魔術師達の神様ごっこ、その後始末 作:出来心な魔女
エイリアンの星。
その宗教の総本山で、大きな声が鳴り響いた。
【1000年の時を経て! 我、ここに蘇り!! 愛の神、リオン!】
【1000年の時を経て。私はここに蘇りましたよ。知恵の神、ルーゼ】
【1000年の時を経て。僕は蘇った。力の神。シャリオ】
【【【我ら三神、只今参上!!!】】】
そこそこ人のいる聖域でうつらうつらしていた監視役の司祭が飛び起きて、びくんと起き上がった。1000年ぶりの、大規模テレパシーである。
「お告げだ!」
「お告げだ!!」
「神からのお告げだぞ!!」
「えっこれが!?」
「高出力のテレパシー! 神を解析する栄誉をこの手に!!」
にわかに清廉な空気が雑然とした空気に代わる。
参拝に来ていたエイリアンたちは、祈るは探知するは大騒ぎだ。
サバイバル演習に来ていたエイリアン達に呼びかける、魔法的存在。
原始人と勘違いした魔法的存在は、エイリアンの祖先達に魔法を与えた。
魔法を得て、エイリアン達の生活は、今まで以上に満たされた生活となった。
あまりにも優れた科学による生活は、精神を逆に弱らせることとなっており、少子化、感じる虚無、薄まる繋がりなど、様々な問題を抱えていた。
魔法は、これら心の問題をすべて解決した。
エイリアン達に潤いを与えた魔法という不思議な力は、今なお完全に解析されることなく、エイリアンの科学者達を楽しませている。
そんな魔法的存在が再度現れたのだ。
エイリアン達が沸き立つのも当然だった。
そして、ついにある一つの原始惑星が取り沙汰された。
「この星こそ、神のいる星!!」
「この星に調査を!」
「「この星に調査を!!!」」
そして、様々な勢力が地球に殺到した。
とはいえ、イエス原始惑星、ノータッチの大原則があるので、しばらくは指を加えて見ているしかない状態なのだが。
当然密猟者が跋扈し始めたので、片田舎にエリートの宇宙警察が派遣される事態となった。にわかに、宇宙の片田舎に喧騒が訪れようとしていた。
一方その頃、2人は困惑していた。2人で楽しめと言われても、仲間はずれみたいで嫌だ。まずはシャリオの救出が先である。
「リオン。どうします?」
「決まっておる、ルーゼ。力を蓄えるしかないわい。荒事のプロが相手なのだからな」
「しかし、大丈夫でしょうか」
「衰退しているといいなぁ……衰退していて欲しい。やれやれ、我らが魔術の衰退を願うとは」
「いっそ、魔法技術やアイテムで買い取るとか」
「やめよ。力なき状態で富めるを示しても襲われるだけよ。まずは兵器を生産し、組織を作るしかあるまい」
「やれやれ、早速秘密基地を作らないとですね」
「ひとまず、海から攻めよう。海ならばいたずらに人を犠牲にすることはあるまい」
「いいですね。久しぶりに超大型の魔物でも作りますか。こちらでは大怪獣というのでしたか」
2人は夜が明けるまで話し合った。
悪の魔術組織に囚われて行方不明になるシャリオ。完璧なシナリオが出来た。
そして、それから五年もの月日がたった。
それは、それぞれの思惑が実るには十分な時間だった。