GOD EATER 神となった少年と神をやめし少年   作:Jaeger

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ユウヤは最後の賭けに出る………






逃げるな!!

――――――――朝、アスカはいつも通りユウヤの部屋に向かっていた。

 

 

しかし、今日は少し空気が違った。

 

 

(なんだろ……この胸騒ぎみたいな…変な感じ)

 

 

いつもより重い足取りでアスカはユウヤの部屋の前に到着した。

 

 

いつも通りチャイムを押す、しかし返事がかえって来ない。

 

 

「寝てるのかな……」

 

 

そう呟きアスカはエントランスに向かった。

 

 

エントランスに付くと他の第一部隊の面々が揃っていた。

 

 

「あっ、アスカおはようございます」

 

 

「おはよう、どうしたのみんな集まって」

 

 

「どうしたもこうしたもユウヤが朝からいないんだよ、お前なんか知らないか?」

 

 

「ううん、知らないよ、てっきりユウヤがここにいるかと思って来たんだけど…」

 

 

その時、エレベーターの扉が開き勢いよくリッカが飛び出してきた。

 

 

「みんな!よかった……聞いて!!ユウヤ君の神機がないの!!」

 

 

「え!どういうこと!?」

 

 

リッカの一言で場の空気に緊張が走る。

 

 

その時、ヒバリの言葉でその場にいる全員の思考が停止する。

 

 

「エイジスに巨大なアラガミ反応、恐らくあの博士が言っていた黒いハンニバルかと……ええ!!」

 

 

「どうした!ヒバリ!!」

 

 

「その黒いハンニバルと――――――――ユウヤさんが交戦中!それも一人で!!」

 

 

「な――――――――――」

 

 

「あの大馬鹿野郎………おい、全員で行くぞ!!」

 

 

「待て」

 

 

エイジスに向かおうとした第一部隊をツバキが静止した。

 

 

「教官!なぜですか!?」

 

 

「おそらくあの黒いハンニバルはアラガミ化したリンドウだ……

そしてそれを知ったからこそユウヤは一人で黒いハンニバルを倒しに向かったんだ……」

 

 

「どうして……」

 

 

「サクヤ!いや、サクヤだけではない、お前たちはハンニバルに、リンドウに神機を向ける覚悟が

できているのか?」

 

 

「それは……」

 

 

「これより新たな特別任務を与える!目標、エイジス島に現れた黒いハンニバル!」

 

 

「なっ――――――――」

 

 

「速やかにこれを排除しろ、尚、ハンニバル種のような強力な修復能力を持つ個体は

現存戦力での対抗は難しいだろう、なので対ハンニバル種への対策同様、コアを回収した時点で

即時撤退、わかったな!」

 

 

「了解しました!」

 

 

「了解です!」

 

 

勢いよく返事を返すアリサやアスカ、しかしサクヤからは返事がない。

 

 

「それとサクヤ!これは命令だ、お前は残れ!

同じ悲しみを何度も目の当たりにする必要はない……」

 

 

この言葉は上官として、そして何より一人の人間としての言葉だった、しかしサクヤは――――――

 

 

「…いいえ、命令には従えません」

 

 

「サクヤ!」

 

 

「私にはリンドウの……愛する人の結末を最後まで見届ける義務があります」

 

 

その言葉には確かにサクヤの意志があり、その気迫にツバキは言葉を返せなかった。

 

 

「…いいだろう」

 

 

「……うん、オレも……覚悟、出来ました。

いや、まだ頭では納得してない感じだけど……」

 

 

「…俺たちの仕事はいつだって、あのバカでどうしようもなくて一人でなんでも背負い込んで

周りを頼ろうとしないアホのあいつを支えること……だろ?」

 

 

「…ソーマって、こういう時は言いたい放題言うよね」

 

 

「…事実だろ、全部」

 

 

この言葉に全員が頷きを返すことしかできなかった。

 

 

