これはとある夢のVRMMOの物語。   作:イナモチ

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ルンバの奇妙な冒険

【詐欺王】と何事も無かったかのように分かれた。奴も俺と同類だったから同じ失敗を経験している。だからこそ頼もしく思えた。だってすごく後処理が手慣れてたから。

 

さて、昼まで待ち合わせまで時間がある。取り敢えず朝食を目についたところで食べるとしよう。

 

俺は旅の道中でなんとなく拾った木の棒を立てて方角を占った。

 

ぐらぐら揺れた棒は倒れた後も地面に接していた端を軸に回転して・・・

 

東を指し示した。

 

西に向かう事にした。

 

《螟「蟷サ蝗槫サ》

・・・・・

 

どうやら運命って奴はどうしても東に俺を行かせたいらしい。悉く目についた飲食店が定休日だったり、時間外、食中毒事件が発生していた。この街は大丈夫だろうか?すぐにでも街を出たほうがいい気がして来た。

 

あたりを不思議そうに見回してから、ダッと俺は街の門に向かって走り出した。見ている者の不意をつく作戦・・・!

 

門の看板が目の前スレスレでズゥゥゥンと落下した。

 

ヒョオ!?殺意が高い運命様様だぜ・・・

 

どう考えてもこれは誰かの陰謀だが、この街で狙われる動機に心当たりが無かった。

 

脅しに屈した俺はいつでも反応できるように警戒しながら、一見平和そうな街中を歩いていく。腹が減っていた。

 

目についた角を曲がって右左と入り組んで入る路地裏を歩き回る。いけるか・・・?

 

怪しげなラーメン屋が現れた!

 

クルッと回ってUターン。どこからか飛んできた鉄骨が背中スレスレ真後ろに突き刺さった。髪がチリッと音を立てた。

 

もはや別のゲームだ。ありとあらゆる脇道と迂回路を塞いで回って、主人公をイベント発生エリアまで誘導するのに似ていた。ホラゲーかよ。

 

もはやこれまでか。どう考えても碌でもない事しか起きないだろうが、覚悟を決めて突破するしかねぇ・・・!

 

客、店主、ラーメン!この手の怪奇現象はこの三つに警戒すれば良いはず!多分!

 

恐る恐るラーメン屋に入る。客は居ない。店主が仕込みをしていた。内装も普通・・・。

 

「らっしゃい。」

おう。逆に普通すぎて怖い。

 

え。俺は何喰わされるの!?鋼線入り水銀ラーメン?SCPね。

 

メニューを開く。普通だ。

 

俺は普通に塩豚骨マシマシを頼んで、朝食を済ませて店を出た。

 

普通だ・・・

 

狐に化かされたような表情でポカンとしていた顔を歪めて叫んだ。

「ナニコレ!?」

 

怪奇現象は起きなかった。

 

もう一度振り返る。空き地があった。そりゃそうだ。一度出ればそうなる。

 

何だったんだ・・・俺は腑に落ちなかった。こんな中途半端な事をして何の得があるって言うんだ?

 

自然に道に倒れていたカーソンを跨いで歩いて行った。

 

分からない。一体俺の身に何が起きてんの?

 

・・・・・

 

何かおかしい気がしたが『気の所為』だ。

 

俺は『普通に』カーソンが『居た気がした』が何も『おかしくはない』。

 

何で俺は『こんな当たり前の』事を考えていたのだろう。

 

『さぁ』昼まで時間を潰そう。この街に来た理由である【採掘師】のジョブを取ってジョブクエストでも受けようか。

 

テクテクと歩いていく。いつの間にか人通りが出来ていた。さっきは居なかった気がするんだが。

 

門も看板が落ちていなかったし食中毒も発生していない。何で俺は街を出ようとしたんだ?

 

採掘師ギルドで【採掘師】をメインジョブにしてジョブクエストを発注した。

 

【クエスト【採掘依頼―― 驩ア遏ウ謗。謗 難易度:莠】が発生しました】

【クエスト詳細はクエスト画面をご確認ください】

 

 

【error 508】

 

◇ <DIN>ギデオン支部

 

無数のウィンドウが行き交う管理AIの作業場で双子の兄妹が呟く。

「妙だ。一部のプレイヤーのインターフェースの翻訳が異常をきたしている。」

「妙だね〜。どう考えても〜おかしいよね〜。」

 

この反応は以前処理した事がある。膨大な記録から検索した結果、ジャバウォックが回収したUBMによって引き起こされた反応と同様のものだ。

 

「ジャバウォックが該当UBMを投下したか。」

「困るよね〜お仕事に邪魔になるの〜。も〜っジャバウォックったら〜。」

 

あのUBMの認定と回収、投下を担当する同僚は事前連絡を怠って、精細な情報を事後報告する事がそれなりにある。後の【グローリア】が完全バックアップを持っている事を土壇場まで同僚に知らせていなかったように。

 

「特定情報妨害に対する対抗。過去対処記録からverAIJMFJプログラム起動。」

「これで〜仕様通りに〜戻った〜。」

 

「まぁ、奇妙な状態である事には変わりは無いだろう。」

「本人たちにとってはね〜。」

 

◇黄竜山採掘坑道?

