(完結)二人の緋皇 ―閃の軌跡Ⅱ―   作:アルカンシェル

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34話 求める道

 

 

 Ⅶ組の仲間達や先輩、それにオリヴァルトが盛り上げるコンサートの喧騒から離れたセントアークの病院の一室にクリスはいた。

 

「そうか……エリオット君は持ち直したか」

 

 ベッドの上でクリスから改めてその報告を聞いたヴィクターは安堵の息を吐く。

 ある意味、ハイアームズ侯の動向よりも気掛かりだった懸念の解消はヴィクターにとって何よりの朗報だった。

 

「彼には悪いことをした……

 いくら《ティルフィング》を使えるからと言って頼り過ぎてしまったようだ」

 

「エリオットも貴方に謝らないといけないって自分を責めていました……

 コンサートが終わったらお見舞いに行くと言っていました」

 

 既に何度か訪れ、その度に顔を合わせることができずに引き返していたことをクリスはあえて黙っておく。

 

「謝られる筋合いはないのだがな……

 この負傷は彼を利用しようとした私たちが受ける当然の報いなのだから」

 

 暴走寸前だった正規軍をエリオットという英雄で制御しようと試みたのはヴィクター達なのだから。

 

「私たちはオズボーン宰相の仇討ちと意気込む彼らの怒りを抑え込むことはできなかった」

 

 オリヴァルトやヴィクターではどれだけ呼び掛けても正規軍の中には反発心ばかりが肥大して行った。

 彼らにとって必要なのは《オリヴァルト皇子》という大義名分だけ。

 《ティルフィング》を操り、《機甲兵》と戦える力を持っていたエリオットを正規軍は担ぎ上げた。

 エリオット自身も正規軍の思惑に同調するところがあり、それを受け入れた。

 そして自分達はエリオットとは面識があったことを利用して、彼を通じて正規軍の舵取りを行った。

 

「エリオット君自身も暴走する危険性をあえて見ぬふりをして、大を生かすために小の犠牲を容認してしまった」

 

 このまま戦いが続けば、内戦が終わる頃にはエリオットの心身はボロボロになっていただろう。

 ナイトハルトと共に、戦場でエリオットの隣に立って戦ったが、終ぞ復讐に燃える彼を鎮める事はできなかった。

 

「情けないものだ。《光の剣匠》などと仰々しい二つ名を授かっておいて、一人の子供に道を諭すこともできないとは」

 

「いえ、アルゼイド子爵達はよくやっていたと思います」

 

 今日は、貴族連合と正規軍の争いが最高潮に達した。

 しかし、オリヴァルト達がセントアークに残された貴族を保護していなかったら人質作戦を行っていたのは正規軍の方だったかもしれない。

 

「それを思えば、僕がやって来たことなんて……」

 

 今までの事を振り返ってクリスは陰鬱な気持ちになる。

 ユミルでは戦う事ばかりに気を取られ、守るべきものを間違えた。

 ケルディックでも怒りに我を忘れてしまった。

 ノルドでは起き抜けのせいで碌に動くこともできなかった。

 そして何より――

 

「僕があの日、クロウ先輩に負けていなければこんな事態になっていなかったのに」

 

 全てはそこからだったとクリスは後悔する。

 

「殿下、先程も言いましたがこれは殿下の責任ではありません……

 《機甲兵》なる兵器の開発を見逃し、オズボーン宰相暗殺を止められたなかった大人たちの――」

 

「エリオットにはそれで良いかもしれません。でも僕は大人や子供という前にエレボニアの皇子なんです。それに――」

 

「それに――?」

 

「…………いえ、何でもありません」

 

 クリスは言いかけた言葉を呑み込む。

 子供と言うのなら、いなくなってしまった“彼”もまたそうして守られるべき側にいるはずだった。

 だが、“彼”がここにいればエリオット以上に頼られ、“彼”はそれに応えようとしてしまうだろう。

 そして自分やオリヴァルトも男爵家の長男が背負う謂れのない重責を押し付けていたかもしれない。

 

「そう言えばアルゼイド子爵は……」

 

 言いかけてクリスは言葉を止める。

 ヴィクターは自分と共に何度か“箱庭”を訪れている。

 そういう意味での繋がりはⅦ組よりもあるかもしれないと考えたが、ここまでの話題で“彼”のことに一切触れて来ないことでクリスは質問をやめる。

 

