無敗の悪戯好きとコックさん   作:零課

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ユーバーレーベンとキンイロリョテイ実装待ってます。イベント中スペシャルウィークに噛みついたりするのがあったりして。あと、ツインターボも育てられるようになるとやっぱりナリタブライアンとかマックイーンが立ちはだかるんでしょうかねえ。


生ける伝説

 「さーて・・・次は私たちの番だわね・・・・んっー・・・」

 

 

 「あの子の走りを見て、気合は入ったかい? リボー」

 

 

 ターボちゃんの素晴らしい走り。まさしく逃げの完成形を見せての勝利。アップのために控室のテレビから見ていたけど、圧巻の一言。スズカちゃん相手に、スピカの面々相手にあれだけできれば大したもの。

 

 

 「もちろんよヘリポス。それに、んぁっ~・・・は。今の世代の子たちも強い子ばかり。久しぶりに全力で行けるわ。あ。これお願いね」

 

 

 「分かったよ。私は会場のほうで見させてもらう。日本でも自由に駆けてくるといいさ」

 

 

 トレセン学園のジャージでのんびりしていたが体を起こしてヘリポスに荷物を渡し、移動。パドックから選手紹介となる。模擬レースとはいえ、一応テレビも来て、お金もかかっている。ちゃんと出ないとねー

 

 

 ヘリポスと拳を軽く合わせてから移動。私は同にも出る順番が最後らしい。大トリ扱いって感じか。

 

 

 「お。ルドルフちゃん。タイキちゃん。二人も今から?」

 

 

 「ハァーイ♪ もちろん。今からデス」

 

 

 「私たちは後ろからでね。今日はよろしく頼むよ。伝説の力。思いきり学ばせていただく」

 

 

 二人と握手を交わして歩いていけば紹介と共にパドックを出ていくリギルの皆。改めて、感じる力量はなるほど。強い。中等部だという子たちも既に一回り上の実力はあるし、最強と言われるのを何度目か再確認させられる。

 

 

 「それはこっちもよ。日本の選手たちとはレースの機会がなかったし、アメリカでもレースの数が多すぎて多くは触れられなかった。皇帝率いるチームの実力。学ばせてもらうから」

 

 

 「うふふ。リギルの皆もいい勉強になるしね。お願いするわ」

 

 

 「ええ。間違いなく世界最強。その実力を是非とも」

 

 

 「まあ、勝つのは私達ですけどネ!」

 

 

 「女帝という名を持つものとして全力でぶつからせてもらいます」

 

 

 「・・・ワクワクするな。今日はよろしく頼む」

 

 

 何名か先に出ちゃったからここからはレース場のゲートに入る前でしかできないけど、いやーどれもこれも最高の原石ばかり。怪物って感じだわ。オペラオー、アマゾン、フジキセキちゃんたちもやばそうだしねえ。

 

 

 「じゃ、私も手を抜かないし、思いきり来なさい」

 

 

 私の言葉に全員瞳に戦意を灯した。そうそう。それくらいでちょうどいい。このひりつく感覚。遠征して単身戦っていたのを思い出しちゃう。

 

 

 「おっとと・・・おお・・・凄いわねえ」

 

 

 しかしまあ、改めて聞える紹介とその際に出ていくリギルの面々への歓声。模擬試合、彼女たちの魅力を引き出していく勝負服、公式でもないのにこの人気は本当にスターなんだとわかる。

 

 

 「それでは、先に」

 

 

 そうこうしているうちにルドルフちゃんの番になり、出た瞬間に天井が震えていそうなほどの歓声が。皇帝。無敗の三冠かつ最強か。勝ちよりも負けを語りたくなるほどの圧勝劇。面白い。こういう相手とぶつかり合うのが最高なんだと心の奥でふつふつと火がついていくのが、燃え盛っていくのが。

 

 

 (待ち遠しいわねー・・・さてさて・・・一応、今回はどうしかけていくか・・・ふふ・・・)

 

 

 

 

 

