無敗の悪戯好きとコックさん   作:零課

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 ステゴ産駒の馬たちが擬人化してプロレスをする動画が面白かったです。ゴルシがしっかりゴルシらしいし、試合も熱いしで実況も愉快でした。


 改めてゴルシ、ステゴ、マックイーンを見てみるとゴルシって両方のいいところ、マックイーンのスタミナ、ステゴの頑丈さと加速力を持っている。しかもそれを鈍らせないパワーと体格の持ち主。そりゃあ走る気になれば最強と言われるのも納得です。


 父ジャスタウェイ 母父ゴルシの馬って出ませんかね。いわゆる奇跡の血量になるとかなんとか。


逃げ切りシスターズ&対策班

 ~リボーSide~

 

 

 

 「さてと・・・今日はみんなで改めて逃げのスタイルとその完成度を見るために来たけど、大丈夫?」

 

 

 「いいぞ! ターボは何時でも行ける!」

 

 

 「問題ないわリボーさん」

 

 

 「はい。私も・・・」

 

 

 今日はスピカは練習休みだったのだけどトレーナーさんから2時間だけの短時間練習と言われて許可。内容はまあ説明する必要はないけど逃げ、大逃げをするメンバーに改めて逃げのスタイルを説明。その利点がどこにあるか。逆に欠点は何かを教えることに。で、まあ私はスズカちゃん、ターボちゃん。スカーレットちゃんに教えるつもりだったけど今回はゲストも追加。

 

 

 休日だってのにスピカ大体3つに分かれて練習したがるからみんな元気ね。オーバーワークにならないよう気をつけないと。

 

 

 「マックイーンちゃんもうまくいけばスタイルにできるだろうけど、大丈夫?」

 

 

 「ええ。その・・・サンデーさんが『お前の肉体なら逃げもできる』ということで参加して来いと言われまして」

 

 

 「そうね。スカーレットちゃんに近くなりそうだしぜひ見ていきなさい。やり方によってはだけど・・・マイル、中距離でも強くなれるわよ?」

 

 

 「本当ですの!?」

 

 

 「出来ると思うし、まあそれに関してはみんなの走りを見てからね」

 

 

 もうお前らくっついちゃえよ。そう言えるほどに仲良しイチャイチャしているサンデーから背中を押されてきてくれたマックイーンちゃん。最近は漢方と寝る前のストレッチを仕込んだおかげでダイエットも無理させないようにしているし肌艶もいい感じ。ストレス溜めこまないようにできているからよかったわ。

 

 

 「じゃーまずは4人で軽く走って一回につき一人ずつそれぞれの逃げのスタイルをする。まずはターボちゃんから。加減難しいだろうし最初だけは全力でね」

 

 

 「よーし、全力で行くからみんなよろしくな!」

 

 

 「ターボの逃げか。あの全力スタイルは見ていて痛快よね」

 

 

 「よろしくねターボちゃん」

 

 

 「よろしくお願いしますわ」

 

 

 気合は全員入ったのでさっそくレース場に立たせてスターターとゴール係に。あ。ちなみに今回は抑えさせるとはいえ足の負担軽減を取ってウッドチップの練習場。

 

 

 「いぇーいリボーさん。ゴルシちゃんも参加していいか?」

 

 

 「ん? いいわよー」

 

 

 「よっしゃ。それじゃ合図を出してくれ!」

 

 

 「じゃ、良ーいスタート」

 

 

 急な飛び入りが参加して、まずはターボちゃんがいつも通りの大逃げ。残りは抑えめの速度で先行の逃げ。ゴルシちゃんは原付で追いかけてメガホンもってみんなに檄を飛ばしたりするけど、まあいいか。ちょうどいいから数人で走っている分複数人分のプレッシャーというかそんな感じで。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「お疲れ様。それじゃーそれぞれのスタイルと距離、利点を言うわよ」

 

 

 それから三人の逃げをそれぞれ軽くやって見せて、ゴルシちゃんの焼きそばと美柚樹お姉さんの特性ドリンクを渡して小休憩。というよりはほぼほぼ今日の練習は終わり。みんなレース出た後なのに練習したがったのでスタイルの再確認に至る。

 

 

