自称錬金術師のオラリオ暮らし!   作:ふぃーあ

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ありがたいことに駄文に感想がつきました。ので、次の話を投稿します。せっかくですのでこれからも続けてみましょうかね…

パラケルがオラリオにやってきた時期を凄まじく早めます。具体的に言うと【怪物祭】前まで。

【フレイヤ・ファミリア】と絡ませる方法がそこしかない…


第二講 錬金術と【絶対悪】

 模擬戦を止められたことで終了させられたパラケルは、【黄昏の館】の応接間に通され、【ロキ・ファミリア】の幹部たちに根掘り葉掘りと聞かれていた。

 

 いや、聞かれていたというのは正しくないかもしれない、なぜなら……

 

「つまりだリヴェリア、この【錬金術】という体系は魔法とも遜色ない優れた学問なんだ。ご理解いただけたかな?」

 

「ふむ……ではパラケル、魔法よりも明確に優れている点は?」

 

「間違いなく誰もが同じ技を行使できる点だ。【錬金術】とは人智に余る神秘を人智が解き明かした神秘で解いていく学問とは言ったが……」

 

 魔法と錬金術の違いなどに触れつつ高らかに講義を行っているパラケルがそこにいたからである。

 

【剣姫】アイズ・ヴァレンシュタインや【凶狼】ベート・ローガなどはそのあまりの情報量に理解を放棄しているがまあ仕方ないだろう。

 

「ふむ、おおまかなことはわかった……どこまでできるのか、が私たちが知りたいことだ。あの【マグナム・オプス】とは? そしてそれ以上もあるのか? というところだな」

 

「結論から述べればある。私がやりたくないだけと言う奴さ。【マグナム・オプス】は君たちにわかるように述べるなら【大いなる業】、【賢者の石】と呼ばれる人智が解き明かした最高峰の神秘を生成する過程だ。あまりにも事象として強力な神秘であるから、生成する過程そのものが攻撃となる……私がギリギリ使うかと悩める程度には気に入っている術理だよ」

 

 凄まじい速度で話を進めるパラケル。そして、最後の台詞に対して思わずリヴェリアは苦笑して一言。

 

「それはほとんど気に入っていないのではないのか……?」

 

「切り札はどれも癖が強すぎるのさ……死んでも使いたくない奴のほうがよっぽど多い以上は気に入っているほうさ」

 

「あー……そろそろ、ええか? もうそろそろ30分話しとるで?」

 

 そう笑いを返すパラケルに、ロキが声を掛ける。

 

「あ……すまない、ロキ。つい……」

 

「ええでええで、でな? 【神の恩恵】と【錬金術】に関連はあるんかどうかちゅーのも聞いときたいんや」

 

 錬金術とは卑金属を純金にするがごとく神に己の身で近づく学問である、とはパラケルの言葉の中で最もロキが注目した言葉である。

 

【神の恩恵】の能力により肉体が【昇格】する己の眷族たちと【錬金術】により【昇華】するのはどう違うのか、という話である。

 

「なに、本質的にはそうかわらない……【錬金術】が廃れてしまった理由は神の降臨であったとも言われている。神が神に昇る道を用意してしまったことが、悲しいことに人が己で切り開く道を否定したのだよ」

 

「うちらが降りてきたことが……か」

 

「意味不明な実験と神秘を用いて【昇華】するよりも【恩恵】を受けて【昇格】してしまうほうがずっといい……普通の人はそう考えるさ。なにせ私とてはじめはそうだったのだから」

 

 そしてそれから、パラケルはこれは己の見解でしかないがと前置きして衝撃の言葉を解き放つ。

 

「神の血を受け取り、神の力を得る……それは魔術の神秘に通じるところがある。敬愛する対象の血、あるいはそれのメタファーを取り込むというのは【錬金術】だけでなくさまざまな方式の術理でも多用される神格生成の手法だ」

 

「今……神格を生成するって言ったか?」

 

「あぁ……なにかを司る神が存在せず、あるいは存在していてもそれに特化していないために力を借りられないケースが存在する。その場合はその権能に特化した大いなる者を生成することになるんだが……」

 

「冒涜的やな……そんなことができるんか……?」

 

「できる。異常なほどの手間暇をかけるか、【賢者の石】をダース単位で消し飛ばすかしないといけないが……」

 

 そう語るパラケルに狂気さえ感じ始めたリヴェリアは、ロキがパラケルと話をしている間に残りの幹部たちと相談をし始めた。

 

