パレードを終わらせない   作:スターク(元:はぎほぎ)

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 この界隈じゃ、感想の事を「はちみー」って呼ぶらしいですね
 はちみー下さい(直球)


閑話:優駿三騎
U駿三騎


 今日は学園ぐるみで大集会!何が発表されるのかは知らないけど、なんだか今までにはあんまり無い事みたいでワクワクするなぁ。

 

「全く、テイオーははしゃぎ過ぎです。こういう時こそ清く正しく礼儀を守ってですね…」

「うぇ〜?マックイーンは堅過ぎるよぉ」

「貴方がお気楽なのですよ!」

 

 分かった、分かったから。そうやって何度か宥めて、仕方なくスキップを止める。

 

「ところでですけど、テイオー」

「なーに?」

「貴女、耳のリボンはどうしたんですの?」

「…あっ」

 

 しかしここで異常発生。指摘されてようやく、ボンヤリ感じていた耳の違和感に気付けた。

 

「多分教室に忘れちゃった!取ってくる!!」

「えぇ、今からですの!?あっちょっ待ちなさい!!」

 

 脇目も降らず、来た道を全力逆走。急いで教室まで突っ走る。まだ、まだこの時間なら間に合う!多分!!

 そして10秒も経たない内に教室に到着。扉を開いて見えた机に、御目当ての布切れを無事発見した。

 

「危なかった〜、なんか落ち着かないと思ってたんだぁ」

 

 手際良く耳に結び直し、安堵の吐息。後は、全速力で戻ってーーー

 

「あれ。どうして戻って来たんですか」

「へ?」

 

 横から聞こえて来た声に、思わず素っ頓狂な反応をしてしまう。

 見れば、そこには白毛のウマ娘。ボブカットの白髪で、どこを見てるか分からないようなボンヤリとした視線をこっちに投げかけていた。

 見たところ、ボクと同年代っぽいけど…

 

「大丈夫なんですか。集会始まっちゃいますよ」

「いや、キミもそれは同じじゃない?キミこそ何してるのさ」

「私ですか。私は……」

「ちょっとテイオー!早く戻らないと怒られますわよ!!」

 

 話を遮るように、追いついて来たマックイーンの怒声が響き渡る。って、なんで来たの!?キミも怒られちゃうじゃん!

 

「貴女はいちいち危なっかしいから、見てないとこっちの気が済まないんですの!…っと、ハッピーミークさんではありませんか」

「知ってるの、マックイーン」

「隣のクラスのウマ娘の方ですわ。リギルで最近記録を伸ばして来てて、私達にも匹敵し得る逸材ですわよ」

「あ…どうも」

 

 褒められたのが嬉しかったようで、ハッピーミークって娘は頬を赤らめてお辞儀して来た。なんだか照れ臭くなって、ボクとマックイーンも「此方こそ…」と同じくお辞儀で返す。

 ……って、それどころじゃない!

 

「ああー!不味いよマックイーン、もう間に合わない!!」

「リボンなんかに気を取られるからですわ!」

「言い出したのはキミの方じゃん!」

「まさかあのタイミングで逆方向に突っ走るなんて想像出来ますか!!」

 

 兎にも角にも、せめて大幅な遅れにはならないようにしなければ。そう思って出口に向かおうとした所だった。

 

「私、なんか思ってたんです」

 

 ミークの声が、ボク達を呼び止める。

 

「この校舎、窓から出たら面白そうだなって」

「な…何を言い出しますの?」

「それが、ここに残ってた理由なの」

 

 それだけ告げると、ミークさんは飛び出した。

 

 

 3階の窓から。

 

 

「「ゑぇーーー!?!!?」」

 

 

 2人して身を案じ、窓から下を見れば、そこには建物の突起を上手く伝いながら軽々と下の芝生に着地し、こっちを見上げるミークの姿。いや、確かにそのやり方なら足の負担も少ないけどさぁ!

 …でも。

 

「マックイーン。ボクもアレで行く」

「え゛」

「じゃないと間に合わない」

 

 いちいち校舎の通路を通ってたらもう無理だ。だったらいっそ、ここから外に出た方が早い。

 大丈夫、ウマ娘のパワーと今ミークが見せてくれた見本があればいける!

 

「大丈夫じゃありませんわぁぁぁ!!」

「とうっ!」

「テイオォォォォ!?!!?」

 

 まず配管、次に出っ張り。上手い事、足首から脛を通って腿全体、延いては身体中に衝撃を逃して足の負担を減らす。

 そのまま徐々に高度を下げて…っと!

