無敗の悪戯好きとコックさん   作:零課

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ゴジラSP ぶっちゃけゴルシは普通に内容や飛び交う単語を全部理解した上で楽しんでいそう。

そういえばいつぞやに某アマ〇ンの邦画ランキングでシンゴジがボーボボ人気投票じみたことになっていたような。なんでリアルでも同じような現象が起きちゃうのか。

オリジナルブランドが出てきます。



改めて、金持ちなんやなあ

 「これ、どーしよっかトレーナー」

 

 

 「どうすると言われましても・・・好意を受け取るほかないでしょう?」

 

 

 早朝、食事を終えて休暇のチーム・カノープス。リーダーの私ナイスネイチャ、そして南坂トレーナーでチームの部屋で頭を抱えている。

 

 

 目の前にあるのは数々の道具。蹄鉄、ブーツ、靴下、靴紐、テーピングなどなど、私達4名しか所属していない故に予算も限られる中堅チームには大変助かる。助かるのだが・・・

 

 

 「でもさー・・・まさかウマ・テジオ製の高級道具にサプリ、道具! これらのセットだけでうん十万軽くいくわよ!!?」

 

 

 「いやはや・・・まさか総本社社長直々、マリオさんの直筆とブランド割引券もあるとは」

 

 

 そのものが問題だった。イタリアに本社を置く大財閥にしてウマ娘のレース、スポーツ用品、シューズ関連で世界に名を馳せるウマ・テジオ社。そこからの差し入れと日本で販売されるブランド品の割引券をウン万円分。これだけでもやばいのだが更には少し前のヘリポスさんの足の型どり。それをチーム・カノープス全員分やっていたらしく、それを元に送られてきたのが・・・

 

 

 「さらに、私たち専用の勝負服に合わせた特性シューズ。中敷き、蹄鉄の予備に紐、ぶっちゃけこれだけで引退まで使えそうなレベルのものを・・・百万超えそうなくらいだわ」

 

 

 「今更ですが、リボーさんが財閥の娘かつ最強と言われたウマ娘。祖父母たちから愛されつくした娘だと言われていたのを忘れていましたね」

 

 

 「テジオ製のオーダーメイドでしかも日本支部でカードを渡せば調整も修理も無料・・・ターボへの指導権渡して、私達への指導料だっていうけど、色々厚遇しすぎて怖いわ」

 

 

 世界を股にかけて引退後もあちこちで走り倒した。レース経験は優に10年を超えるリボーの実地経験とケア、走りやすさとけが予防のために送られた無数のデータをもとにつくられるテジオのシューズは性能も最高だがお値段が高い。そりゃあかなり高い。

 

 

 世界最新の技術と量産できることで値段と使いやすさを両立したアメリカのブランドも人気が高いが、昔ながらの職人技術と一人一人に合わせたシューズの作成ではテジオには及ばない。それゆえに普段は別メーカーで調整。最終チェックに向けてテジオシューズで走るウマ娘も欧州、欧米問わず多いのだ。

 

 

 そんなまだまだ活躍も多くできていない、同期のスペシャルウィークやエルコンドルパサーたちのような華々しさがない自分、そのチームにこれほどの厚遇をしてくれる。混乱したり取り乱したりしたっていいはず。

 

 

 「本人は『このデータや日本のウマ娘のデータも財閥の糧になるし、宣伝のお礼だと思えば安いから使いつぶしてねー』っていうけど、いやあ・・・小市民のネイチャさんには素直に受け止め切れないですわ」

 

 

 「それでも使わなくてもリボーさんは悲しむでしょうし、思いきり使いましょう」

 

 

 「そうしましょうかぁー・・・っはぁー・・・イクノちゃんとか、マチカネちゃん。大丈夫かなあ」

 

 

 もっと言えば『おじいちゃんに私の知り合いが日本に増えたと報告するし、友達が楽しく走ってほしいと助けるのは当然』と言っていたが、もうテジオ氏はいない。幼いころにお亡くなりになったそうだが、人懐っこい部分と、気分屋なのに勝負で嫌にクレバーな部分はそこの影響もあるのだろうか。

 

 

 日本でいえばメジロ家。それと同じかそれ以上の名家中の名家、大財閥で影響力は計り知れない。忘れていたわけではない。リボーさん以外にも多くの名手がいて、リボーさんはここしばらく気分屋のせいで仕事がない分表舞台に出ていないかったゆえに抜け落ちていた。

 

 

 改めて、そんな大物からのこの厚遇とプレゼント、トレセン学園にいても奇跡のような確率でのサプライズに皆目を回しているのではないだろうか。

 