「やはり不安ですか?」

 

「え……?」

 

 再三言葉を呑み込むクリスにヴィクターが話を振る。

 

「正規軍を率いる事、人の上に立つこと、まだお披露目も行っていない貴方には重たい責任だということは確かでしょう」

 

「それは……」

 

「ですが、貴族の中には帝都にいるセドリック皇子が偽物だと知らず、皇族への忠義によって戦っている者もいます……

 貴方が名乗りを上げて立ち上がってくれれば、それだけで貴族連合の足並みを乱すことができるでしょう」

 

「でもそれをするには僕が本物の《セドリック》だと証明しないといけないはず」

 

 《緋の騎神》がアルノールの血筋を起動者に選ぶということを民衆は知らない。

 それに加え、ハイアームズ侯を除く四大名門の支持に、現皇帝であるユーゲントが帝都のセドリックを否定していない以上、現状でクリスが本物であると証明することは難しい。

 

「それに僕には正規軍を率いて戦うなんて……」

 

 脳裏に浮かぶのはケルディックでの狂気。そしてユミルを守らずクロウと戦う事を優先した自分をクリスは思い出して首を振る。

 

「僕じゃダメです……」

 

「クリス君……」

 

「今回は大丈夫でしたが、僕はこの内戦で戦う度にお腹の奥に“憎悪”が溜まっているのを感じるんです」

 

「“憎悪”……ですか……」

 

「ケルディックで行われた処刑と焼討、ノルディア州ではログナー侯爵の身勝手な振る舞い。そして《蒼の騎神》……

 戦う度に僕の中で彼らへの“憎悪”が膨れ上がっている気がするんです」

 

 今回のサザーランド州の争いはクリスにとって他人事ではない。

 クロウ達を前にして自分が“獣”になってしまうのではないかという不安が浮かぶ。

 自分の暴走が正規軍を狂わせるのか、それとも正規軍の狂気が自分を狂わせるのか。

 

「それに僕という大義名分を正規軍に与えてしまえば……

 彼らは貴族連合を倒した後、新しい敵を求めて貴方やテオさん達のような善良な貴族にまでその刃を向けるかもしれない……

 そう考えると僕は……」

 

「…………そこまで至りましたか……」

 

 クリスが想像する一つの結末にヴィクターは感心する。

 

「秘密裏に貴方への武術指南を任され、貴方の成長を見守っておりましたがどうやら善き成長をなされたのですね」

 

「アルゼイド子爵……」

 

 誇らしげな言葉を掛けられるものの、ヴィクターの中での自分の関係がそういうことに補完されているのだとクリスは気付く。

 

「…………殿下、オリヴァルト皇子と共に行く道に不安を感じると言うのなら、これを受け取ってもらいたい」

 

 そう言ってヴィクターが差し出したのは大き目の鍵だった。

 

「……これは?」

 

「その鍵は《カレイジャス》を起動させる起動用の鍵になります……

 同じものをオリヴァルト殿下が持っていますが、それは今は良いでしょう」

 

「そんなものをどうして僕に?」

 

「貴方が望めば、オリヴァルト殿下は喜んで《カレイジャス》を貴方に使わせるでしょう……

 ですがセドリック殿下はそれを望んでいないのでしょう?」

 

「それは……」

 

「私たちは《第三の風》になることはできませんでした……

 ですが、セドリック殿下が“新たな路”を望むのでしたら、それが必要になるかもしれません……

 与えられた選択肢の中から選ぶのではなく、自分で選ぶこと……

 例え同じことだったとしても、そこには違う意味があるのだと私は思います……

 それに今の私が持っていても無用の長物に過ぎませんから」

 

 自嘲するようにヴィクターは笑う。

 

「お身体はそれほど悪いんですか?」

 

 機甲兵越しだったとはいえ、ティルフィングのダブルバスターキャノンを至近距離で受けたのだ。

 いくら導力魔法に治癒術があるからと言っても、治せる怪我には限度がある。

 

「全治までおよそ半年と診断されました……

 子供を戦争に利用した報いと考えれば安いものでしょう」

 

 砲撃を受け、五体満足であり半年で済むことを喜ぶべきか、それとも《光の剣匠》が内戦に関われなくなったことを嘆くべきなのかクリスは迷う。

 

