GOD EATER 神となった少年と神をやめし少年   作:Jaeger

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特務をこなすため戦場に赴くユウヤ。


しかし、そこに待ち構えていたのは因縁の相手だった………


激戦の予感

「♪~」

 

 

エントランスで楽しげに鼻歌を歌いながら手にはお菓子を持ってスキップをしている少女がいた。

 

 

「あの、ヒバリさん、えっとユウヤさんどこに行ったか知りませんか?」

「カノンさん、ユウヤさんなら任務に向かいましたよ」

 

 

少女はカノン、今持っているお菓子をユウヤにプレゼントするため彼を探していたようだ。

しかし、ユウヤがいないことを知って少し落ち込んだ様子だった。

 

 

「…もしかして、ユウヤさんにそのお菓子を?」

「はい、いつも頑張っているので少しでも休んでもらおうかなと思ったんです」

「…確かに、ユウヤさん、いつも無茶してるってリッカさんやアリサさんたちがよく言ってますもんね」

「そうなんです、たしかにユウヤさんは強いし、優しいしかっこいいけどいつも無茶ばかりして………私、今なんて言いました?」

「え?たしか…ユウヤさんは強いし、優しいしかっこいいけど…でしたっけ?」

 

 

自分の言ったことを理解してどんどん顔を赤く染めていくカノン。

それを見たヒバリは思わず苦笑してしまう。

 

 

「カノンさんもユウヤさんが好きなんですね」

「ううー……」

「いいんじゃないですか、人を好きになることは恥ずかしいことじゃないですし、それにユウヤさん

今じゃ極東だけじゃなくてほかの支部にも人気があるんですよ」

「ええ!そ、そうなんですか!?」

 

 

衝撃の事実を知って思わず口に出して驚くカノン、それを見たヒバリはまたも苦笑。

 

 

「……すごいですよねユウヤさんは、これだけの女性から好意を寄せられているというのに一つも

気づかないなんて」

「…言われてみればそうですね…」

 

 

そのあと顔を見合わせ二人は同時に苦笑をする。

 

 

(ユウヤさん、絶対生きて帰ってきてください!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…最悪だな……」

 

 

ここは平原エリア。

 

 

吹き荒れる嵐の中、ユウヤは今回の討伐対象のウロヴォロスを探していた。

 

 

敵は強敵、そして天気は最悪、まるでこの後の激戦を予測していたかのようだった。

 

 

「うーん、デカイからすぐ見つかると思ったんだけど―――――――」

 

 

そこまで言い終わると彼はくしゃみをする。

 

 

「…あー、もしかして風邪か?まあこの天気だったら仕方ないか」

 

 

特務中だというのに相変わらずの能天気さだ。

 

 

その時、ユウヤの足が止まる。

 

 

「……あれがウロヴォロス…確かにデカイな…」

 

 

彼の視線の先には山のように大きな体を持つアラガミの姿が。

 

 

あれこそが今回、ユウヤが倒すべき相手、ウロヴォロス、通称『平原の覇者』

 

 

姿を見ただけで威圧感に押されるユウヤ。

 

 

自然と神機を持つ両手に力が入る。

 

 

ウロヴォロスはこちらにまだ気づいていない。

 

 

その隙をついてユウヤはウロヴォロスに神速のごとしスピードで間合いを詰める。

 

 

「―――――――――くらえ!!」

 

 

横薙ぎにふるった神機は見事、ウロヴォロスに命中、バランスを崩し隙ができる。

 

 

彼はその隙を見逃さず神機を銃形態に変形、大きく飛んでアラガミの顔めがけて銃弾を発射。

 

 

「ヴォォォォォォォォォ!!」

 

 

悲痛な叫びとともにウロヴォロスにどんどん銃弾が浴びせられる。

 

 

「…やっぱそう簡単には行かせてくれそうもないな…」

 

 

あれだけの攻撃を与えておきながら特に変わった様子もなく起き上るウロヴォロス。

 

 

「ヴォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!」

 

 

そのまま怒り、活性化し、危険度が増す。

 

 

触手を地面に突き刺しユウヤの足元から触手が彼の心臓めがけて放たれる。

 

 

「おっと!あぶねぇ!」

 

 

間一髪回避することに成功、しかし、これだけでは終わらなかった。

 

 

次から次に触手をユウヤ目掛けて放つ、ユウヤはかろうじてかわしている。

 

 

……ように見えた。

 

 

「ぐっ!くそっ、かわしきれない!」

 

 

直撃とまではいかないものの、わき腹、腕、足、頬など、様々な場所をかすめていた。

 

 

一回や二回ならまだしも何度も当たれば致命傷になる。

 

 

さらに天気は雨、地面がぬかるんで思うように動けない。

 

 

まさに状況は絶望的だった。

 

 

そして、彼の回避もそう長くは続かなかった。

 

