ありふれた錬成師は治癒師と共に   作:木崎楓

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 最近押し入れから取り出したポケモンソウルシルバーをやってたので、執筆時間が減っておりましたが、ようやく書き切りました。次話も早めに出したいところです。

 それと、あまり内容がありません。内容が作れません。助けてください。オリジナル展開とか無理ですよそんなの。


ブルックの町にて 前編

 遠くに町が見える。周囲を堀と柵で囲まれた小規模な町だ。街道に面した場所に木製の門があり、その傍には小屋もある。おそらく門番の詰所だろう。小規模といっても、門番を配置する程度の規模はあるようだ。それなりに、充実した買い物が出来そうだとハジメは頬を緩めた。

 

「うーん……ハジメさん、()()付けなきゃダメですかぁ?」

 

 街の方を見て微笑むハジメに、シアが憮然とした様子で頼み込む。シアの首にはめられている黒を基調とした首輪は、水晶のようなものも付けられている、かなりしっかりした作りのものだ。もちろん、わざわざ付けさせたのには理由がある。

 

「ただでさえ可愛いのに、その上で珍しい白髪の兎人族なんだ。こうでもしないと攫われるぞ?」

「ううぅ〜〜、わかってますよぉ〜」

 

 町の方からもハジメ達を視認できそうな距離になってきたので、そう言いながら自動車を宝物庫にしまうハジメ。流石にあんなもので町中に侵入したら、大パニックになるだろう。

 

 実際、シアは兎人族の中でも特に可愛らしい。その上で珍しい白髪をしているので、普通にしていたら攫われる可能性はかなり高い。なので誰かの奴隷であるという印として、首輪を用意しておく必要があった。

 やっていることの意味は分かっていたが、扱いに不服なシアは、グダクダ文句を言う。それをハジメ達三人は無視しつつ、町の門まで歩いていった。

 

「止まってくれ。ステータスプレートを。あと、町に来た目的は?」

 

 規定通りの質問なのだろう。どことなくやる気なさげである。ハジメは、門番の質問に答えながらステータスプレートを取り出した。

 

「食料やその他の物資の補給を。旅の途中なので」

 

 そう言い、ハジメは本当のステータスを隠し、それっぽいステータスを表示させたステータスプレートを門番に手渡す。

 

「ん? 残りの三人のは?」

「つい先日、樹海の方に行ったんだけど、そこで魔物との戦闘があって。その時に二人のステータスプレートを紛失してしまったんです。この兎人族の子は……うん、その時に見つけたんで、持ってないんですよね」

「樹海ねぇ……紛失したものは仕方ないな。まぁ通っていいぞ」

 

 樹海という場所の危険性、加えて実際に兎人族のシアを連れている点から、門番はハジメの言葉に納得したようだ。

 

「にしても、随分な綺麗なのを手に入れたな。白髪の兎人族なんて相当レアなんじゃないか?」

「相当珍しいでしょうね。あっそうだ、この街の地図を買える所と、素材の換金所の場所を教えてほしい」

「あん? それなら、中央の道を真っ直ぐ行けば冒険者ギルドがある。店に直接持ち込むなら、ギルドで場所を聞け。簡単な町の地図をくれるから」

「それはありがたい。ご親切にどうも」

 

 門番から情報を得て、ハジメ達は門をくぐり町へと入っていく。門のところで確認したがこの町の名前はブルックというらしい。町中は、それなりに活気があった。かつて見たオルクス近郊の町ホルアドほどではないが露店も結構出ており、呼び込みの声や、白熱した値切り交渉の喧騒が聞こえてくる。

 こういう騒がしさは訳もなく気分を高揚させるものだ。ハジメだけでなく、香織やユエも楽しげに目元を和らげている。しかし、シアだけは先程からぷるぷると震えて、涙目でハジメを睨んでいた。

 怒鳴ることもなく、ただジッと涙目で見てくるので、流石に気になって溜息を吐くハジメ。楽しい気分に水を差しやがって、と内心文句を言いながらシアに視線を合わせる。

 

「……宿に着いたら外してもいいから、それまでは我慢して。面倒事はあまり起こしたくないんだ」

「ん……シア、ハジメに迷惑かけちゃダメ」

「ハイハイ、分かってますよーだ」

 

 ハジメだけでなくユエにも諭され、目に見えて分かる態度で拗ねるシア。それを見かねた香織が、シアの頭をポンポンとたたく。

 

「でもハジメくんがこんなことするのは、シアちゃんを大事にしてるからだと思うよ?」

「大事……ですか?」

「そう。ハジメくんも色々悩んでたんだよ? シアちゃんを危険に晒さないためにはどうすればいいかって」

「そうなんですか、ハジメさん?」

「……まぁ、その首輪はそう考えて作ったよ」

「それだけ、シアちゃんは大事にされてる……ハジメくんに愛されているんだよ?」

「……香織さん……えへへ。ありがとうございますぅ」

 

 香織の「ハジメに愛されている」という言葉は、まさにシアにクリーンヒットしたようで。ハジメに頭を撫でられると、シアは照れたように微笑んでいた。

 

「それとその首輪だけど、念話石と特定石が組み込んであるから、必要なら使って。直接魔力を注げば使えるから」

「念話石と特定石ですか?」

「そうそう。簡単に言えば、どこにいてもシアの居場所が分かるし、遠くにいても喋ることができるってわけ」

 

 念話石とは、文字通り念話ができる鉱物のことだ。生成魔法により“念話”を鉱石に付与しており、込めた魔力量に比例して遠方と念話が可能になる。もっとも、現段階では特定の念話石のみと通話ということはできないので、範囲内にいる所持者全員が受信してしまい内緒話には向かない。

 特定石は、生成魔法により“気配感知[+特定感知]”を付与したものだ。特定感知を使うと、多くの気配の中から特定の気配だけ色濃く捉えて他の気配と識別しやすくなる。それを利用して、魔力を流し込むことでビーコンのような役割を果たすことが出来るようにしたのだ。ビーコンの強さは注ぎ込まれた魔力量に比例する。

 

 そんな話をしながら仲良くメインストリートを歩いていき、一本の大剣が描かれた看板を発見する。かつてホルアドの町でも見た冒険者ギルドの看板だ。規模は、ホルアドに比べて二回りほど小さい。

 

 ハジメは看板を確認すると重厚そうな扉を開き中に踏み込んだ。




龍導様  GREEN GREENS様

評価していただき、ありがとうございます。
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