GOD EATER 神となった少年と神をやめし少年 作:Jaeger
感応現象の先にユウヤはリンドウを連れ戻せるのか………
――――――――――ユウヤが目を覚ますとそこはとある教会に立っていた。
「やっと……ここまで来られた…」
隣にはどういうわけかレンもいた。
しかしレンはユウヤと違いこの状況を完全に理解していた。
レンは視線を瓦礫の方に向けたので、ユウヤもそちらに視線を向ける。
そこにはぐったりと瓦礫にもたれかかっているリンドウの姿が。
レンは何も言わずリンドウのもとへ近づく。
「ん……お前…誰だ……」
「そんな言い方ないでしょ、リンドウ。
久しぶりに会えたっていうのにさ」
リンドウの状態を確認したレンは今度はユウヤのもとへ。
「…これで多分最後のお願いになると思います。
もう一度だけ、リンドウに戦う力を与えてやってください」
するとレンは何か念じるように目を閉じると体が光りに包まれる。
あまりの光の強さにユウヤは思わず瞳を閉じる。
しばらくして目を開けるとそこにいたはずのレンの姿はなく自分の左手にリンドウの神機が
握られていた。
「……なるほどな…そういうことだったのか…」
ここでユウヤはすべてを理解した。
もともとレンという人間はこの世に存在しておらずまた、
レンの姿もユウヤにしか見えていないことに本人は薄々気づいていた。
その正体はリンドウの神機そのものだったのだ。
ユウヤはリンドウのもとへ。
「よう新入り……おっと、もう新入りじゃなくて隊長だったな、ユウヤ」
「ええ、おかげさまでね。
帰りましょうリンドウさん、みんなが……サクヤさんが待ってますよ、だから……」
「……まったく…新入りだった奴にいつの間にか抜かされるとは…オレもオッサンになったな。
でもまあ、お前の言う通りだな、しゃあねえな」
そう言いながらユウヤに出された神機を受け取り立ち上がるリンドウ。
「ここに来るまで随分疲れたんですから、さっさと終わらせて帰りますよ」
実はここに来る前に様々なアラガミと一人で戦っていたのだ。
「へいへい、わかったよわかった、ここまで来て文句を言うんじゃねえよ」
二人は雑談をしながら神機を身構える。
視線の先には―――――――――――――――黒いハンニバルがこちらをじっと見つめていた。
「さてと……やるか!!」
「了解!!」
リンドウの合図とともにハンニバルに向かっていく。
ハンニバルもそれと同時に身構える。
まずはユウヤがハンニバルの足を切り裂き体制を崩す。
隙をついたリンドウが高く飛びハンニバルの背中にある逆鱗部分に斬撃をくらわす。
ユウヤもそれに続いて逆鱗を攻撃し破壊した。
「グアァァァァァァァ!!」
悲痛な叫びをあげると、破壊した逆鱗部分から炎の竜巻が放たれる。
「うおっ!?」
「あっち!!」
予想外の攻撃に二人は対応しきれず二人は餌食となる。
しかし、二人ともギリギリのところで装甲を展開し直撃は免れた。
「こんにゃろ!!」
リンドウはすぐさまハンニバルに詰め寄り切り上げをくらわせる。
「グゥゥゥ……グググ…」
これだけでハンニバルはかなり弱っていた。
「チャンス!!」
隙だらけのハンニバルにユウヤが更なる追い打ちを仕掛ける。
まるで瞬間移動を何度もしているような速さでハンニバルを切り裂いていく。
そしてしばらくしてハンニバルは力尽き、跡形もなく消えていった。
「ふぅ……何とか終わったか……」
「っ、まだです!!」
倒したかに見えたが黒い影のようなものが集合していきまたハンニバルが現れる。
しかし、先ほどの個体よりさらに大きさが増していた。
「まったく、随分としつこいもんだな、しつこいと嫌われるぞ?」
「冗談言ってる場合ですか、まじめにやってください」
「うるせぇ、つーかさっきよりでかくなってんじゃねえか」
ハンニバルは二人に向かって両腕を振り下ろす。
「ぐっ!!」
「おっと!!」
装甲を展開し攻撃を防ぐが二人とも完全に身動きが取れない状態になってしまった。
身動きが取れないリンドウにハンニバルは光弾を放つ。
「リンドウさん!!」
「くそったれ!オレは生きて帰んなきゃいけねえんだよ!!」
しかし、光弾が止まることはない。
その時、突然リンドウの神機が光りだす。
―――――そう、それでいいんだ―――――
「な――――――――」
すると、神機は光弾とリンドウの間に入り彼をかばったのだ。