 

「がはっ!」

 

 

触手の一本が彼の腹部を貫く。

 

 

それに続いてほかの触手も次から次に貫く。

 

 

痛みのあまり、ユウヤは持っていた神機を落としてしまう。

 

 

「……こんな…ところ…で……死ねるか……」

 

 

かろうじて意識を保っていたユウヤ、しかし、身動きは取れないまま。

 

 

――――――死、彼の頭をよぎるのはその言葉ただ一つだった。

 

 

そのままウロヴォロスがユウヤを喰らおうと大きな口を開く。

 

 

そして彼の身体が口の中に入った時――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突如、ウロヴォロスの体すべてがきれいさっぱり無くなった。

 

 

「なっ……なんだ……一体…」

 

 

一瞬、何が起こったのか理解できずそのまま地面に落ちる。

 

 

自分の腹部に刺さっていた触手もきれいになくなっていた。

 

 

すぐ横に落ちていた神機を持ち痛みに耐えながら起き上る。

 

 

そして、彼の視線の先にいたのは永遠に忘れられないものがウロヴォロスの触手を喰っていた。

 

 

「…お前は……」

 

 

忘れることのないアラガミ、かつて、ティアを殺した仇のアラガミだった。

 

 

しかし、前に会った時とは姿が少し変わっていた。

 

 

頭に三本の角、背中にはヴァジュラのようなマント、手からはボルグ・カムランの針が生えていた。

 

 

変わらないのは人型である、ということだけだった。

 

 

食事が終わったアラガミは獲物をユウヤに定める。

 

 

ユウヤはというと、アラガミを視界に入れた途端、榊の言っていた忠告など完全に忘れ今の彼には

このアラガミを文字通り、殺すという感情しか残っていなかった。

 

 

自然と神機の取っ手をへし折るほど力が入る。

 

 

「――――――――――殺す!!」

 

 

そう言い放つと同時に駆け出すユウヤ。

 

 

アラガミは動かないままユウヤに絶大な隙を与える。

 

 

一瞬にして間合いを零にして切り上げを放つ。

 

 

しかし、鈍い音を立て神機ははじかれる、その隙をついて右腕の針をユウヤの心臓めがけて放つ。

 

 

ユウヤはわき腹をかすめながらも攻撃に転じる。

 

 

一度後退し神機を銃形態に変形、6発の銃弾を浴びせる。

 

 

ユウヤの銃弾は見事命中、アラガミはのけぞり隙を生む。

 

 

その隙を見逃さずすぐさま神機を剣形態に変形、アラガミに真上に飛び神機を振り下ろす。

 

 

しかし、アラガミは口を大きく開きその中から数発の火球を発射。

 

 

「―――――――――なっ――――」

 

 

突然の攻撃、そしてユウヤは空中にいるため身動きが取れない、装甲は間に合わない。

 

 

放たれた火球はユウヤに命中、彼の身体は大きく吹き飛ぶ。

 

 

「―――――――今のは…シユウの……」

 

 

先ほどの攻撃はシユウの火球攻撃、なぜこのアラガミが、そう思ったが疑問は一瞬にして解消される。

 

 

(こいつ、喰ったものの特徴を何か取り込めるのか…!)

 

 

そう思いながらも受け身を取り体制を立て直す。

 

 

しかし、先ほどまですぐそこにいたアラガミの姿が消えていた。

 

 

「っ、まさか――――――」

 

 

後ろを振り向くと十中八九、アラガミは一瞬にして自分の後ろに移動していた。

 

 

そして今度は、大きな雷球を作りだしユウヤに放つ。

 

 

あまりにも近かったため回避の暇などなく命中、ユウヤはその場に膝をつき動かなくなる。

 

 

(今のは…ヴァジュラの……くそっ、スタンだと…!?)

 

 

本来、活性化しているときしかないはずのスタン状態になったユウヤ。

 

 

このアラガミの力は予想以上だ、そう思っていた矢先、アラガミの雄叫びがフィールドに響き渡る。

 

 

「ギガアァァァァァァァァァァァァ!!」

 

 

「!?まずい――――――――」

 

 

急いで耳を塞ごうとしたがスタンのため、動かせない。

 

 

「あ……あああ………ヤ…めろ……」

 

 

徐々に意識が薄れていく。

 

 

それを確認したアラガミは何かためしに来たかのようにその場を去る。

 

 

一人、その場に残されたユウヤ。

 

 

しかし、そこにいたのはすでにユウヤではない存在が残された。

 

 

「ガアァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

 

その場に響き渡るのは人間のものではない、アラガミの雄叫びだった。

 

 

そのまま立ち上がり、彼はその場を立ち去る。

 

 

――――――――それから三日、ユウヤがアナグラに帰還することはなかった………

 

 

 

 

 

 

続く………

 

 

 

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