無敗の悪戯好きとコックさん   作:零課

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誤字訂正。いつも皆様ありがとうございます。



わりとリボーはこういうことに慣れていたり。美柚樹グルメ時代の規模が違いすぎる熱狂や騒ぎのあれこれを見ているのですぐフーンで済ませたり。ヘリポスはリボーの現役時代、引退後の奔放さと気まぐれに散々振り回されて麻痺している。


大炎上。でも対岸の火事扱い

 「陳謝ッ! リボー氏、ヘリポス氏、誠に申し訳ない・・・!」

 

 

 「あー・・・気にしないでいいわよ。理事長」

 

 

 「ハイ。こればかりはある意味で私たちのせいでもあります」

 

 

 「しかし、このような形で・・・」

 

 

 誰かが拡散した情報のせいでリギル&スピカVS私、ターボちゃんの模擬試合が広まってしまったせいで日本はちょうど重賞レースがない中で聞いたこの話で持ち切り。連日テレビで騒ぐし、火種をさらに増やすしで、いやー・・・この速さはアメリカ張りね。

 

 

 ぶっちゃけ、私自身は慣れているし、なんだったらあーやったか。くらいにしか思えない。ただまあ、問題はとことん学園の負担と、生徒たちの負担だ。ルドルフちゃんなんて今頃頭抱えていないかしらね。

 

 

 「私はこんなの現役時代何度も味わったし、アメリカでも引退後にテレビ企画でお笑いものにされるために出されたりでしょっちゅうだから大丈夫。負けなかったし。問題は生徒たちよ。私との模擬レースについて相談は大丈夫?」

 

 

 「無論! リギル、スピカ両チームは問題ない。試合の予定も無ければ皆楽しみにしているという。だが、あくまで善意で受けているリボー氏。貴殿の気持ちを重視し、模擬レースはまたの機会にという話も・・・」

 

 

 「なら受ける。これだけ外野が勝手に盛り上がっている中、私が下がってもチームが下がっても勝手な罵詈雑言がチームにも学園にも来るわ。なら、経験になるということで私が受ければいい」

 

 

 「既にリボーの調整は始めていますし、タイムも今のところG1レベルに引けを取りまセン。レース用のシューズもあるので、理事長はむしろチャンスととらえてくだサイ」

 

 

 「チャンスとは?」

 

 

 もともと走るためにずっと足を錆びつかせないようにしていたし、びっくり企画的ノリでアメリカじゃ挑戦もあった。今更この程度でビビる必要なんざない。

 

 

 どのみち、実行し続けても海外からのブーイング。強制的に断念しても学園とウマ娘たちの方に矛先が行きかねない。ならまあ、得をする方にもっていく。

 

 

 「この話しを晒上げて盛り上げた連中巻き込んでレース会場借りてライブなしの興行。学園の懐潤すほうにしちゃえばいいのよ。私もちゃんと頑張って調整していい結果を見せるから、それがいいでしょ?」

 

 

 「アト、ほかのウマ娘の皆さんもレースに向けての調整中。学園の方に入り込んだり、迷惑をかける人対策、リギル、スピカ、私たちのために大多数にいらぬ影響を与えないために」

 

 

 「・・・むむ・・苦慮・・・そのほうがいいのか・・・」

 

 

 「確かに学園に不特定多数の人を一気に受け入れるのは余り・・・観客や野次馬のために野営場設置も・・・」

 

 

 こうなればウィングライブはないけども対戦カードの豪華さ、チーム戦という物珍しさの興行で学園の懐入れておく方がいいでしょ。また私の家の方と、知り合いのつてに連絡して海外からの声で余計なものを抑えさせておけばいいし。

 

 

 おじいちゃんもほんとこの調整がうまかったようだからなあ。魔術師と呼ばれるのは伊達じゃないか。

 

 

 「表向きは2チームのレースを見たい方への場所の提供と、しっかりしたレース場で全力を見てもらうため、ひいては学園で勉学に励み、住んでいるほかのウマ娘たちの余計な負担をさせないための配慮ですと言えばいいわ」

 

 

 「会場レンタルのための資金だと言えばいいデスし、何でしたらこちらからのポケットマネーで補います。次世代のためのと思えばこれくらい」

 

 

 「却下!! 流石にこれ以上迷惑をかけてポケットマネーまで出されてはこちらの立つ瀬がない。日程通りに模擬レースを進めてほしい。分類としてもいわゆる非公式レースに近いものにするゆえに」

 

 

 「了解。私としても日本最強のリギルと走れるのは楽しみだしね。あ。でもライブは駄目よ? 日本の曲と踊り、ほんと覚えていないし、今からの調整は無理」

 

 

 基本教えていたのは走りばっかりだし、歌とかはしていたけどダンスはあんまりアメリカでもフランスでもしていなかったしなー・・・たはは。日本のウィニングライブも盆踊りとかブレイクダンスをしたりと幅広いらしいし、尚更無理無理。

 

 

 とりあえずまあ、私と走って、これからどこまでも走り抜けていく若人の刺激になれれば幸い。・・・負けるつもりは毛頭ないけどね?

