逆さに吊られたトレーナーさん   作:小説を読み漁る程度の能力者

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オリ主タグ、必要なんですね。主人公はあの人なんでいらないと思ってました。


学内案内と昼食

「こちらが理事長室になります。」

 

校門前から所変わって、現在は理事長室前。ニコニコといつもの笑みを絶やさないたづなとニヤニヤと(いや)な笑みを絶やさないトレーナーがいた。この男、対面してからずっとニヤニヤとしている。しかも、たづなが先導している間、脚と(臀部の少し上)をしつこく眺めているのをたづな自身は女の勘で認識していた。それでも顔が曇ることがないのは流石と言う他ない。いや、トレーナーに振り向いた笑顔は僅かに青筋が浮かんでいた。当然である。

 

「理事長、新人トレーナーさんを連れてきました。」

 

扉をノックし、そう声を掛けるたづな。すぐ後に室内から返答があり、たづなは理事長室の扉を開けた。

 

「歓迎ッ!よく来てくれた。トレーナー君!わたしが当学園の理事長、秋川やよいである!」

 

入室し、たづなが扉を閉めるや否やそう豪快に名乗りを上げたのは質のよさそうな衣服を身にまとい、何故か帽子に猫を乗せた少女であった。

 

「ど~も、お噂はかねがね聞いていますよ理事長殿。ギャハハ♪野原逆六です。以後お見知りおきを☆」

「うむ!これから忙しくなると思うが担当ウマ娘の夢、叶えてやってくれたまえ!では、たづな、引き続き学園の案内を頼む!」

 

理事長との顔合わせは実に短時間であった。

 

「思ってたより短かったけど、俺なんか悪いことした?」

「いえ、普段はスカウトの際に時間を取って話されるので、いつも学園内での顔合わせはあんな感じですよ。」

「あ、そうなんだ。ま、何でもいいけどさ☆」

「では、次に各施設を案内しますね。」

 

ギャハハと嗤うトレーナーと、早くも失礼な物言いのこの男に慣れたたづなは学園内を移動していく。

 

 

 

~~~~~~~~~~

 

 

「こちらはトレーニングジムです。各種筋トレなどに用いられる器具を一式備えてあります。」

「へ~、なかなか広いじゃん。武器庫ぐらいにはなりそうな広さはあるねギャハハ★あ、サンドバックまである。俺にぴったりじゃん♪なんつって」

「?」

 

 

~~~~~~~~~~

 

 

「こちらは体育館です。全校生徒やトレーナーさん達への連絡などで集会がある際はこちらで行うこともあります。」

「ここも広いね。ウチの機体置くにはいいくらいかも。冗談さギャハハハ♪」

「?」

 