「クリス君。君が感じている“憎悪”は決して間違ったものではありません」

 

「アルゼイド子爵……それでも僕は皇太子なんです……

 感情のまま誰かを憎むことは許されない、負の連鎖を断ち切るために我慢をしなければいけない立場なんです」

 

「それは違います」

 

 クリスの言葉をヴィクターは首を振って否定する。

 

「“憎悪”は人の中にある“怒り”の感情の一つに過ぎないのです……

 怒ることは決して間違いではありません、全てを許す必要もない……

 まずはその“怒り”を受け入れなければならない……と私は思っていますが、エリオット君を導けなかった私が言えたことではないですね」

 

「……いえ……」

 

 今度はクリスがヴィクターの言葉に首を振る。

 

「言いたいことは分かります」

 

 “怒り”を理由を付けて呑み込もうとしても、そこにあるものから目を背けた“欺瞞”でしかない

 しかし、頭で分かっていても自分の中に生まれた“憎悪”をどうすれば良いのかクリスには分からなかった。

 

 ――■■■さん、貴方はどうやってこの怒りを呑み込んだんですか?

 

 仇敵としか言えないワイスマンやレーヴェ。

 憎いはずの彼らと肩を並べることを選べた先人にクリスは胸中で問いかけた。

 当然、その問いに答えなど帰って来ることはなく、ヴィクターは思案に耽るクリスに話題を変えた言葉を投げかける。

 

「セドリック殿下、一つ頼みたいことがあります」

 

 そんなクリスにヴィクターは部屋の片隅に置かれた長大なトランクケースに視線を向けた。

 

 

 

 

 

 病院を後にしてクリスはセントアークの街を歩き、各所から聞こえて来るマキアス達のコンサートの歌や音楽に耳を傾ける。

 この内戦中に貴族と平民が入り混じったコンサートなど帝国史を取ってみても前代未聞の珍事。

 しかし、マキアスが繋げた貴族と平民の歩み寄りの一歩。

 それを無駄にさせないためのコンサートとなれば彼のお目付け役のミュラーも強く反対することはできず、混乱を極めていたレーグニッツ知事を押し切り、カレイジャスコンサートは実行された。

 

「…………はぁ」

 

 聞こえて来る音楽にクリスはため息を吐く。

 このコンサートのもう一つの目的はクリスが覚悟を固めるまでの時間稼ぎ。

 Ⅶ組の中で除け者にされた寂しさを感じつつも、オリヴァルトが自分に時間を作ってくれたことには感謝しかない。

 

「それでも……出たかったな……」

 

 今のクリスの立場は極めて難しいものだった。

 帝都の偽物のセドリックの宣言のせいで指名手配をされ、当たり前だがセドリックと同じ顔をしているため、コンサートに出ると事情を知らない市民を混乱させてしまう。

 しかし、それらの事情を考慮してもあの煌びやかなステージに後ろ髪を引かれてしまう。

 

「僕はどうすれば良いんだろう」

 

 ヴィクターから受け取った鍵を見下ろしてクリスは呟く。

 オリヴァルトと共に偽物と貴族連合を打倒するために立ち上がることが一番良い方法だと思うのだが、踏ん切りがつかない。

 

「そもそも僕は……本当にクロウ先輩を殺せるのかな?」

 

 目を瞑って思い出す学院生活。

 だが、学年の違いもあって同じ時間を過ごした記憶はほとんどない。

 むしろ彼を憎む理由ならいくらでも思い浮かぶ。

 

「僕は……」

 

「いささか、不用心ではありませんか?」

 

 迷うクリスの背中に声が掛けられた。

 聞き覚えのない声にクリスは振り返る。

 

「いくら今のセントアークで戦闘行為が禁じられているからと言って、皇太子である貴方が一人でいるのは危機感が足りないと言わざるを得ないでしょう」

 

「お前は……帝国解放戦線の《G》――ギデオンッ!?」

 

 敵の幹部の突然の出現にクリスはその場から跳び退き、ヴィクターから預かったトランクケースを落として剣を抜く。

 

「ふふ……」

 

 ギデオンはそんなクリスの反応に帝都の地下墓所で見せた時のような笑みを浮かべて腰に差した導力銃を抜く。

 

「っ――」

 

 目の前の男を警戒しつつ、クリスは伏兵を警戒する。

 そんなクリスを嘲笑う様にギデオンはクリスに一歩詰め寄り――

 

