GOD EATER 神となった少年と神をやめし少年 作:Jaeger
だから彼は強くなる
守れないものを守りきるために・・・
「・・・暇だな・・」
自室のベッドの上でだるそうに寝転がりそう呟くユウヤ。
今日、彼は非番ではない、かといって行くミッションもなくこうなっていた。
「コウタの言ってたバガラリーでも見てみるか。」
そうは言うものの見る気になれない。
当たり前だ、彼はそういうものにはてんで興味がないのだから。
仕方なく、彼は自室を出てミッションに行くことにした。
「ヒバリちゃーん!今からミッション行って帰ってきたらデートいこーぜー!」
「はい、ミッションですね、わかりました。たしかカノンさんとでしたね。」
安定のスルー。がんばれタツミ。
「なんだ?タツミとカノン、これからミッションにいくのか?」
「ん、おお、ユウヤか。」
「あ、ユウヤさん、こんにちは。」
気づいたように挨拶をする二人。
それを聞いて二人に挨拶を返すユウヤ。
「どんな任務を行くんだ?」
「コンゴウ堕天種だ。危険なアラガミだが人手が足りなくて二人だけで行くんだ。」
「・・・よかったら俺も行こうか?ちょうどミッションに行こうとしてたしちょうどいいだろ。」
「そうか?そうしてもらえると助かるがリンドウさんの許可なしにはちょっとな・・・」
「じゃあ許可があればいいのか?」
「あの、いいんじゃないですか?聞いてみても。」
「・・・じゃあわかった、ちょっと待ってろよ。」
そういって通信機を取り出したタツミ。
(コンゴウ堕天種か・・・力試しにはちょうどいいな)
彼は今回の任務には自分の実力を試すためでもあった。
彼はもうすでに新人の域を超えていた。
タツミもそれは十分理解していた。
しかしそのせいか彼は少し恐怖心を抱いていた。
「・・・で、リンドウさん、どうなんですか。」
「おお、いいぞ連れてってやれ、ちょうどいいくらいだ。」
「・・・わかりました。」
そういって通信を切るタツミ。
「おい、ユウヤ、リンドウさんは良いそうだ。」
「そうか、じゃあよろしく頼む。」
「はい、よろしくお願いします。」
「・・・よし、それじゃ行くか。」
そういって歩き出す三人。
しかしタツミには一つだけ心配なことがあった。
(大丈夫か、ユウヤなら)
●
ここは嘆きの平原。
「このあたりにいるはずなんだが・・・」
「あの、あれじゃないですか?」
「おっ、いたな、ん?報告じゃ二体だけのはずなんだが。」
「まあいいだろ、何匹いたって関係ないな。」
「・・お前簡単に言うなよな。
ま、とりあえずはやるぞ、ユウヤ、お前は遊撃を頼む、それじゃ、いくぞ!」
タツミが相手との間合いを詰める。ユウヤは神機を銃形態に変形させ銃弾を放つ。
弾は五発発射され見事全弾命中した。
「グアァァァァァァァ!」
悲痛な叫びが聞こえる。その間にタツミは目の前まで迫り斬撃を放つはずだった。
「うおっ!」
その瞬間彼の身体は突如起きた爆風に巻き込まれた。
何があったのかと思い彼は隣にいるカノンを見て驚いた。
「射線上に入るなって、私言わなかったっけ?」
さっきの爆風は彼女の仕業のようだ。
そして彼は気づいた。さっきまでの彼女と違うことに。
「・・・カノン?」
「ユウヤもあんな風になりたくなかったら射線上に入らないことね。」
(・・・今、呼び捨てにされたな・・俺)
そういって銃撃を続けるカノン。タツミはそれにあたらないように必死に避けている。そして
気が付くと彼は自分の前にいた。
「・・・なんだ、あれは。」
「・・あいつ、極東、いや世界一といってもいい位、味方への誤射が多いんだよ。
お前も気をつけろよ。下手すりゃああなるぞ。」
そういってタツミの指さす方を見るとコンゴウ堕天種が銃撃の嵐の餌食となっていた。
「それにどういうわけか戦っているときは、あいつ性格が変わりやがるし。」
「・・・もう二重人格みたいだな。」
「おれはそう思うがな。」
「そらそらそら!ひゃはははははははははは!」
そう笑いながら銃弾を発射しているカノン。しかしここで
「弾切れか、こんな時に。・・・・クソッタレが。」
「・・・今あいつなんつった。」
「クソッタレだと、変わり過ぎだろ、ん?弾切れってやばいんじゃないか?」
「援護するぞ!あいつ今無防備だぞ!」
そういっているうちにコンゴウ堕天種がカノンに迫る。
それを阻止するべく走っていくユウヤとタツミ。
「させるか!」
「止まりやがれ!」
二人が二体のコンゴウ堕天種の動きを止めた。
しかし残りの一体の動きは止められなかった、が、その必要はなかった。
「塵にしてやる!」
そういってコンゴウ堕天種に無数の銃弾を浴びせる。
「とっとと終わらせるぞ!」
「ああ!」
「わかってるわよ!」
●
「これで終わりだ!」
最後の一体に剣を振り下ろしたユウヤ、どうやらすべて片付いたようだ。
「あの、大丈夫でしたか?」
「ん?ああ、俺は大丈夫だ、お前は大丈夫か?」
「は、はい、私は大丈夫です。あの、タツミさんは大丈夫ですか?」
「・・・・察してくれ。」
「・・・・・・すいませんでした。」
タツミはかなりカノンの誤射に巻き込まれていたせいか、相当疲れていた。
しかしユウヤはまったく誤射に巻き込まれることなく戦闘を終えていた。
「しかし、堕天種にもなるとさすがにきついな。」
「でも、お前ももう新人なんてもんじゃないな、お前一人で二体は仕留めちまったしな。」
「?そうか、でも俺もまだまだだ。もっと強くならないとな。」
そういって遠くを見るユウヤ。彼の顔は確かに笑っているように見えるが目は泣いているように見えた。
その時タツミは違和感を覚えた。
ミッションに行く前の時の彼とは違い今の自分に恐怖心は微塵もなくあったのはただ一つ。
そう、彼を信頼し頼るという心だった。
(・・・考えても仕方ないな)
ここでそんなことを考えるのをやめるタツミ。
「よーし、そろそろ帰ろうぜー。」
「はい。」
「ああ。」
呼びかけに答え後に続く二人。
そしてその前を歩くタツミ、そのあと彼はヒバリとのデートをあっさり断られたのは言うまでもない
続く・・・