バカと戦略と召喚獣   作:トッキ―

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神崎仁の休日編、記念すべき一話目です!


第十四話 神崎仁の休日①

 朝ご飯を食べて顔を洗った後、出かけるための服に着替える。上は白いTシャツに赤いチェックの服、下には黒いズボンだ。そして腰にはポーチを装着している。

 時刻は午前九時二十分。少し早めに出ようと玄関に向かう。

 

「それじゃあ、いってくるな」

「気を付けてね」

「友達連れてきてね~」

 

 二人に見送られて家を出る。そして秀吉の家に向かって歩く。とは言ってもすぐについてしまうのだが。インターホンを鳴らし、秀吉を呼び出す。ドアの向こうから声と共に足音が聞こえてきた。ドアが開き、中から秀吉が出てくる。

 

「おお、仁。おはようじゃ。今朝は早いのう」

「おはよう秀吉。予定より少し早めに出てきたんだ」

「そうじゃったのか。少し待っておれ。すぐに戻る」

「わかったよ」

 

 そう言って秀吉が奥の方に消えていく。俺は玄関に立ったまま辺りを見渡した。左側にはリビングにつながっていると思われるドアがあり、右側にもドアがある何の変哲もない普通の玄関。けど、普通だからこそ安らぐというか、落ち着くんだよな。

 

「秀吉~。誰だった…の……」

 

 左側から優子が出てきた。そして俺の姿を見るや、その場で固まってしまった。

 

「やぁ優子、おはよう」

「あ、お、おはよう仁君! どうしてここに?」

 

 なにやら慌てている様子の優子。こんな早くにいたら驚くのも無理はないか。

 

「昨日、明久から誘いがあって、秀吉と行くところだったんだ」

「そ、そうなんだ」

 

 優子の服装は黄緑色のワンピースだ。優子もこれからどこか行くつもりなんだろうか。

 

「その服、とても似合ってるよ」

「あ…ありがと……」

 

 俺は思ったことを口にする。すると優子は顔を赤くしていた。いや、本当に似合ってると思う。容姿もいいから可愛さがさらに上乗せされている。

 

「朝からお熱いの~姉上達は」

 

 俺と優子が話をしていると秀吉がニヤニヤしながら戻ってきた。

 

「違うぞ、秀吉! これはただ話をしていただけで」

「そ、そうよ!」

「そういう事にしておくかのう。仁よ、そろそろ行くぞい」

「そうだな。じゃあね、優子」

 

 優子に別れを告げて家を出る俺と秀吉。目的地である公園に向かっているときも秀吉はニヤニヤしながらさっきのことを掘り返してきた。くそー、いつか仕返ししてやるからな。

 

 

 

 

 

 

 道中、秀吉と他愛のない話をしながら商店街まで歩いて数十分。公園のある商店街に到着する。

 

「秀吉。ここから公園まで俺はどう行けばいいかわからないから、道案内よろしくね」

「承知した」

 

 昨日まで商店街にある公園の存在を知らなかった俺は、秀吉に道案内をお願いする。そう遠くないらしく、歩いて五分もかからないと秀吉は言っていた。

 

「ここじゃ」

「おお、いい場所じゃないか」

 

 秀吉に案内されながら到着したその場所はとても静かで入った瞬間、心が落ち着く雰囲気を肌で感じた。ところどころにベンチが配置されており、ある場所ではで老人夫婦が、あるところでは主婦と思われる人たちが座って話をしている。そして、あるところでは……

 

「……浮気、許さない」

「ぐわぁー! 離せ、翔子ー!!」

「よ、吉井君。これはどういう事なんですか?」

「説明しなさいよ、アキ!」

「いや、あの、これは」

「……(ピクピク)」

 

 アイアンクローを決めている翔子と決められている雄二。瑞希と美波に詰め寄られている明久と、鼻血の海に沈んでいる康太の姿があった。

 

「……なにこれ」

 

 どうしてこうなった。隣の秀吉も唖然としていた。

 とりあえず周りの視線も気になるので、公園にそぐわないこの空気を何とかするために俺と秀吉は行動に移ったのだった。

 

 

 

 

 