 『これでリギルのメンバーは全員がそろいました。そして、最後に登場するのはやっぱりこの方!』

 

 

 『彼女たちが中等部からデビューし、二十歳まで戦い続けた時代。ウマ娘世界大戦と呼ばれるほどの数の天才、怪物たちがひしめき、彼女たちが世界中を渡り歩き、そこかしこで激戦を繰り広げていました』

 

 

 パドックに上がりつつ聞こえてくる解説。うーん。最近はバラエティーの方でしかやっていなかったし、こういう紹介は久しぶりでなんだか少し気恥しい。

 

 

 『その時代の中にあって無敗! 引退後も現役選手たちと競り合って尚無敗! 伝説のエキシビジョンマッチでも最後の直線であのBIGREDと互角に渡り合い引き分け。最強の一角としてなお馳せる伝説! 欧州最強というのなら、彼女を越えてみろ!! リボーの入場です!!』

 

 

 トレセン学園のジャージを脱いでそばにおいて体育着と短パン姿で歩いていく。周りからは大歓声と。うん。いつも通りの声が聞こえる

 

 

 「でけぇ! 腰ほっそ!?」

 

 

 「なによあれ・・・羨ましい・・・! 腰も身体も細いのにでかい・・・!」

 

 

 あははー・・・少し大きめの体育着にしたけど、ウマ娘のレースを見続けて目が肥えた人達、女性の皆さんからは気づかれるかー・・・でも、この体格のせいでレース前に運営からも心配されたり、背が伸びるまでマジで心配されたからね・・・大丈夫だって言っても健康診断に問答無用で投げ込まれたり苦労はあるのよ。それなりに。

 

 

 『体の仕上がりも文句なし! 細くしなやか。一見不安なほどですがこれが彼女のナチュラルウェイト! まさしく自身こそがイタリアの最高の芸術品といっても過言ではないでしょう』

 

 

 『背丈はありますが大変細い。けれど鍛えた肉体は無駄がない。本当に素晴らしい。ただ、レース数日前に何度も健康診断をさせられたりでいろいろ大変だったようです』

 

 

 実況でますます盛り上がる会場を見ながら歩いて・・・あ。キタちゃんとサトちゃん。ターボちゃんたちもいる。手ふっとこ。

 

 

 ゆったり歩いてゲートに入っていく皆に倣って私も入る。んー・・・・・狭いけど、ちょっとくらいから眠くなりそう・・・ふぅ・・・

 

 

 『各ウマ娘ゲートに入りました』

 

 

 1番1枠 シンボリルドルフ

 

 

 2番2枠 ナリタブライアン

 

 

 3番3枠 エルコンドルパサー

 

 

 4番4枠 タイキシャトル

 

 

 5番5枠 フジキセキ

 

 

 6番6枠 エアグルーヴ

 

 

 7番7枠 マルゼンスキー

 

 

 8番8枠 テイエムオペラオー

 

 

 9番9枠 グラスワンダー

 

 

 10番10枠 ヒシアマゾン

 

 

 11番11枠 リボー

 

 

 「ふわ・・・・はぁ・・・・んー・・・」

 

 

 息を吸い込んで、思いきり吐き出す。そして吸い込んで・・・本気になりながらちょっと圧を出す。

 

 

 「「「「「!!!!?」」」」」

 

 

 『さあ、ゲートが開きました!』

 

 

 「よーし。いきまっしょ」

 

 

 『スタートしました。リボー、絶好の滑り出しでハナを切りました。やや当てられたか各ウマ娘、ゲートから出遅れ。しかし流石はリギルに集った優駿達。スタート後は自分のペースを掴みます』

 

 

 『スイッチの入ったリボーは別人だと言われるほどですからね。プレッシャーにあてられたかもしれません』

 

 

 ゲートが空いたのでまずは最高速度のちょっと手前で一気に前に出る。他の子たちは・・・軒並み圧でちょっと怯んじゃったかスタートが遅れちゃったわね。

 

 