そして神機はみるみる姿を変え人の姿、つまりはレンの姿になった。
「やっとその気になってくれたんだね、リンドウ」
「お前は……」
「僕は全部覚えてるよ。
君の初めての任務の時の緊張も、救うことのできなかった人への後悔も、戦ってきた苦労も
それに、愛する人たちを守るため…別れる覚悟を決めたことも……
全部、全部見て来たから覚えているんだ。
リンドウと一緒に戦っていられた日々は、僕にとって誇りだよ、ありがとう」
「ああ……オレもだよ……
オレが神機使いになって、一緒に戦ってる時もずっと、守ってくれてたんだな…感謝してる」
「もう……十分だよ…」
すると突然レンから放たれた光がハンニバルを包み込む。
光が消えると同じくしてハンニバルも完全に消え去った。
「本当にありがとう……貴方がいてくれなかったらここまで来られなかった」
「いいって、気にするな」
「…貴方と一緒に過ごせて、僕は楽しかった。
そのうち、貴方の神機として生きていくのもいいかなって思いましたよ」
「いや…さすがにやめてくれ、困る」
「ふふふ…それとあのジュース、たしか初恋ジュース…でしたっけ。
とってもおいしかったです、アラガミなんかよりも…ずっと」
「おいおい、お前らそんなもん飲んでんのかよ」
「リンドウさんも帰ったら飲んでみてください、おすすめしますよ」
「いや…遠慮しとくぜ…」
「そうだね、あれは普通の人間にはちょっときついと思うよ」
「え、それってどういう意味だ?」
「あー…帰ったら説明します」
「…あ、そろそろお別れみたいだ。
貴方に……いや、ユウヤさんに出会えて本当に嬉しかった、ありがとう」
「ああ、こちらこそありがとう」
ユウヤの言葉にレンは微笑みながら頷きだけを返す。
そして、光が徐々に強くなりレンの体が消えていく。
「あーあ……もう少し君たちと話したかったなあ……
話すって…正直面倒なものかと思ってたけど、暖かくてすごく好きだよ…
……バイバイ、またね…リンドウ」
「ああ、ありがとう……オレの相棒……またな」
リンドウの言葉を最後にエリア全体が光りに包まれる。
そして二人の意識は現実の世界へと戻される………
――――――――――あれから一か月が経った。
あの後、目覚めたリンドウにサクヤは泣きながら抱き着いて数時間離れなかった。
そのため、目覚めたユウヤは数時間忘れられた挙句、アナグラにてツバキに一日中怒声を
浴びせられる始末、自業自得である。
そしてとある任務にて。
「よーし、今日は新人二人か、まあ足を引っ張らないようにするんでよろしく頼むわ」
「もう、リンドウさん冗談言って」
「まあいいじゃねえか、にしてもこの感じユウヤたちのこと思い出すな。
あいつらとの最初の任務も新型二人だったな」
「そうなんですか!?じゃあいつか私たちもユウヤさんたちみたいに……」
「アネット、そんな簡単にはユウヤさんは振り向いてはくれないぞ」
「そ、そんなこと言ってないでしょ!!」
「二人とも、そろそろ行くぞ。
おっと、言い忘れてた、命令は三つだ。
死ぬな、死にそうになったら逃げろ、そんでもって隠れろ、運がよかったら隙をついてぶっ殺せ。
ってこれじゃ四つか……あともう一つ、生きることから逃げるな」
「生きることから……逃げるな…ですか?」
「そうだ、これは――――――――――」
そこまで言うとリンドウの通信機が鳴り響く。
「おっと、そのまま待機だ」
そういって通信機を取出し二人に背中を向け通信機に向かって話し出す。
しばらく話して通信機を切り二人の方に振り返る。
「もしかして、今のって?」
「あー、まあそれだ」
通信の相手は他の誰でもないサクヤだ。
この一か月の間に二人は結婚をしたのだ。
先日行われた結婚式では一部の男性はサクヤのドレスに見とれ、さらに一部ではリンドウの格好
に笑ってしまうものもおりいろんな意味でにぎやかな式となった。
「ところで、お子さんの予定とかあるんですか?」
「んー今んとこはないな。
…あーでも名前ならもう決まってるぞ――――――――レンって言うんだ」
「へえ……いい名前ですね」
「まあな、昔の仲間の名前なんだ…」
そういいながらリンドウは空を見上げる。
「よし、そろそろ行くか」
「はい!!」
ゴッドイーターの戦いはまだまだ終わらない………
続く………
第二部オワタ……
次は第三部、出来る限りオリジナルな展開でいこうと思うので多分短いです。
それでは!!