 

 

 「それはもちろん。では、そのように。あと、レース場も近場にしておきますので・・・」

 

 

 「ええ。では理事長さん、たづなさんも失礼。私は私で調整してきます」

 

 

 早速私は私で調整を。さてさて、大仰なマスコミに見られつつのレースはアメリカに来た直後以来だけど・・・なにしよっかなー

 

 

 この後、メディアを見れば海外からは、主に私が世界で暴れた国やアメリカから大ブーイングがマスコミに大集中するという面白事態に。ただ、そこでも私としのぎを削ったメンバーはみんな似たようなことを言っていた。いやー・・・セクレタリアト。あんたが言うなといいたいけどね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「荒れたわねーマスコミ。んー・・・もうすこし煮込むか・・・・この具を入れるのは・・・」

 

 

 「全くです。私達も本格的な大舞台で模擬レースを。ターボちゃんと戦えたり、リボーさんの走りを見れるのはいいのですが」

 

 

 「まーまーなったもんはしょうがねえだろ。やるだけやるってことよ。むしろ思わぬ形での経験と賞金が入るんだ。悪くはねえだろ?」

 

 

 「私も・・・ターボちゃんと走れるのは嬉しいな」

 

 

 あの大騒ぎからの翌日・・・の夕方。練習も上がって何でか来たゴルシちゃん、ジャスタウェイちゃん、スズカちゃんの三名。ちょうどいいのでたくあんとか漬物と、おやつになりそうな手作りケーキ。ついでにスープの仕込みをしておく。

 

 

 スープの完成はしないだろうけどもとより時間がかかるものだし、合間合間のお菓子ならできそうだし。ついでに2日くらい寝かせないといけない。

 

 

 「まあ、リボーもみんなと経験になるのならと了解。自分も日本の芝で走るのが楽しみといって認めさせたし、マスコミも変な煽りは入れない・・・とは思いたいわねえ」

 

 

 「いやー無理だろ。既にリボーの描く勝利の芸術を阻むリギルの壁。それを砕けるか。とかの見出しもあるし、もうリギルやリボーさんへのガヤも多いのなんの」

 

 

 「どれどれゴルシちゃん。・・・うわちゃ・・・リギルファンとリボーファンで引退して久しいリボーさんを見世物にしたのかとか、これに勝っても日本は笑いものだとか・・・散々だわ」

 

 

 「ん・・・でも、アメリカでは評価が違うようですね」

 

 

 三人でスマホを除き込めばまあ、私もちらっと見たけど荒れること荒れること。まあ、練習だったはずなのにいろいろ配慮した結果レース場借りてのもの。それほど規模が膨らんでの中での勝敗と内容に盛り上がらないわけがない。

 

 

 でも、スズカの見るアメリカでの評価は少し違うようで。

 

 

 「セクレタリアトさんやギンシャリボーイさん、ほかにもリボーさんが育てたメンバーと、長くかかわったマスコミは『あの時代の伝説が何で伝説かを知ることになるでしょうね』・・・海外でも騒いでいるマスコミは半々くらい?」

 

 

 「半分は勝負を楽しみに、残り半分は非難って感じか。・・・お。今日の非公式レースで面白ウマ娘登場? ダテ・ナオト。わはは! 虎のマスクにマント、ズボンまで色を合わせて用意した念入りようじゃねーの!」

 

 

 「へえ。日本でも増えているのね。こういうの。アメリカでも非公式レースは多かった」

 

 

 まあ、どう愚痴ろうがレースは行われる予定であり、基本レース、走ることが好きなウマ娘の皆にはこれ位以上どろどろした話はしたくないやとちょうどよく舞い込んできたのが非公式レースで注目された覆面ウマ娘。

 

 

 基本、協会の決めたレースなどとは違い、非公式、個人で開催、あるいは公式のレースのエントリー条件や功績に絡まないものがいわゆる非公式レースとなる。そこでは公式以外でもレースを味わいたいウマ娘や、引退しても走りたい方々、あるいは小遣い稼ぎなどで行われる。アメリカだと大牧場主や資産家が地方活性、あるいはニュースの提供などをもとに行われたりすることが多い。

