GOD EATER 神となった少年と神をやめし少年 作:Jaeger
いよいよ第三部も後………数話で終わります!!
ゼロが極東に姿を現し一週間が経過した。
外部居住区には何一つ被害はなく対アラガミ装甲が破壊されていることもなかった。
しかしゼロとただ一人で対峙したユウヤは瀕死の重傷を負い未だに目覚めていなかった。
そして今、医務室には眠ったままの彼と第一部隊の面々が集まっていた。
「……ユウヤ起きないな」
「あれから一週間か……にしてもそのー……何て名前だっけ?」
「ゼロよ」
「それだそれ、にしてもなんでそのゼロはユウヤを襲ってどっか行ったんだ」
「たしかに変ですよね……まるで何か明確な目的を持ってたみたいですね…」
リンドウの疑問にアネットも同意する。
その時、突然医務室の扉が開き榊が部屋に入ってきた。
隣にはユウヤの妹のティアだった。
アラガミとなっているため教条はわからないがユウヤを心配している気持ちは伝わってきた。
「博士……」
「ティア君がものすごく心配していたからね、連れて来たんだ」
気が付くとティアはすでにユウヤの眠っているベッドの横に立っていた。
「……お兄ちゃん………ごめんね…」
そう呟きながらユウヤの手をそっと握る。
そのまましばらく彼の顔を見つめたままじっとしていた。
それからさらに二日が経過した。
未だにユウヤは目覚めず第一部隊の不安は募る一方だった。
今、第一部隊の全員は榊の研究室に集まっていた。
集まってから約10分が経ったが誰一人と口を開かない。
それからさらに15分が経過した時だった。
「……これは…」
榊が機械の画面を見ながら何か言葉を発する。
「どうしたんですか?」
アリサがさりげなく榊に質問する。
榊は真剣な表情で放った一言がこの場にいる全員に衝撃を与える。
「どうやら先日現れたゼロとおそらくゼロが引きつれてきたアラガミの反応があるよ」
表情は真剣、しかしいつも通りの軽い口調で重大なことを言い放ったため全員がポカンとする。
そして沈黙が続いた部屋にリンドウの通信機が鳴り響く。
「もしもし……あいよ、そんじゃ」
「…どうしたの?」
通信を切ったリンドウにサクヤから質問される。
「…オッサンの言った通りだ、アラガミの群れが外部居住区に侵入したとさ。
その中にはゼロもいるんだと。
そんでとっととエントランスに集合だと、姉上が」
「……行きましょう、このままだと居住区の人々が大勢死んでしまうわ」
非常事態だというのに落ち着いた口調で、そして早足で全員はエントランスへと向かった。
そして部屋に残された榊とティア。
「……君は何か言いたそうな顔をしている気がするね」
「…博士には教えておきます…」
●
――――――――もう何匹仕留めただろうか、そんな考えが浮かんだがすぐさまかき消しソーマは自身を
喰らおうと飛び掛かってきたオウガテイルを横真っ二つに切り裂いた。
ソーマの周りには様々なアラガミの死骸、そして自分の服はそのアラガミの返り血で真っ赤に
染まっているのが見ずとも理解できた。
そして非難が間に合わずアラガミに食い殺された市民の死体がいくつも転がっていた。
「くそったれ……」
ソーマはそんな言葉を吐きながら次のアラガミを探しに向かった。
「おーいコウタ、休んでんじゃねぇぞ。
アラガミどもは待ってくれねぇぞ」
「わかってますけど……さすがに多くないですか……?」
疲れて座り込んでいるコウタにリンドウが喝を入れる。
しかしコウタの言う通りだった。
かれこれそれなりの時間が経過したというのに一向にアラガミの数が減っている様子はなかった。
そんな中、アラガミを倒し終えたアスカとクロナが合流する。
「おう、二人ともお疲れさん」
「お疲れさんって…リンドウさんまだ終わってませんからね」
「コウタ大丈夫?結構疲れてるみたいだけど」
「まあ、な……むしろなんでお前らそんなに疲れてないのかが不思議だ……」
そんなことを言いながらもクロナに差し出された手を掴み立ち上がるコウタ。
しかし、コウタの言う通り二人ともの表情に疲れと言ったものは見られなかった。
この二人ももちろんだが極東の新型組は並みのゴッドイーターよりもはるかに強かったため疲れが
でないのも無理はなかった。
「とりあえず行くぞ、まだアラガミ達はいるんだからな」
「そうですね、行きましょう!」
やる気満々でアラガミを捜索するアスカにリンドウたちも後に続いた。
しかし、突如として四人の前に因縁深いアラガミが現れた。
「っ、ゼロ!!」
「ギジャアァァァァァァァァ!!!」
神機を構えるが間に合わず次々に吹き飛ばされていくアスカたち。
今回は前に現れた時よりもかなり好戦的だった。
たった一撃だというのにかなりの重傷を負い立ち上がることすらままならない状態だった。
リンドウは瓦礫の山に埋もれたままピクリとも動く気配がなかった。
コウタも地面にうつぶせたまま起き上らない。
アスカとクロナはかろうじて意識を保っていたがかなり危ない状態だった。
ゼロはしばらく四人を見つめて、弱った獲物を追い詰めるようにアスカのもとにゆっくりと近づく。
アスカは立ち上がることもできず、ただゼロを睨み付けることしかできない。
(お願い……動いて…!)