 ついてきているのは・・・タイキちゃん、マルゼンちゃん。一気に抜くんじゃなくて、あえて逃げよりの先行で行く感じだろう。私についてきてはいるけど、焦ったまま変に前に出て潰れるよりはマルゼンちゃんは足を残しつつついていく。タイキちゃんはマルゼンちゃんをマークしつつ得意のマイルよりも400メートル長いレース。足を貯めることを選んだ感じ。

 

 

 『今日のマルゼンスキーは大きく逃げない。タイキシャトルと共にやや先行目につけてリボーをうかがう。先頭集団からも縦長の展開になっております。リボーが先頭。2番手の位置に3バ身程でマルゼンスキー。差がなくタイキシャトル』

 

 

 『普段は逃げを主体としているマルゼンスキーですが先行も一級品。タイキシャトルはついていきながら一気に仕掛ける腹積もりでしょうか』

 

 

 「出遅れた・・・・!」

 

 

 「なんなのよ今の圧力・・・」

 

 

 『シンボリルドルフはこの辺り。並んでナリタブライアン。テイエムオペラオー。ヒシアマゾン、最後方からのレースになります』

 

 

 『全員の爆発力は目を見張るものがありますし、今は脚を残すこと、出遅れでの動揺を抑えているところでしょう』

 

 

 その後ろにルドルフちゃんを先頭に固まって、アマゾンちゃんが最後尾から追い込みを狙っている感じか。リギルもそうだけど、基本戦術は追い込み、差しの方がいいからねえ。逃げで勝負をしようとはしないか。

 

 

 「・・・・やるか」

 

 

 『1コーナーをカーブ。リボーがペースを握っているところでしょうか? 各ウマ娘の動きはぎこちなって来ているか?』

 

 

 『大逃げをしたツインターボとサイレンススズカのレース直後。更にリボーは逃げでも無敗ですからね。このままでいいのかと内心考えていると思われます』

 

 

 ちょうどいいかなと感じたのでちょっと仕掛けを始める。逃げで勝負をしないのなら、ちょうどいいくらいだし。少しづつペースを落として、わかりづらいように走法も変えておいてと・・・うん。後ろから追い込んでくる足音も聞こえない。距離も空いているし、私とマルゼンちゃんをペースにして後半に一気に追い上げていく感じでしょうね。

 

 

 ・・・・・・・はまった。スタートダッシュで遅れて、先のレースでのターボちゃんとスズカちゃんの大逃げに焦って潰れたスピカの皆のレースを見て慎重策を取ったんでしょうけどね。うん。正解だけど間違いよ。

 

 

 大体15バ身ってところかしら・・・うんうん。いい感じ。

 

 

 「・・・?」

 

 

 「なんだ・・・違和感が・・・」

 

 

 『もうそろそろ1000メートルを通過する直前。依然大逃げのリボー。それを追いかけるタイキシャトルとマルゼンスキー。後続も好位置につけられるままレース出来るか? 2コーナーをカーブ』

 

 

 『この大逃げをしておきながら、どうにも・・・変な感じがします』

 

 

 

 客席も実況の皆さんも違和感を感じたみたいね。フジキセキちゃんとルドルフちゃんは気づきそうね。そろそろ・・・・1000メートル

 

 

 

 『1000メートルを通過しました。タイムは・・・59秒8。思った以上にローペースの大逃げだ!!』

 

 

 『おそらくコーナーで足元が見えづらくなる。減速をするところで絶妙にごまかしたのでしょう。これが芸術的技法のひとつといったところか』

 

 

 「What!?」

 

 

 「は・・・嵌められたのか!!?」

 

 

 「くそ・・・焦りを利用されたか?」

 

 

 曲がり角、足の回転と歩幅をごまかせばペースダウンしているのにごまかせるからねー非公式、引退後含めて何十戦と曲者、怪物たちとしのぎを削った経験は伊達じゃないわ!