 

 

 その分賞金や活気も高いものが多く、非公式レースの運営が出来たり恒例になっていたり、それを目当て、あるいはそれで生活しているウマ娘もアメリカやフランス、ドバイなどの有名処は多いそうな。

 

 

 確か日本でも地域おこしに地元専用の商品券と、特産品を賞品にしたレースがいくつかあったような。オグリちゃんが参加して大盛り上がりだったとか。言っちゃえば、チャリティーレースとかも含むし、結構世界各地で行われているのよね。

 

 

 「へぇー・・・おお、しかもこのダテ・ナオト選手。賞金は一部募金や引退、怪我したウマ娘の支援に寄付するってよ。豪気だねえ」

 

 

 「もしかしたらグラスちゃんとか、タイキちゃんみたいな海外生まれのウマ娘なのかも? あっちでは寄付も良くするそうだから」

 

 

 「そういえばドバイでもいたなあ・・・リボーさんが日本に来て長いし、追っかけとか、ついでに日本旅行ついでにレースも味わいに来た?」

 

 

 「ふふふ。だとしたら相当の日本通・・・いや、この際は漫画? それともプロレス通? もしかしたら、海外のウマ娘の格闘技団体のウマ娘かもね。ささ。出来たわよー私お手製キュウリの一本刺し。夜食にもいいわよ」

 

 

 だとしたらまあ、レースすることも織り込んでの用意、もしくは・・・秋葉に行ったか? その虎ウマ娘。まあいい。後でその記事見せてもらおう。私は私でスピカと来てくれた三人娘にお土産として漬け込んでいたキュウリにちょっと味付けのチェックを済ませたキュウリ一本を冷やしながらつけていたものを竹串でさしたものをお裾分け。

 

 

 シークワーサー味、梅シソ味、たくあん味、浅漬け。これをとりあえず50本くらいつけたやつをクーラーボックスに入れて渡す。

 

 

 みんな耳を立てて、しっぽを揺らすからかわいいなあ・・・こういう感情がよりわかるのもウマ娘たちのいいところ。かわいい。

 

 

 「そういえば美柚樹さん。しばらくリボーさんもですが、学園を離れるって本当ですか?」

 

 

 「ウマ娘だけに耳が早いわねスズカちゃん。ええ。ちょっと沖縄にね」

 

 

 「沖縄・・・なんで?」

 

 

 「んぐっ・・・おおー! こいつは一級品だぜ!」

 

 

 早速ぼりぼりみんなの分を残すか不安な勢いで食べていくゴルシちゃん。スズカちゃんは早速私のこれからの移動先を知り、ジャスタウェイちゃんは首をかしげる。まあ、当然か。

 

 

 とりあえず保管しておくためにスープの素を別の容器に移して冷蔵庫にうつしておく。

 

 

 「知り合いの方から塩の専門店でいいものがあるから買いに来いってのと、沖縄とれたての柑橘類、野菜は興味深いからね。仕入れがてら、料理のレシピに加えるか吟味したいの」

 

 

 「ああ・・・そういえば、あそこの柑橘類、いまアジアでブームが起きているんでしたっけ?」

 

 

 「実際、基地帰りの兵隊さんも沖縄の料理はよく話をしていました。と、特にマンゴーとか美味しいとか・・・!」

 

 

 「ふふふ。大丈夫大丈夫。しっかりお土産用意してあげるわね? 市場内で買い物できる場所もあるみたいだし、新鮮なのをあげる」

 

 

 スズカちゃん、アメリカで相当あちこち遠征ついでに聞けたんだろうなあ。ファンも増えたようで。ま、ちょうどいいし、南国の果実やお菓子、あとは帰ってきたらあのスープも振る舞いますかね。何でも珍しい塩も取りそろえた専門店・・・いやあ、グルメ時代を思い出すわ。腕がなるわね!

