GOD EATER 神となった少年と神をやめし少年 作:Jaeger
決着をつけるため、ユウヤは最後の決断をする……
――――――極東では今、オオグルマによって差し向けられたアラガミの群れとゴッドイーターたちが
激戦を繰り広げていた。
防衛班のおかげで外部居住区の住民の被害は最小に抑えられた。
しかし、それでもそこらじゅうにアラガミに喰い殺された住民の腕や足などが転がっていた。
それを見たアスカは守りきれなかったという自分への無力感と同時にアラガミに対する怒りが
込み上げてきた。
「なんで……」
そして、その怒りをぶつけるように自分めがけて走ってきたヴァジュラを一刀両断した。
「…間に合わなかった…」
先ほどの人間の腕にふれそう呟く。
その一部は死んでいるとは思えないほど温もりを感じさせた。
そしてアスカは次第に涙を流す。
「……泣いてる暇なんてないよ」
いつの間にかアスカの横に立っていたクロナが肩に手を置きながらそう語りかける。
「……うん…わかってる…」
アスカは神機を持っている反対の腕で涙を拭くとすぐさま立ち上がる。
そして次のアラガミを探しに戦場を走り抜ける――――――
●
「―――――はぁ…はぁ……」
「ギシャアァァァァァァァァァァ!!」
一方、エイジスにて一対一の激戦を繰り広げているユウヤとゼロの戦いは徐々に激しさを増していた。
しかし、戦況に変わりはなかった。
先ほどからユウヤの息は上がる一方で、ゼロには未だ余裕が感じられた。
「こいつ……疲れねえのかよ……洒落になんねえぞ…」
そんな愚痴をこぼしながらもユウヤは攻撃の手を休めない。
それでも疲労には勝てず、段々攻撃の速度や一撃が緩くなっていく。
するとゼロは突然後退するとしばらくじっとして動かなかった。
「なんだ?……何かする気か?」
すぐにおかしいと気付いたがユウヤは警戒態勢を解かなかった。
そして徐々にゼロのオラクル細胞が変化していくのが感じ取れる。
その時、ゼロの細胞の変化が終わったと同時に一瞬にしてユウヤの目の前に移る。
「なっ!?――――――――――――」
あまりに早すぎたため対応できずゼロに隙を与えてしまう。
ゼロはその隙を見逃さずユウヤの腹部に重い一撃を与える。
「がっ!!」
しかしユウヤはぎりぎりのところで後ろに下がりダメージを軽減する。
それでもその一撃は重く一瞬にして壁に背中を強打する。
そのままゼロは攻撃の手を休めようとはしなかった。
ユウヤも全身の痛みを必死にこらえながら立ち上がりゼロに真っ向から向かっていく。
走る勢いに任せて神機を横に振るう。
ゼロはその一撃を受け止めず大きく跳躍しユウヤの上を飛び越える。
ユウヤはゼロとは反対の方向の飛び神機を銃形態に変形し六発の銃弾を放つ。
空中でかわせないと判断したゼロは銃弾をすべて切り落とす。
ユウヤは着地と同時に神機をバスタータイプに切りかえチャージクラッシュをためながらゼロのもとに走る。
ゼロも着地と同時にユウヤの方に走り出す。
「喰らいやがれえぇぇぇ!!」
「ギシャアァァァァァァァァ!!」
二人の咆哮ともとれる叫び声とともに剣と剣が鈍い音を響かせながらぶつかり合う。
「――――――――ぐっ!!」
しかし、ユウヤの全力の一撃も惜しくもゼロには通用せず弾き返されてしまった。
いくら全力と言えど今のユウヤはそれなりの重傷を負っている、そのためゼロにダメージを与える
ほどの威力は発揮しなかった。
――――――――その時、ユウヤはずぶりという音とともに腹部にあまり覚えのない感触があった。
一瞬、自分の身に何が起きているのか理解できなかったが、ゆっくりと視線を下ろすと―――――
――――――――そこには、ゼロの剣が深々と突き刺さっていた。
それとほぼ同時にゼロが剣を引き抜き、ユウヤは大量の血を吐く。
「ごふっ!!」
そのままゼロはユウヤの顔めがけて回し蹴りを喰らわせる。
ユウヤの体は地面に数回バウンドし転がりながら止まった。
ユウヤの意識はすでになくピクリとも動かず、じわじわと血が溢れ出し血だまりが生まれる。
ゼロはユウヤが動かないことを確認するとゆっくりと彼に近づく。
その時、ユウヤの意識はすでに別の場所へと移り変わっていた――――――
――――――起きて――――――
誰かに呼ばれユウヤはゆっくりと目を覚ます。
そこは先ほどのエイジスとは別の空間のように真っ暗なところだった。
(なんだ?ここ……体が…動かない…)
――――――ここは君の精神の中だよ――――――
まるでユウヤの心中を悟ったように声は疑問に答えた。
――――――今、君の体、心は死にかけている――――――
声は、そのまま話を続ける。
――――――君はこんなところで死ぬような人間じゃない、だから――――――
そこまで言うと、突然自分の前に見覚えのある手が現れた。
否、手、というよりもこれは自分がアラガミの力を使った時のアラガミの手だった。
そして声は最初にして最後の頼みごとを告げる。
――――――僕に任せてもらえるかな?――――――
一瞬、ユウヤはこの声が何を言っているのか全く分からなかった。
しかし、今置かれている状況、そして目の前に現れた一本の手。
そこでユウヤは声の言っている言葉の意味をようやく理解する。
「……ああ、あとは任せたよ」
ユウヤはそう声に告げるとがっちりとその手を掴んだ。
――――――ありがとう、ゆっくり休んでてね――――――
その言葉を最後にユウヤは深い眠りについた――――――
――――――ゼロは血だまりの中に倒れたユウヤの目の前に立っていた。
そしてゆっくりとユウヤの腕をつかみあげ、じっと彼の顔を見つめる。
ユウヤは目をつぶったまま微塵も動く様子などなかった。
しかし、先ほどとは明らかに様子がおかしかった。
気を失っているはずなのにユウヤから伝わってくる闘志。
一瞬、それを強く感じ取った瞬間、ゼロはユウヤの腕を手放し後ろに大きく飛び警戒しだす。
すると先ほどまで動かなかったユウヤがゆっくりと起き上り始めた。
前屈みナ体制で腕をぶらんとたらし俯いている彼から只ならぬ殺気を感じ取るゼロ。
そしてゼロは目の前にいるユウヤを今すぐ排除しようと全速力で走る。
しかし、ゼロはまだ気づいていなかった……
今、ゼロの目の前にいるのは――――――
「ガアァァァァァァァァァァァァ!!」
――――――先ほど戦っていたユウヤとは全くの別人だということに………
続く………
次がついに第三部最終話です!!
ちなみにこれが終わると第四部!…とはいかずちょっとした番外編みたいなものでもやろうかと
考えてます。
つっても短いけどな!(・`ω・)
てなわけで次回もよろしくお願いします!!
感想やら誤字脱字などじゃんじゃん教えてもらえると助かります!
それでは!!