 

 「きっと届いたものが信じられずに押しかけてきそうですね」

 

 

 「いやあーそうするでしょ。何せ世界ブランドメーカーからの依頼という形でオーダーメイドシューズ作成とか・・・あ・・・」

 

 

 噂をすれば聞こえてくる足音と声、間違いなく二人だ。さてさて、ネイチャさんはどうやって二人を落ち着かせようか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「あはは。いやはや、名誉あるメジロ家にお招きいただき感謝しますよ」

 

 

 「こちらこそ。テジオ家の令嬢。歴代最強と名高いリボーさんと話せて光栄です」

 

 

 先日のんびりとしていたらマックイーンちゃんから呼ばれ、聞けばなんでもあのメジロ家の現舵取りをしている祖母から私を明日にでも招待してほしいと言われ、翌日には誘導されるがまま黒塗りの高級車にのせられあれよあれよという間にメジロ家邸宅に到着。どうにかお土産を用意したのはいいが、ほんと驚いた。

 

 

 こうして互いに茶をしばきながら向かい合って話すが流石名門メジロ家。本人もステイヤーとして名をはせた名選手であるのと同時に感じる覇気は鋭くも重い、無駄にまき散らさない分洗練されたそれを感じる。

 

 

 世界を渡り歩いて大物、怪物、名門たる人物には何名もあってきたが何でこう、老いを衰えとせず強さに変えていく人が多いのか。英国のあの死神に中指立てているような元気さの女王陛下など現役時代の自分を振り回したぐらいだし。

 

 

 「私なんてただの放浪かつ放蕩娘ですよ。家の事をほっぽりだして好き勝手してアメリカでトレーナーとタレントまがいをしていたろくでなしです」

 

 

 「貴女の功績をそういえば、私含めてほぼすべてのウマ娘がろくでなしですわ。貴女に続く凱旋門連覇のアレッジド、アメリカ二冠のプレザントコロニー・・・ほかにも多くのウマ娘たちを育て上げた怪物。その際のデータも財閥を大きくさせていますし・・・テジオさんは貴女の事を痛く気に入っていましたわよ」

 

 

 互いに紅茶をすすり、のんびりと観察していたが、こうもトレーナーとしての成果を言われると笑う。が・・・おじいちゃんの事を言われると思わず反応してしまう。名門同士、知っていておかしくはないけども。

 

 

 「まあ、私のような放蕩孫娘の我儘を聞いてくれましたからね。おかげで美柚樹お姉さんからマックイーンちゃんたちにも出会えました。しかし、そこまでです?」

 

 

 「ええ。『なんとなくだが、私のリボーは一廉のウマ娘になるぞ』と普段は名門として厳しかったのに嬉しそうに言って・・・事実、こうして最強の一角としてこの極東の国ですら知らない者はいない。きっと彼も天国で喜んでいるでしょう。貴女はテジオ家の集大成です」

 

 

 「そうですか・・・貴女がそう言ってくれるのならそうでしょう。私はあまりおじいちゃんと会えませんでしたからね。嬉しいですよ」

 

 

 おじいちゃんは私にとって幸運のレールをひいてくれた人で、美柚樹お姉さんとの出会い、そのきっかけとなるシンザンのレースを見たいという私の我儘を聞き、家族の中でも小柄でレースに出れるか不安なほどの私を愛でてくれた。私のデビュー前に亡くなったし、多忙な人ゆえにあまり触れあえなかったが、ここで話が聞けたのはそれだけで千金の価値がある。

 

 

 私の気まぐれで進んできて、今は日本に来た。後悔はしていないけどおじいちゃんの言葉を聞けて尚更嬉しい。今度実家にデータと一緒に土産多めに送ってやるか。墓参りも・・・したいけど、私が戻るとメディアと後輩たちがなー・・・のんびりできやしない。

 

 

 「本当にうれしい話をありがとうございます。・・・ところで、マックイーンちゃんに何か不安があるのですか?」

 

 

 「・・・・・」

 

 

 「私は今訪問トレーナーとして動いていますが、誰かを有利にするために故障を誘発させるほど狭量でもなければ、私個人マックイーンちゃんは好きですよ」

 

 

 メジロ家総帥としての話は終わり。今度はただの祖母としての顔を見せてきた気がしたので問いかけてみたが当たりだ。彼女自身は才能もあるし、まさしく最強ステイヤーと言われるのも分かる。

 

 

 それでも、それでも不安を感じてしまうのだろう。あの学園の才能の集まり具合を知れば知るほど、この日本のレースのレベルの高さは世界で見てもかなり水準が高い。孫娘の曇った顔なぞ見たくはないし、けれど素直に聞けないから名家同士のつながりでタイミングよく日本にいて、かつトレーナーとして、元選手として見れる私に声をかけたと考えるのが妥当かな?