 「まずターボちゃんの大逃げ。スタートからずっと休みをほぼほぼ入れずに走り切る。これで怖いのは相手に後半追いつけないかも、そのまま逃げ切られちゃうかもと思わせる。それが大きいわ」

 

 

 「ふふーん。追いつけないくらいに走ってゴールを独走。それが最強だぞ!!」

 

 

 「でも、ゴール前は今でもヘロヘロですわよね。今回も1600でしたけど」

 

 

 「そう。ターボちゃんはもう少し息を入れる練習をするのが課題。コーナリングでうまい具合に息を入れつつ脚を溜められるようにできれば走れる距離をもっと伸ばせる。今は2000メートルがベストだけど、息を入れられれば2500メートルでも戦えるわ」

 

 

 ターボちゃんの大逃げは行ってしまえば目の前でエンジンフルスロットルなマシンが走るようなもの。それは速度以上にその姿勢。本人の気迫が回りにプレッシャーを与える。このままいくんじゃないか、逃げ切っちゃうから早い段階から捕まえないといけない。そう思わせていくのが凄まじい。

 

 

 差し、追い込み組さえも巻き込んでレース全体をぶっ壊す破滅的逃げ。それはターボちゃんが速度とスタミナにものを言わせて常に走り続けて、息を入れる練習をしていてもまだ常に全力疾走を続ける癖が抜けないせいでもあるけどもう少し息を入れる時間を増やしつつ出来れば有馬記念などの2000メートル以上の大舞台でも戦える。

 

 

 「息を入れる練習をもう少し頑張りましょうか。出来るのなら、凱旋門賞にも推薦してあげる」

 

 

 「本当か!? ターボが凱旋門に!?」

 

 

 「ええ。私連覇しているし、レースの走りを推薦材料にすれば行ける行ける」

 

 

 「つ、つまりターボが世界一の舞台に・・よぉーし! トレーナーさんともっと練習頑張るぞ!!」

 

 

 「やりすぎないようにと、疲れ感じたら私らに相談しなさいよ~現在の適正距離は1400~2200ってところね」

 

 

 私の弟子だしいいだろと言ってもいいけど、そこは実力で。実際世界でもターボちゃんは注目されているし、今年一年は国内で実力を磨いてから遠征すれば面白くなるだろう。

 

 

 「で、次にスズカちゃん。貴女は―・・・まさしく大逃げの完成形にして到達点の一つ。ぶっちゃけ、欧州の芝に慣れさえすれば速攻で各地で戦える。あっちは土地が広い分、直線のマイルとかあるし、何だったらドイツは直線でひたすら長いレースもあるからむしろあっちの方が思いきり楽しめるかも」

 

 

 「ありがとうございます」

 

 

 「ただ、スズカちゃんは手足が長いし背丈もある分小柄なターボちゃんと違って一歩一歩の負担が大きいし、故障の不安はある。今後は直線で思い切り離して、カーブの際は勢いを抑えて遠心力を抑えて足に負担をかけすぎたりとか、踏ん張りすぎる機会を減らしていきましょう」

 

 

 「は・・・はい・・・」

 

 

 あー耳がしゅんとしなって顔も落ち込んで・・・大丈夫大丈夫。ちゃんといい所もあるから。

 

 

 ポンポンと頭を撫でると顔をあげてくるスズカちゃんににっこりと笑う。

 

 

 「ただ、その背丈を活かした走り。カーブを抑えていくぶん直線は思いきり、何の駆け引きも考えずに先頭目掛けて走りなさい。そうすれば貴女はそうそう負けやしないわ。ターボちゃんよりも長い距離で戦える。マイルとか、短距離はターボちゃんだと思うけど」

 

 

 「ん・・・ありがとうございます。リボーさん」

 

 

 「適正な距離は2000~2500。3000もやれるけど、速度を落とすのと息を入れるのをやって念入りに調整しましょう」

 

 

 よしよし。いい笑顔だし、しっぽも嬉しそうに揺れちゃってーおハナさんはスズカの才能を知りつつもスランプから抜け出せてやれなかったととぼやいていたけど、この子はしょうがないわ。性格も気質も、脚質も全部全部が大逃げ一本の極振り。私でもちょっと記憶にないくらいの特化型かつ天才肌だし。