「くっ――」

 

 クリスは目の前の敵を見誤ったことに気付く。

 導力銃、学者の風貌、帝国解放戦線の幹部の中では劣っていたとしても油断して良い相手ではなかった。

 その証拠に体を前傾にして踏み込んで来る彼の動きには澱みはなく、確かな修練を感じさせる程に堂が入っていた。

 

「αっ!」

 

 咄嗟にクリスは叫ぶ。

 不可視状態で控えていた戦術殻はその声に反応してクリスの背後に現れると、彼を守るように障壁を展開して――

 

「お願いしますセドリック殿下、どうか私の話を聞いてくださいっ!」

 

 導力銃を地面に置いて、ギデオンはそのまま滑り込むようにクリスの足元で額を地面に擦り付けた土下座が――炸裂した。

 

「…………………………え?」

 

 剣を構えたまま固まったクリスは長い沈黙の末に、困惑の声をもらすのだった。

 

 

 

 

 

 

「父上、お考え直しください」

 

 ユーシス・アルバレアの胸中は失望に染まっていた。

 

「《金の騎神》は東の脅威に備えるために、正規軍と取り決めてこのクロスベルに配備すると決めたこと……

 それを一方的に破棄すると言うのですか?」

 

 狼狽えたように父、ヘルムートの要求にルーファスが反論する。

 ガレリア要塞どころか、ガレリア山脈が消滅した今、東からの侵略に帝国は脆弱になっていると言わざるを得ない。

 現在のカルバード共和国はクロスベルが行った金融凍結の混乱からまだ抜け切れておらず、当面の間は安全であってもいつ侵攻して来るか分からない。

 それを警戒し、また抑止力として《金の騎神》がクロスベルに配置されたのだが、ヘルムートは今日、突然現れてアルバレア公爵家の名前を使って引き取ると言い出したのだった。

 

「ユーシス、君からも父上に言ってくれ」

 

「…………俺は父上の命に従うだけです」

 

 向けられた兄の弱気な言葉にユーシスは不快感を感じながら無愛想に答える。

 父の我儘とも言える行動に弱腰なルーファス。

 ユーシスはこんな兄など見たくはなかったと目を伏せる。

 

 ――ここまで落ちぶれてしまったのか……

 

 オルディスでの騎神の選定を勝ち抜いた代償に左腕の自由を失ったルーファス。

 それが原因でアルバレア公爵家の次期当主候補から外され、トールズ士官学院の教官となった。

 そこまではユーシスも不満こそあれ、陰りを感じなかったルーファスに文句を言うつもりはなかった。

 しかし、内戦が始まり本来なら貴族連合の総指揮を取るはずだった彼がクロスベルに左遷されたように遠ざけられることになった。

 そのせいなのか、左腕が動かなくなっても衰えることがなかった気品が今は見る影もない。

 

「ユーシス……」

 

 弱々しく自分の名を呼ばれることにユーシスはルーファスの眼差しを無視する。

 

「ったく……随分と勝手なことを言ってくれるじゃねえか」

 

 父を説き伏せられないルーファスを見兼ねて彼の秘書官として後ろに立っていたレクターが肩を竦めて口を挟む。

 

「ふん! だからわざわざ《機甲兵》ゴライアスを持って来てやったと言っているのだ……

 拠点防衛という点では《騎神》よりも使えるはずだ」

 

「まあ、そうだけど……そもそも《金の騎神》だけ持って行ってどうするんだ? あれはルーファス以外には乗れないはずだぜ」

 

「そんなもの、我がアルバレア家に伝わる秘術を持ってすればどうとでもなる」

 

「秘術?」

 

 レクターは首を傾げ、ルーファスを振り返る。

 ルーファスは知らないと首を横に振る。

 

「む……」

 

 目と目で通じ合うレクターとルーファスにユーシスは顔をしかめる。

 亡くなったとは言え、元鉄血の子供であるレクターと元アルバレア公爵の貴公子にしては随分と近い距離だという事に不信を感じる。

 

「まあ良いか……そこまで言うなら是非、乗ってみて下さいよ……

 それで本当に乗れるって言うなら持って行けばいい」

 

「ちょっとレクターさんっ!?」

 

「どうせ断ってもこの公爵様が聞きやしないって、だったらやらせちまえ」

 