 

 

 「・・・メジロ家は虚弱気味になる子も多いのです。マックイーンの母もそれで悩まされました」

 

 

 「・・・マックイーンちゃんもステイヤーとして戦うつもりです。それでいて虚弱気味ゆえの負担のでかさが心配・・・ですか」

 

 

 「私もメジロ家の長として最新の医療技術、人材を用意しています。資金も人脈も、あらゆるものを使い家を最高の状態で持たせていくつもりです。それを恐らく継ぐのはマックイーン。ですが・・・」

 

 

 「名家の重荷は前へと進ませる推進力となるか、心身を潰す枷となるか・・・」

 

 

 虚弱体質が出やすい家柄だけど長距離選手として身を投じるマックイーンちゃん。涙ぐましい体型維持も知っているし、天皇賞への並々ならぬ熱意も分かる。それを常に背負っているのをおばあちゃんの彼女も知っている。か・・・面倒だねえ。名門ゆえに素直に甘やかせないのは。

 

 

 私なんてイタリアの田舎娘、一国で無敵とイキっているだけとか、競バ世界最高のイギリスには敵わないとか、終始舐められまくりの選手生活だったのと、好き放題していたからここらへんはあんまりだなー・・・でもまあ。プレッシャーの軽減をしてほしいというのなら、やれないこともない。

 

 

 「勝手な望みなのは分かります。もし学園にいる間でいいのであの子のケア、悩みを聞いてはくれませんか? この老骨の頼みです」

 

 

 「構いませんよ。私も現役を退いた老兵。無駄に時間と金を持て余す放蕩家が未来を走る若人を支えられるというのであれば支えましょう。私のおじいちゃんの事を聞けた恩もありますしね」

 

 

 「感謝します。メジロ家を代表して礼を・・・」

 

 

 「それはなしで。互いに互いの欲しいものを聞けたのでお相子。私のような馬鹿に貴方様が頭を下げずとも。逆に、私が頼みたいことはあります」

 

 

 スピカの子たちは誰もかれもがキラキラと輝いている。カノープス、リギルもいい子たちだし、本当に面白い出会いばかりだ。そんな子たちを支えるのは美柚樹お姉さんと一緒に楽しめる。悪くない。

 

 

 頭を下げようとする総帥殿を抑えさせ、代りにしてほしいことを頼む。これは私では無理だ。

 

 

 「私にですか?」

 

 

 「ええ。短くてもいいので、貴女からの助言を。そして、ふふ・・・デートしてきてくださいな。孫娘と一緒に甘味巡りとか」

 

 

 「は、はぁ・・・」

 

 

 「自分の背中を見守ってくれるかっこいいおばあちゃんの言葉ってのは、そりゃあ活力になるもんですよ? 私はこれで。あ。そうですそうです。これ、トレセン学園1のシェフお手製のプリン。お孫さん達の分もあるので分けてくださいね? では」

 

 

 私の背中をおじいちゃんが押してくれたように、マックイーンちゃんを甘やかしてほしいね総帥殿には。きっと、笑顔で喜ぶはず。気合が入りすぎたら私らやチームの皆が支えるさあ。最後に美柚樹お姉さんから渡されたプリンを渡して退出。

 

 

 世界でも有数の名家をお年を召して尚引っ張る重圧があるとはいえきっと孫に似て甘味が好きだろうに。思いきりこれを食べて心を軽くして孫と触れあってきてほしいね。

 

 

 「さてと・・・ウマッターでマックイーンちゃんの好きな野球選手は・・・いや、ちょうどいい。ここで聞いてから帰るか」

 

 

 野球好きなのはゴルシちゃんから聞いているし、さてさて、元気と励みになるプレゼントを用意しましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ふう・・・ふー・・・ん・・・」

 

 

 

 

 きっちりと厳しくメジロ家の当主として私に接していた。優しいところも見せてくれるが基本表情を変えたことをしばらく見ていなかったおばあ様が珍しく笑顔を見せ、一緒にプリンを食べ、デパートやブティックで買いものもした。一緒にスイーツも食べたし、とても楽しく、有意義な時間だった。

 

 

 「はふ・・・あの方には感謝しないといけませんわ・・・」

 

 

