった。そして自分達の今いる場所も分からずじまいでそのまま僕らは迷子になった。
所がそんな絶望してる僕を見て1人優しいお方が僕らに声をかけてくれた。
「あれ?そこの2人どうしたの?迷った?」
「WOW」
なんとこれは見た目派手なギャルっぽい人が僕らに話しかけてくれた。
自由な校風とはいえここまでフリーダムだと不良でもいるのかと警戒してしまう。
「えぇとじつはそうなんです…。僕ら今日から編入した者なんですが…職員室の場所が…」
「職員室ね。んーとあっちの方だからそのまま、真っ直ぐ行きな。」
「わ、分かりました!ありがとうございます!」
そのままお礼を言うと金髪ギャルお姉さんはどこかへ行ってしまった。
「よし、しずく行こう!真っ直ぐだって!」
「うん!行こっか。」
そのまま僕らは言われた通りに歩いたら、なんとびっくりちゃんと職員室まで着いたのだ。
「おはようございます。今日から編入する事になった葉山飛鳥です。」
「同じく今日から編入する事になりました。桜坂しずくです。」
僕らは職員室に入ると軽く挨拶を済ませそのまま話を、受けて配属する教室へ案内された。
正直中もバカ広くなんとコンビニまで常設されていて目玉が飛出た。
幸い僕としずくは同じ教室だっため、ぼっち回避には成功した。
そして僕は部活の朝練の様子を見に行き、どんな練習をしてるのか見学しに行った。
「ふーん…変わらないんだな。」
「やっぱり練習はどこも同じなの?」
しずくは不思議そうに聞いてきたので僕は静かに頷いた。
そして見学してる僕に気付いた顧問の先生は僕らの方へやってきて声を掛けてくれた。
「君達…いやそこの君は編入してきた葉山飛鳥君だね?どうかな今見た感想を聞かせてくれないか?」
突然そんな事を聞かれたので一瞬え?ってなったが僕はそのまま思った事を伝える事にした。
「部員一人一人顔に余裕がありますね。練習だからと言って気を抜いてるのが見え見えです。」
「なるほど……なら君は練習でも気を抜かずやっていると…?」
「少なくともここにいる人達よりは…ですけどね。」
「ふ、2人とも…」
怪しい空気を察したのか、しずくは僕とその顧問の先生を止めようと動いたが、その前に顧問の先生から提案が出てきた。
「なら…今君には試合をしてもらおうか…そこそこの噂を聞いているけど…本当かどうか見定めさせて頂くよ。」
「後悔しても知りませんよ?」
僕は顧問の先生に警告をした。しかし大半の人間は僕の警告を聞かずに挑み最終的には絶望する。
「部長今日から入る葉山君だ。少しお灸をすえてあげてくれ」
「分かりました。葉山君だね?私と今から試合をするのは」
横から突然身長高めの女子が現れた。どうやらこの人は部長の役割を担っているらしく実力もかなりの物らしい。
「良いですよ…じゃあハンデとして僕は左でやりますよなんならスマッシュ禁止でも…いいですよ」
「ふ、ハンデなんか必要ないよ。私なんかに」
「そうですか…なら最後の試合後悔しないようにしてくださいね。」
僕はあえてそう警告をしコートに立った。一応中にスポーツ用の服を着ていたため僕は直ぐに試合に移ることが出来た。
遠くからはしずくが心配そうに僕の方を見ていたが、僕は合図で大丈夫とサインした。
それを見たしずくは少し安心した顔になったので僕も少し楽になった。
「では15点マッチで始めよう」
先攻は部長のサーブ普通のロングサーブだったため僕はクリアーで打ち返した。
しかしここで追加しておくけど、僕のクリアーはちょっとした小細工を入れている。
それは
「くっ?!み、見えないっ!」
「ふっ…」
照明と全く同じところに打つことにより、光で目を眩ませると言うちょっと卑怯な方法だ。
当然打ち返すことも出来ず、部長はそのまま空振り僕に1点
「は、葉山飛鳥君…君は中々汚い真似をするじゃないか…」
「汚い?いきなり勝負を仕掛けてきた割にはよく言いますね。」
「少々私も舐めていた。だが…次はそうか行かない!」
「その意気ですよ…。」
部長は先程のロングサーブとは違いネットにかかるか、かからないかのすれすれのショートサーブを打ってきた。
ここでようやくまともな試合が出来ると思い、僕は3割程度の実力でやる事にした。
「甘いですよコースが」
「なっ…?!」
僕はサーブをフォアハンドですくいあげてまた照明のの所までカチ上げた。
しかし学習能力が高いのか2度おなじ手にはかかるまいと部長は上を見ずタイミングを計って打ち返してきた。
「ほう…少しは出来るみたいですね。」
部長はタイミングよくドライブで返してくるが、僕にドライブ等通用するわけが無い。
「鳳香のドライブに比べるとちっちゃいね…」
「なっ?!(そんな渾身の一撃…を)」
僕は部長が打ってきたドライブをそのままそっくりの速度で返し得点を決めた。
「どうです?僕を倒したいなら死ぬ気でやるべきですよ…?」
「……君は一体何者なんだ…?!」
「何者…ですか…それを知りたければ僕に勝ってください。ほら試合はまだ終わってませんよ。」
僕は笑顔で部長にそう答えた。当然部長も舐められてると勘違いして先程とは目付きを変えて試合を続行しようとした。
「くく…そうですよ、その目です。僕を殺すつもりでかかって来なきゃ…」
僕は軽くショートサーブを放つと部長は直ぐに反応してフォアハンドで打ち返してきた。
「ゲームの主導権は僕が握った…ここで生かすも殺すも僕次第だ…」
「なっ…まさか…?!」
「ハンデ…無しって言ったのはそっちですよ…?」
僕は先輩に向かって一撃を放つ準備をした。
「飛鳥…あのジャンプ…まさか…!」
「よっ…と…」
「っっっっ?!」
完全に身構えた部長の前に僕は緩くドロップを打って決めた。
「そんなスマッシュ打つわけないじゃないですか。それに見た感じ完全に戦意を失っている…。」
完全に戦意を失った先輩は、どこか遠くを見つめていた。正直こうなる事を予想していたので僕は試合を勧めなかったのだが…。
「葉山君…君は何をした…一体部長を」
「僕は何もしてませんよ?バドミントンをしたまでです。また放課後顔を出すのでよろしくお願いします。」
顧問はさっきの態度とはまるで違う態度で僕に話し掛けてきたが僕はこれ以上長居をする気もなかったのでしずくの所へ走っていった。
「もう、飛鳥!少しは手加減しなよ!」
「いや〜ごめんごめんって〜力加減考えるから許して」
とは言ったものの3割程度なんだけどな。……
__________そして一方
「先生…葉山君…いえ葉山飛鳥の力は想像以上です…。私なんか足元いえ比較対象にもなりません…。」
「そうか…やはりそうだったか…しかし同時に心強いだろう…団体戦となると彼の力は必要だ…奴を倒すには葉山君しか対抗出来ないだろう…。」
「藤黄学園1年いや…藤黄学園エース……葉山鳳香…そうですね…。彼の圧倒的な力に対抗そして勝てるのは葉山君しかいないでしょう…。」
久々ああああ