 

 

 (それにまあ・・・このメンバー相手にはしっかり加速用の末脚。長めに残しておかないとやばそうだし・・・削りももう一つ欲しいわね)

 

 

 「・・・仕掛けてみるか?」

 

 

 「惑わされる前に逃げマース!」

 

 

 『エアグルーヴ、エルコンドルパサーが前に出る。続いてタイキシャトル、テイエムオペラオーが続いてリボーの前に。リボーは競り合うことなく下がっていく』

 

 

 『逃げ以外にもリボーの武器はありますからね。しかし、ここから末脚を残した面々をさらりと前に出したのは果たして正解かどうか』

 

 

 ここで私のペース崩し、逃げに付き合いたくない。後はまあ、最初のペースで少し消耗、足が落ちたかもという希望的観測からオペラオーちゃん、エルちゃん。エアちゃん。タイキちゃんがグイグイ迫ってくる。

 

 

 「並んで来たわね」

 

 

 「恐ろしいわ・・・スタートからこれを仕掛けていたなんて」

 

 

 『マルゼンスキー抜け出した!大ケヤキを越えて4コーナーで仕掛けて来た! 残り400メートル!』

 

 

 『全員の足は残っているでしょう。ここからは全員が得意な位置につけているのでわかりません』

 

 

 マルゼンちゃんも前に出て、ルドルフちゃんたちは私に合わせるように後ろのまま。そろそろ・・・・・・うん。前に出たメンバーもそろそろ効く。スタートダッシュで焦りで余計な力みで脚を使って、また私に騙されたと追いついていくためにいつもより早いところから仕掛けた。

 

 

 (こうなってくると・・・ルドルフちゃんとブライアンちゃんの加速。徹底マークからの爆発を見せるグラスちゃんが不安要素でトップか。タイキちゃんは得意のマイルより400メートル長い距離かつ、二度引っ掻き回したから見るからに動きが鈍っている)

 

 

 「さあ・・・・いくわよ・・・・ッ!!」

 

 

 『リボーが来たぞ!リボーが来たぞ! 凄い脚だ! 凄い脚で突っ込んで来るぞ! 今イタリア最高峰の弾道ミサイルが発射されました!!』

 

 

 『この加速で多くの怪物たちを、世界中で置き去りにしました。これはすさまじい!!』

 

 

 後はもう。たっぷり溜めさせてもらった脚で駆け抜けるだけ。思いきり息を吸い込んで、止めて。一気に世界が遅くなっていく。息を止めることで集中の深度を深めるスイッチを入れる。ありったけの力を両手足に込めて地面を粉砕する勢いでぶっ飛んでいく。

 

 

 「な・・・・くっ・・・!」

 

 

 「ものが・・・違う・・・!!?」

 

 

 『リボーが先頭だ! リボーが先頭だ!! シンボリルドルフ行く!ブライアンも来た! しかしリボーだ!!リボーだ!! 4バ身5バ身!まだまだ伸びていく!』

 

 

 『怪物と皇帝の足も決して遅くありません。しかし・・・リボーだけ早送りをしているような、周りの時間が遅くなったようなほどの加速』

 

 

 歓声も、周りの声も、自分の心臓の音や揺れる髪も、全部全部がスローに見えて感じる。やっぱりこの感覚はいい・・・好きなレースが長く感じられるし・・・高揚感が心地よく染みて、身体に活力を無限にくれるよう。

 

 

 前にいた子たちは追い抜いた。ギリギリ・・・私の感じる感覚についてこれそうなのが・・・ブライアンちゃん・・・ルドルフちゃん。マルゼンちゃん。うん・・・でも・・・

 

 

 (まだ届いていない・・・!!)