「…よし、全員現場に急行しろ、そしてそこにいるバカな二人にこう伝えてくれ。

二人そろって帰ってきたときのみ、懲罰を免除する、とな……」

 

 

ツバキの言葉に頷きだけを返すと急いでエイジスへと向かった、しかしユウヤもそこまでバカではない。

 

 

「あれ……エレベーターが作動しない!?なんで……」

 

 

「完全にやられたね」

 

 

どこからともなく榊が現れる。

 

 

「博士、それはどういう……」

 

 

「彼は昨日、一日中部屋にこもっていただろう、あの後ユウヤ君が何をしているのか気になって

データベースを勝手にのぞかせてもらってね、

履歴を見ていったら機械がらみのことが調べられていて、恐らくこうやってエレベーターに細工を

施して君たちを足止めするためなんじゃないかな」

 

 

「あ…のバカ、やはりあいつだけ懲罰だ、帰ってきたら任務付けの日々だ」

 

 

「ははは……さすがにこれは……」

 

 

「だな…まあ、自業自得ってやつだ」

 

 

「って雑談してる場合じゃないでしょ!!博士、何とかできませんか!?」

 

 

「大丈夫、この程度の細工なら私にかかれば………ふむ、随分細かいな、少しかかりそうだね」

 

 

こうして榊はユウヤの細工と十分ほどかかることなど、誰も知らない………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――エイジスにて、ユウヤの神機とハンニバルの一撃が島中に響き渡る。

 

 

「でやっ!!」

 

 

「ギヤァァァァァァ!!」

 

 

ユウヤの一撃がハンニバルの顔に縦の亀裂を与える、そしてハンニバルが活性化する。

 

 

「まずい!!」

 

 

活性化したハンニバルの動きに一瞬だけ後れを取り攻撃をもろにくらう。

 

 

「がっ!!」

 

 

体が吹き飛び壁に背中を強打し、大量の血を吐く。

 

 

「はぁ……はぁ……再生能力がうぜえな……」

 

 

息を切らしながらそう呟くと、改めて神機を握り直しハンニバルを睨みつける。

 

 

「グオオォォォォォォォォ!!」

 

 

しかしその程度でハンニバルがひるむことはなく、地面に両手をつく。

 

 

するとユウヤが自分の足元から何かが上昇してくるのを感じ取り、その場から離れる。

 

 

「うおっ!!」

 

 

すると十中八九、先ほどいた足元から火柱が上がってきたのだ。

 

 

アラガミと完全に同化したしたユウヤだからこそ回避できたというもの、他の人間だったら今頃直撃

していただろう。

 

 

ハンニバルは隙だらけのユウヤに追い打ちをかけるごとく、どこからともなく

炎の剣を振りかざしユウヤに襲い掛かる。

 

 

「くっ!」

 

 

なんとか装甲を展開し攻撃を防ぐ、しかし炎の剣の浸食は止まらずユウヤの服の一部に炎がうつる。

 

 

「あっち!」

 

 

急いで火を消す、しかしそれが決定的な隙を生む。

 

 

完全無防備のユウヤにハンニバルはまたも炎の剣を出し彼を切り裂く。

 

 

「しま――――――――――」

 

 

気づいて装甲を展開しようとするがすでに遅くもろにくらう。

 

 

着られたところからは大量の血を流し口からも溜まっていたかのような量の血を吐く。

 

 

ハンニバルは更なる追い打ちのごとく腕を振りおろしユウヤを吹き飛ばす。

 

 

「がっ!!」

 

 

ユウヤはそのまま壁に背中を強打し何度も吐血を繰り返す。

 

 

「はぁ……はぁ……まだ…だ…」

 

 

力を振り絞り立ち上がる、しかし足はふらついており視界もはっきりとしていない状況だった。

 

 

するとユウヤは神機を地面に突き刺し両腕と両足のオラクル細胞を変化させる。

 

 

そしてバキバキと音を立てると腕と足がアラガミのものとなった。

 

 

「行くぞ!!」

 

 

