こんなの続けてどうする?
と思われるだろうが、続いたものは仕方ない
一部改変がありますので、ご注意下さい
俺はトレセン学園のトレーナー
今はフリーの身である
そう『今』は
少し前までとあるウマ娘のトレーナーをやっていた
実際には俺程度の力で彼女の助けになったかは未だに分からないが
トレーナーとして彼女の為に様々な努力を惜しまずした筈だった
元々彼女は非常に優秀であり、それ故に他人から少しばかり距離を取られていた。そして心優しい彼女はそんな状況に心を痛めていた
だから、俺はつい言ってしまったのだ
「なら、みんなと話せる様な趣味を持てば良い」と
それ自体に問題は無かった。そう信じている
唯、今でも後悔するのはあの時に俺も買い物について行っていれば、あの様な事にはならなかったと後悔している
「おや、トレーナー君じゃないか。何やら顔色が優れないようだね」
「ああ、少しな」
「ふむ、ならば良い薬があるのだが?」
「遠慮しておくよ、タキオン」
「残念だね。力になれる時は言いたまえよ?」
そう声をかけると彼女は部屋に戻る
彼女は最近になって良く話をしているアグネスタキオン
走る事や勝つ事を目的とするウマ娘の多い中で、ウマ娘の限界のその先を見ようとしている
今は元教え子からの頼みで彼女と色々話をしていたりする
タキオンと話をした後、ある所に向かっていると
「ああ、トレーナーか」
「エアグルーヴ、お疲れ様だな」
「まったく、あの人は優秀なのだが。『アレ』が無ければ。はぁ」
彼女はエアグルーヴ
元教え子の片腕であり、生徒会副会長をしている
「それについて、本当に「すまんなどと言うな」エアグルーヴ?」
「たしかにアレのせいで些か疲れることも多少なりともある
だが、その結果として復調したのは紛れもない事実だろう
そして、トレーナー。私は未だにトレーナーという者が必要であるかについては疑問がある。しかし、会長と貴様のやり取りを見ていればそういう関係もありではないかと思うくらいには良い関係だと感じている。ブライアンとてその筈だ
だから、胸を張れ。そうでなければ、貴様を信頼している会長も報われまい」
「そう、かもな」
自信を持て、か
どうなんだろうな。元々彼女は素晴らしい実力を持っていた。にも関わらず、俺のせいでデビュー戦は散々だった
周りの同僚からも散々に言われた
「あれだけの娘をトレーニングさせておいて、あの結果は酷いだろう」
「やっぱり貴方では彼女を育てるなんて無理だったのよ」
「お前の理屈は分かるが、それだけではどうにもならないんだ
今回のレースで分かっただろう」
「私達は彼女達の為にそれこそ、彼女達の想いを無視しないといけない事もある。それだけ勝負の世界というのは厳しいの。
貴方の考え、ウマ娘に寄り添うという信念は素晴らしいと個人的には思う。それでも彼女を勝たせる事こそが、彼女の為だと思うのよ」
当時の俺は彼女の想いを共に実現しようとしていた
だが、周囲からすれば甘すぎると見えたのだろう
デビュー戦の結果を受けて、俺は彼女のトレーナーを辞めるか真剣に考えた
彼女の理想には俺は単なる重しでしかないのではないか?と
それから暫くは彼女とのコミュニケーションも覚束なかった
だが
「私は確かにデビュー戦で負けてしまった
だが、それだけで私の夢が潰える訳でもない
君は私と同じ視座に立とうとしてくれた。あの時の事を今でも忘れた事はない
それとも、君はもう諦めてしまうのか?」
真摯なルドルフの想いを受けて、漸く俺は立ち上がることが出来た
そうして、数々のレースを制する一方でルドルフが周りと上手くやれる様な方法を2人で考えた
元々、ルドルフは少しというか、独特な感性をしており、その、なんだ、所謂『寒いジョーク』を好む傾向があった
彼女からすれば、対人関係用のツールなのだろうが、正直な話四六時中聞かされるとなると、少しばかり陰鬱な気持ちにもなるのが本音である。
だが、楽しそうに話すルドルフを見ると、それを指摘することに躊躇いを覚えてしまう
そして、とある日に言ってしまったのだ
「趣味を増やしてはどうだい?」と
当時の俺からすれば、ルドルフの些か堅い部分をどうにかするのと、周囲との共通の話題を持つ事を願っての発言だったのだが
「読書、か。うむ、それは良いかも知れないな
皆と共通の話題を持てば色々と話しやすくもなるだろう
早速明日にでも書店に行ってくるとしよう。そうだ、君もどうだろうか?」
「実は学園に出す書類とレースのエントリー関係の書類が残っててな」
「そうか、それならば仕方ない。ではまた明日の午後から」
そう、この時に俺がルドルフに同行していればあの『惨劇』を防げた筈なのだ
「おお、君か。実は今日、興味深いタイトルの本を見つけてな。思わず買ってしまったよ」
「どんなタイトルなんだ」
「うむ。『人生を豊かにする本』というタイトルだ
実に興味をそそられるタイトルで思わず買ってしまった」
ifはない
だが、もし仮にこの時俺も一緒に読んでいれば、まだ救いはあったのだろう
今から思えば、あれが最後のチャンスだった
だが、俺はそのチャンスを逃したのだ
結論から言うと、控え目であったルドルフのジョークの頻度が急上昇した
俺は無力だ
とりあえず、会長のアレについて俺なりの想像です
この世界線では、完全無欠とはならない皇帝です
次は第三者視点になる、のかな
評価していただいたようで白目剥いてます
ではご一読ありがとうございました