生徒会長が僕のところに来てしまったから周りの人たちが僕を見る目が変わってしまった。「こいつを怒らせたら確実にマズイ」「あの生徒会長を『犬』として扱ってるなんてどんだけ凄いんだよ」
近寄りがたい雰囲気が確実に出てしまっている。だけど今更、どんな言い訳をしたところで何も変わる事はない。一度植え付けられたイメージは簡単に覆る事はないのだから。もう僕は日常を諦めた方が良いのだろうか。あの生徒会長と一緒にいる限り、僕は確実に日常的な生活を送る事が出来ない。これだけは断言してしまってもいい。
昼休みや休み時間に入るたびに生徒会長が僕の元に来る。編入初日に会った時の印象とはもう真逆と言ってしまってもいい気がする。頭のねじがニ~三本ぐらい負けたときに抜けてしまったのだろうか。そう思ってしまうほどに彼女は変わってしまった。
「ねぇ、生徒会長は今のままで良いの?今からでもあの賭けた事を全て無しにしても良いんだけど」
「それを私のためだって思ってやろうとしているならやらなくて良いわ。だって私は今の生活を心躍るほどに楽しんでいるのだから!!」
この人は本当に狂っているよ。言ってしまえば家畜に落ちたのにこの人はそれを楽しんでいる。
「はぁ~~本当に僕は面倒な人に勝ってしまったな……もし、過去に戻れるならこの人だけはギャンブルをしてはいけないと言ってあげたいよ」
「それは無理よ。あなたと私はこうなる運命だったんだから!」
そんな運命はどうにかしてでも引きちぎりたいよ。
そう言えば、この人は最近、授業以外の時はほとんど僕と一緒にいる。ということは生徒会長としての仕事をちゃんとやっているのだろうか。
「一つだけ聞いてもいいかな?」
「あなたは私がお仕えしている主なのですから私に断りを入れる必要はないわ」
「それでは質問させてもらうけど君は今、生徒会長としても仕事をやっているの?僕から見ている感じ全くやっているようには見えないけど」
「それは勿論、やっていないわ。あなたとの時間の方が大切なんだから仕方ないわ。今まで私はギャンブルをやることが生きがいと言っても良かったと思う。だけど、あなたに負けてからあなたと一緒にいる事は多くなって私は今の方が人生を楽しめていると思ったのよ。もうあなた無しでは生きれないほどに私はあなたに依存していると自分でも分かっているわ。だからあなたは勝手にどこにも行っちゃだめだよ。あなたが居なくなったら私は何をするか分からないから」
この世界で一番依存されちゃいけない人に依存されてしまったのかもしれない。僕といる事がギャンブルをしているより楽しい……本当に狂っているんではないのだろうか。僕と居て楽しいことなんて一つもあるわけないよ。面白い事を言えるわけじゃないし、楽しい雰囲気になるわけでもない。
「僕と居ても楽しくないよ」
「多分、あなたは分かってないわ。自分には人を魅了する力があって、あなたと一緒に過ごすだけで楽しいことに」
「そんな力は僕にはないよ。君は僕の事を買い被りすぎだよ」
「私の目は少なくとも衰えていないわ。まだあなたはその力に気付いていないだけだわ」
こんな風に生徒会長と話すのが少しずつ僕にとっての日常に変わってきているのが自分的に少し怖いと感じている。
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