僕の居候日記   作:カラスの餌

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ねむ


5話 2人の伝説の記録

とある東京都内のバドミントンの都大会_________これはちょうど東京の都大会史上の伝説に残る大会となった。

 

 

「な、なんだ……あいつは……」

 

「藤黄にあんな化け物が……」

 

「信じられねぇ……」

 

 

「決勝の相手の虹ヶ咲の奴もこの間の大会で…優勝してただろ…?!」

 

 

5月中旬とあるスポーツセンターでは、1人の少年によって会場全てが、どよめいていた。

 

そして1人の少年の相手は為す術ないと膝を着いて絶望していた。

 

 

そして彼は無情な目で一言こう言った。

 

 

「哀れだな………」

 

「なっ………?!」

 

 

その一言で、決勝の相手のプライドは、完全に引き裂かれた。

そして同時に好きなスポーツへの愛情など消えた。

 

 

「あいつ…一体何者だ…?!…準決勝では東雲が一方的に…やられるなんて…。」

 

「しかも…そいつ東雲のエースだぞ…しかも3年……こんな」

 

 

「全部二球でケリをつけてたぞ…有り得るかよ…」

 

 

「ば、化け物だ……アイツは……」

 

 

 

そして1人の少年は試合を終えると、直ぐに自身のチームへ戻り1人の女の子に話しかけに行った。

 

 

「姫乃…ありがとな…約束通り優勝だ…。」

 

「凄かったです…。鳳香君…どれも短い時間だったけど…その楽しそうで…」

 

 

「姫乃の応援があったから出来たことだよ…」

 

「そんな……大袈裟です……」

 

少年は先程までとは打って変わって、少女と話す時はとても穏やかで優しい目をしていた。まるで別人のように…。

 

 

そしてしばらくして表彰式が行われた。

 

 

 

「第1位。藤黄学園1年 葉山鳳香選手。おめでとうございます。」

 

 

優勝したその人物の名は葉山鳳香。都大会を二球で全試合制覇した藤黄のエース。

 

そして葉山飛鳥の双子の弟…。

 

 

同時期、神奈川の県大会では………。

 

「な、なんだあれは……」

 

 

「誰でも出来るように見えるけど……隙が全くない…」

 

 

「あいつ本当に1年なのか…?!」

 

 

ここでもただならぬ試合が行われていた。しかもこちらの試合は全て一球で相手を絶望させるほどの力を持っていた。

 

 

 

「・・・・・どうしたまさか本気でやってこのザマかい…それに始まってまだ一球目だ…僕はまだ勝負し足りなくてさ」

 

「なんでだ…なんで1年相手に……っ?!」

 

 

「……サーブを拾ったのは凄いね…。よくまぁ打ち返したものだね…。だけど一つ言っておこうか…僕に拾えないショットなんて一つもないんだよ……。」

 

 

「そんな……っ」

 

 

彼は酷く冷たい言葉を言い放ちコートを後にした。全て一球で試合を終わらせたこの少年こそ当時の青藍の絶対エース葉山飛鳥だった。

 

そして同時期に行われたこの大会…東京では二球…神奈川で一球とかなりの話題を呼んだが、すぐに消えた。

 

 

 

 

そして2人はそれぞれの場所で恐れられる存在になった。

 

 

__________________

 

「飛鳥!起きて!」

 

「いや起きてるよ。」

 

 

 

授業中隣の席のしずくに僕は何故か知んないが、怒られていた。

というか虹ヶ咲って全部タブレットなんだね。なんというか時代の先駆者的な感じで凄いや。

 

 

僕がこの学校に来てまず驚いたのが、授業は全てタブレット端末で行うことだ。

周りはこれが馴染んでるのか知らないけど、僕は最初めっちゃ戸惑った。そして今現在も全くわけわかめの状態が続いている。

 

 

 

というか何故しずくはもう慣れているのか。あれ?これって才能の差って奴?

 

 

 

しかーしこんな優等生なしずくでも、苦手な教科には対応できないようだ。

 

 

 

「………っんー……」

 

 

「おやおやおや?しずくさぁん?難しい顔なんかしてどうしたのかな?」

 

 

「べ、べべ、別に難しい顔なんか……ただちょっと分からないだけだしっ!」

 

 

「お得意の演技で問題になり切れば解決すると思うのは僕だk…ぐふぁっ」

 

 

いきなり脇腹に手刀を決められて僕は思わず変な声を出してしまいクラスの視線が、僕に集まるという死にたくなる光景が広がっていた。

 

 

…あー…マジ無理〜こっち見ないでみんな……

 

 

「クスクス……」

 

 

そして横ではしずくがクスクス僕の様子を見ながら笑っているのが見えた。

そして同時に後で覚えとけとメッセージアプリでスタンプと一緒に送っておいた。

 