 口を挟もうとするクレアにレクターは小声で耳打ちをする。

 

「ふん! 分かれば良い。さっさと我が《騎神》の下に案内するが良い」

 

「へいへい」

 

 

 ………………

 …………

 ……

 

 そして、膝を着いて鎮座する《金の騎神》を前にヘルムートは古びた本を開いて呪文らしきものを唱える。

 すると、彼は光に包まれ《金の騎神》に吸い込まれるように消えた。

 

「そんな……」

 

「うそ……」

 

「あれ? 《金》ってあんなにゴツかったか?」

 

 その光景にルーファスとクレアは絶句し、レクターは違和感に首を傾げる。

 

「くくく……」

 

 笑いを押し殺した声が響くと、膝を着いていた《金》がゆっくりと立ち上がり、身体の調子を確かめるように腕を動かす。

 

「見たかカイエン公っ! 私にも乗れるぞ! 《大いなる騎士》エル=プラドーにっ!」

 

 ヘルムートはこれまで溜め込んでいた鬱憤を晴らすように虚空に向かって叫ぶ。

 《蒼の騎士》の後ろ盾となり貴族連合軍の主宰を気取るカイエン公。

 《蒼の騎神》を乗り回して英雄を気取って大きな顔をしているテロリスト崩れにもこれ以上好きにさせない。

 

「《黄金》を取り戻したアルバレア家の力見せてくれようぞっ!」

 

 帝国の内戦に《金の騎神》が――

 

 

 

 

 

 

 

「うむ、オルキスタワーに残された“霊子変換機能”は問題なく動いたようだな」

 

 その光景にG博士は満足そうに頷くのだった。

 

「うむ、三機のアイオーンのシステムを利用した《金の神機》メッキ=プラドー。どこまでやれるか見せてもらおう」

 

 Y人形師が博士の隣でしたり顔で頷いた。

 

「レン、しーらない」

 

 そして少女は何も関係ないとそっぽを向くのだった。

 

 

 帝国の内戦に《金の神機》が参戦するのだった。

 

 

 

 

 









《金の神機 メッキ=プラドー》
 オルキスタワーに残った神機のデータを元にG博士とY人形師が《金》の張りぼてを好き勝手に改造した機体。
 《零の至宝》のバックアップの代わりに主導力にフェンリルを使用。
 “霊子変換機能”により機体と融合することで操作を簡略化。
 追加武装としては《β》の翼と拡散光子砲と《γ》のディフレクションバリアを搭載。





NG もしも《金》にユーシスが乗ったとしたら

ユーシス
「俺にも乗れるぞっ! 《大いなる騎士》、金のエル=プラドーにっ!」

クリス
「ダメだユーシス!」

ユーシス
「これは“呪い”などではない、俺の意志でお前達と戦う事を決めたのだっ!」

クリス
「そんなことを言っている場合じゃない! その機体に乗り続けたら君は――」

ユーシス
「今更もう遅い。もはや俺とお前達の間には埋めようのない溝があるのだ」

《C》
「ふ……ならば君の相手は私がしようではないか」

ユーシス
「誰だか知らないが、そんな浮ついた色の《機甲兵》などにこの《エル=プラドー》が止められると思っているのか!? 身の程を知れっ!」


 ………………
 …………
 ……


ナーディア
「俺にも乗れるぞっ! 《大いなる騎士》、金のエル=プラドーにっ! どやっ!」

ユーシス
「……」

クリス
「これは“呪い”なのではない! 俺の意志でお前達と戦う事を決めたのだ――くわっ!」

ユーシス
「…………」

マキアス
「もはや俺とお前達の間には埋めようのない溝があるのだ……
 ああ、あったな……僕たちとの間に埋めようのない認識の溝が……くっ……」

ユーシス
「………………」

ルーファス
「寂しいものだね。どうやら私たちの間にあった絆は仮面で覆い隠せるものでしかなかったとは……
 ああ、浮ついた色の我が機甲兵殿は我が愚弟に何か言いたいことはあるかな?」

ピンクのシュピーゲル・アサルト
「ユーシス・アルバレア……強く生きろ」

ユーシス
「………………いろいろ言いたいことはありますが……とりあえず兄上、一発殴らせてください」

ルーファス
「はははっ! 思えばお前とこうやって戯れたことはなかったな」

ユーシス
「兄上っ!」




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