GOD EATER 神となった少年と神をやめし少年   作:Jaeger

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思い出、すなわち過去。


人は誰しも楽しい思い出ばかり残っているわけではない。


こんな世界でそんな人間ばかりではない。


そう、ユウヤもその一人だった。


ユウヤの過去

「………はぁ……」

 

 

ここはベテラン区画にあるユウヤの部屋の前。

そこに大きく深呼吸をして心を落ち着かせている少女がいた。

 

 

彼女はクロナ、ユウヤに想いを寄せている一人だ。

しかし、どうやら今回はそんなメルヘンチックな様子ではないようだ。

 

 

「大丈夫……かな…?」

 

 

彼女は何かを心配している様子で部屋のドアをノックする。

 

 

「………」

「…あれ?」

 

 

思わず変に思う。

なぜなら彼は今日非番だ、ユウヤは非番の時はよっぽどのことがない限り部屋からは出ず一日中部屋の掃除をしているからだ。

 

 

仕方なくあきらめようと、その場を後にしようとすると前の方から二人の少女が歩いてきた。

 

 

「クロナ、どうしたの、そんな暗い顔して。」

「アリサ…アスカ…」

「…もしかして、ユウヤがいなくて…とかですか?」

 

 

二人はアスカとアリサ、彼女たちもまたユウヤに想いを寄せているのである。

 

 

「まあ……そうだけどそうじゃない…感じ?」

「…それどういう意味?」

「簡単に言うと―――――――」

 

 

そこまで言うとクロナは後ろに誰かの気配を感じた。

 

 

「……お前ら、そろいもそろって何してる。ここはユウヤの部屋だぞ」

 

 

そこにいたのはソーマだった。

なぜここにソーマがいるのか気になって聞いてみるアリサ。

 

 

「ソーマこそどうしたんですか、あなたもユウヤに用ですか?」

「…別に、ただ散歩してただけだ」

「そうですか…ところで、ユウヤどこに行ったか知りませんか?」

「さあな、俺が知るか」

 

 

そういって、ソーマは自分の部屋に向かっていった。

相変わらずの様子だが、少しだけいつもと違った。

 

 

いつもの彼なら「……知るか」の一点張りのはずがアリサとの会話が成立していた。

 

 

「…なんだかソーマ、前より少しやさしくなったね。」

「それもこれも、シオちゃんのおかげじゃないですか?」

「多分そうだよ、ううん、絶対!」

 

 

そうこうしているとエレベーターが開き一人の青年が出てくる。

 

 

「あっ・・・ユウヤ…」

「えっ!ユウヤ!?どこ、どこ!」

「そんなに慌てなくても、ほらあそこ、エレベーター。」

 

 

そちらを見るとたしかにユウヤがいた。

よく見ると、両手に何か持っていた。

 

 

しかし、そんなこと気にせずユウヤに駆け寄ろうとする三人だったが思わず足を止める。

 

 

「あの!ユウヤさん、よかったらこれ…」

「えっ?これ俺にくれるのか?」

 

 

彼を待っていた三人ほどの女性神機使い達に囲まれ何かを渡されていた。

よく見ると彼女たちが作った手作りのお菓子だった。

そしてさらによく見ると、彼の手にはもとから受け取っていた複数の手作りお菓子を持っていた。

 

 

ここで彼女たちは理解する。

 

 

彼は用事がありエントランスに向かいそのあと、部屋に向かう途中、お菓子を受け取ったというわけだ。

 

 

少しして、渡し終えた女性たちはその場を去る。

その表情はとても笑顔に満ち溢れていた。

 

 

「ユウヤは相変わらず人気者だね。」

「…いつも思うんだがそれはどういう意味だ?」

「今行った通りだよ。」

「だからなんなんだよ……」

 

 

しかしクロナはそれ以上何も言わなかった。

ここで彼女は当初の目的を話す。

 

 

「あの…ユウヤ、話しがあるんだけど…ちょっとだけ時間ある?」

「ああ、いいぞ。」

「クロナ!それってもしかして……もしかしてですか!」

「ううん、そんなんじゃないよ。

もっとまじめな話、そうだ、二人も来て、二人だけっていうのもなんか…」

「うん、いいよ。」

「はい、ところでどこで話を?」

「できれば私の部屋で…と、言いたいところだけど、今ものすごく散らかってるから…」

 

 

クロナは意外と掃除が苦手であった。

しかし、それはアリサやアスカにも言えることであった。

 

 

「…じゃあ俺の部屋来るか?ちょうどすぐそこだしな。」

「…いいの?」

「ああ、もちろん。」

「じゃあ…お願いするね。」

 

 

そういって四人はユウヤの部屋に向かった。

 

 

「そこらへんに座ってていいぞ、今お茶入れるから。」

「お邪魔しまー……うわ、すごいきれい…」

 

 

彼が潔癖だというのは知っていたがここまでとは、そう思うと少し自分の部屋のことを思い出し恥ずかしくなる三人。

 

 

ふと目をやると彼の机の上にものすごい量のお菓子が置かれていた。

 

 

「え……ユウヤ、このお菓子は…?」

「ああそれか、この前いろんな子たちからもらってさ、今日はリッカに頼んでたそれを入れてもらう

箱を作ってもらったんだよ。」

 

 

そういってユウヤは入れたての紅茶を三人の前に出す。

三人はそれを口に含み思わず驚く。

 

 

「おいしい…!ユウヤ紅茶入れるのうまいね。」

「まあ、昔妹によく言われたたんだけどさ。」

 

 

妹、その単語を聞いてクロナは何か思い出す。

そして持っていた容器を机に置く。

 

 

「どうしたクロナ、どっか具合でも悪いのか?」

「ううん、違うの。

……あのねユウヤ、聞きたいことがあるの。」

「……なんだ?」

 

 

場の空気が重くなる。

真剣な表情でクロナの言葉を待つユウヤ。

他の二人もカップを置き緊張感を出す。

 

 

「覚えてる?私たちで行った初めての任務。」

「…ああ、もちろん覚えてるよ。」

「あの時現れた見たことないアラガミは?」

「っ!……ああ、覚えてる。」

 

 

ユウヤの表情が引きつる。

クロナもあまりあの日のことを思い出したくないし、思い出させたくもない。

でもそれでは前に進むことができない、だからクロナは決断したのだ。

 

 

「あのアラガミ……前にあってるでしょ?」

「……ああ。」

「…その…話してもらえないかな。

……あのアラガミと何があったのか。」

 

 

この時ユウヤは、正直話したくないと思った。

彼とて昔のつらい過去を思い出して平気でいられるわけがない。

しかし、それはクロナも同じ、彼女は覚悟を決めここに来たのに自分が話さないわけにはいかない。

 

 

「ああ、いいよ。」

「……ありがとう、それとごめんね?」

「いいよ、気にしないでくれ。」

 

 

そういってユウヤは深く深呼吸をして話し出す。

 

 

 

 

 

「あの日―――――――――――」

 

 

 

 

 

 

続く………

 

 

 

 




次はユウヤの昔について書いていこうと思います。


なので本編はお休みです。
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