という訳で今回のサブタイは造語
「クライマックスの時が近付いて参りました」
「ウマ娘の祭典、日本ダービー…!」
「今、スタートです!!」
ーSide:キングー
(逃げるっ!)
ゲートが開いた瞬間に前へ。これは、私なり試行錯誤を経た末の策だった。
スタミナは結局目標まで届いていない。ならばせめて先頭で、レースの流れを掴む。私が場を支配し、他の持久力を削いで、私と同じレベルまで引きずり落とす。
幸運だったのは、そのお手本が近くにいた事。
不運だったのは、彼女もまたこのレースに出ている事。
『私の走り?そりゃ見る分には減らないけど、見惚れちゃったりしないでよ〜?』
同じチームであるセイウンスカイの走りは、良いモデルケースだった。そんな彼女は今、私を逃すまいとピッタリついて来ている。
(ありがとう、スカイさん。しかし支配するのはこのキング、王たる威厳を見せてあげる!)
ライバルでありながら走りを教えてくれた彼女への感謝と、その恩返しとしての闘争心を発揮しながら、私は風を切り続けた。
(主導権は渡さないわ……!)
ーSide:セイウンスカイー
(ふうん、それでも良いけど…っ)
キングが私と同じ戦法で私にマウントを取ってくるのは想定内だった。その上で、私はどうしても驚かざるを得なかった。
スタミナが伸び悩んでるのは分かってたけど、だからって他を削る為に逃げを選ぶのは本来悪手だ。だって、逃げ自体が消耗の激しい戦法だからね。ペース配分を自分で決めないといけない分、駆け引きに割くべき余力も大きくなる。私がキングだったら選べない。
でもキングはその道を行った。その思い切りの良さが、どうしようも無く羨ましい。
(だからって、譲ってあげるつもりなんて無い…!)
それは元々私の走りだからね。返してもらうよ、キング!
でも、敵はキングだけじゃない。後ろに絶大な存在感が二つ。見るまでも無くスペちゃんとエルちゃんだ。
2人とも差しの位置で待機してて、周りのウマ娘が若干気圧されてる感じかな?特にエルちゃんの威圧は中々に凄いですなぁ。逆に掛かってるんじゃないかと心配になる。
…いや。もしかすると…?
ーSide:エルー
足が軽い!今の私は飛ぶ鳥、まさにコンドル!!
そう思いながら足を回す。前にいるスペちゃんに圧力をかけ、周りにいる娘達にもしっかりと存在感を与えながら。
スタートで微妙に出遅れたけど全くノープロブレム。前の方の鎬の削り合いもあるけど、それ以上に後ろのバ群が私に急かされる形で全体的にハイペースなレース展開になってマス。
(スペちゃん、どうですか?アナタは大抵追う立場デスが、追われる立場にどこまで耐えられマスかね?)
こっちが追う立場である以上、前を走るスペちゃんの顔は見えまセン。しかし自分の走りに手応えを感じて、私は汗を拭いギアをアップ。
レースももう中盤。もっと追い立てていきマァスっ!!
ーSide:スペー
不思議と、周りが良く見えていた。
掛かっちゃうんじゃないかと自分でも不安だったんだけど、何故か落ち着き払う心。皆の声が、後押しと同時にブレーキになってくれたのかな?
先頭はキングちゃん。半分を過ぎた辺りで走りが苦しくなってる。多分最後の直線で伸びない。
次にセイちゃんだけど、キングちゃんにピッタリ着いて行ってる。仕掛け時を見計らってる。
そして、エルちゃん。彼女は後ろ。私を含む数人のウマ娘に囲まれる形だけど、全然堪えてる様子が無い。ただ私に向けてくる意識が本当に鋭くて、だからこそその位置が背中からでも良くわかる。
(あ、そっか。エルちゃんが強く意識してくるのが分かるから、私は頭を冷やせてるのかな)
自信過剰になってる場合ではない強敵の存在。それが多分、私を浮かれさせない歯止めになってるんだ。
そんな事を考えながら、でも私は自分の走りを崩さない。前の娘の背にピッタリとくっ付いて、スリップストリームで体力と速度を温存する。
うん、状況は分かった。
誰を
勝負は最後の直線。そこでーーー
(限界を、超えるんだ)
ーSide:Thirdー
そして、ダービーは最終局面を迎える。
「スペちゃん…」
待つ者。
「スペ…!」
見送る者。
「スペ先輩!」
向かう者。
「スカイさん、キングさん……っ」
迎える者。
「エル…?」
訝しむ者。
「エルコンドルパサー…!」
瞠目する者。
「…エル先輩」
見届ける者。
彼ら彼女らの夢を背負い、少女達が目指すはただ一つのゴール。
その頂点の座は、誰の手に。
(まだ“バーニング”って言うほど熾烈な1着争いしてねぇな…いやウンスとキングはやり合ってるけど)
あっそうだ(唐突)
明日も投稿します
エル
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落ち込んドルパサー
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立て込んドルパサー
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道混んドルパサー
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打ち込んドルパサー
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掻き込んドルパサー
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めり込んドルパサー