こうなると一時的ではあるものの傷の痛みを忘れることができた。

 

 

その間にけりをつける、ユウヤの考えはこうだった。

 

 

しかし、一定時間経つとそれまでの痛みの倍以上の激痛が体中に走る、まさにもろばの剣だ。

 

 

ユウヤは一瞬にしてハンニバルの懐に潜り込み腹部に重い一撃を与える。

 

 

「ゴアッ!?」

 

 

あまりにも早いものだったためハンニバルからは驚愕の声が出る。

 

 

それとほぼ同時にハンニバルの体が宙に浮く。

 

 

「これで――――――――――」

 

 

宙に浮いたハンニバルにさらなる追撃を仕掛けようと両腕両足に力を込める。

 

 

しかし、ここで自分の体にある異変に気付く。

 

 

「な――――――――――」

 

 

突如として自分の体に重りが乗っているぐらい重くなる。

 

 

それと同時に全身に走る先ほどまで感じなかった激痛。

 

 

その激痛に叫びをあげることもできず地面に倒れる。

 

 

彼の周りには血だまりができるほど出血がひどく、そのため意識も朦朧としていた。

 

 

ハンニバルは地面に着地すると瀕死のユウヤを全力で吹き飛ばす。

 

 

ユウヤは地面を何度もバウンドしもう死んでいてもおかしくない状態だった。

 

 

「ゴアアァァァァァァァァァァァ!!」

 

 

ハンニバルはユウヤをじっと見つめるがピクリとも動かない。

 

 

動かないのを確認しユウヤにゆっくりと近づく。

 

 

腕を使いユウヤの体をつつくが反応が返ってこない。

 

 

両腕でユウヤを掴み喰らおうとする、その時――――――――――

 

 

 

 

 

「―――――リ……ンド…ウ………さん……」

 

 

かすれながらではあるが声を発するユウヤ。

 

 

ハンニバルは驚いたのか勢い余ってユウヤを投げ飛ばす。

 

 

「…いっ…てぇ………」

 

 

かすかな声で呟きながらふらふらと立ち上るユウヤ。

 

 

ハンニバルはそんなユウヤをただ見つめていた。

 

 

「リンドウ…さん……まだ………完…全に……アラガミに…なったわけ…じゃ…ない……よな…」

 

 

そういいながら神機の方へと歩いていく。

 

 

途中何度か膝をつき吐血を繰り返していたのにもかかわらず。

 

 

「いろいろとさ…調べたよ……そしたら…一つだけ、助けられる方法……見つけたんだ…」

 

 

神機を持ち戦闘態勢に入る。

 

 

「でも…それには一回…あんたを倒す必要……あるんだ…だから、ごめん」

 

 

そう言い放った途端、彼の姿が消える。

 

 

それとほぼ同時にハンニバルの背中に激痛が走る。

 

 

そこには先ほどまで自分の目の前にいたはずのユウヤが背中の上で神機を突き刺していた。

 

 

ハンニバルは痛みに耐えきれず暴れだす。

 

 

ユウヤは一度神機を抜き、後退するとまた姿を消す。

 

 

今度はハンニバルの籠手を、さらには足を切り裂きまた姿を消す、この繰り返しだった。

 

 

まさに神速の速さと言えるスピードでハンニバルの全身を切り裂いていった。

 

 

しばらくしてついにハンニバルが力なく倒れる。

 

 

それを確認したユウヤは手から神機を滑るように落とし膝をつき、たまった疲労を発散するように

吐血を何度も何度も繰り返す。

 

 

すると背後のエレベーターが開き中から第一部隊の面々が現れた。

 

 

「ユウヤ!!」

 

 

「お前ら………もう来たのか……結構難しい細工したと思ったんだけどな……」

 

 

「おいあれ………倒した……のか?」

 

 

ハンニバルに気付いたコウタがそう呟く。

 

 

その姿を見た誰もが倒した、そう思ってユウヤに駆け寄ろうとしていた、その時――――――――――

 