 その変化はおそらくだがリボーさんが原因だろう。おばあ様が私に頼むことなどなかったし、二人きりで何か話した際に変化があった。そうとしか思えない。彼女は憧れでもある。名門として生まれ、その期待を応えての大暴れ。奔放さこそあるがそれを持って尚家を大きくさせ、選手として、トレーナーとして大成している。いずれはわたくしも、メジロ家を背負う者として彼女のように強く、成果を残しながら家名を汚さずより輝かせなければいけない。

 

 

 テイオーさんをライバルだというツインターボさんの我儘を見つつアドバイスもしているようですし、やもすればわたくしのライバルが増える。わたくし自身にもいくつもの発奮材料をくれる。同時に癒しもくれるのだが、あのスイーツを・・・美柚樹シェフからのお菓子のお裾分けで誘惑に負けて調整をし直すのはどうにか・・・いえ、これはわたくしの弱い心のせいですが。

 

 

 とにかく、幾つものいい刺激をくれたリボーさんにはいずれ報いなければいけない。そのためにできることといえば、自分たちを見てくれて、ケアをしてくれた分選手としての晴れ姿を見せることしかできない。

 

 

 「・・・とはいえ、もう今日は終わりましょうか」

 

 

 しかしこれ以上は流石に疲労の方が怖い。もう今日の自主練は終わろう。

 

 

 「あーいたいた。マックイーンちゃん。いいかしらー」

 

 

 「えっ、えぁ!?」

 

 

 クールダウンのためにウォーキングしていたら隣を並走していたのはリボーさん。引退していてなお美しいフォームで走ってきて思わずびっくりする。

 

 

 「ちょっと家の仕事頼まれた際にちょうどいいやとお土産もらったから、ぜひもらってほしいんだけど、いいかしら?」

 

 

 「は、はい。もしかしてその大きな荷物ですか?」

 

 

 「そうそう。私の実家の話の際に、スポーツ用品店にちょっと投資と融資をしがてらいろんな人にあってねー」

 

 

 世界に名を馳せるスポーツブランドにしてリボーさんの祖父の名前を取ったメーカー。その令嬢の一人がいるのならちょっとそれくらいの頼まれごとはあるかもと納得。いずれ私もそうやって動く日が来るのでしょうか。

 

 

 「ほら、マックイーンちゃん。野球の応援好きでしょ? ちょうど応援しているチームの選手からサイン貰えたし、あげる」

 

 

 「こ・・・これは!!」

 

 

 そういってクールダウンが終わるやカバンの中身を出してくるリボーさん。中身はユタカ選手の、しかもゴールデングラブ賞を手にした時のユニフォーム、バット、そしてグローブにボール。

 

 

 「ライアンちゃんの分も用意したし、ほら。ユタカさんのサイン入りと、サイン&マックイーンちゃんへ。と書いてもらったわ。いやー株主として頼んでみるものね」

 

 

 「い、いいんですの・・・?」

 

 

 ボール一つですら宝物だというのに、グローブ、バット、ユニフォームまで全部サイン入り。何度も彼の直筆は見たし、サインも貰っているからわかる。本物だ。

 

 

 「貴女のおかげで私も得したしね。もらってもらって。ファンのために書いたもの。もらわなきゃ勿体ないわ」

 

 

 「感謝しますリボーさん! あ、あの・・・こんな時に何ですが・・・よければまたわたくしに走りを教えていただけませんか?」

 

 

 「ええ。いいわよ? ターフの名優。その本番に向けた練習。間近で応援させてもらう。代わりにターボちゃんの面倒もよろしく。またうまい飯食べられるように美柚樹お姉さんに頼んでおくよ」

 

 

 この後荷物を渡してさっそうと帰っていくリボーさんを見送り、わたくしは早速じいやに頼んでサイン付きセット一式を邸宅に、わたくしへのエールつきのユニフォームはきれいに畳んで、汚れないようにビニールで覆う。わたくしの寮室の机に隠して、元気をもらいますの・・・

 

 

 今夜寝ていたら野球の応援している夢を見て、自分の寝言で目を覚ましてしまいましたわ。




リボーの設定追加。史実でもこんな感じなのと血筋は近代サラブレッドに今は衰退しつつも大きな爪痕を残したのも事実。マックイーンのおばあちゃんがいうリボーの育てた選手はリボーの血を引いた名馬たちです。

おじいちゃんはイタリアの天才馬産家かつ多くのサラブレッドに影響を与えた。リボーを見出していた方がモデルです。「ネアルコ」を輩出したと言えばわかるでしょうか。一応名前は少し変えています。


奔放かつ自由人。天才で家は大資産家のおじいちゃん娘・・・キングダムに性別を変えてこんなキャラいたような?


今回は互いに祖父母との関係が強く出ているキャラということでこうなりました。


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