クロナも必死に立ち上がろうとしているが体が言うことを聞いてくれない。
そしてゼロはアスカの前で腕を振り上げ――――――――――――
その時、アスカは自分の死を覚悟し目を閉じたその時だった。
「…………あれ…?……生き…てる…」
ゼロの腕は自分の振り下ろされることはなく目を開くとそこには二つの神機が突き刺さっていた。
ゼロはいち早くその存在に気づき振り下ろす前に後退していた。
しかし、よく見るとゼロが先ほどまで振り上げていた腕が今の一撃で身体から切り離されていた。
そして、神機の横に立っている青年の顔を覗き込む。
そこに立っていたのはまだ眠っていたはずのユウヤだった。
腕や頭など、いたるところにまだ包帯を巻いており見ているだけで痛々しいものだった。
ユウヤも無理してここに来たため既にかなり息を切らしていた。
それでも彼は神機を握りしめゼロを睨み付ける。
ゼロはユウヤの姿を見た後、彼の足元に落ちている自分の腕を見つめる。
暫くじっとしているとあり得ないほどの跳躍力でその場から姿を消した。
ユウヤはそのまま糸が切れた人形のように地面に倒れ込む。
「っ、ユウ……ヤ……」
それを見たアスカはユウヤのもとに駆け寄ろうとするが立ち上がることができずそのまま気を失った。
●
――――――次にアスカが目を覚ました時、彼女は医務室のベッドの上にいた。
まだ体が痛むがそんなことなど無視し周りを見る。
隣にはベッドの上で包帯に身を包み読書をしているクロナがいた。
「……クロナ…ここは…?」
「あっ、アスカ起きた?
ここは医務室だよ、ちなみにあれからアスカ二日も寝てたよ?」
「……そっか……」
いつものようナ元気な反応が返ってくることはなく少し落ち込んだ様子のアスカにクロナが違和感を
覚える。
「…どうかしたの?」
「まあ……この前ゼロがアナグラに来たとき、ユウヤに助けてもらって……
でもかなり無理してたから大丈夫かなって…」
「…たぶん大丈夫だと思うよ。
今どういう状況なのかはわからないけど大丈夫だよ。
だから信じようよ、それしか今はできないから……」
そういっているクロナは少し悔しそうな表情だった。
それを見たアスカは何も言えずしばらく眠ることにした。
それから三日が経ち二人とも傷も完治し今では任務に行けるほど回復していた。
ちなみにリンドウとコウタは傷自体はたいしたことなかったらしく少し手当をすれば治ったという。
そしてところ変わりここは散らかりまくっているアスカの部屋。
ソファに座ってコーヒー飲むとため息をついた。
この三日間、ユウヤは未だに目を覚ましていないためアスカは心配だったのだ。
そのせいか今のため息でもう17回目だった。
そんな時、通信機が鳴りアスカは内心驚いたが表には出さない。
目の前に置いてあった通信機を取り通信に出るとそれは意外な人物からかかってきた。
「……もしもし…」
『やぁ、私だよ』
意外な人物とは榊だった。
まるで生気が感じられない返事を無視し榊は用件を告げた。
『すまないが今すぐ私の研究室まで来てくれないか?
どうやらティア君がみんなに話したいことがあるようだからね』
「……わかりました…」
その返事を聞いた榊は何も言わずに通信を切った。
アスカはゆっくりと立ち上ると榊の研究室へと向かった。
●
しばらく経つと榊の研究室には続々とユウヤを除く第一部隊のメンバーが集まってきた。
未だにユウヤが心配で元気のないアスカの隣にクロナがゆっくりと座る。
「大丈夫?あまり顔色がよくないみたいだけど……」
「……うん、大丈夫…かな…」
相変わらず元気のない返事。
「…心配なんだよね、ユウヤのこと。
でも大丈夫だよ、ユウヤはあの程度で死んだりするほど弱くないでしょ?」
「……それはわかってるけど……クロナは心配じゃないの?」
クロナもきっと心配している、そんなことを思いながら質問するアスカ。
「心配だけど……前にも言ったけど私はユウヤを信じてる。
それぐらいかな」
それを聞いたアスカは段々自分のことがおかしくなってきた。
気が付くと自分の口角が上がっていた。
「ちょっと心配し過ぎだったかな、わたし…」
「それほどユウヤが好きってことじゃない?」
クロナの言葉を聞いたアスカは小さく笑う。
それを見たクロナもつられて笑う。
それを遠目に見ていた他のメンバーはほほえましく見ていた。(特にサクヤ)
「あっ、そういえば博士、話しっていうのは?」
何か思い出したように榊に尋ねるアスカ。
榊は思い出してもらい少しほっとしたのか安心したような表情を浮かべ話し出した。
「それじゃティア君、あとは任せたよ」
すると奥の部屋の扉が開きそこからティアが現れる。
「最初は言わない方がいいと思ってたんですけど……やっぱり言います」
そしてティアはすべてを話した………
続く………
最近随分と投稿が遅れてしまってます、申し訳ありません。m(_ _;)m
恐らくこれからも結構送れるかもしれません。
それでも読んでくださってる方々、本当にありがとうございます!!
それでは!