マックイーンの恋人(史実)のサンデーってマックイーンを見に来たファンがいると暴れたりしていたらしいのですがこれ『俺のマックちゃんに何してんだよゴラァ!』ってなっていたのですかねえ。で、マックイーンが厩務員とかスタッフに悪戯したり人参持ってないかと身体検査しているときは『そういうところもかわいいんだよね(ネットリ)』な感じだったんですかねえ。
恋人と言われるほど仲良し、相思相愛な二人の血筋がベストマッチで今の競馬界で頑張っているところを見ても運命的ですよねえ。
~美柚樹Side~
「ぐぉお・・・ぽ・・・ぽかり・・・水でもいい・・・くれ・・・くれぇえ・・・」
「あ”ー・・・軽めとはいえ・・・これひっさびさ・・・あづぅ・・・」
「大人組がつぶれてどうするのよもう」
あの騒ぎから翌日。どうにも私たちとトレーナー組は大半が酒を飲み過ぎたようで見事にほぼほぼ全員が撃沈。大丈夫だったのは私とヘリポスさんくらいでどうにか大丈夫そうなのがリボー。ヘリポスさんは昨日ベルノちゃんに資料とか諸々渡していたりで酒飲んでいなかったのが功を奏したか。
「い、一応今日は模擬レースになっているから・・・私はもう少ししたら回復するからお昼からくるわ・・・ぐぉ・・・」
「うぇ”~・・・もうだめ・・・シャワー浴びてくる」
うーん・・・酒が残っている状況でぎらぎらの日差し差す夏の海に大人組放り込むのもなあ・・・・・・今日のレース関連では養生メイン出来ていて参加させなかったライスちゃんとドトウちゃんいるし・・・頼むかあ。
「今日はもう大人組は休んで水とか飲んでいなさい・・・ライスちゃんとドトウちゃんに頼んで残ってもらうから全員寝かせるわよ。で、リボーは午後の模擬レースや練習の監督お願いよ?」
「了解・・・」
「ウコン茶とスポドリ、水は置いておくのと、蜆の味噌汁作っておくから。ちょっと肝臓と胃に優しいサブメニュー用意しておくわ。ほら寝た寝た」
おハナさんと南坂さんもぶっ倒れている始末だし、無理させて酒でトイレ近くなっている上に汗かいて脱水症状とかシャレにならないし釘指しつつ見ていくか。
「えー・・・まあそういうわけですので今日のレースは私とヘリポスさん、ベルノさんで見ていくことになります。賞品の手配もしっかりあるので皆さんでミニゲーム気分で楽しみましょう」
「ははは・・・まあ、普段から我々のために粉骨砕身助けて導いてくれる方々ですし、羽目を外してしまうのはしょうがないでしょう」
「なんだよ~大人組が昨日騒がしかったのはそれか。ゴルシちゃんも交じればよかったぜー」
とりあえず始まった今日の朝からのレース練習の前にトレーナーメンバーほぼ全員二日酔いで撃沈。酒でトイレも近い分汗とトイレで脱水症状と熱中症が怖いのでレース中の対応は私達ですることを伝えるとルドルフちゃんが苦笑しつつもしょうがないという感じに締めてくれたので騒ぎにならずに済みました。
そんでゴルシちゃん。貴女ぜったいこれ幸いとみんなに悪戯仕掛けるでしょうに。
「いやーのん兵衛どもの酒の香りの強さはウマ娘にはつらいかもね~で。えー今日はちょっとしたレクリエーションと調整を兼ねての砂浜、砂芝のレースを行います。距離は2400、2000、1600メートルで分かれて朝二回、昼に二回を行っていくのと、チームで参加。若しくはチームを作ってレースに挑んでもいいです」
「・・・美柚樹さん。えーと。それはスピカやリギルみたいな大所帯も分かれて行動してもいいんです?」
「問題ないですよジャスタちゃん。スピカ以外の子たちとも組んで参加しても良し。団体レースの経験をするもよし、今の自分の力量を見極めるために一人で挑んでも良し。大事なのは経験を積むことですから」
実際は海外のチーム戦、そして柔らかい、脚を取られやすい洋芝の感触をつかむための海辺、海辺に植えた芝のコースを感じることだけどね。ジャスタちゃんはとっくに気付いているのかもね。さっきからしきりに考えているようだし。あ。ゴルシちゃんがその顔見て面白そうに笑っている。
