現在では多くのハンターが愛用しており、いまなお多くのモンスターを打ち破っている。今回のレポートはガンランス同様比較的近距離だが、現在のガンランスさえも凌駕するとされる大火力砲撃を目指して開発された兵器正式名称場スターハルバード、ペットネームとしてミョルニルという名称が与えられた兵器が実在していた。
この兵器を簡単に説明すると両手で持つ柱のように大口径の大砲に近接用と砲撃時に発生する硝煙から目や肺を保護するシールドと接近戦用の斧刃を装備した武器である。
ガンランスは片手でも持ち歩けるように設計されているが、ミョルニルは両手を用いて運用する必要があり、ガンランスのように盾を装備することが出来なかった。そのため、防御力が低く扱いは極めて難しいものだった。さらに、開発当時の技術では砲撃による衝撃への耐久性が不十分だったことが原因で砲身が変形してしまうというアクシデントが起きてしまい、砲身強度と人の手でも運用できるほどの軽量さを両立することは出来ずミョルニルは開発が打ち切られていた。
だが、私のもとにミョルニルの改良に成功したためこれの再開発および運用認可を希望する手紙がきた。
今回のレポートは改良されたバスターハルバードを評価するものである。
今回行われ、バスターメイス運用試験は私が立ち会う以前にも運用試験が三回ほど行われた。
一つ目の試験では
火薬進歩が今よりも進んでいなかったがゆえに、弾薬に大量の火薬を詰め込む必要があった。その結果、ミョルニルのアキレス腱ともいえる弾倉が今よりも大型となっており、引火・誘爆のリスクが指摘されていた。さらに弾倉の材質そのものと断熱材の質そのものの不十分によりモンスターの火炎弾によって実際に弾薬庫に引火・誘爆するという事故が発生。
二つ目の試験では進歩した火薬と断熱材そして砲身材を採用したことにより引火・誘爆のリスクを軽減したものの、冷却方法の確立が不十分であったことが起因となった過度の熱疲労が原因で戦闘中にミョルニルは破損してしまった。
三つ目のこの試験では
再設計と新規素材の採用により放熱性能の向上と軽量化された砲身にさらに補助器具を導入し、取り回しの改善を施したことで実践に充分投入できるほどの改良に成功したとの報告を確かめる意味合いも含まれている。
今回は伝統のある村を訪れた。
この村にミョルニルの再開発をめざした試験運用を依頼した依頼主がすんでいるようだ。
この村を見渡してみると、比較的工業に力が入っているようだ。
指定された住所を訪ねるとそこには壮年の男性がいた。どうやら彼こそミョルニルの試験運用を希望した本人のようだ。
「はじめまして。私がギルドから派遣されたゲオルグです。」
「そうかい。まあ、よろしくな。」
にべもない返事が返ってきた。
ちょうどその頃、彼は今回試験運用する予定のミョルニルを整備していた。
とりつく島もないような雰囲気をまとっていたが、私は思いきって彼が今回の試験を希望した理由を聞くことにした。
「よろしければ今回の試験を申し出た理由を教えていただけますか?」
「さあな。そういうおめえはなんでそんな仕事をしてんだ?」
「私は、かつて歴史学を学ぼうと志しており、農作業の間をぬって古本屋から買った歴史本を学ぶという毎日を繰り返す。そういった生活をつづけていました。
しかし、私の村の田畑はギルド公認の大規模な工業企業に買い取られました。」
[畑とかも持っていかれたわけか。そりゃ気の毒だったな。]
[そうでもありません。確かに畑は工場に変わりましたが、ギルドの立ち会いのおかげで公害などは発生せず安全に稼働しており、私自身も工場に勤めて学者を目指せるほどのお金を稼ぐことが出来ました。もしも、あの工場の安全性を評価してくれていなかったらあの工場と評価をしてくれたギルドのおかげで今の私がいるといって間違いはないでしょう。そこに、生まれもった好奇心も相まって私は同じように発明品の評価をしようと思いました。]
「...」
「私だけではありません。村全体に多くの資金が提供されたことで生活は便利になり村人にも雇用が与えられました。」
私は、会話に熱が入ったのか、言葉を続けていたが、彼にすぐに遮られた。
[畑耕しもか?]
その眼差しは冷ややかな眼差しとなっていた。
[確かにおめえ含めた大勢の村人は便利な生活とより稼げる仕事にありつけて幸せだったのかもしれん。だが、中には自分の居場所、築き上げてきたものをとられたものもいたんじゃねぇのか?]
