新越谷高校VS総武高校   作:ブルーガソウ

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序章【総武高校】

 総武高校奉仕部。その名だけではドのような部活動かを憶測する事は困難である奉仕部は、学内生徒の悩みの相談を受け、その手助けをする事を活動内容としている。

 その奉仕部は普段であれば特別棟の一室で活動しているのだが、本日は太陽の照り付けるグラウンドで女子硬式野球部に参加していた。

 

 奉仕部の部員の一人である比企谷 八幡(ひきがや はちまん)もバットを握り、自らがトスした白球を離れた所に立つ三人の少女達に打ち込んでいる。彼の死んだ魚の様な目が見つめる先には一番目にノックを受ける自らと同じ奉仕部部員である雪ノ下 雪乃(ゆきのした ゆきの)がいた。いつもは腰まで下ろされている黒のストレートヘアは体を動かすにあたりポニーテールに纏められている。彼女の空の色を写したかのような瞳が八幡が打ち上げた打球を捉えると、雪乃は落下点へと移動し左手に嵌めたグラブに白球を納めた。

 

(テニスで運動神経が良いのは知ってたけど、野球まで器用にこなすのか······)

 

 八幡は思う。雪乃の今の守備を見て、彼女が昨日野球を始めた初心者とは誰も思わないだろう。それ程に雪乃の動きは様になっていた。

 

 次にノックを受けるのは金髪縦ロールのギャル風女子、|三浦 優美子(みうら ゆみこ)である。雪乃への対抗心から吊り目がいつもより二割増しで上がっていた。

 

 優美子も打球が落ちてくる前に落下点へと入ると、余裕をもって捕球する。

 

(あんたらハイスペック過ぎやしませんかね?)

 

 テニス経験者である優美子が同じ球技とは言え、こんなに早く野球に適応できるのは彼女の運動センス故だろう。

 

 最後にノックを受けるのは桃色がかった茶髪を右側でお団子に纏めた由比ヶ浜 結衣(ゆいがはま ゆい)

 

 八幡は前の二人より近い所にフライを上げた。

 

「えっと······わわっ!?」

 

 桃色の瞳が白球を捉えるも、ギリギリまで落下点の予測が出来ずに結衣はバタつく。体制を崩しながらも何とか手を万歳して捕球した結衣は誤魔化すように笑いながら二人の後ろに回った。

 

(それが普通だよ。むしろ捕れただけでも凄いよ)

 

 結衣も二人と同様に野球経験がない。未経験でフライの落下点を読み、いきなり捕れる二人が凄いのだ。

 

 この三人のうち雪乃と結衣が奉仕部の部員である。この二人と八幡を加えた三人で奉仕部は構成されていた。

 優美子は奉仕部でも女子硬式野球部でも無いが、結衣に誘われる形でこの場に来ているのだ。

 

 さて、何故いつもは特別棟の一室を活動場所としている奉仕部御一行が女子硬式野球に参加しているかというと、時は昨日の放課後に遡る。




一人ノックで鍛えた八幡の腕はだてじゃない。
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