「そしてせっかくですので今回はそのレースの賞品を用意しました。1位から5位まで入った子たちは貰えますし、チーム内の誰かが2位以上に入れば残りの子たちにもプレゼント。これです」
後はまあなんやかんやと用意出来た賞品とその一覧表を開示。ホワイトボードをグルんとまわしてみせればみんな色めき立つ。
1位 地域限定スペシャルスイーツパフェ 2位 美柚樹オリジナルかき氷、アイス詰め合わせ 3位 各種プロテインセット 4位 スポーツドリンク、ビタミンドリンクセット 5位 プロテインバー、人参チップス
「マジマジ!? これを勝利できれば手にできんの!? 激やば。マジ燃える!」
「ふふ。テレビでも紹介される人気喫茶店から頼んで今回のレースの賞品として出してもらいました。それ以外もたくさんありますので思い切りやりましょう」
「では、これより距離別、チーム別の登録を行いまーす。開始時刻は今から20分後になりますので焦らずに決めてくださいね」
ベルノちゃんの言葉で早速皆相談をし始めていく皆。実力や距離適性、戦術などを含めてどれがいいかと考えている様子。特に凱旋門賞、ドバイDF参加経験ありのジャスタちゃんとゴルシちゃん。カサマツでダートの経験豊富なオグリちゃんらは人気者。
「私は1600メートルで行きマース!!」
「ターボは2400メートルで行くぞ!」
「私は1600メートル参加を」
そんな中ですぐさま申し込みをしに来たのはタイキちゃん。ターボちゃん。イクノちゃん。最初の二人は分かっていたけどイクノちゃんがマイルとは珍しい。
「了解。でもイクノちゃんは珍しいわね。今はステイヤー、中~長距離の方が得意でしょう?」
「ええ。ですがダート、柔らかい場所でどれほどやれるかというのが未知数なのでマイルをたたき台に。私のスタミナがどれほど持つか、押し切れるかを計れたらと思いまして」
「なるほど。いいチョイスだと思うわ」
マイルのレースコースは少し波打ち際に近くしている分砂が水分を多く吸っている分泥に近い部分がある。基本整備されて固い、トランポリンと言われるほどの芝とはまるで別物の場所で本気で走る分負担の短い距離で見極めを行うのは流石。
「ウェーイ! アタシとパーマーもマイル決定! ウチラのコンビでみんな倒すっしょ!」
「イェーイ! イクノちゃんにもタイキちゃんにも負けないよ!」
爆逃げコンビことヘリオスちゃんとパーマーちゃんもマイル参加。うーん。スタミナごり押し組が2人にマイルの王者。そして大逃げかまし放題のヘリオスちゃん。ここはかなりカオスな戦いになりそうねえ。
「私は・・・うーんスぺちゃん、グラスちゃんと一緒に2000メートルを」
「ゴルシちゃんはジャスタと一緒に2000行くぜ」
「ボクはマックイーンと一緒に2400かな。かいちょーもそっち行くみたいだしみんなと勝負だ」
どんどん決まっていくメンバーたち。距離による偏りもなく、逃げ、先行、差し、追い込みと気持ちよすぎるくらいにばらけたのでこれはいい練習になる。
「ベルノちゃん。カメラを用意して頂戴。後で資料用に送る映像で必要だろうし」
「分かりました!」
「あ。美柚樹さん。私も終わったら手伝います」
「ありがとうジャスタちゃん。さてさて。どうなるかなあ」
こうして始まる大レース。格としては十分にやばいレベルよねえ。日本最高峰のスター軍団が水着姿で楽し気に走り回る。デジタルちゃんはもう熱中症と鼻血と過呼吸でぶっ倒れている始末だし。ちゃんと2000メートルで走れればいいけども。最悪部屋で寝かせておこうかなあ。
~ジャスタウェイSide~
「くっはぁー! このアイスうんめえ!! ほれマックちゃんもジャスタも食え食え!」
「もう。ゴルシちゃんもパフェ私ばかりにあげないで自分で食べなさいよ」
「いいーんだよ。今はこのかき氷の気分なんだし。ウメー」
あの後の2000メートルレース午前の部。どうにか先行で始められた私とゴルシちゃんで1、2フィニッシュを達成。パフェとアイスの山を手にできたのでみんなでわけあって昼休憩。あー・・・世界公認の腕利きシェフと日本でも有名な喫茶店のお菓子を食べられるのが幸せ。