 

 

 『東京のホームストレッチ!! リボーが行く! リボーが行く! おおっと、ここでマルゼンスキー追いすがれるか!? 追いつけるか!? ナリタブライアン突っ込む! シンボリルドルフ食い下がれない!! 速い速い速い!! スピード違反じゃないのかこのウマ娘!?』

 

 

 『この加速に追いつける三名もまた異常の中の異常。しかし、巨匠の筆さばきは止められないようです』

 

 

 今はまだ届かない。でもこれからまだまだ伸びる。スイッチの入った私相手にここまでついてこれるのだから。でも今は私が勝利をもらう。ぐんぐん横から感じていた視線を背中に感じるようになるのを感じつつ最後まで加速しながら。ゴール。

 

 

 『リボーだリボーだ大勝利!! シンボリルドルフが2着! マルゼンスキーが3着ぅぅぅぅぅ!! ターフの名匠。世界の頂点に挑んだ日本の勇者たち! 色褪せぬ神話に懸命に挑みましたが未だ及ばず! しかし、5バ身差まで食らいつきました! そしてこの3着全員がコースレコード更新!! 弱者は一人もいない! まさしく最高峰のレースでした!!』

 

 

 『魔術師の血をひく芸術家の孫娘はここでも芸術的、魔術的なレース、そして芸術作品を見せつけたようですね。・・・おや?』

 

 

 「ぷはっ・・・はぁー・・・よっし・・・ヘリポス!!」

 

 

 「OKリボー!」

 

 

 しっかりとゴールの声を聴いてから息を吐いて流しつつ、ロンダートからトンボを切る。私の合図にヘリポスも用意していたものを投げてくれた。勝利した後のゴールでやると決めたパフォーマンスだ。解説のおじさま。私の勝利レースが芸術品なら、これも入れなきゃ今回は完成しないの。

 

 

 投げてくれたマント、そして覆面。最後にくるりと宙返りをして着地後にまだ空を舞うマントを取って羽織り、私の表情が見えるくらいに軽く覆面を取ってかぶり、リザードンポーズを決めれば完成。

 

 

 『おおっ・・・!? こ、ここで緊急情報!! なんと、ここしばらく日本各地の非公式レースで暴れていた覆面ウマ娘ダテ・ナオト選手の正体は何とリボー!! 日本の芝、そして勝負勘を取り戻すために短距離でレース参加。負けた際は正体をその場でさらすことで自身の無敗記録をかける過激な調整をしていたようです!!』

 

 

 今まで参加していた非公式レースの運営さんにも私の勝利と同時にこの情報を流すようにしていたのでちょうどよく私のポーズと実況の話すこともあって会場は大盛り上がり。うんうん。やっぱアメリカとかではこういうパフォーマンスも多いから勉強になるし、やると楽しいわね~♪

 

 

 そしてまあ、最後にサービス。このマントとマスクを・・・っと!

 

 

 『なんとなんとぉ! ここでウィニングサービスか! リボーのマントとマスクが観客席に投げ込まれる! 模擬レースとはいえ、非公式とはいえターフの巨匠のもう一つの勝負服ともいえるマントとマスクのプレゼントとは粋の一言に尽きます!!』

 

 

 キタちゃんとサトちゃんにプレゼント。ふふ。これからも頑張ってね。若き新星候補ちゃん。そういう意味も込めてウィンクを飛ばす。あ。ほほ紅くしている。かわいいなあ。

 

 

 「は、はは・・・完敗・・・ですね。いやはや、世界の教えてもらいました。疾風迅雷とはこの事か」

 

 

 「お疲れ様。ルドルフちゃん。強かったわよ? 今回は引き出しの数で勝っただけ。戦歴でいえば軽く倍はあるからねー」

 

 

 「ぐ・・・ふ・・・は・・・ぁ・・・い、一体どこから仕掛けていたのですか?」

 

 

 「あ、足ががくがくデース・・・・お。オォゥ・・・」

 

 

 『リギルのメンバーはみなくたくた! それもしょうがないです。この実況席ですら感じるほどの圧! そして迫力はまさしく現役時代のそれ! ミサイルのような加速! 怪物ですら怯む魔王と言わしめたプレッシャーは未だ衰えていなかった!!』

 

 

 汗だくのルドルフちゃんに、あーほかのメンツもみんなフラフラ、ないし汗まみれだわ。そりゃ、スタートから圧かけたしね。

 