「どう言うことですか?」
「その言葉はイラつくんだよ。例え稼げなくても、持ち主にとっちゃ畑は大切なものだったかも知れねえじゃねえか。」
彼は語気を荒げていた。
[...申し訳ありませんでした。不注意な発言をしてしまいました。]
[全くだ。おごり高ぶったムカつく物言いだったよ。だからこそ。だからこそだよ。おめえみてえな連中にこそ見せつけてやりたいんだよ。俺たちはぐれものの執念というやつをよ。]
「執念...ですか...」
「ああ、てめえの大事なもんを否定してくる奴らの眼を丸くさせてやりたいとな。」
その語気には確かな執念を感じられた。
今回実施する狩猟作戦は砂漠物資輸送路安全の確保のために、その脅威となっているG級個体の角竜ディアブロスをミョルニルを用いて狩猟し、その成果を含めて、ミョルニルの実用性を評価する。
今回使用するミョルニルは、基本フレームは最近になり精製が可能となった金属で建造し、g級個体の火竜リオレウスの素材で補強されている。火薬は現在普及されているボウガン用の火薬が採用されている。
砲弾弾頭は複数開発されており、大砲の砲弾のように着弾時に大きな爆発を起こし、敵モンスターにダメージを与える破裂弾が特徴的だ。さらに、
大型モンスターの牙から作られた徹甲弾を弾種のひとつとして採用しており、ゆくゆくは敵体内に毒や捕獲用麻酔薬を流し込む特殊弾頭をやがては開発するようだ。
大型モンスターの牙は比較的高価であるため今回は破裂弾をメインとして採用している。
「本当に私は観測するのみでよろしいのですか?」
「ああ。足手まといを抱えながらの戦いなんてまっぴらなんでね。くれぐれも邪魔するなよ。」
悪態をついてから、彼は向かった。
これ以上は私も口出しは出来なかった。私に出来ること否、しなければいけないことは確実に試験の結果を持ち帰ってギルドへと帰還することだ。これだけはなんとしてもなさなければいけない。
角竜ディアブロス。砂漠の暴君と呼ばれるほどに攻撃的な性質を持ち、自らの縄張りに侵入してきたものは例え戦意を失い逃げ回っていても殺しにかかる。角竜の通称が示すとおり、想像を遥かに越える重量と硬度を誇る2本の角と甲殻を備え、その角を振り回し相手を突き殺すほどの筋力を誇る恐るべきモンスターだ。念入りに用意をしなければこのモンスターに挑むことは不可能だろう。有効なアイテムは可能な限り使用する
彼はディアブロスに接近し攻撃を仕掛ける。彼に気づいたディアブロスは大きな咆哮をあげるが彼はこれを上手くいなし、背中に懸架していたミョルニルを手に取り、照準を定める。
「食らえ!」
ガンランスの約1.5倍の口径の砲身が火を吹き、徹甲弾をはなった。徹甲弾は熱砂と地中により鍛え上げられたディアブロスの甲殻を食い破り、ディアブロスの体を穿ち大きなダメージを与えた。当然ながら、その砲撃の反動は凄まじく、大きな負荷がかかったことは私の目にも見えた。それでも彼は適切な姿勢と補助器具の効果により砲撃の負荷を最小限に抑えている。相当な鍛練を積み重ねていたのだろう。彼は他人では真似できないほどにミョルニルを使いこなせている。
しかしながら、ディアブロスはこれだけで倒せるようなモンスターではなく、寧ろディアブロスを刺激したことで状況は一気に緊迫とした。当然ディアブロスは殺気を放ちながら鋼鉄のハンマーの比ではない破壊力を秘めた尻尾を振り回すことで反撃をした。これを受けてしまったら致命傷になりかねない。
彼は鈍重な装備を身に付けながらもデイアブロスの両刃斧のよう形状で、巨大なハンマーとなる尻尾による反撃をうまくいなした。直後に薬莢の排出と砲弾の再装填を行い、シールドにより視界が制限されるにも関わらずディアブロスの弱点のひとつである首元に目掛けて砲撃を直撃させた。強烈な一撃を受けてディアブロスがのけ反っている隙をついて力一杯にミョルニルを振り下ろしたことにより、斧状の刃がディアブロスに大きな打撃を与えた。しかしながら、気性の荒いディアブロスは激昂し、反撃ののろしと言わんばかりに大きな咆哮を上げてきた。幸いに、私も彼も急遽耳を塞いだことにより、影響は最小限に押さえられたものの、怒りによってディアブロスの挙動の速度は先程とは目に見えるほどに変化している。もしもあの場所に私がいたら捌きれることなくディアブロスに屠られていただろう。
戦いは彼の優勢となっていた。だが戦闘中に大きな咆哮が鳴り響いた。私は双眼鏡を音がした方角へと向けた。
私は真っ青になった。私の目に斬竜ディノバルドが映ったからだ。
斬竜ディノバルド 獣竜種の大型モンスターの一種。
背中にまるで炎のような形の甲殻を備え、最大の特徴は大剣のような形状をした尻尾を生やしていることだ。金属成分も高い比率で含有した巨大な尻尾は飛竜の甲殻など簡単に叩ききってしまう。性格は獰猛かつ好戦的で大型モンスターに遭遇した時でも積極的に戦いを挑んでくる。ディアブロス一頭だけでも不安に駆られていたのだがここでよりにもよってディノバルドが介入してくるとなるともはや試験運用は絶望的だ。
[想定外の乱入です!ここは一度撤退を提案します!]