 

 

 基本それ以外は噛み合わないという具合でしかもまあ、大逃げの怖さと不安を感じず、息を入れるタイミングもすぐ覚える。・・・滅茶苦茶なのよねえ。色々。これで中等部の時天然コメディアンな具合だったってのがまた。

 

 

 

 「最後にスカーレットちゃん。貴女の逃げはいわゆる・・・」

 

 

 「いわゆる・・・?」

 

 

 「うふふ♪ 捕まえて御覧なさ~い♡ スタイルな逃げよ」

 

 

 「んぶふっ!! ぶはははは!! ら、ラブコメかよ!! あーははははは!!」

 

 

 「わ、笑わないでよゴルシ先輩!! そしてリボーさん!? 何でアタシだけこんなコメディなのよ!!」

 

 

 うーん。わかりやすく説明と、ちょっと空気を変えようと思って言ったのになあ。ゴルシちゃん爆笑してくれているし、マックイーンちゃん笑いこらえているし。あ、ターボちゃんとスズカちゃん吹き出しちゃった。

 

 

 顔を真っ赤にして素を見せてくれるようになってくれたスカーレットちゃん。いやーでもある意味これが一番えげつないかつ先行策に近いくらい負担を抑えられるスタイルだしいいと思うけどなあ。名前。

 

 

 「まあまあ、聞きなさい。スカーレットちゃんは先の二人と違っていわゆる大逃げを打たないスタイル。で、更に二人よりも肉付きもよければ骨格もいいから肺活量もある。身体もしなやかだから省エネ最高率で戦える肉体があるのよ」

 

 

 「え、えへへ~いやー・・・そ、それほどでも」

 

 

 「ちょろいな。で? そこがどう強いんだ?」

 

 

 「つまりはスタミナもある、速度も出せるのに追いつけるかも。という距離を常に保って相手をすりつぶし、最後で残した力をもって突き放す。逃げの基本形で相手をとことんペースを乱しつつ潰せる。それをしやすいの」

 

 

 ターボちゃんやスズカちゃんの場合はどこかでつぶれるかも。周りが焦って追いかけたところで抜け出せるかもと考えるウマ娘も多い。だから力を蓄えて一か八かにかけていくウマ娘もいる。

 

 

 ただ、逃げの中でも距離を作りすぎずに先頭を立つ。そうなると先行組は自分が前に出てペースを作れるかも、ブロックされないように前に。仕掛ければ勝てるかも。そういう心理を誘発しやすい。先頭に立てるかも。そういう誘惑が前に出たい、レースに勝ちたいウマ娘の心に入り込む。そうなって脚を使えばまた突き放される。そのうちに脚を使い切って負けている。

 

 

 そうでなくてもスカーレットちゃんは先行も使える分前に出てペース崩しを狙えるから強い。安定感のある戦い方かつ心をへし折りに行けるのが強いのだ。私も現役時代似たような手段使うときあったし。

 

 

 「乾坤一擲を狙う相手に戦術をブレさせるのを狙えるし、自分でレースを支配するからスタミナ配分もやりやすい。ターボちゃんとスズカちゃんの大逃げはスタミナの不安と迫ってくる相手を認識しづらいデメリットがある。それを抑えつつやれる。負担も調整できる分怪我しにくいのもスカーレットちゃんの逃げなの」

 

 

 「ようは永遠においでおいでして、気が付けばへとへとになっていてスカーレットは元気ってことだな!」

 

 

 「特化のターボさんにスズカさんと違い、高水準でバランスのいいスカーレットさんというわけですか」

 

 

 「あーなるほど。でもリボーさん。その名前は・・・」

 

 

 「似合っていると思うんだけどなー。スカーレットちゃんは中距離が主戦場ね。スタイルもあるんだけど2000以下は短いし、2500以上は長いと思う」

 

 

 スカーレットちゃんみたいな美少女にそれされたら私もお姉さんもホイホイついていきそうな気がするし。で、これらの逃げを見て、付き合ってくれたマックイーンちゃんの方にも振り返る。

 

 

 「で、マックイーンちゃんもだけど、スタミナにものを言わせて序盤の逃げをしてから息を入れ、ロングスパートをかけて戦うやり方で逃げをできると思うのよ」

 

