生徒会長を負かしてしまった男   作:主義

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要求

僕は編入したので今年入学の一年生と同じぐらいしかこの学校に居ないけど…名目上は三年生。だから、僕にも後輩が存在する。

 

 

 

そして最近、学校では後輩である、蛇喰夢子という人物の噂で持ち切りである。どうやら僕と同じで編入して来たらしい。そして編入してそんなに経たないうちに蛇喰夢子という人物はギャンブルを持ち掛けられてそれに答えた。そして勝利を収めた。編入して間もない人間はよくカモとして見られることが多い。

 

だからこそ蛇喰夢子にもギャンブルを持ち掛けたのだろう。

 

 

 

 

絶対に勝てると思って挑むが…今回のように返り討ちに会う可能性もないわけではない。確かにこの学校に来て間もない人間なら勝てると思う、その心理は理解出来ないでもないがしっかりと相手のことも調べてから挑まないと負ける可能性がある。そこを学べただけでも彼女に挑んだ生徒は良かったんじゃないかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなことを考えながら校内を歩いていると目の前から車いすに乗った女性とそれを押している色黒の女性がこちらに向かってきていた。そして僕とすれ違う一瞬に車いすの女性が口にした。

 

 

「夜、八時に多目的室に来い」

 

 

 

二人は何もなかったように通り過ぎていった。僕は後ろを振り返り二人が歩いていく姿を見送った。端から見たら話しているようには絶対に見えないだろう。

 

 

 

あの人たちは一体どんな目的で…僕を呼び出したのか。僕の記憶によれば彼女らと会った事は無かったと記憶しているんだけどな。変な人に目を付けられるのは今に始まったことではないが本当に勘弁してもらいたい。この学校で今の段階でも…桃喰綺羅莉、黄泉月るなというめんどくさい二人に目を付けられている。

 

 

 

車いすの女性の言葉に従うか、従わないかはさておき…彼女たちについて少し調べて見るとするか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして時刻は午後七時。約束の場所に向かおうと歩いていると何故か…後ろから付けられている気がしたので撒くために迂回ルートを通り僕は目的の場所に着いた。

 

そう言えば、彼女たちのことについては少し調べてもらうとある程度のことは分かった。

まず、車いすに座っていた女性は等々喰定楽乃と言って百喰一族の一人。幼い頃から足が悪いらしく車いす生活を送っていたらしい。ギャンブルにおいて彼女の実力に関しては未知数だが少なくとも油断するような人間ではない。

 

 

そして車いすを押していた女性の方は等々喰ユミ。こちらに関しては等々喰定楽乃の付き添いという形で来ているからギャンブルの実力なども正直なことを言うと調べても分からなかった。僕としてはこっちの方が不気味でならない。

 

 

 

「やはりまだ来ていないか……」

 

彼女たちがここに訪れたのは僕が来てから三十分が経ってからだった。

 

だが多目的室の中に入って来たのは車いすの女性の一人だけだった。どうやら付き添い人は廊下で待たせているようだ。

 

 

「早いな」

 

 

「さすがに僕もあなた達との密会を誰かに見られるわけにはいかないので…同時刻に学園に入るところを見られたら何を噂されるか分かったもんじゃないからね」

 

 

 

「そちらとしては確かに私たちと会っていることがバレると少々面倒だろうな。特に…綺羅莉にはバレたくないだろう」

 

さすがに僕のことを調べ上げたということか。まあ、調べなかったとしても僕と綺羅莉の関係のことは学園中に響き渡っているだろうから調べなくても分かるだろうけどね。

 

 

 

「…そうですね。それで雑談はこれぐらいにして本題に入ってくれませんか?」

 

 

 

 

「良いだろう、わたしとしてはお前にこちらの味方になって欲しいと思っている。お前の正体を調べて驚いた……まさかお前が「具体的には何をして欲しいのですか?」」

 

 

まあ、この人の家柄を含めれば僕の正体を知っていたとしてもなんの驚きもない。

 

 

 

「話が速くて助かる、わたしが望んでいるのは綺羅莉を脅迫出来るようなネタを渡して欲しい」

 

 

 

「………」

 

 

 

「さすがにわたしも何の見返りもなく、そんなことはお願いしない。わたしの要求を呑んでくれるようだったら君にとって得な事も多くあると思うがな」

 

 

 

別に僕は綺羅莉を愛しているかと問われればそんなことはない。だけど彼女ともそれなりに一緒に過ごしてきた。最初はこの変な女は何なんだろうと思っていた時もあったけど………今では隣に居ても違和感が少しずつ無くなってきているのに気付いていた。

 

 

「……僕に得とは…具体的にどんなことですか?」

 

 

「あたしたちの要求を呑んでくれるなら将来の地位を約束できる」

 

 

「それは遠回しに脅しているんじゃないかな。君たちの要求を吞まなかったら僕の将来は破滅すると…」

 

 

「別に脅しているつもりはない」

 

 

 

 

 

やっぱりこの人物たちは…面倒だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「分かった……要求を呑みますよ」

 

 

 




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