 みんなを落ち着かせ、どうしてこうなったのかを聞いてみると、まず明久がこの公園に来て、その次に雄二が来た。二人で並んでベンチに座っていると、どこからか翔子が来て、雄二が浮気をしていると言ってアイアンクロー。それを見つけた康太がカメラを構えて翔子の撮影(ローアングルから)を開始。そして鼻血を噴出。明久が治療をし、復活すると同時に明久と康太による写真の交渉が始まる。交渉が終了した瞬間に、たまたまこの辺を歩いていた瑞希と美波に遭遇。慌てて写真を隠す明久だが、その内の一枚である秀吉の写真が美波の足元に落ち、二人による尋問を受ける。康太が二度目の撮影を(もちろんローアングルから)始めるが、再び鼻血の海に沈んだ。これが、さきほどの空気になった原因らしいが、この話を聞いて俺が思ったことは……。

 

「お前らツッコミどころ満載だな! 翔子、雄二が浮気していると言っていたが、男の明久と浮気するわけないだろっ! それと明久、生活費が危ないと言っておきながら秀吉の写真を買うんじゃない! 瑞希と美波も男の秀吉に嫉妬しない! それと康太、鼻血を噴くのを分かっててローアングルから撮影するんじゃなぁーい!」

 

 一気にツッコミをしたせいで息が乱れる。こんなにツッコミをしたのは初めてだ。

 

「あ、仁君たちだ。やっほ~!」

「代表も一緒にいるわね」

 

 声のした方を見てみると、黄色い服の上にタンクトップを着て、ハーフパンツをはいている愛子と、家を訪れたときと同じ格好をした優子がいた。

 

「あれ、愛子に優子。どうしてここに?」

「ボク達は三人でどこか行こうとしてたんだ~。そこにいる代表も含めてね」

「待ち合わせ場所であるここにきてみたら、みんないるんだもん。びっくりしたわよ」

 

 なるほど。翔子がここにいる訳がわかった。二人と待ち合わせでこの公園に来て、そのときに明久と座っている雄二を見つけてはアイアンクローを決めて、さっきの状況になったというわけだ。にしても……

 

「みんな集まったな……」

 

 けど、今日の俺にとっては、昨日会ったばかりのメンバーがここに集合したのは嬉しい偶然だ。

 

「なあ、女性陣。午後の予定は?」

「私たちは特にありませんよ」

「そうね。さっき用事も終わったし」

「ボクたちも集まってから決めようとしてたから特にないかな~」

「そうね」

「……うん」

 

 女性陣の午後からの予定もないときた。これはラッキーだ。

 

「なら、午前中はどこかで時間つぶして、午後から俺の家に来ないか?」

 

 俺の提案に対し、みんなは、

 

「僕はいいよ」

「俺もだ」

「わしもじゃ」

「……同じく」

「いいですよ」

「ウチもいいわよ」

「アタシも」

「仁君の家か~。楽しみだなぁ~」

「……私も」

 

 全員が快く了承してくれた。これであいつらも喜ぶだろう。

 

「さて、どこで時間をつぶそうか?」

「そういえば、優子とここに向かっている途中に良さそうな喫茶店を見つけたんだ。みんな一緒にどうかな?」

 

 愛子の提案に全員が賛同し、俺達は喫茶店に向かったのだった。

 

 

 

 

 喫茶店に到着した俺らは話をしながら少し早めの昼食をとっていた。食後にはそれぞれがデザートや飲み物を頼み、満喫していた。途中から翔子が雄二に、愛子が康太に、瑞希と美波が明久に、そしてなぜか優子が俺にと、デザートの食べさせ合いが始まった。他のお客さんが一斉にブラックコーヒーの追加注文を頼んでいたが気にしないことにして、俺達は喫茶店を後にした。

 商店街から歩いて数分。集団で俺の家に向かっていると、明久が疑問を口にする。

 

「あれ? ここって秀吉の家だよね?」

「そうじゃ」

「そして、その二つ隣が……」

 

 俺は言葉の通りに、二つ隣の家の前で立ち止まる。

 

「俺の家だ」

「近っ!?」

 

 疑問を口にした明久が露骨に驚いている。他のみんなも驚いているのか言葉が出ないようだ。

 

「驚くのも無理はないじゃろう」

「アタシ達も気づいたの最近だものね」

 

 秀吉と優子はみんなの反応に納得していた。

 