「ああー・・・幸せですわ・・・こんなに気楽にパフェを食べられるなんて・・・ありがとうございますゴールドシップさん」
「おうよ。ゴルシちゃんの優しさに触れて眠れ。そういえばさー今年の肝試しとどうするんだろうな? 企画とかしていないのか?」
「それなんだけど今年は中止するんだって、サンデーさんとカフェちゃんからの提案で」
「あら。今年はしないんですよね。それ以外のイベントをするのでしょうか?」
で、まあとりあえず二日酔いで大人組がぶっ倒れても生徒会で行う毎年恒例。夏合宿の夜に行う肝試し大会。今回はそれが行われないこととなった。生徒会で行うのと毎年同じ場所で行うのもあって生徒だけでもやれるものなのだがその理由がまたある意味納得なものだった。
「いや。サンデーさんたち曰く『この場所は本気で危ないからやらないほうがいい』というのと『今回は合宿のグループ分けを細かくしている分用意に時間を割けない』ということで止まったみたい」
「サンデーさんが止める・・・あ、なるほど・・・」
「はむ・・ん? それが何で駄目なの?」
「えーとね・・・サンデーさんの場合アメリカで起きた事件とかあれこれでそっちの方にも気配を感じるのと、カフェちゃんも色々見えている人だからね? それで」
テイオーちゃんがプロテインバーをもぐもぐ、ドリンクをもらって(やっぱりというかまだまだルドルフ先輩には勝てなかったようで)しながら首をかしげていたのでサンデーさんとカフェちゃんのエピソードを話していくとどんどん顔を青くしていくテイオーちゃんとマックイーンちゃん。あ、その顔可愛い。
二人とも一応夏の合宿と肝試しは経験しているし、場所も同じ。そこでまあこの二人が『冗談抜きでシャレにならん』といった場所に過去肝試していましたとなれば・・・あーうん。ご愁傷様。
「ね、ねえマックイーン・・・今夜サンデーさんと一緒に寝させてもらえないか頼めない・・・?」
「い、いいですわよ? その・・・安全のため、念のために・・・ですわね?」
「ちゃんと一年過ごして無事なんだし大丈夫だろ―」
「まあ、必要なら近くに神社あるし、お守り買いに行く? 午後の予定もトレーナーさんたちほぼほぼ全滅したせいで自由時間多めらしいし」
ルドルフ先輩たちもちょっと不安がっているので提案しておくのと、割と真面目に来年から肝試しする際はお祓いも頼んでいたほうがいいでしょうね。んふーあ。あっちではヘリオスちゃんとパーマーちゃんがマイルでもぎ取ったパフェを二人で交互にあーんさせている。撮影しとこ。ああー・・・いいなあー私もゴルシちゃんに・・・駄目だ、こっそりミカンに隠してからしねじ込まれそう。それが無くても変なことになる。
「ところで、二人は怖くないの? ぼ、ボクは大丈夫だけど」
「ん? 幽霊だろ? 遊び相手が増えそうでいいじゃねーか。塩味のお菓子と砂糖菓子どっちが効果あるか見てみたいしな」
「幽霊って騒がしいのが苦手っていうし、ゴルシちゃんがそばにいれば大丈夫かなーって」
ぶっちゃけ、幽霊ですら度肝抜かれたあげくにハジケスイッチ入ったゴルシちゃんなら誰だって振り回しそうだしねー。この話を聞いていたウオッカ、スカーレットちゃんもみんな今夜はサンデーさんの部屋に突撃。スピカメンバーほぼ全員とサンデーさんで過ごすことになりましたとさ。
サンデーサイレンスのあのエピソード。ほんと生き残って後遺症もなく戦える当たり本当にすさまじい。競馬界の神話ですよねえサンデーサイレンスの生い立ちは。どこもかしこも因縁がある。調教師も日本とは色々と因縁がありますし。
カフェとサンデーは霊感持ちという感じ。合宿の自由時間に散歩しながら場所を見てこれやべえとなったそうな。
ゴールドシップ。あの子の無敵というか、なんでもあり感がいい。ステイゴールドにマックイーンと愛され続ける一族ですよねえ。
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