 

 「わ、わたくしもですか?」

 

 

 「そ。それにだけど今売り出し中の大逃げ・・・じゃない。爆逃げシスターズやターボチャン、スズカちゃんはテイオーちゃん相手なら普通にやり合えば今は全員勝てるし、マックイーンちゃんも同様。そこに逃げの引き出しもさらにあればライバルのテイオーちゃんもコテンパンにねじ伏せられるでしょうねー」

 

 

 「そ、それは本当ですか!!? テイオーさんとの勝利も・・・!」

 

 

 「ええ。私が保証する」

 

 

 テイオーちゃんたちの弱点もおおよそ分かったし、私の引き出し、レース経験からも分かってきたしね。それに、爆逃げシスターズも大逃げを選んでしっかり勝てる。華のある勝負を見せる時点で才能も並じゃない。体も心も強い。スズカちゃん同様に海外の直線レースでぶっちぎって戦えるだろーなー

 

 

 わくわくした表情のマックイーンちゃんだけどこれ以上の練習は今日はなし。

 

 

 「じゃ、この後はダウンして、サウナで汗流してからスイーツ食べに行きましょうかあー~近所の商店街の喫茶店。美味しそうな新メニューあるし、私の奢りよー」

 

 

 この後はみんなで一緒に商店街に移動。ゴルシちゃんが変な着ぐるみつけて移動していたのはスルー。後でジャスタウェイちゃんがどうにかしてくれるでしょ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~サンデーサイレンスSide~

 

 

 

 『・・・ねじ伏せられるでしょうねー』

 

 

 「ま、妥当な判断だわな」

 

 

 「えー!! ボクが負けるわけないじゃないか!! 無敵のテイオー様だよ? もう二冠も手にしたし、骨折もしないで済んだしやれるって!!」

 

 

 「ふーむ・・・あー・・・納得」

 

 

 「うーん・・・? なんでだ? サンデーさん、ジャスタ先輩」

 

 

 今回はスピカを二つに分けて野外トレーニング組と私ら室内トレーニング組に分けての練習。その際に逃げ、スタミナお化け組と競り合いの天才組で分けることに。

 

 

 リボーのやつに頼んで練習中の映像をカメラ仕掛けて音声もきかせてもらったが、ほんと逃げの天才多いな此処のトレセン学園!! で、まあ流石にテイオーの弱点も気づいていると。目の前でうるさく騒ぐ二冠の王者様は元気に言っているが、わからねえか。

 

 

 「んーまあ、お前らの言う競バはよ、瞬発力や駆け引き、いつ息を入れるかいつ仕掛けるか。ここの要素が強いだろ?」

 

 

 「そりゃーそうさ! そしてそこでの競り合いならボクは負けないよ!」

 

 

 「もちろん。競り合い叩き合い、ドッグファイトならテイオーは強い。レース勘、駆け引きもいいし2,3ハロンの仕掛けならすげえものがある。マックイーンは瞬発力がないからなおさら最後の競り合いならテイオーが10回やって8回は勝つだろう」

 

 

 「まー実際テイオーの脚はすげえからな。地面を跳ねるように走るし」

 

 

 あの柔軟性で体格に見合わない力強さを地面にしっかり伝える独自かつ素晴らしいフォーム。バネもしっかりあるし競バにおける強さでいえば天性のものがあるだろうさ。

 

 

 「ただな。マックイーンやスズカ、ターボはそういうものじゃない。勝負のレギュレーション。土俵自体が違うんだよ。スタミナと速度でギリギリほかのウマ娘より1センチでも前に出て勝利。じゃなくて1秒でも早く勝利。駆け引きも呼吸をいつ入れるかくらい。マックイーンに至っては自分のスタミナで自分以外全員をガス欠にさせてレースではなくただのウマ娘のかけっこにするそういうものだ」

 

 

 「ええ。ですからテイオーちゃんやウオッカちゃんたちが仕掛ける脚を残させずに自分は加速し続けて最高速度のままゴールをする。しかも早い段階で仕掛けていくぶん周りも変に焦って仕掛ければそれこそゴール前で沈没と」

