アニメやゲームと矛盾するところがありますが、許して欲しい
皇帝シンボリルドルフが栄光を掴んでから、数十年後にとある出版社の倉庫から発見されたものがある
既にその出版社は無くなっており、解体業者の作業員が社屋の解体中に見つけたとされる
当の作業員はウマ娘のファンであり、皇帝シンボリルドルフの発言の中にこの書籍の名前があった事を記憶していた為に許可を貰って持ち帰ったとされる
このある意味では『栄光に溢れた世代』を代表する『皇帝』シンボリルドルフの内面に迫れるであろう書籍が日の目を見るのは、今暫くの時間を必要とした(〇〇出版社『皇帝』の素顔より抜粋)
ところ変わって、ここはトレセン学園栗東寮
滋賀県栗東市の南部の山間部にある施設であり、ここにも将来G1勝利を願うウマ娘が日夜トレーニングに励んでいた
寮の近くには小料理店が立ち並び、近くにはスーパーも存在する
近くには山が複数存在し、登坂トレーニング等も割と手軽に行える環境であった
バスを利用すれば、JRの草津駅まで1時間もかからず到着出来る。そこから新快速を利用すれば1時間弱で大阪へとアクセス出来る。その為トレーナーのみならず、ウマ娘達も余暇を利用して大阪方面へと向かう事もしばしば見られた
最寄駅には手原駅も存在するのだが、手原駅を通る草津線は本数の関係で利用するには少し不便である為、トレーナーが利用する事はあまり見られなかった。
そんな栗東寮にとあるウマ娘がいた
「やっぱり凄いなー。『皇帝』シンボリルドルフかぁ」
彼女は未だデビュー前の身であり、今日のトレーニングを終えて部屋で資料を読み返していた
既にシンボリルドルフは数多くのウマ娘や大衆に惜しまれながらも、府中トレセン学園生徒会会長を辞し、今はのんびりと生活しているとされている
同世代で活躍したウマ娘達もまた引退した者は、ある者はトレーナーと結ばれ、別の者は自分の願う未来へと向かって行った
綺羅星の如き俊英の揃う世代をいつからか『栄光に溢れた世代』と呼び始めた
「でも、凄いなー
『皇帝』シンボリルドルフ、『女帝』エアグルーヴだけでも凄いのに、色んなウマ娘達がいて、とんでもない世代だったんだよね」
事実、両名を始めとしたナリタブライアン、オグリキャップ、サイレンススズカ、ゴールドシップ、テイエムオペラオーなどを筆頭とした豪華絢爛極まる時代であった
そして、彼女達が残した数々の偉業はトレセン学園という組織の拡充へと繋がり、更なるウマ娘達への支援へと繋がった
今、彼女がこの栗東寮に在籍しているのもまた『栄光に溢れた世代』にいたウマ娘の先達に追いつこうとしている為である
「でも、ゴールドシップさんもこの世代なんだ。凄いなぁ、まだTVとかでよく見るけど」
ウマ娘ゴールドシップ
彼女もまたピークを過ぎたとある日、突如引退を表明。当時のトレーナーを引き摺って様々な記録を打ち立てた
曰く、『極点到達初のウマ娘』曰く、『未踏破の地を拓くウマ娘』
その破天荒な行状とは異なり、非常に親しみやすいキャラクターとつっこみに溢れる元トレーナーとの掛け合いの良さも相まって、未だメディアに良く現れる
子供達が一番憧れるウマ娘アンケートでなんと五年連続一位を取っており、実際彼女に憧れてトレセン学園の門を叩くウマ娘もかなりの数に登る
ウマ娘サイレンススズカ
こと逃げにおいては、かの世代の中においてすら上位に位置し、「彼女と逃げで張り合えるのはツインターボかカブラヤオーくらい」とまで評される
基本、メディアへの露出を極端に嫌う彼女は引退レースの後、各方面へと文章をもって発信したのは有名な話である
風の噂では、元トレーナーと共に穏やかな毎日を送っているとされる
ウマ娘にとって、レースの勝利も重要であるが、それ以上に相性の良いトレーナーを見つけることが不可欠であった
上記2名のトレーナーは珍しく専任であり、それ故に両名もまたそのトレーナーと共に歩く事を願ったとされる
従来、トレーナーとウマ娘の絶対数において後者が圧倒的に勝り、複数人のウマ娘をもってチームを結成。そのチームにトレーナーが就くのが普通である
故に上記2名の様に人生の伴侶となり得るか?と問われると非常に難しい問題である
実際、世代筆頭である『皇帝』シンボリルドルフとて、その当時は専任のトレーナーであったが、生徒会長になってからはそのトレーナーもまたアグネスタキオンのトレーナーにもなっている
余談ではあるが、『女帝』エアグルーヴのトレーナーは稀少な『人生において唯一無二のトレーナー』であったとされる
確かにトレーナーの育成や発掘も進んでいるが、それはとても容易ではなく、桐生院家当主、桐生院葵女史も頭を悩ませていると何処かの雑誌で読んでいる
「アグネスタキオン先生かぁ」
少女はため息をつく
そうアグネスタキオンは引退後、トレセン学園の保健教員となっており、日夜ウマ娘の健康を守っている
まぁ、たまにくる元トレーナー氏が通称『ゲーミングトレーナー』になる事がしばしば見受けられるが、これについては学園関係者全員慣れてしまっていた
慣れてしまったと言うよりも
「ほう、ではキミがこの薬を飲んでくれるのかい?」
と明らかにヤバそうな液体を向けてくるタキオン先生に逆らえる者がいるだろうか?
私は出来ない、絶対に
と思った少女を誰が責められようか
しかと、その発言の時に目のハイライトが何処かへと行方不明になっているのである
怖さマシマシである
ついでに偶に桐生院女史が元担当ハッピーミーク先輩と来校する事も有るのだが、大体が件の元トレーナーが来校しているときであったりする。
ごく一部では
「保健室でタキオン先生らしかぬ甘えた声がした」
と囁かれたが、詳細は不明である
なんでも
「はやくつくってくれよぉー。はーやーくー」
などと聞こえてきたというが、気のせいであろう
その話を聞いたであろうタキオン先生が真っ赤になった事は、その場にいた少女達の秘密である
なお、当校の学園長は去年付で新設される他所のトレセン学園に転勤となっており、新任の学園長の到着が待たれる
「ちょっとー、何してるのよ
トレーニング始まるよー」
少女が色々ととりとめのない話を思い浮かべていると部屋の外から声がかかった
「あ、ごめん!
すぐ行くよー」
「早くしなよー。今日、新任の学園長も来るらしいし」
「すぐ行くってばー」
少女は急かされる様に部屋を後にした
少女の出て行ったへやの中
その机の上には一冊の本がある
少し色褪せた、それでも大事にしている事が一目でわかる本
そこにあるタイトルは
『人生を豊かにする本』
であった
というわけで短編としたので一区切りとさせていただきます
流行りに乗った感がありますが、この短期間で2件も感想貰えたり、お気に入りも十件いってたり、評価ついてて草どころか、芝生えます
なお、栗東寮の情報についてはトレセン栗東に現地まで行っての情報なので多分あってます
魔書については希望があれば書きます
では皆様ありがとうございました