 

~~~~~~~~~~

 

 

「ちょうどお昼時ですね。ここが食堂、カフェテリアになります。ご飯時になるとビュッフェ形式で無料でたくさん食べられます。それ以外の時間だと軽食やジュース、コーヒーしか提供できません。お金も少し割高になります。」

「ビュッフェ形式!随分お金掛かってるね。ギャッハッハ☆」

「ええ、ウマ娘の中には人間以上に食べる娘もいますからね。モチベーションのためにも食事に関しては多めに予算を回しています。」

「へ~、そうなんだ。」

「トレーナーさんは何を召し上がりますか?」

「ん~、馬刺し」

「?ばさし?なんですかそれ?」

「いやいや、冗談ギャハハハ☆wwww」

「そうですか。」

「だんだんクールになってきたね♪」

 

よく分からない事は無視すればいいと判断して、たづなはにんじん定食、トレーナーはニンジンハンバーグを注文した。

 

(なに、あの人?)

(デカ、ていうか怖っ。不審者?)

(でも、たづなさんといるよ?)

(ほんとだ。ん?よく見たら、トレーナーバッジ付けてない?)

(え”、じゃあ、トレーナーってこと?え~、あの人の担当は嫌だな~。)

(白衣ってあの子っぽいよね?)

 

空いてる席を探す中ですれ違うウマ娘や遠くにいるウマ娘達が男のことをこそこそと話していた。いつもは賑やかな食堂が今日に限っては不穏な空気を醸していた。葦毛のウマ娘は大量のご飯とおかずをよそっていた。

 

「え~っと、トレーナーさんは、以前何かスポーツを?」

「ん?いや何も。強いて言えば何かあった時のために鍛えてるぐらいですかね~。何、俺に興味があるの?ギャハハ♪俺のスリーサイズは」

「いえ、体つきがいいので、何かしていたのかな、と」

「あ~、背が高いのは遺伝じゃない?孤児なんで両親見たことないですけど★」

「えっ!あ、すいません!」

「いいよいいよ。いなくて好都合だっt…、いや、まあ、孤児院ではよくしてもらったし、理事長秘書殿が気にすることじゃないですよギャハハハハハ♪」

「そ、そうですか。えと、私の呼び方ですけど、名前で構いませんよ。」

「いやいやいや、礼儀がなってない若造なんで、呼び方ぐらい敬わせてくださいよ~ギャハハハ~♪」

(礼儀に対して自覚あったんですね。)

 

その空気に耐え切れず、たづなはトレーナーへ話しかけた。纏う雰囲気や不躾な視線に反してコミュニケーションは普通にとれるようだ。なんとなくあの破天荒な葦毛のウマ娘を連想した。彼女の場合、コミュニケーションすら危うい時があるが。ついでに、どう見てもトレーナーのほうが歳上である。

 

たづなとトレーナーが普通に会話をする姿を見て、周りのウマ娘やトレーナー達もその男に興味を無くし、段々といつもの喧騒が戻ってきた。葦毛のウマ娘は腹を大きく膨らませ、退室していった。

 

「トレーナーさんは何か研究職もしているんですか?」

「ああ、いえ、一時期はそんな事もありましたが、今はトレーナー一筋ですよギャハ☆」

 

と、そんな話を続けているうちに二人とも昼食を食べ終え、食堂を後にした。

 

「これで、学園内は一通り回りましたね。トレーナーさんはこの後何か予定はありますか?」

「いや~、強いて言えば、迷わないようにもうちょいうろつくぐらいですかね。」

「でしたら、午後から練習場で選抜レースが行われるので、見に行ってみるのはどうでしょう。」

「選抜レース?」

「はい!ウマ娘がトゥインクル・シリーズに出場するためには、チームに入っていることが絶対条件です。選抜レースはチームに所属していないウマ娘のアピールの場になっています。トレーナーさんのお眼鏡に適うウマ娘が見つかるかもしれませんよ。」

「へ~、面白そうだ。じゃあ見ていきますかね。ギャハハッ★」

「はい!では、私はこれで。」

「ありがとうございました理事長秘書殿♪ん、ごめん最後に一つだけ。」

 

そういうと、トレーナーはとある建物を指差した。それは校舎の一階ほどの高さの施設であった。渡り廊下が校舎から伸びているが明らかにここ最近建てられたような真新しさが目についた。

 

「あの建物は?他と比べて奇麗だから最近建ったみたいだけど?」

「あそこは最近新設されたアグネスタキオン研究棟ですね。ウマ娘でありながらウマ娘研究の第一人者であるアグネスタキオンさんの為に理事長が(ポケットマネーで)用意した研究室です。ただ、タキオンさんは気難しいウマ娘でして、タキオンさんが許可した方じゃないと入れてはくれないんです。」

「ふーん…。」

「あの、…トレーナーさん?」

「改めてありがとう理事長秘書殿ギャハハハ☆さて、選抜レース、見に行ってみるかね♪」

 

質問してきた割にすぐに興味が失せたように踵を返し、練習場に向かうトレーナー。その背中を見、興味の有無で向かう方向が変わるあのウマ娘とやっぱり似てるな、と思ったたづなは次の己の仕事の為にやよいのもとに帰っていくのだった。

 

 

 

 

「タキオン…、あいつがいたとはね。ちょっとミスったな。」




トレーナーの喋り方をもっとうざくする為、語尾に着ける記号を増やしたい…。

追記:時系列整理により、URAファイナルズとにんじん大農園への言及を消去しました。イベントを見る限り、大農園はファイナルズ宣伝の為に作ったっぽいですね
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