 

初めて見た坑道は意外とスマートに纏まっていた。あちこちで無作為に掘りまくっていたらもっと不細工な構造になっていただろう。

 

ギルドで支給されたピッケルで指定された壁を掘っていく。《採掘》をジョブスキルとして持っているからか易々と壁が掘れていく。こういう作業は結構楽しい。終わった後のビフォーアフターを見るのが面白いものだからだ。

 

時折《鉱石感知》で採掘した鉱石をギルド指定のアイテムボックスに入れていく。ここは銀の採掘場のようだ。

 

infinite dendrogramの銀はそのまま使うことはあまり無い。上位互換のミスリルが【錬金術師】のジョブスキルで錬成出来るから、その錬成素材としての活用がメインだ。錬成で【高品質ミスリル】が偶に出来るらしい。

 

確率レアか。面白そうだ。生産職も手を出してみようか。俺は運任せの作業が好きだった。きっと王国にもいずれいく事になるだろう。あそこには景品カテゴリーもごっちゃ混ぜの無限に回せるガチャがあると聞く。

 

未来の展望に夢中になって、必死に銀を掘る。こんな所で笹食ってる場合じゃねぇ!

 

俺は早く確率レアが回したかった。ガチャガチャの射幸心が為せる中毒性の虜だった。

 

 

 

気付けばインターフェースの時刻は昼前になってた。おぉ。カーソンとの待ち合わせだ。急いで行かねば。

 

俺は坑道から外へ出た。筈だった。

 

《蟒カ縲?・ュ蝗?ュ》

 

気づいたら来た事が無い坑道の只中にいた。へ?

 

何度出ようとしても来た事が無い坑道の真ん中で立っていた。インターフェースのマップを開いてみると地図がバグを起こして表示されていた。デンドロが誤作動を起こした?

 

歩いた距離が坑道の長さを上回る長さになっても知らない坑道に出る。

 

もう坑道は全て歩いたはずなのに知らない坑道が追加されているのだ。

 

こうなったら最終手段だ。バグったゲームはこうするに限る。

 

インターフェースで一度ログアウトする。

 

ログアウト直前に『RRRRRRRR』口惜し気な感情が込められた、鈴虫の鳴き声に似た音がした気がした。

 

ログインし直した俺はセーブポイントの地竜街に出る事が出来た。

 

マップがバグる事なんてあるのか?直前に聞いた音が意図的なものを感じさせた。

 

これは一体・・・?

 

おお。そうだ!ログアウトしたからカーソンも紋章に収納されたはず。

 

カーソンを紋章から出そうとするも反応がない。どうした?

 

「カーソン?どうした?」

 

返事がない。

 

これは・・・

 

カーソンは、いや、まさか、ありえるのか?

 

ここは地竜街なんかじゃ無かった!地竜街を再現しただけの隔離マップだ!

 

どうやってかログイン地点を強制的に変更されている。

 

俺は一体何処にいるんだ!!?

 

 

 

【認識災害】【夢遊病】

 

化身の気配がする獲物がようやく気づいたか。一度は化身の手で逃げられる事になったが、愚かにもノコノコと帰ってきた。

 

油断して遊び過ぎたが、今度はそうはいかない。非現実の檻で閉じ込める。

 

私の世界へ招待しよう。

 

《幽玄乃夢酒宴》

 

これはとある夢のVRMMOの物語。

現実と認識の境を操る〈古代伝説級UBM〉の証明。

 

彼は知っている。正常な認識を失ってもマスターが自発的に消える事を。

 

しかし、力の干渉そのものは消えても受け続けている事を。

 

彼は知らない。マスターが正常な認識を失っても意図的に自害できる事を。

 

しかし、マスターは最後まで自害を出し惜しむ事を。

ルンバとカーソンの子供は何人欲しいかアンケート

  • 一人(抗菌と同じく特典化)
  • 双子
  • 五つ子(五等分の花嫁√(嘘))
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