 

 

 リボーはふざけた末脚と心肺機能でお構いなしの逃げと差し。スズカは大逃げ一本で最強に。ターボは最初から全力ゆえにペースもへったくれもないからみんな潰される。マックイーンは気づけばスーッと前に出ていて、最後はみんなの視線を釘付けにする。一騎打ちをさせてくれない。自分が主役だと美貌と強さを見せつける。競り合い押し合いなんてするもんか。自分のペースに付き合ってしまえというスタイル。しかもそれでごり押せるものを持っている。

 

 

 ゴルシの場合はそこに加えて後半の追い上げでみんなを驚かせつつ、更に末脚と時にぶっ飛んだレースをするから強いのだが・・・スタートが出遅れするのと、あいつレース中にエンジンかかることがあるくらいには気分屋だからなあー・・・

 

 

 「実際、前の模擬レースでも併せでもテイオーやりづらかったろ? 脚の筋肉の質もあるんだろうけど変にペース乱す相手に合わせて急激に動きを変えたら気持ち以上にスタミナが削られるし、お前さんは小柄な分肺も小さい。ため込めるスタミナの下地に差がある」

 

 

 「あー速筋と遅筋。そして体格かー・・・」

 

 

 「ターボちゃんは普段から限界まで追い込んでいる分心肺機能が高いし、リボーさんにしごかれてさらに強化。大逃げだからペースも基本変えずに済むと」

 

 

 「駆け引きを考えて脚を残す計算も全部知ったことかとやられるとその分テイオーは立て直しをできても身体がついていけない感じだな。後、ペースが崩れた時に一気に脚が疲れを自覚して落ちやすい」

 

 

 「むー! じゃあどうすればいいのさ! 相手が土俵違いでレースをしてくれないのならサンデーさんはどうするの!?」

 

 

 カッとなったテイオーをジャスタが抑えつつまあまあという。ウオッカも抑えてくれているしそろそろ話すかねえ。

 

 

 まあ、いうこと自体はシンプルだけど。

 

 

 「そりゃ、要所要所で消耗を抑えるのと、気持ちを思いきり爆発させる。闘志や負けん気、ファンや仲間からの期待。いろんな気持ちをありったけため込んでぶつけて戦う。そのほうが思いきり脚も速くなるしな。それとマックイーン、ゴルシの弱点というか、スタイルゆえの穴を突く」

 

 

 「スタイルゆえの穴?」

 

 

 「ゴルシちゃんとマックイーンちゃん・・・・・あーロングスパートゆえにコーナー前からスピードを乗せていくぶんどうしても内回りがうまくできないから・・・」

 

 

 「そ。大外回りになってしまう。その分こっちはコーナーで脚を残しつつスパートするための溜めを作っていく」

 

 

 「えー・・・それっていわば基本じゃないの?」

 

 

 あの速度を出しつつもコーナリングがうまいスズカ、ターボはほんとすげえんだよな。しかもターボは小柄だけどスズカはそれなりに背丈もあったうえでそれをできちゃうし。

 

 

 期待外れと言わんばかりの表情を見せるテイオー。ウオッカもえ? みたいな顔しているが・・・お前さんらなあ。まあ、今まで自分の強みを押し付ければ勝てた相手ばかりだっただろうしなあ。

 

 

 「そうだ基本。だが、相手のロングスパートに必要以上に付き合わずにしっかりと脚を残して戦う。焦りを抑えて修正をしつつも自分のペースを維持する。それは難しいぞ? レース場を知り、ベストなやり方をしっかりとらないとだからな」

 

 

 「私もゴルシちゃん相手には脚を残して戦うのに苦労しましたしね・・・勝つときは大体みんな驚く顔をするかヘロヘロかの二択でしたし」

 

 

 「そういうものなの~?」

 

 

 「そういうものだ。特に長距離だとここら辺の駆け引きがやばい」

 

 

 ステイヤーたちの指導、そしてレース後の振り返りなどをするのだがほんと情報量と判断がえげつない。距離がある分作戦を立て直し組み直しを3つ4つするのはあるし、息をいつ入れて休むというのも中距離以上に長い分間違えれば撃沈待ったなし。

 

 