 

 

 ぽふぽふと頭を撫でると二人とも嬉しそうにほほ笑んでくれて善きかな善きかな。で・・・・・・

 

 

 「あー・・・ゴルシちゃん? ちゃんとキュウリ残しているわよね?」

 

 

 「お? おー大丈夫だぜシェフ! ゴルシちゃん特性のマスタードもチョイスして最高の仕上がり・・・」

 

 

 「・・・・・一人当たり一本になってんじゃねえかぁあああっ!! しかもこれキュウリじゃねえよ最早黄色い何かだよ! 一文字しかあっていないわああぁあああ!!」

 

 

 「おぐぁあああああ!!?」

 

 

 思いきりぼりぼりキュウリ食いまくったせいでスピカたちに皆に一本づつしかいないほどに減り、キュウリを入れていた容器にはもはやキュウリがまっ黄色になるほどになみなみと注がれたマスタード。

 

 

 で、これを見てツッコミスイッチ入ったジャスタウェイちゃんが迷わずゴルシちゃんの顔面を容器に突っ込ませ、ゴルシちゃんは目にからしが入ってのたうち回る。おなじみの光景だ。

 

 

 「アメリカだってこんなマスタードマシマシで食わねえわ!! これじゃ百歩譲ってホットドッグどころかホットマスタードだよ!! ドッグどころじゃなくて黄色いアメリカンな鳥さんイメージで出てくるわ! 人気食品からはじかれちゃうドッグちゃんの気持ち考えているのか!?」

 

 

 「す、ずいみませんでした・・・おっご・・・!」

 

 

 「ぁああぁああああ!? 私の目にもマスタードがぁあああああ!!?」

 

 

 そこから顔を上げさせたジャスタウェイちゃんに割と素直に謝るゴルシちゃん。だけどその際にジャスタウェイちゃんの頭にゴルシちゃんが頭突きの形となり、ゴルシちゃんはセルフ不意打ちでダメージ。ジャスタウェイちゃんはその際にゴルシちゃんの顔についていたからしが目にかかって今度は二人そろってのたうち回る。

 

 

 ・・・・・毎度毎度、私の部屋で大暴れするなあ。あと、ほんとジャスタウェイちゃんのスイッチ入ると豹変するのは何だろう? これが世界最高峰と呼ばれたウマ娘の勝負強さ・・・なのかしらね。

 

 

 「す、すいません。せっかくのキュウリが」

 

 

 「あーいいのいいの。一本丸かじりとはいかないけど、代りにこれあげるから」

 

 

 食べられちゃったものはしょうがないので代わりに食堂に差し入れで渡すようだったお新香各種セットを渡しておく。箸でつまむことになるけど、味の方はちゃんと負けないものにしているし、みんなで仲良く茶をしばく際のおやつにしてくれれば。

 

 

 とりあえずからし漬けとなったクーラーボックスを一度洗い、氷を入れなおしておしんこの入れたタッパーを入れる。

 

 

 「じゃ、スピカの皆によろしくね。スズカちゃん」

 

 

 「はい。さ、ゴルシちゃん。ジャスタウェイちゃん。帰りましょ」

 

 

 「うーっす。じゃまたなー美柚樹シェフ」

 

 

 「あいちちち・・・な、なんでゴルシちゃんはこんな回復早いのよ・・・し、失礼しましたー・・・」

 

 

「気をつけて帰るのよー」

 

 

 蒸しタオルをゴルシちゃんとジャスタウェイちゃんに渡し、スズカちゃんはクーラーボックスを抱えながら出ていく。

 

 

 その後は・・・散乱したマスタードを掃除しておけば準備はしてあるので後は出るだけ。

 

 

 さあ、久しぶりね。食材を求めての旅行なんて。うふふ。ああー・・・南の島の鮮魚、多少な食事、それに沖縄は豚料理も豊富だし、亜熱帯地域だから夏バテ予防料理もある。料理人の血が騒ぐわ・・・!

 

 

 「よしっ・・・! リボーもターボちゃんも必ず最高の状態であげるために、ふふ。美味しい料理を求めていきましょう。あ。いちおう理事長とたづなさんにもう一度伝えて・・・」

 

 

 二人の見たい景色、ひとまずのゴールへそこへ走り抜けるためのエネルギーは私が用意しないとね。

 

 

 あと、お土産どれくらい用意すればいいかなあ・・・一応、お財布に結構ギチギチに詰め込んでおいたけど・・・足りるかな?