 

「な――――――――――」

 

 

ハンニバルは何事もなかったかのように復活しユウヤに視線を向ける。

 

 

ここでサクヤがあることに気付く。

 

 

「ねえ……あれって……」

 

 

サクヤの指差す方に視線を向けるとハンニバルの胸部に人間が一人縛り付けられていた、

その人物は―――――――――――――――

 

 

「リンドウさん……やっと出て来たか…」

 

 

「クソッ、あれじゃ手を出せねえぞ!」

 

 

「リンドウさん!目を覚ましてください!!」

 

 

必死にリンドウに呼びかけるアリサ、しかし反応はかえってこなかった。

 

 

「――――――今です」

 

 

「!!」

 

 

突然ユウヤの隣から声が聞こえたのでそちらに視線を向ける。

 

 

そこにはいつの間にかいたそこに立ってリンドウの神機を持っていたレンがそこにいた。

 

 

「レン……」

 

 

「これを逃すと、もうチャンスは来ないかもしれません。

……さあ、この神機を、リンドウに突き立ててください」

 

 

「……………」

 

 

リンドウの神機に手を伸ばそうとするが突如、ハンニバルの方から人のうめき声が聞こえる。

 

 

「う……うう……」

 

 

「リンドウ!」

 

 

「…俺のことは…放っておけ……」

 

 

「リンドウ……なのね…」

 

 

「まだ、迷っているんですか?

貴方はもう決断した、だからこうして彼と戦っていたんじゃないんですか…?」

 

 

「……俺は……」

 

 

「立ち去れ……早く……」

 

 

「…いや……もう置いていくのも…置いていかれるのも…いやよ……リンドウ…」

 

 

「リンドウさん……力ずくでも連れて帰ります…それが…あなたに償える唯一の方法だから…」

 

 

「そうですよ…それにわたしまだリンドウさんに教えてもらってないことがたくさんあるんです。

だから、戻ってきてください!リンドウさん!」

 

 

「決断を遅らせれば、余計な犠牲が生まれるだけです!

リンドウに仲間を殺させたいんですか!?」

 

 

「オレはもう……覚悟はできてる……自分のケツは、自分で拭くさ」

 

 

「さあ!この血なまぐさい連鎖から、彼を解放してやってください!!」

 

 

「ここから……逃げろ!!これは……命令だ!!」

 

 

「早く!!この剣でリンドウを刺すんだ!!」

 

 

ユウヤは何も言わずリンドウの神機に手を伸ばす。

 

 

しかし、他人の神機に触るということは即ち――――――――――――

 

 

 

 

 

「ああああああああぁぁぁぁああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

そう、オラクル細胞の変化により捕食されてしまうのだ。

 

 

「ユウヤ!!」

 

 

「逃げるな!!」

 

 

「!」

 

 

「生きることから…逃げんじゃねえ……

これは…命令だ!!」

 

 

そう叫ぶと同時にユウヤは全身の痛みも忘れてハンニバルに向かっていく。

 

 

ハンニバルも反撃しようと腕を振り上げユウヤ目掛けて振り下ろす。

 

 

ユウヤはその一撃を素早い身のこなしでかわす。

 

 

しかし、完全にかわしきることはできず左の耳をかすめる。

 

 

それでもユウヤは止まらず飛び上がり、ハンニバルの口に二つの神機を突き刺す。

 

 

「こ―――――――の…野郎!!」

 

 

突き刺した神機でハンニバルの基地を大きく裂き中からコアが現れる。

 

 

「っ、これだ!!」

 

 

コアを発見したユウヤはそれに手を伸ばす。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その時、突如ユウヤとハンニバルが光りに包まれ二人の意識は別の場所へと行ってしまった………

 

 

 

 

 

 

続く………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ま え が き 短い!!そして本編が長い!!( #゚д゚)=○)゚Д)^^^^^^゚


次はついに第二部最終回!!かもしれない……


それでは!!
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