 すなわち、ここで彼女を殺してしまうべきではないか? というシンプルなものであったが、それは即座に否定される。パラケルの狂気を恐れる思いは大きいが、ゼウスを敵に回すことはできない、という思いも大きかったのだろう。

 

「うーん……ええか。パラケル、うちの家族に迎えること、うちはやぶさかやない。が、二つ誓って貰うで」

 

「聞こう」

 

「まず、リヴェリア以外には【神秘】や【錬金術】について手解きすることを禁じさせてもらう。この知識は危険すぎる、うちらの降臨よりも、人に恐れられて潰えた学問やとうちは思った。だから広められん。神にも、特殊なスキルとして説明することになるししてもらうで」

 

「学問に後継ぎの候補が少ないのは残念とでも言うと思ったかね? 大丈夫、もとよりその感覚は私の中にあった懸念と同じだ。教導を自重し、控えることを誓う」

 

「そして、実験と思索を繰り返して己の世界に浸ることを禁じさせてもらう。パラケルみたいな手合いは、ほっとくと延々それしかやらんのはアイズたんでよく学んだわ! 家族と交流を深めるんや! ええか?」

 

「むぅ……実験と思考、改善の繰り返しが研究だぞ神ロキよ、と言いたいが……分かった、3日に1度は研究しない日を設けて見るとしよう。それでいいかな?」

 

「……まあ、それならええやろ。ちゃんと睡眠もとるんやで?」

 

「…………。誓うよ」

 

「徹夜するつもりだったんやな、釘刺して良かったわ……」

 

 そして、その二つの誓いを以てロキとパラケル間では【ロキ・ファミリア】への正式な加入と相成り、あとは幹部の承認である。が、これもまた素早く終わる。誰も彼女を否定する言葉を持ち合わせていない故にだろう。

 

 強いて言うなれば【凶狼】が改めて「雑魚が」と呟いたくらいではあるが、それに対してパラケルが「非戦闘員だぞぉ? ほれほれ」と面倒な絡みを仕掛けたのでなかったことになった。

 

 そうして彼女の背に刻み直されたステータスがこれだ。

 

 

 パラケル・タキオン Lv:5

 

【アビリティ】

 

 力 :H :146

 

 耐久:H :180

 

 器用:B :799

 

 敏捷:I :85

 

 魔力:S :980

 

 神秘:A

 

 錬金:A

 

 耐異常:B

 

【魔法】

 

 ・【マグナム・オプス】:賢者の石を錬成する。工程に応じてさらなる追加詠唱を行う。

 ・追加詠唱:【ニグレド】【アルベド】【ルベド】【アルス・マグナ】。

 

 ・【四方天陣】:詠唱した後術者を中央として前後左右に魔法陣を展開し発動する。術者の追加詠唱に対応したアビリティの値の変更が行われる。【大いなる者たちよ集え、魔術と結合した神秘、今ここに汝四元の極致を見よ】

 ・追加詠唱:【我が前に風天使】【我が右方に炎天使】【我が左方に土天使】【我が後に水天使】【中央の偽神の怒りよ】。

 

 ・【均衡の樹】:この魔法は常時発動する。

 

【スキル】

 

 ・【錬金術師】:神秘を獲得。神秘ステータスの値で器用、魔力の代用ができる。

 

 ・【大いなる業】:賢者の石への錬成と接続の権限を得る。また、賢者の石により新たな接続の権限を得る。

 

 

 

「なんじゃこりゃ……基本ステータスがリヴェリアたんよりもなお貧弱、スキルは魔法系っぽいがどうにも特殊……癖がすごいなぁ」

 

「私の主神と同じことを言うね、神ロキ。神秘の探求者とは得てしてそうなってしまいがちなのだ。力なんて使いもしないから上がらない。耐久も攻撃を受けないから上がらない。敏捷はそもそも部屋の外に出ないから上がる要素がない。魔力と器用は錬金術に使うから勝手に上がる……ね?」

 

「これはほんとにさっきの誓いちゃんと守ってもらう必要がありそうやなぁ……」

 

「全くだな、さてこれからお前は私たちと共に住むことになる。従ってルールなどを理解してもらいたいが……」

 

「わかっているよリヴェリア……もう様付けしたほうがいいのかな?」

 

「呼び捨てで構わんよ、神秘を探求する友の間柄でありたい」

 