 それこそテイオーみたいにガラスの脚だと変なところで負担をかけすぎれば骨折さえも普通にあり得る。

 

 

 「中距離ならテイオーが有利だろうけど2200以上だとマックイーンががぜん有利になる。お前さんらが今後ライバル対策を練るのなら逃げを打つ相手には息を入れるタイミングを見切っての距離を詰める戦術眼。ロングスパートをかけられようともひるまない胆力。そして省エネのテク。これらを磨いていく。スタミナもこれから夏だ。ちょうどいい」

 

 

 「夏合宿ですか? 今年も海でするそうですが」

 

 

 「ああ。海でのトレーニングは加速力もスタミナも着けやすいし関節や骨の負担も減らせるからな。チームないだろうとバチバチに対決する分常に意識しつつ練習して互いに高みを目指せる。それに、あれもあるからなおさらな」

 

 

 「あれ?」

 

 

 「まだ内緒だ」

 

 

 リボーと姉御たちに黙ってもらっているからなー気づかれてもおかしくないが、今はどうにか大丈夫そうだし。ただ、この内緒ごとはテイオーの性格を考えればばれづらいし、わかれば多分いい刺激になる。もちろん全員にもだがテイオーは特に。

 

 

 「ま、あいつらが戦術を磨くのならこっちは鍛えつつもそれに惑わされないようにする。俺らもマシーントレーニングは終了したし、肉でも食いに行くか。私も給料貯まってきたしよ。それからウオッカ。お前に追い込み型の戦術を教えたのがわかったか?」

 

 

 「ご馳走になります! ええ。分かりました。あいつの逃げに翻弄されないため・・・オレが変に迷わないようにするためですね?」

 

 

 「んふふーそれと。多分だけど余計な邪魔が入らないようにするためじゃない?」

 

 

 「焼肉! ボクも食べるよー!!」

 

 

 とりあえず私らも練習を切り上げて昼飯に移る。この人数でスぺのやつもいないならまあ・・・大丈夫だろきっと。今日はグラスと一緒にリギルで練習しているみたいだし。

 

 

 で、ジャスタウェイよ。お前ほんと鋭いな。ゴルシの読めないレース運びとか世界で戦った分読めるようになったのか?

 

 

 「そうだ。レースでお前とスカーレットがかち合えばスカーレットは逃げ、お前は追い込み型の差し。スカーレットに前は軒並み翻弄されて、お前に追い越されて心身すりつぶされて最後は一騎打ちに持ち込みやすくなるだろうさ」

 

 

 「前で自分のペースで逃げつつねじ伏せるスカーレットちゃんと、後ろで貯め込んだエネルギーを爆発させてそんなの効かないと迫るウオッカちゃん。絵になりそう♪」

 

 

 「タイプも違う分ますますライバルとして映えそうだねー」

 

 

 「おおお! カッケェーじゃねえか! よっしゃ! あいつに今度も勝ってやるぜ!!」

 

 

 こっちもこっちで収穫はあったようで何よりだと感じ、リボーたちのいる商店街の焼肉屋さんに私らも移動。ウマ娘用食べ放題のメニューを頼んで私はメニュー外のビールで昼から一杯。日本に来てからというもの米と肉の相性に気づいて太らないように調整するのと運動を気をつけねーと思う程だが、やめられない。

 

 

 酒が入ってきたところで私ががまんしてその分を足に乗せて走れとテイオーに教えていたからその戦法はどうやって覚えたのと聞かれ、現役時代に私に我慢を教えたトレーナーとの大騒ぎとか、レースの際にあった当時の放送での対決とか評価でブちぎれてそれを糧にしたと話した際みんなドン引きしていた。

 

 

 「映画は嘘じゃなかった」とか「特番って抑え気味だったのか」とか言われたが・・・いやー大統領選挙に出てすぐ当選できると言われたセクもいるしそんなん多いぞうちの国は。




 相手に合わせて変幻自在な戦い方が出来るルドルフとスタミナすりつぶしのマックイーンとほんとスタイルが極端だなあと。


 サンデーサイレンスに我慢を教えて戦い高を教えた調教師さんはほんと凄い。気性難オールスターな一族の馬でさらに闘争心と根性がやばいやつですし。


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