[ふざけんじゃねえよ!ここで撤退など出来るか!]
私は慌てて撤退を提案したがすぐに怒声が帰ってきた。
「しかし、いまの状況では...」
[だまってみてやがれ!]
これ以上口出ししても彼が動くことはないと悟った私はそれ以上はなにも言えなかった。それに下手に声をかけたら彼の集中力を削いでしまうかもしれない。そう自分に言い聞かせてなにも声をかけなかった。
今思い返したら私はただ言い訳しているのかもしれない...あのとき、何かしらの方法で彼を止めていたら結果も変わっていたのかもしれないというのに...
やはり、ディノバルドはこの戦いに参戦し、ディアブロスそして 彼の三つ巴の戦いとなった。予想していたよりも状況は極めて困難だ。それでも彼は運用試験を続けるようだ。しかしながら、無策で挑むわけではない。まず、彼はモンスター同士が攻撃を流れ弾の要領でお互いに攻撃し会う用に立ち回った。機動性に劣るバスターメイスを装備しているがその挙動に無駄が見られないゆえに、上手く攻撃を捌きる立ち回りを見せつけて、両モンスターを誘導している。目論見通りといったところか、ディアブロスとディノバルドはお互いに攻撃しあった。
同然、両モンスターがいつまでもお互いにのみ攻撃を仕掛けるのみでおわるはずもなく、彼にも攻撃をしかける。しかし、彼はことごとく捌ききり、隙を突いてはバスターハルバードの強烈な砲撃を撃ち込んでいき、甲殻をえぐり、力一杯でいて正確な打撃で甲殻を砕く。それを繰り返してディアブロスとディアブロスを追い詰めていく。
このまま一気に両者を討伐とはいかずとも、せめてどちらかが退避することを願っていたが、やはりそうはいかないようだ。この二匹は両方とも簡単には引き下がらない性格だ。この三つ巴の戦いは長丁場となるだろう。
しかしながら、戦いを傍観している私でさえも、いつ倒れてしまうかわからないほどの酷暑により一瞬だがに隙が生じてしまった。好機とばかりにディアブロスは想像を絶するほどの重量を誇る双角をかざして猛突進した。その突進はディノバルドごと彼を突き飛ばした。幸い急所は外したものの 左外腹斜筋がえぐれて、突き飛ばされた衝撃で血を吐き出していた。
ディノバルドも突き飛ばされたことにより、胴体の甲殻を穿たれ、肉や骨を大きく抉られた。
見かねた私はその場に駆け込みそれと同時に閃光玉を投げてディノバルドとディアブロス両方の目をくらました。バスターハルバードと彼を載せて救助用リアカーを全力で走らせた。
一心不乱に走り込んだからか、気がついてたときには救助用リヤカーでベースキャンプになんとか帰還した。正直あの状況からよく逃げきれたものだと自分自身でも感じてしまう。
「借りができてしまったか...ゴフッ!」
「まだしゃべってはいけません!」
補助器具が破壊されてしまった。これにより、機動性はより悪化してしまった。それでも彼は戦意を失う素振りが見えない。止血などの応急処置をすませたら、すぐに回復薬グレートを2本立て続けに飲み干し、ディアブロスとディノバルドがいる場所へと向かった。
「その体では、無茶です!かつての問題点は全て解決しています!これ以上戦っても無意味です!」
「黙ってみてろといっただろう!」
一際威圧的な怒号に私は言葉を失った。
「さっきみてえなヘマはしねえよ。安心しろ。」
「...」
言葉をつまらせていた私だが、進言することにした。
「それでは、先程のような事態になったら実験は中止させていただきます。勿論、そうならないようにとは思っています」
「ふん、えらそうに。おめえはおめえの仕事に集中しやがれ。」
彼は悪態をつきながらも気配りの言葉を送ってくれた。
彼は先程と同じように上手くモンスターの攻撃が相手モンスターに当たるように誘い込む。反撃を仕掛ける。
