僕はあの二人組と別れて、新しい教室に向かった。
いやー、よそ見は良くない。うん。
僕は新しい教室で顔馴染みのある人を見つけた。
「やあ、君と同じクラスなんだね。」
「ああ、そうだな。お前と同じクラスで嬉しいぞ。」
彼の名前は館山 来人(たてやま らいと)。僕と同じ音楽科で、バスケ部に所属している。彼と初めて会ったのはバスケ部なのだが、
「なあ、そろそろ入ってくれよ。バスケ部に。」
「ごめん、誘ってくれるのは嬉しいけど、僕は見るのが好きなんだ。」
僕はその時、見学していて、来人君と出会った。でも、僕は見ていただけ。そんな僕でもいいのだろうか。
「そうか、お前のアドバイス、欲しかったんだけどな。」
「うん。それに、他の所もたくさん見たいし。」
「お前らしいな・・・・・ってもう授業の時間に近いな。」
僕は自分の席に座り、授業の支度をした。
6時間の授業が終わり、HRを終えた。
よし、終わった終わった。ここからは僕の「いつもの」時間だ。
僕は部活を見に行くために体育館に向かった。
「おっ、今日はうちに来たか。」
「今日も見学よろしくお願いしまーす。」
僕はバスケ部を見に来た。
「今日もアドバイスよろしく〜」
「あはは、アドバイスというほどのことは言ってないよ。」
「そんな謙遜するなって…あっ、もう練習の時間だ。よし、しっかり見ててくれ!」
来人君は僕にそう言い残すと、他の部員のいるところに戻っていった。
練習にひと段落着くと、僕は来人君に
「じゃあ、僕はそろそろ別の部活に行くよ。」
「えっ、もう行っちまうのか。まぁ、お前らしいな。」
来人君は一瞬残念そうになったが、快く送り出してくれた。来人君は僕のことを何かと分かってくれている気がする。普通の人なら自分勝手な人にも見えてしまうと思う。でも、そんな僕の行動を来人君はあまり気にしていなかった。
「今日も見学しまーす♪。」
「また来たな、満。」
僕はゲーム部に来た。今度は、部の人が迎えに来てくれた。
「あ、ノブさん、こんにちは。」
「……おう。」
部室の奥に座る人に話しかけると、ゲームを中断してコントローラーを置いた。
この人は天王寺 信之(てんのうじ のぶゆき)先輩。ゲーム部の副部長でゲームがすごく上手い人なんだけど、口数が少なくて、自分の事をあまり話さない。今年、一年生に妹がいるらしいが見た人がその人と似ていて本人に質問するまでは全く分からなかった。それほど、自分の事を語らない人だ。因みにノブさんというのは名前のは信之から取っていて、僕や部の人達はそう呼んでいる。
「で、また来たのか。こんなの見ていて何が楽しいんだ。まあ、ゲームのか邪魔しねーからいいけど。」
「僕は色んな人達の素晴らしいところを見ることが楽しいので。」
「お前って本当、変わってるな。」
コントローラーを手に持ち、中断していたゲームを続けるとそこから喋らなくなった。
やっぱりいつ見てもすごい。部の人達の操作テクも充分すごいが、この人は一際目を引くほどハンパない。
これがここを見に来る理由の一つでもある。
そんな感じでいくつかのは部活を見ていくと、部活終了時間となった。
やっぱり、人が輝いているところはいつ見てもすごい。来人君も一年生の頃から見ているけど、日々上達していて、ノブさんも、すごい。他の人は僕に無いものがたくさんある。だから、見ていても飽きないし、むしろどんどんのめり込まれていく。
僕はこの「いつもの」を入学してからずっとやっている。こういう事を言葉にするなら「トキメキ」だろうか。どちらにせよ、僕は人が輝くところを見ている。
それから数週間後、ある物と出会った。
愛さんの誕生日回を書きたいので、最低でもその前に一話出したいなぁ。