そして地獄の死にたくなる数学の時間が終わり休み時間になりしずくが、こちらを向いて何やら困った様子で聞いてきた。

 

 

「あ、飛鳥……ここ本当にわからなくて……」

 

「んー…ここか……僕もあんま得意じゃなくてさ…ごめんね…」

 

「そっか…ごめんね…無理に聞いて…。」

 

少し悲しそうにしてるしずくの力になれないのが悔しかったので、僕はある提案を思いついた。

 

「そうだ。一緒に帰ったら問題を一緒に解こうよ!2人でやれば何とかなるよ!」

 

お互い普段は勉強してる時は、完全に別々のため僕らが同じ空間で同じ問題を解くことは今までなかった。

 

 

「一緒に解いてくれるの…?」

 

「当たり前だろ?僕はしずくの事が好きだし、一緒に勉強したいし!」

 

「ちょ!ちょっと飛鳥!」

 

「ん………?あっ…………」

 

 

 

僕は完全に場所を考えていなかった。しずくは嬉しそうにしながらも顔を赤くしてかなり恥ずかしそうな顔をしていた。

 

そして再び僕の方に集まるこの死にたくなる視線…。本日二度目だが今回は訳が違う。

 

 

 

…あーー死にてぇ……この視線辛いなぁ……とある場所からはなんかコソコソ聞こえるし…。もう無理

 

 

完全に萎えてる僕を見てしずくは静かに耳打ちをしてきた。

 

 

 

「そ、その…すっごく嬉しいよ…でも教室では気をつけてね…?私も飛鳥の事大好きだから…」

 

 

「うぉぉっ…!!」

 

 

僕はそのしずくの耳打ちによりさっきの視線など、どうでも良くなった。

 

しずくは耳打ちを終えるとフフっと優しい笑顔を僕にくれた。もうこれなら午後の部活余裕だね。と言わんばかりに僕はやる気を出した。

 

 

 

「よっしゃ!どんな授業でもかかってこいや!!」

 

 

「飛鳥ちょっと落ち着いてってば…」

 

 

苦笑いしながらしずくはそう言ってくるが、僕の耳にはもう既に届いていなかった。

 

 

 

そして僕は気合いのごとく残りの授業を受けて昼を迎えた。

 

 

 

「昼だね〜しずく〜一緒に食べよっ!」

 

 

「うんっ!私も丁度飛鳥と食べたかったから。あ、でも…お友達誘っても…いい…?飛鳥にも紹介したくて。」

 

 

「え?しずくが良いなら僕は良いよ〜」

 

 

「ありがとう飛鳥♪そういう所好きだよっ」

 

 

「ヴぁぁっ」

 

 

 

不意打ちにより僕は一瞬気を失いかけたが、しずくが目の前にいたためなんとか気を失わずに済んだ。

 

いや……あの顔であれは反則だよほんと…。本当に良い彼女を持って僕は幸せ者だ…。

 

 

 

しずくはそのまま友達を呼びに他クラスへ行くため、僕は先に学食の席を取りに行った。

 

 

学食へ行ったものの意外に席が空いていて割と直ぐに確保することが出来た。そして何もしないの暇なので、スマホを開きネットを見ることにした。

 

 

にしてもしずくの友達ってどんな子だろう…。アイツみたいに頭良いのかな…。

だったら少し話するの苦手かも…まぁでも僕にはしずくがいるから平気…うんきっと平気…。

 

 

 

すると近くから僕を呼ぶ声が聞こえてかたため、一旦スマホをしまい顔を上げるとしずくともう1人グレーの髪の色をした子がいた。

 

そして思った……こいつどこかで見たことあると…

 

 

「連れて来たよ♪飛鳥」

 

 

「お、おうっ…な、名前はなんて言うの…?」

 

 

「え〜かすみんの名前知らないんですか〜?」

 

 

「」

 

 

何かあるとは思っていたが、まさかこんなキャラだとは…いやなんというか…見た目が可愛いから許されるのだろうけど…。

 

普通のやつがやってたらかなりきつい…。

 

 

「え、えとかすみん……って事は名前はかすみちゃん…でいいのかな?」

 

 

「そうですよ!かすみんて呼んでくださいね!って…しず子と同い年ってことはかすみんとも同い年ね!よろしくね!…えっと……」

 

 

「僕の名前は葉山 飛鳥よろしくね。かすみん」

 

 

僕は一応かすみん?とのやり取りの上で一応だがかすみんと呼んでみたが、何とも凄く恥ずかしいので次からは普通に呼ぶことにしようと思った。

 

 

「そう言えば…あす男ってしず子とどういう関係なの?」

 

「ぶっ」

 

飲み物を飲んでたらいきなり予想外の質問が飛んできて、僕は思わず吹いてしまった。

 

まぁでも今時の人間は気になるものか……。

 

 

「チラ(これは言ってもいいのかい?)」

 