「そういえば仁よ。隼人たちは家におるのかの?」

「ああ、美香と一緒にいるよ。部活も休みだし。今回俺がみんなを誘ったのも二人に頼まれたからなんだ」

「へぇ~、仁君兄弟いるんだ~」

「妹と弟がいるよ」

「そうなんだ~」

 

 話を聞いていたのか、会話に加わってきた愛子だが、すぐに優子の方に向き直って、

 

「よかったね。将来の義弟と義妹だよ?」

「な、何言ってるのよ愛子!?」

 

 耳元で何かを囁いては優子をからかっていた。優子は顔を真っ赤にしていたが、なにを言ったんだ、愛子?

 

「それじゃあ、入ってくれ」

『『おじゃましま~す』』

 

 俺が先導してドアを開け、みんなを家に招き入れる。

 

「ただいま~。二人とも、俺の友達連れてきたぞ~」

 

 リビングに入ると、美香がテレビを見ていて、隼人がPSPをやっていた。

 

「うわぁ~。兄さんいっぱい連れてきたねぇ~」

「あ! 秀兄に優子姉だ!」

「久しぶりじゃのう、隼人」

「美香ちゃんも元気そうね」

 

 以前うちに来たことのある二人はすぐに二人と話し始めるが……

 

「秀吉に優子。悪いがあとにしてくれ。それじゃあ二人とも。この人たちに自己紹介だ」

「そうだね。私は妹の神崎美香と言います。中学三年生でバレーボールをやってます」

「その弟の神崎隼人です! 中学二年生で野球部です!」

 

 美香は相変わらずの人見知りで途中から目が泳いでたな。それに対して隼人は堂々としている。

 

「美香ちゃんに隼人だね。僕は吉井明久。仁とは仲良くさせてもらってるよ。よろしくね」

「俺は坂本雄二。よろしくな」

「……土屋康太」

「姫路瑞希です」

「島田美波よ」

「……坂本翔子です」

「お前は霧島だろうが!」

「……うっかり」

「ボクは工藤愛子。スリーサイズは上から78、56、79。好きな食べ物はシュークリームで特技はパンチラだよ」

 

 ……愛子、その自己紹介はどうにかならないのか? 愛子の自己紹介に隼人が大きく反応していた。お年頃だな。

 

「さて、俺の部屋に……と思ったがこの人数は無理だな」

 

 ここにいるのは美香と隼人を含めて十二人。とても部屋に入れる人数じゃない。

 

「じゃあさ、みんなでこれやろうよ」

 

 そう言って美香が取り出したのはトランプだった。ナイスチョイスだ、美香。

 

「いいよ。みんなでやろう!」

「だが、人数が多すぎないか?」

「それなら心配ない。俺が趣味で使ってるやつが部屋にあるから、取ってくるよ」

 

 俺は立ち上がり、トランプを取りにいく。その後は男子と女子に分かれてババぬきや大富豪などをして遊んだ。途中からはUNOに変更して、全員でテーブルを囲んで楽しい時間を過ごした。UNOのあとは隼人の要望でレースゲームをやることになり、二人一組でペアを作ってコース毎に交替していく形をとった。翔子は迷わず雄二のところへ。愛子は康太、優子は俺、明久は瑞希と美波から誘われていたが、じゃんけんの結果で瑞希が明久と組むことに。美波は秀吉とペアになり、隼人は美香と組むことになった。最初は女子陣に譲り、ゲームが開始された。女子たちは今までの息抜きをするかのように楽しそうにやっていた。しかし、男子勢は違った。

 

「そこをどきやがれぇー!」

「危なぁー!?」

「……くらえっ!」

「当たらぬのじゃ!」

「わるいが一位の座は守らせてもらう!」

「ちょっとみんな速すぎない!?」

 

 そこは戦場と化していた。俺は一位独走。二位争いを明久と雄二が、秀吉と康太で四位を争い、隼人がその後ろで一人走っていた。

 

「一位もらい!」

「おっしゃ、二位だ!」

「くっそー、三位か~」

「……四位」

「五位か。悔しいのう」

「……みんな速すぎない?」

 

 一位が俺、二位が雄二、三位が明久、四位が康太、五位が秀吉、六位が隼人という結果で戦場が一旦収まり、息をつく俺たち。

 