ディアブロスは彼を目にすると地中に潜り込んだ。敵の真下に潜り込み突き上げるというディアブロス最大級の大技を仕掛けた。彼は敢えてディノバルドの間近に飛び込んだ。
その一撃を回避すると同時にディノバルドに命中するように仕向けた。今度は直撃とまではいかなくても充分なダメージを与えられたことが私からでも確認出来た。
その一方で突き飛ばされたディノバルドもすぐに立ち上がり、怒りの咆哮をあげた。激昂したディノバルドは報復として喉で生成された火炎弾を乱発し、そのうちの何発かをディアブロスに直撃させた。一方で 彼は飛んできた火炎弾を全て回避した。しかしながら、先程のダメージの影響は目に見えている。砲撃の反動制御も今の状態では正直できているのが不思議に思えてくる。
ディアブロスとディノバルド両モンスターの強烈な一撃を回避し、的確なカウンター攻撃を仕掛ける。
しびれを切らしたであろうディノバルドがとどめをさすかの如く、ディノバルドは尻尾を噛み、そこから引く抜く形で摩擦熱を尻尾に溜め込む。ディアブロスも咆哮をあげて全力の突進を仕掛けようとしている。
「チャンスだ!」
彼は両者の間に入りこんだ。互いの渾身の一撃をぶつけ合おうと目論んでいたからだ。
一歩先と言うべきか、ディノバルドの斬擊はディアブロスの左角を叩ききった。自慢の角を切り落とされたディアブロスはバランスを崩しとものの、怒りは頂点に達した。もはや彼を見向きもせず渾身の突撃でディノバルドの大きな身体を穿ち、大きく振り上げた。ディノバルドの巨体が宙を舞い、すぐに地面へ激突した。
彼の目論みは成功した。
のやり取りが続き、ディアブロスとディノバルド両モンスターを討伐に持ち込んでほしい。
しかしながら、狩猟の世界はそのような甘い希望的観測を打ち砕く。
ディノバルドは至近距離から火炎弾を連射し彼
ごとディアブロスを攻撃した。一方のディアブロスもなぎ払うようにその尻尾を一回転させた。その結果、まずディアブロスの尻尾による重い一撃が彼の体制を崩させた。そこにたたみかけるかのごとく、ディノバルドによって連射された火炎弾のひとつが体制を崩した 彼に直撃した。
着弾した火炎弾の激しい爆発により、彼は大きく吹き飛ばされ、身を守っていた防具は半壊し、彼自身の肉体にも大きなダメージを与えた。これ以上の戦闘は無理だと私の目にも明らかだった。
私は再び閃光弾を投げてディアブロスとディノバルドの視力を一時的に奪い、彼を再びリアカーにのせて一時退却を行った。
これではさきほどと全く同じではないか。自分自身のふがいなさに打ちのめされそうになるがその感情を抑えてベースキャンプへとひたすらに駆け込んだ。
「もう無理でしょう!これ以上戦ったら貴方は ...」
「バカヤロウ!」
拳が私のほほを打った。満身創痍の人間のものとは思えず、歯が折れてしまいそうだった。
「もはや俺にはこれしかねえんだよ...」
彼は絞り出すように言った。
「こいつは俺そのものだったんだよ。時代の流れに上手く乗れなかった。だからずっとうずくまっていた。技術が進歩する度に「あのときこの技術があったらミョルニルは...」といつもいつも思っていたんだ。やっとそのときが来たんだよ。それに...」
「それに...?どうしたのですか?」
「そもそも俺は酒に溺れたからか、あと少しでくたばるようだ。だったら、最後の最後でひと暴れしてえだろうが。」
「...それなら約束してください。絶対に生命を捨てるようなことをしないと。生きて帰還すると。」
「わかったよ。うるせえな。」
顔を見せることなく彼はぶっきらぼうに返事した。
ディアブロスの生命は尽きようとしている。それでもディアブロスは向かってくる。
「止めだ!」
ミョルニルは特別大きな砲声と硝煙を上げてディアブロスを貫いた。