「 ブンブン!(だめ!絶対に!!)」

 

 

と、アイコンタクトを送ったら、ものすごい勢いで首を横に振られたので、あえて言わないことにした。

 

 

「どうって……友達…だよね…?」

 

 

「そ、そうだよっ!かすみさん私達はただの友達だよっ!」

 

 

「そう?でもなんか違うように見えたけど、気のせいか!」

 

 

かなりギクシャクした感じだったが、上手くごまかせた?からよしとしよう

 

まぁ別に僕は言っても良かったんだけどね。

 

 

 

「と言うかあす男って何部なの?」

 

 

「飛鳥はバドミントン部だよ、かすみさん。」

 

 

「一応ね。ズズー」

 

 

僕はストローで飲み物を飲みながらかるーく相槌を打ちながら話した。

 

 

「バドミントン部かぁ…そう言えばなんかかすみんの同じクラスの子が、バドミントン部でとんでもないほど強い子が入って来たー!って騒いでたよ」

 

 

「ぶふぉっ!」

 

 

「あ、飛鳥?!」

 

 

またもやかすみちゃんの不意打ちにより僕は飲み物を吹き出してしまった。

 

…この子油断も隙もないな…何を言い出すか分からないな…。

 

 

「あす男大丈夫?」

 

 

「う、うん。平気平気、それでその子はなんて言ってたの?」

 

 

かすみちゃんは本当に大丈夫?と若干心配?した目で僕を見てくるが、僕はそのまま話を続けるように促した。

と言うか爆弾多すぎんだよっ!!しずくでもここまで酷く……

 

 

「(飛鳥……私がなんだって)」

 

 

ものすごい殺意を感じたので、僕はそれ以降何も考えない事にした。

 

 

「なんかね〜かすみんが聞いたのはー、とても同じ1年生とは思えない程レベルが違うって言ってたのを覚えてる。」

 

 

「へ、へー、そ、そんな凄いやつがハイッテキタノカー僕レギュラー大丈夫カナー?」

 

 

「(自分の事だって分かってるくせに……)」

 

 

極力大事にしたくないため僕はあえて知らないフリをしたが、ここには既に気付いてる人間が約1名おり、そいつは物凄い目で僕を見ていた。

 

頼むからしずくさんそんな目で僕を見ないで下さい。

 

 

「名前は確か……葉山…ってあれ…あす男の名前葉山だよね?」

 

 

「き、きききっと違うやつだよ!ほら!この学校人数多いじゃん?!」

 

 

最早バレたに等しい感じだが、僕は諦めずに最後まで否定した。

 

 

 

 

 

「飛鳥……もうやめなよ嘘つくの…」

 

 

「で、でも…」

 

僕の事を知ったら確実にかすみちゃんは僕から離れるし変な噂が広まるだろうし周りから変な目で見られるだろう。

 

それだけは何としても避けたかった

 

 

まさかのしずくが僕だとかすみちゃんに告げて、僕は完全に逃げ場を失った。

 

 

「えー!!あす男そうだったの?!」

 

 

「あー……まぁうん…そうだよ…」

 

 

「飛鳥は目立つのが嫌いだからねー」

 

 

「し、仕方ないじゃん。大事になるのも嫌だし…。」

 

 

「でさでさ!強いってどれくらい強いの?!」

 

「どれくらいって…言われてもな…」

 

 

かすみちゃんはドン引きするどころか、興味津々で僕について聞いてきた。

 

見た感じこの子は口も固そうだし言っても大丈夫かと半ば僕の中にそんな気持ちが現れた。

 

「どれくらいって……んー…」

 

「飛鳥はね中学の頃全日本制覇してるし世界ジュニア選手権でも1位を取ってるんだよ!」

 

ほんとうに直ぐに何でも僕のことを…コイツは…。

 

 

「へー!凄いじゃん!あす男ー!なんで隠してるのー!」

 

 

「アハハ…好きな事を続けたらこんなに…なんてね…」

 

 

しかし、流石に僕ばっかり痛い目を見てるのも神様が見離す訳もなく

 

 

「でさ、なんでしず子はそこまで知ってるの?」

 

「えっ?」

 

 

 

ざまぁないですねぇ!!しずくさぁぁん!僕のことをべらべら喋るからそうなるんですよ!!!

 

 

「(飛鳥…付き合ってるけど私容赦はしないからね…?)にこっ」

 

 

と、内心めっちゃ喜んでる僕だけどなんか物凄い殺意を感じたので、何も考えない事にした。

 

 

「そ、その私は中学が同じで…その…」

 

 

「へーそうなんだ」

 

 

「まぁそうだね。僕としずくは結構話してたからな。色々と大会の事とか話してたんだ。」

 

 

と、こんな感じに色々と話しながら僕らは有意義な時間を過ごすことになった。

 

まぁ…たまには悪くないかな…?

 




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