「なんか、すごかったですね……」

「すごいってレベルじゃないでしょ。あれは……」

「どうやったらあんな走り方ができるのかしら……」

「……見ててわくわくした」

「ほんとにね~。ボクも見ててはらはらしちゃったよ」

「隼人も頑張りなよ」

 

 俺たちの白熱としたレースを後ろから見ていた女子たちが、それぞれの感想を漏らしていた。

 その後も俺らは交替しながらレースゲームを楽しんだ。

 

 

 

 

 

「お、もうこんな時間か」

「あ、ほんとだね。そろそろ帰らなきゃ」

「時が経つのが早いのう」

 

 時刻は七時を過ぎていた。夢中になってて気づかなかった。

 それぞれが帰る準備をして玄関に向かう。俺ら兄弟三人は見送るためについていく。

 

「それじゃあね。三人とも」

「また遊ぼうぜ」

「またなのじゃ」

「……おじゃました」

「今日はありがとうございました」

「またね、神崎」

「……お邪魔しました」

「今日は楽しかったわ」

「またね~仁君!」

「おう、それじゃあな」

「みなさん、今日はありがとうございました」

「また来てねー!」

 

 みんなが玄関から出ていく。これで残ったのは俺達三人だけになった。

 

「さて、時間も時間だし、飯を……と言いたいところなんだが、何も作ってないんだよな」

「なら、今日は弁当買ってきて食べようよ」

「さんせーい!」

「そうするか」

 

 今日は近くのコンビニで弁当を買うことにした俺らはすぐに準備をする。俺は財布を取りに行こうと部屋に戻る。財布をポケットに入れて部屋を出ようとすると携帯が震える。俺は取り出して画面を表示する。優子からのメールが届いていた。

 

 from 優子

『突然ごめんね。今日遊んだあとすぐで悪いんだけど、明日一緒にどこか出掛けない? その……二人っきりで』

 

 メールにはこう書かれていた。明日は俺も特に予定はないから……。

 

『いいよ。何時にする?』

 

 そう書いて返信する。するとすぐに返信が返ってくる。

 

 from 優子

『ほんと! よかった~。なら明日の十時にね!』

 

 返ってきたメールには不安があったのか、安堵の気持ちが伝わってくる。

 

『わかった。その時間に迎えに行くよ』

 

 俺は返信して階段を降りていく。玄関では美香と隼人が待っていた。

 

「遅いよ、兄さん。なにしてたの?」

「ああ、ちょっとな」

「早く行こうよ。腹減ってきちゃったよ」

「そうだな。行こうか」

 

 俺達三人は晩飯確保のためにコンビニへと向かうのだった。

 




「神崎兄弟の!」
「「ほのぼの談義~!!」」
「ここでは俺達、神崎兄弟ともう一人、ゲストをお呼びしてのんびりと談義をするコーナーです」
「記念すべき最初のゲストは今作品の作者であるトッキーさんです!」

 どうもこんにちは。トッキーです。

「さっそく俺からいくつか質問があるんだが、いいか?」

 答えられる範囲なら答えるよ。

「まず一つ目な。なんでこの作品を書こうと思ったんだ?」

 バカテスが大好きで、最終巻を読んで感動して自分でも書きたくなったんだ。

「なるほどな。それじゃあ二つ目。俺の召喚獣の装備なんだが、あれは?」

 俺自身がその小説のこと好きなんだ。腕輪も他の好きな作品を出したくてこの効果にした。

「なるほど。サンキュな。教えてくれて。俺からは以上だ。二人から何かあるか?」
「じゃあ私から一つ。トッキーさんが他に好きな作品はなんですか?」

 ゲームならテイルズシリーズで、小説はSAO、AW、『さくら荘のペットな彼女』、『生徒会の一存』などだね。

「教えてくれてありがとうございます」
「それじゃあ俺からも一つ。俺は野球部に入ってるけど、今後は試合の描写はあるの?」

 もちろん考えてるよ。いつになるかは分からないけど。

「そっか。俺の活躍も……教えてくれてありがと!」

 いやいや。

「時間も時間だし、そろそろお開きにするか」

 そうしますか。それじゃあ……

「読んでくださる全ての人に感謝を込めて……」
「「「またね~!!」」」
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