 

「いけたー!」

「おぉー…やりますね」

「へへん、ボクは無敵のテイオー様だからね!」

 

 凱夏に言われて来た「関節を大事にするやり方」を意識したら上手くいったよ。やったね。

 そう思い、胸を張って見上げるのは頭上。まだそこに1人だけ残っている。

 

「マックイーン、後はキミだけだよ!」

「ふぁいとー」

「冗談じゃありませんわ!こんなのに付き合ってられません!」

 

 私は自分での足で真っ当に向かわせてもらいます!と半泣きで叫ぶ声。でも中々窓から離れないのを見るに、彼女自身も他に間に合う方法が無いと分かってるんだろう。

 まぁマックイーンが遅れたのはボクの所為だし、ここはボクが助けるべきだね。

 

「大丈夫!ボクが受け止めるから!!」

「受け止めるって…どうするつもりですの!?」

「良いから早く!!」

「〜〜〜!ええい、ままよ!」

 

 とうとう窓の外へ身を躍らしたマックイーンは、そのまま順調に足場を蹴って降りて来た。そうだよ、そもそもボクに出来てマックイーンに出来ない筈がないんだ。流石ライバルって所だね。

 

「…あっ」

 

 ……って!嘘でしょ!?

 2階下部辺りで足を滑らせたマックイーンが、バランスを崩して地面に落ちる。ボクは急いで落下地点に走り、そこで両手を広げた。ミークも、ボクを後ろから支えるような姿勢になる。

 

「マックイーン!!」

「きゃあああ!」

「あわわっ」

「へぶっ」

 

 落ちて来た人1人を抱き締めるように受け止め……切れず、ボク達は3人折り重なって地面に倒れた。でもミークのお陰で衝撃はだいぶ殺せたし、何よりマックイーンにはダメージは無いだろう。あぁ、良かった。

 …そんなボクの考えは、目の鼻の先にあるマックイーンの顔を見て断ち切られる事となる。

 

「テイオー」

「は、はい」

「二度とやりません。貴女もやらないように」

「はい」

「ミークさんも」

「……ごめんなさい」

 

 2人揃って謝罪。まぁ、改めて考えると本当に危ない事をしたし、ちょっと本気で反省しよう。これはダメだった、うん。

 そんなボクと、無表情ながら目に見えてションボリオーラを纏ったミークを見て、マックイーンは強張らせていた顔に微笑みを浮かべた。

 

「……でも。助けてくれてありがとうございますわ。お陰で助かりました」

「っ」

 

 花開くような感謝の微笑みに、それを至近距離で向けられたボクの心臓はドキリと跳ねた。

 何も返せなくて、ボクは黙りこくってしまう。そんなボクをマックイーンも疑問に感じたのか、彼女も首を傾げて黙ってしまった。

 

「…どうも。でも、もう走らないと」

「「!」」

 

 その沈黙を破ったのは、ミークの一言。そうだよ、まず何よりも先に体育館に行かなきゃ!

 

「そ、その通りですわね!すみませんテイオー、今どきますわ!!」

「あ、ありがとう!よーし走るぞー!!」

「……おー」

 

 なんとか立ち上がり、3人で駆け出す。桜も散り始めた春の半ば、新しい風が学園を駆け抜けていった。

 

 

 

 

 これが、ボクたち3人の初めての集い。

 後の世で優駿三騎と呼ばれる、新しい時代を呼んだ風。それが最初に吹いた、その瞬間だった。




 ちなみに集会には間に合ったけど、防犯カメラに写っていた映像からバレて怒られた
 テイオーはハチミーを奢る事で、巻き込まれたマックイーンを宥める事となった
 テイオーの体力が30下がった!
 スキルポイントが20上がった!
 「掟破り」のヒントレベルが2上がった!

現状の中心人物杯

  • 1番、スキップ封印テイオー。爛漫保てるか
  • 2番、追っかけ後輩桐生院。半ばヤンデレ
  • 3番、確執スズカ。多分今後物議を醸す
  • 4番、因縁ミーク。これからに期待ですね
  • 5番、隠し事多杉内凱夏。皆に謝れ
  • 実況、マックイーン。ゴルシの被害者定期
  • 解説、ゴールドシップ。立ち位置どこだよ
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