 

 「パドックの前の時点で。のんびりと気を緩めて、みんなが出たあたりから徐々にスイッチを入れる。で、ゲートの時に圧を出しての最初は最速手前、その後ですぐペースと走法を変えてから脚と距離を貯める。まあ、二回くらいかしらね? ペース崩しをやってみたのよ」

 

 

 「最後のあの加速。あれは一体・・・?」

 

 

 「ああ。ゾーンって言えばいいのかな。私、最後の加速の際は息止めて思いっきり集中するようルーティーン作っているの。その際はもう。全力のさらに上を出せるし、レースも長く味わる感覚があるから心地いいの」

 

 

 最後の加速、末脚はこれで後押ししている感じだしねー・・・ただまあ、それでようやく張り合える連中が数名。ほんと・・・公式でぶつかっていたら私無敗で終われなかっただろうなーおっと危ない危ない。遠い目をしていた。

 

 

 「・・・日本の頂点、三冠ウマ娘と言われていたが、上には上がいる。あらためて思い知らされたよ。・・・いい勝負だった」

 

 

 「ええ。まさしく。早い段階であなたと経験をつめたのは私にとって最高の指導です」

 

 

 「クッソー!! 負けたのはすげー悔しいが、最高だったぜ! よければまた勝負してくれ」

 

 

 「私もデース!! 今度はマイルで勝負しましょ?」

 

 

 「あ、タイキ先輩ずるい! 私も、今度は2400で勝負!!」

 

 

 どうにか立ち上がり息も整えてきたリギルの皆からまたレースの申し込みをされちゃう。うーん。元気だわ。マイルはちょっと不安だけど、エルちゃん。むしろ2400は私の得意距離だけどいいのかしら。

 

 

 「女帝と言われ、そうあるべきと鍛えていましたが、自惚れていたかもしれませんね・・・負けました。よければ今後もご指導ご鞭撻。お願いします」

 

 

 「私からも。ターフの巨匠の描く勝利を私たちもできるよう。お願いしたく」

 

 

 「ボクからもお願いするよ。より美しく、素晴らしい勝利を飾るためにね」

 

 

 「なら、今は美しく愉快にターフを降りましょうか。ありがたいわね。日本でもここまで歓声をもらえるなんて」

 

 

 オペラオーちゃんの言葉にそう返しながら観客に手を振りながらレース場から退場。日本のレベルはアメリカに負けない・・・いや、もしかしたら高いわね。うーん。あいつらに頼まれていることもあるし、どれ・・・ひとつやってみましょうかね? 頼まれればだけど。

 

 

 『さあ、レースを彩ってくれた選手たちが下りていきます! その中でも華やかさ、明るい笑顔を振りまいていく日本と世界のトップ! まさしく全員が強者であり弱者無し! 強者、怪物のみのぶつかり合いであったことを語っています』

 

 

 「ああー・・・いいわね。これが最強の一角。負けたのに・・・ワクワクが止まらないわ♪」

 

 

 「ふふ・・・まだまだ、勇往邁進すべきだな・・・目指す高みがより見えるのがいい」

 

 

 うーん。負けた悔しさはあるけど、それ以上に次へと炎を燃やして瞳をぎらつかせている。これは・・・・のびるわね。ああー・・・マジで指導したくなっちゃうわ。けど、レース後のインタビューもありそうだし、あー・・・めんどい。




 今回はリボーの圧勝。息を止めてゾーンに入るのはふざけた末脚を出すオリジナルの演出です。中等部からずっと公式非公式戦い続けて今の歳、まあ十年ちょい戦った怪物なので年季が違う感じです。


 リギル相手に無事勝利、そんでアメリカにいたころの友人どもとレースに関わる際に見た本場の派手なパフォーマンスを使っちゃいました。


 お古とはいえ、リボーレベルのウマ娘の使用してた勝負服。やっぱりファン、マニアからはお宝なんですかね? キタちゃんにマスク。サトちゃんにマントが渡されました。


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