ディアブロスは崩れ落ち果てた。しかし、ほとんど同時に 力尽き倒れた。
私は彼を再びリアカーにのせ、ベースキャンプに向かった。
「ディアブロス討伐おめでとうございます!これでミョルニルことバスターメイスの有用性は充分なものだと太鼓判を押せます。」
「ああ、そうだな。だが、ディノバルドはまだ倒していねえ。」
相変わらず反応はそっけない。目標はまだ達成されていないかのようだった。
「今から迎えを呼ぶために信号弾をうちます。その後は休憩をしましょう。」
「言われずとも先に休んでるぜ。」
彼はそう言い、テントへと入っていった。
そう言ってまもなくキャンプのテントから彼がビールが入った樽で出来たジョッキを二つ持って現れた。
「おい、一杯付き合え。ディアブロス討伐の祝い酒だ。」
「確かに私の好物はビールですが、失礼ですが貴方のお体は大丈夫でしょうか?」
「一杯くらいどうってことねえよ。気にしすぎなんだよ。」
「...わかりました!評価試験終了を祝って乾杯!」
私は彼とのみ交わした。
塩ゆでした枝豆をあてにビールを嗜んでいたが
途中で私はものすごい睡魔に襲われ、その場で眠りについてしまった。
後日振る舞われていた酒にはネムリ草が含まれていたらしく私は眠りについてしまった。
私が目を覚ましたとき真っ先に目に写ったのは、救助隊の隊員の顔だった。
私が救助隊と共に向かったころには、ディノバルド、ディアブロス両モンスターを討伐こそしたものの、もう助からないまでに負傷した彼が倒れていた。
それでも私たちは諦められなかった。何とかして彼を救出しようとその場にいるものと一緒にできる限りのことを試みた。
「みたかよ。これがはぐれものの執念さ。この執念をしっかり書き付けてくれや...」
「言ったじゃないですか!絶対に生きて帰還すると!」
「ああ、すまねえな...けれどありがとうよ。こんな俺にたいしても生きてくれって願ってくれてよ...」
その言葉を残して
息を引き取った。
彼が息を引き取った数時間後にようやく増援が駆けつけた。彼らから到着が間に合わなかったことへの謝罪の言葉を受けた。
「お気になさらず。あの人は悔いを残すことはなかったですから...」
この言葉をもってしかわたしは返事をすることが出来なかった。返事をする資格がないと思ったからだ。
私にはハンターとしての才能も勇気もない。だが何があっても彼が見せてくれた執念を刻み込んでいくつもりだ。
そして、何らかの形で私も彼が見せてくれた矜持を持てるようにしたい。
この兵器が開発された当時よりも、現在の
材料工学が進歩した現在ならば当時抱えていた問題点※
かつて抱えていた火薬の暴発は克服されたものの、それでもなおこの兵器には普及させるには重量と取り回しにおいていまだに改良の必要があることは否めなかった。
しかしながら、運用試験の結果、角竜ディアブロスと斬竜ディノバルドの撃退には成功したことから、この兵器にはモンスターの狩猟においては十分なポテンシャルを秘めており、現在の工学技術そしてこれまで運用されていた兵器の運用ノウハウに沿った再設計を施して先述した重量と取り回しを改善すれば間違いなく他の兵器にも負けないハンターの戦力になるだろう。
先述した通り、
今回の運用試験結果により砲身強度不足による破損リスク、近接戦闘が原因となる砲身の破損といった問題は克服された。
設計、火薬、その他各種技術の改良により、弾薬庫の引火も十分に改善された。実際に、断層部分には最新の断熱材を仕込むことでディノバルドの火炎弾にたいしても誘爆することなく戦闘できた。
安全性における問題は全て改善したと言えるだろう。
ミョルニル、正式名称バスターハルバードが不採用となった問題点も現在の技術ならば克服できたと私は信じたい。そのためこの兵器の採用の一考を希望する。