pixivに溢れ返っている豊作なテイマク・マクテイ
Twitterで時折流れてくる濃厚なフラウンス
の提供で(生命を繋いでいる筆者が)、お送りしています
ちなみにセイウンスカイ来ませんでした。サクラ爆死ンオー
期待していた。
贔屓目も否定出来なかった。
……だというのに。
「全てを、超えていったわね」
マルゼンスキーの言葉と、それに対する二者の沈黙が全てを物語っていた。
「…タイム、デビュー時の貴女に匹敵するわよ。ルドルフ」
「……」
「ルドルフ?」
そこで、東條ハナとマルゼンスキーは気付く。
ルドルフが秘めていた、その感情の存在に。
「…素晴らしい」
思わず、マルゼンスキーは身震いした。戦友が漏らしたあまりの殺気に、全身の毛が逆立った。
「……素晴らしい…!」
東条ハナは絶望した。自らが最初に手がけた最高傑作、しかしその実、自らがその次元にいない事を思い知ったから。
「駆け上がってこい、テイオー…!!」
この皇帝の渇きを、癒してみせろ。
ーSide:スピカー
「いやぁ、参ったな」
「何がだ?」
「見ろよ、この記録」
「うへぇ」
焼きそば販売から戻ってきたゴールドシップに、西崎リョウーースピカトレーナーはストップウォッチを見せる。それを見たゴルシはこれまた、とんでもない表情でそれに応じる。
「ヤバいのはこれでまだ本気100%じゃないって事だ。マジでやる気を見せたのは最後の400m、それ以外はそこまで本腰入ってないのにこの記録だぜ。なんで最後に急にやる気を出したのかは分からんが……」
「理由なら心当たりがあるぜ。凱夏が最終コーナーから見える位置に見に来てた」
「凱夏君が来てたのか!?」
「おう。テイオーはご執心のようでしたなぁ」
「って事はリギル志望かな…うーん、中距離って事はウチのメンバー全員と競合するだろうし、こりゃこっちからすれば前途多難だぞ」
頭を抱えるトレーナーに、ゴルシはまるで他人事のように焼きそばをつまむ。が、唐突に思い出したように問い掛けた。
「そういやトレーナー、凱夏とはあれから話した?」
「話せてないんだよそれが。明らかに避けられてるし、おハナさんも何回か機会を設けてくれてるんだけどそれも空振りで……」
「早めになんとかした方が良いんじゃね?」
「だよなぁ」
増え続ける頭痛の種に、トレーナーは瞑目。しかしそんな彼を他所に、ゴルシと時間は悠々自適に過ぎ去っていくのだった。
ーSide:マックイーンー
「…何ですの」
情熱が、燃える。
「…何なんですの、あの走りは」
情念が、燃え盛る。
小生意気な娘だと思っていた。何故か入学式の時も席から睨み付けてきて、意地っ張りで、初日の練習でも勝手に喰らい付いてきて、挙げ句の果てに筋肉痛を無理やり隠して虚勢を張り、此方のハンカチにまで難癖をつけてくる。
それでいて快活で、突拍子も無く無邪気で。妹がいたらこんな風なのでしょうか、とすら思っていた。
変わった。変えられてしまった。
あの走りは長距離でも通用する。油断すればきっと、私の領分も踏み荒らして勝利を掻っ攫っていくだろう。
でも違う。そうじゃない。大事なのはそこじゃない。
彼女に勝ちたい。あの走りに勝ちたい。自分の得意な距離では意味が無い、彼女の得意な距離で勝たなければ意味が無い。
マックイーンは負けたのだ。あの走りに。今日のテイオーの情熱に。
あの輝きをマックイーンは知らなかった。今の自分に出せる気がしなかった。最後の直線で、自分に無い力を持つテイオーに差される幻覚が見えてしまった。
欲しい。私も、あの力が。
どうすれば手に入るだろうか。彼女と一緒にいれば分かるのか?それとも、やはり自分自身と向き合いその内に答えを探すしか無いのか?
「おうマックイーン、どうだったよ今日のレース」
「…ゴールドシップ先輩、でしたか」
「覚えてくれて光栄にございますですぜぇぇぇ」
舌出し変顔でダブルピースしてくる頭のおかしい先輩に辟易し、踵を返そうとするマックイーン。しかし、その歩みはゴルシの次の一言で止まる。
「テイオーに勝ちたいか?」
「…!」
先程とは違い、巫山戯の無い真剣な声音。そこに眠る真実味に、彼女は惹かれてしまった。
「貴女に分かるんですの?私の求めている物が」
「分かるし、ウチが多分それに一番早く近付けると思うぜ」
揺るぎない自信に裏打ちされた威風堂々。その態度に、マックイーンは揺らぐ。
確か、ゴールドシップが所属していたのはあのチームスピカ。あのサイレンススズカを育てているあの西崎トレーナーの手腕は確かだ。
しかし、そうすればリギルに入るであろうテイオーとは別のチームになるだろう。そうなれば、彼女から何かを盗み取るというのは難しくなる。
だが……
「一つ聞きます」
「何だ?」
「そこに入れば、テイオーに勝てますのね?」
「そりゃそうだろ」
当たり前の質問。だが、それに対するゴルシの態度で全ては決まった。
チームスピカは“勝ちに行くチーム”なのだと、よく分かったから。
「良いでしょう。一先ず仮入部という形で、貴女の提案に乗って差し上げますわ」
「おっ良いねぇ!じゃあ、ハイこれ」
「なんですの?」
「ゴルシ風カルメ焼き。次の短距離レースで全部売り切るぞ!!」
「ちょっ、待ちなさい!私だって暇ではありませんのよ!?」
「これがゴールドシップ様直伝の、スピカ洗礼じゃーい!!!」
「何言ってますのぉぉぉ!?!!?」
早速後悔するマックイーン。しかし、彼女の道はここから始まる。
帝王と共にターフを舞う名優の歴史が、ここから。
この物語を描く上で一番困ってるのはネイチャの年齢設定
1期時系列の毎日王冠に出すと2期の菊花賞に出れねぇんだよ……