 

 

 「・・・あ。ダテ・ナオト選手。2戦目の場所への参加を宣言している。派手ね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「えー!! リボー師匠も、美柚樹シェフもいないのか?!」

 

 

 「数日だけど少し学園を離れるって。リボーさんは自己調整。美柚樹さんは沖縄で食材調達と吟味ね」

 

 

 「沖縄・・・! 南の島、南国リゾートですね~」

 

 

 「ですが、それぞれ数日で戻り、リボーさんはターボの調整もしつつ自分を短期間で仕上げ、美柚樹シェフはおそらく、より二人の疲れを抜くためでしょう。ターボ。貴女のためでもあると思いますよ」

 

 

 学園の注目の的。人気者であったがさらに人気を増した二人が学園から数日離れる。それに一番ショックを受けているのは多分ターボ。

 

 

 今も筋肉痛や疲労を見せるほどにトレーニングを続けて、ぶっ倒れそうなのにこれを聞くやすぐに体を起こして聞いてくるのだ。マチちゃんはそれでまあ、南の島ということに思いを馳せ、イクノは冷静に状況を分析してターボを抑える。

 

 

 そしてイクノの言うことは確かだろう。伝説。あのキチガイ、天才、怪物がひしめく世界の最悪最強時代のメンバーの中で最強の一角と言わしめたターフの芸術家。リボーさんでもリギルは日本最強の現役メンバーがひしめく。

 

 

 その模擬レースのために自分の調整ををしつつターボを仕上げるには短期間で自分を一度仕上げ、その上で流しながらでもターボの面倒を見れるくらいにならないといけない。

 

 

 「う”~・・・でも、あのご飯とお菓子がないのと、色々話せないのはターボはつらいぞ・・・いででで・・・!」

 

 

 「それも今は一日すれば回復するんでしょうに・・・お菓子は飴玉と、ケーキを既にもらっているわ。一応、美柚樹の方は3日で戻ってくるみたい。お土産も用意しているみたいよ?」

 

 

 「おおー♪ いいですね。ふふ。これで元気をつけたターボちゃんはもうスピカだって敵なしのはずです!」

 

 

 「ええ。ターボ。今は私たちでやるべきことをしましょう。貴女が師匠と仰ぐリボーさんを安心させるためにも、帰ってきたお二人の指導をこなすために。あ、それとリボーさんからの指示ですが、日常生活でもこの靴になじませておけとの事です」

 

 

 こんな風に呻いていても、風呂入って、飯食って、そんで寝る前に飴玉舐めてから歯を磨いているころには筋肉痛も和らいで、寝ていれば翌日は元気はつらつ。いやさぁ・・・この超密度練習をして無事で、念のためにこっそりマックイーンに頼んであっちの医者に健康診断してもらってもおぐしゅりの影も形もなく無事どころかやべーくらい強い心臓と肺になっているみたいだし。

 

 

 私達も体質改善しているらしく、回復力はかなり増した。体調は常に最高。ほんと、魔術師なのかあのシェフ。そして、靴に関しても履きやすい、すんごく履きやすいし、足が楽。過ごしやすい。しかもレース用の靴と同じ中敷きだからすぐに全力疾走もしやすい。

 

 

 イクノは体調管理が得意だけど、本人も驚くほど靴で日常生活の足の負担を減らしつつレース用の中敷きを改良しているので勝負服、靴に変えても問題なくなじんですぐに走り回れる。今はこれをならしつつ過ごすほかないだろう。

 

 

 「イクノの言う通り、今は素直に過ごしながら待ちましょーターボ。その分、お土産とか美味しいご飯貰えるわよー」

 

 

 「そ、そうか・・・?」

 

 

 「もちろん。だってターボは頑張っていますし、レースも日程が決まりましたもの。ストレスと疲れを抜くために美味しいご飯をくれますよ」

 

 

 「な、なら・・・ターボは、頑張るぞ! で、イクノ、明日はどんなものをするんだ?」

 

 

 びきばきと体を起こし、気合を入れなおしていつもの笑顔を見せるターボ。やれやれ。ネイチャさんのやることはしばらくこの子のやる気の維持と、せっついては知らせることね。まあ、そうでなくてもターボは走ると思うけど。

 

 

 「まずはストレッチ30分。ミット打ち10ラウンド。フォーム矯正をしながら1000メートルダッシュ3本。小休憩をはさんでからタイヤ引き、フォームチェックをしながら400メートル走。チューブトレーニング土手をジグザグダッシュ。そのほかに・・・」

 

 

 「お、おー・・・頑張るぞ!」

 

 

 あー流石の練習量にターボも少し不安げ。大丈夫かなー。美柚樹さん早めに戻ってきて。うちのトレーナーも頑張るけど、やっぱ指導する本人がいるのと、あのマッサージとかのケアもターボ好きだしさ。

 

 

 ま、それはそれとしてカノープスは好調。その大きな勢いをつけるためにもターボには頑張ってもらわなくちゃね。




リボー、濃密スケジュールで仕上げ。美柚樹シェフ、南の島へ食材探し。ターボ、渡された練習プログラム消化。かなりの密度を毎日こなして問題ないレベルの回復と強さを手に。



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