「ごめんなリヴェリア、パラケル……この【均衡の樹】ってなんや……聞かせてーや?」

 

「それはここではできない。それは私の秘密で、誰にも立ち入らせることはできない。それは私の罪で、誰にも赦されることはない……救命は決して救済ではなかったというそれだけの学びが魔法になったものだよ……そうだね、君だけに、夜遅くという条件なら構わない」

 

「かまへんで……よし、とにかく! ようこそ【ロキ・ファミリア】へ!」

 

 

 

 そうして入団にあたり必要なさまざまな処理と与えられた部屋での荷物の開封を済ませ、階下に降りてファミリアのメンバーにあいさつし……ようとして宴で紹介するから今はやめろと言われて戻りとしているうちに夜、そして宴が始まっていた。

 

 その流れは彼女には新鮮だったらしい。いつにない笑みを以て杯を受け、酒と料理を楽しんで確かな足取りで部屋へと戻っていくその様を見て、彼女を初めて見た多くの団員たちは彼女に好印象を抱いたらしく、宴としては成功だったのであろう。

 

 

 

 そんな明るい宴の後、誰もが寝静まった後に、ロキは女と向き合い見つめあっていた。

 

 女は白衣ではなく、ふわりとした白基準に青をアクセントにしたローブ姿にモノクルを掛けている。星空のような煌めきを封じ込めた球体を1つと、どこか人を安心させる笑みを浮かべてロキと対面していた。

 

「【均衡の樹】……アレ、どういう魔法なんやと思ってたが……そういうことやったか。パラケル……いや、誰や?」

 

「私は【ラグランジュ】……パラケル・タキオンの親、本性……うぅん、適切な言葉が思い付きません。どうしたものでしょうかね」

 

「…………お前が、【三人目】だったんか」

 

「【静寂】のアルフィアの病を抑えあの日の戦いにアルフィアが出向けるようにしたことと、【闇派閥】と【冒険者】を区別せずに命ある者を片っ端から治療したこと。その二つの罪を以て……【絶対悪】を名乗らずとも与えられた者。それが私です」

 

「うちらが勝手に言い出した三人目の【絶対悪】。【永命】のラグランジュ……確かに、遺体を見た報告はなかったんやが……生きとったんやな」

 

「苦労しましたけどね……正直あの頃の恨み言を貴女にぶつければ呪詛の類になるんじゃないでしょうか?」

 

「とにかく……目的を聞かせてもらうで、ラグランジュ」

 

「えぇ……ゆっくり、話しましょう? 積もる話もあることですしね」

 

 

 

 夜はまだ、始まったばかり。

 

 

 




『Tips:【永命】のラグランジュ』

自ら名乗り上げた二人の【絶対悪】の他に、【ロキ・ファミリア】と【フレイヤ・ファミリア】は人脈などを用いてもう一人の人物を【絶対悪】に仕立て上げた。

それこそがパラケル・タキオンを表向きの顔としてオラリオに帰還した神秘学者兼治療師のラグランジュである。

死者を出したくないという思い、崇高な願いを叶えるだけの力を持っていたが故に、その力を分け隔てなく…【闇派閥】にさえ使った彼女を、オラリオの二大巨頭は許さなかった。

彼女を【闇派閥】に与する愚者とし、裏切り者と罵り、完膚なきまでに追い込んだ。彼女は己の患者全てに手を出さないことを条件にして降伏するとオラリオ側に申し込んだ。

これは受諾されず、ラグランジュは失意の中拠点としていた小さな施設の中で治療を行っている最中、拠点もろともに複数の殲滅系統魔法により爆破されたが遺体は確認できず、行方不明となった。中にいた『患者』もまた死亡しているがその犠牲があったことは表向き知られていない。

この一連の流れ全てはギルドや二大巨頭により隠蔽、改竄され、今のオラリオの冒険者間には【闇派閥】に与した愚者、最後まで抵抗した【絶対悪】としての名だけが残っている。

なお、ラグランジュのレベルは【7】である。



『Tips:パラケル・タキオン』

ラグランジュの存在があるのにも関わらず、レベル5のパラケル・タキオンとは一体なんなのだろう?

答えは彼女が最も愛する学びの中に。



フィンの一目惚れイベント。想いは届くのだろうか?リリルカは…

  • フィンの想いを受け入れる。
  • フィンの想いを拒否する。
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