GOD EATER 神となった少年と神をやめし少年 作:Jaeger
この場にいる誰もがこんな結末を望んでいたわけはない。
そんな時、彼女たちの前にある一人のアラガミが舞い降りる………
――――――――ここは旧市街地エリア。
アリサ、アスカ、クロナの三人はミッションに行った矢先、消息不明だったユウヤに再開する。
しかし、ユウヤはもうあの時の彼ではなかった……
「本当に……ユウヤ…なんですか…?」
「多分……そうだと思うよ…」
信じがたい真実を前に彼女たちは神機を構えつつもその一歩を踏み出すことができなかった。
理由は明白だった。
たとえアラガミであろうと相手は、大切な仲間であり、愛しいユウヤであった。
戦うことなど到底無理なことであった。
「どうする、救援要請は出せないし…」
「…最悪、戦うしかないよ…」
「っ、でも!何かあるはずです!ユウヤを人間に戻す方法が――――――――」
「今から探すの?それじゃもう手遅れになるよ。
ならもう戦うしか道はないよ」
「っ!」
アリサの言いたいことはよくわかる、しかしクロナの言う通り今からではもう手遅れになってしまう。
そうこうしているうちにユウヤが動く。
まず狙いを定めたのは一番近くにいたクロナだった。
鋭い爪を大きく振りかざしクロナに接近、クロナは動きを見極め装甲を展開させ攻撃を防ぐ。
しかし、アラガミとなった彼の攻撃は人間の時よりはるかに増していたため反動でクロナの身体が
後ろに吹き飛ぶ。
「クロナ!!」
「げほっ……大丈夫…動ける…」
そうは言ったものの彼女の表情は悲痛なものであり、そのまま地面に座り込んでいた。
ユウヤはそのままアスカに狙いを変更、一瞬にして間合いを零にし回し蹴りを放つ。
アスカはぎりぎりのところで装甲を展開し、ユウヤの蹴りを無効にする。
しかし、衝撃をかき消すことはできても、勢いを防ぎきることはできずそのまま吹き飛んで壁に背中を強打する。
「あがっ!」
「っ、このっ!」
アリサは神機を銃形態に変形させ、銃弾をユウヤに放つ。
それをユウヤは閃光のごとし速さでかわし、アリサに詰め寄る。
「っ、はや――――――――」
すべて言い終わる前にアリサに蹴りを放ち直撃、地面に数回バウンドし壁に激突する。
「っ、がはっ……」
人間の時より明らかにパワーアップしているユウヤ、それを思わせるのに十分な強さだった。
誰一人立ち上がることができない、絶対絶命の状況だった。
動けなくなっているアリサにゆっくりと近づき目の前に迫る。
「っ、アリサ! げほっ!」
「今…助けるから……」
そうは言うもののクロナは吐血、アスカは起き上ることができなかった。
(死ぬ……の…?私……)
そのままユウヤがアリサに鋭くとがった爪を振り上げ――――――振り下ろす。
その場にいる誰もが死を認識した時だった。
下まで振り下ろしたはずのユウヤの爪は、突如現れた何者かによって防がれる。
「っ!」
「……えっ………何…あれ…」
「アラガミ…なの……?」
アリサ達の前に現れたのは右手には剣、左手に縦を持ち、背中に純白の翼を生やした人型のアラガミが舞い降りた。
アラガミはアリサの前に立ち左手に持った縦でユウヤの攻撃を完全に防ぎ、アリサをわき腹に担ぎ
後退する。
「…助けて…くれたんですか…?」
その言葉を聞いてアラガミは頷く。
「アリサ!」
「クロナ!アスカ!大丈夫ですか!?」
「大丈夫!それよりこのアラガミ!」
「待ってください!このアラガミは私を助けてくれたんです、だから敵じゃありません!」
神機を構え戦闘態勢に入るアスカを必死に説得し何とか理解してもらえたアリサ。
そのあと、クロナは警戒もせずアラガミに話しかける。
「ねえ、あなた私たちと一緒に戦ってくれる?」
そのあとアラガミは頷く。そしてあり得ない行動に出る。
―――――――待って―――――――
「?アリサ、呼んだ?」
「いえ、私は何も言ってませんが」
「じゃあアスカ?」
「ううん、何も言ってないよ」
――――――――私だよ――――――――
まただ、しかし何かおかしかった。
確かに声が聞こえた、しかし、まるで頭の中に語りかけてきたような感覚だった。
もしかしてと思いアラガミの方に目をやるとまたあの声が聞こえた。
――――――――そう私、今みんなの頭に語りかけてるの――――――――
一瞬理解できなかった。
アラガミが喋っている、いや、直接的ではなくテレパシーのようなものだった。
「……えっ、…あなたが…言ってるの…?」
――――――――そうだよ、それより聞いて、あの人をもとの人間に戻せる方法が一つだけあるの――――――――
「それは本当ですか!?教えてください!!」
――――――――それは、感応現象だよ―――――――
「感応…現象……」
感応現象。
新型神機使い同士でしか起きない超常現象のようなもの。
「なんで感応現象なの?」
――――――――今彼は自我を失っている、それはアラガミの力に完全に支配されただけで彼自身の意識はまだちゃんと生きてるの――――――――
「…つまり、感応現象を通してユウヤの意識に直接語りかけていけばいいんですね」
アラガミは頷く。
アスカはどういうわけか全く理解できていない表情だった。
「でも誰がやるんですか?」
「それは勿論、アリサで決まり」
「えっ?」
「だってアリサは前にユウヤと感応現象を引き起こしてるでしょ?こういうのは経験者がやった方がいいと思うよ」
確かにアリサは過去に感応現象を通してユウヤと心を通じ合わせることができた。
しかし、感応現象はそう何度も成功させれるものでないことはアリサも理解していた。それでも―――
「……わかりました、やってみます!!」
――――――――決まりだね、じゃあ私たちが彼の動きを抑えるから後はよろしくね――――――――
そういってアラガミは駆け出しユウヤに詰め寄っていく。
ユウヤはアラガミの接近に気づき身構える。
すると、彼の体中のオラクル細胞が変化しどこからともなく現れた細い刀身の剣を取り出した。
そして、目の前まで接近したアラガミの剣とユウヤの剣がぶつかり合い、火花が散る。
そして彼は空いていた左手からもう一つ剣を取出しアラガミに振り下ろす。
アラガミは一度後退しまた接近、そして剣同士のぶつかり合いが始まる。
二人の剣技は神速のごとしで三人が入れる隙間すらなかった。
「……なんていうかすごいね」
「…あれじゃ近づけませんね」
その時、アラガミの剣がユウヤの肩を貫き動きを封じた。
「ガアァァァァァァァァァァァァ!!」
―――――かに見えたが手に持っていた二本の剣でアラガミの腹部を貫通させる。
――――――――くっ!早く!!――――――――
アラガミのかけ声と同時にアスカとクロナがユウヤに接近し貫いていた剣を弾き飛ばし腕を封じる。
「アリサ!!」
「はい!!」
クロナの叫び声と同時にアリサは神機を放り投げユウヤの体に手を伸ばす。
「――――――届いて!!」
ユウヤの手にアリサの手がかぶさる。
そして、アリサの意識は突如、ユウヤの中に消えていった………
続く………
ちょっとした補足ですがユウヤの剣は腕から生えてるわけじゃなく腕の細胞をかき集めてできたものです