これはとある夢のVRMMOの物語。   作:イナモチ

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騎士の覚悟。ラスボスのルンバ。

俺はDIO様の死に様が好きだ・・・

 

いち早く接近に気付いた索敵役のマスターが叫んで情報をパーティに共有した。

 

後衛らしき超級職のマスターが詠唱を始める。前衛の【鎧巨人】がエンブリオらしき巨大な剣を盾のように構えた。突撃を受け止める気か。馬鹿め!

 

俺は全体重を巨大な剣に押し込みように突撃し、マスターごと上に跳ね上げた!

 

UBMの純粋なSTRによって巨大な鎧が宙を舞う。驚いて隙が生じた索敵役のマスターの首を【グデアメール】の剣で刎ねる。

 

まだ跳ね上げた【鎧巨人】が落ちて来るまで時間がある。このまま前衛が居ないパーティを全滅させてやろうか。

 

いざ踏み込んだ瞬間一部の体の挙動がおかしくなって躓いた。これは、働く筈だったエネルギーが突然無くなったかのような・・・

 

超級職のマスターがニヤリ口元を歪めていた。海属性魔法のエネルギー吸収か!超威力の詠唱をしていた筈じゃ無かったのか!?

 

そして首を刎ねたはずの索敵役が背後から短剣を突き出してきた。さっきのは偽物・・・!

 

鎧の首元の隙間を縫った致命的な一撃。

 

《騎士殺しの懐剣》

 

更に短剣のエンブリオのスキルで追撃し鎧の中を爆発させた!

 

宙に舞っていた【鎧巨人】が見事な三点着地を決めて、爆発を内側から受けた衝撃から立ち直っていない【グデアメール】に向かって走り出し、

 

紋章に仕舞っていた巨剣を手元に出し、トドメの一撃を繰り出した!

 

《一刀両断》

 

巨剣はスキルの補正を受け、剣の重さに応じて斬撃の威力を跳ね上げる!

 

接触。

 

重層な鎧を切り捨て、頭頂から股下にかけて軌道が通り過ぎた。

 

一瞬の時間を経て。

 

巨大な人馬が左右にパッカリと割れ、ズぅううんと大きな音を立てて、砂煙の中に半身を横たわらせた。

 

砂煙が倒れたUBMの姿を覆った。あたかも死者の埋葬のように。

 

初のUBM討伐に歓声をあげるマスターのパーティ。

 

誰がMVPになるかとか、どんな特典武具が出るか期待して話し合っているようだ。

 

 

 

だが生憎とまだ生きていてね。このパーティはアンデッドと戦った事が少ないのかな?

 

知ってるか?リビングアーマーは全身を焼き溶かすなり消しとばすなりしないとまだ生きているんだぜ。普通は怨念が留まることが出来ずに死ぬがね。

 

俺は怨念の扱いに長けているUBMなんだよ。流石に塵まで分解されたら無理だが、両断ぐらいじゃあ、まだまだ。アンデッド特攻の司祭系統をパーティに入れるべきだったな?

 

戦力の威力偵察はこれで終わりってとこかね。

 

では。死ねぇ・・・!

 

俺は怨念を操って剣を遠隔操作し、超級職のマスターの首を刎ねた。

 

ギョッと固まったマスター達。話していた相手の首がいきなり飛んだらそりゃあ驚くわな。

 

左右の両断された人馬が怨念の物体操作で操り人形のように立ち上がった。

 

『「www!」』

 

だんだん慣れてきた。怨念の物体操作のコツは怨念を身体の延長線にする事だ。歩くとか走るとかのように何となくで動かせれば十分。

 

理論的に説明できない感覚のままで良い。人間がどうやって手足を動かすのか説明し難いように。

 

いちいち関節や神経、筋肉配列まで説明するなんて常人には無理だし、そこまで普段から自覚できる人が殆どいないだろうしな。

 

さっきとは打って変わって操り人形のような挙動でパーティに襲い掛かる!

 

人間の体じゃないんなら人間のフリをする必要もあるまい。

 

関節を無視した不意打ちの裏拳で飛び掛かる索敵役のマスターの顎を撃ち抜き、遠隔操作した剣で【鎧巨人】の兜を外して離れたところに放り投げる。

 

並行思考のプレイヤースキルが役に立つとは。元はカーソンに対する隠蔽用だったのだが。

 

ガッと【鎧巨人】の胴体の鎧から妖精のようにちっこいマスターを掴み上げて握り潰す。

 

そして脳が揺さぶられてふらふらなマスターに今度こそトドメを刺した。

 

周囲を見回して残党や隠れている者がいるか探すが、アンデッドの生命探知にかかる反応は無い。

 

勝利を確信した俺は狂笑をあげた。最高の気分だ。

 

ふふふヒヒヒヒ!!雑魚どもが!油断大敵ってこういう事なんだぜ〜〜!!

 

もはや超級職すら恐るるに足らず。本領さえ発揮させなければただの人。UBMの圧倒的なスペックで押し潰せば良い!

 

固有スキルすら発動させる必要が無いなんてUBMのステータス様様だぜ〜〜!!

 

このままどんどんいこう。この状態でUBMを討伐したらどうなっちゃうのかな〜?

 

UBMの素質さえあればもっと上に行く事だってできる!

 

最も強敵だった【メガプランテスト】ですら正面から倒せるほどに。

 

瘴鼠と【ヘイワン】は言っちゃあ何だが、それほど本領発揮しない状態で倒してしまったからな。2体とも物理ステータスが高くなかったのも有る。

 

【キャンドル】は【ヘイワン】が殆ど活躍してたし。

 

次は神話級だな。これからもよろしく頼むぜ〜【グデアメール】くぅん?

 

・・・・・

 

だが【グデアメール】君は虎視眈々と叛逆の機会を窺っていたらしく、怨念の支配権争いになった。

 

逆流しようとする怨念を俺が操る怨念で押し留める。

 

「俺に従え〜〜!!俺が一番お前を上手く使う事が出来るんだからよぉおお!」

 

【グデアメール】の意思が怨念越しに伝わってくる。

 

脳内に響いて邪魔くさいんじゃーーッッ!!

 

「拒否。支配。奪還。使命。達成。」

 

俺は怒りのボルテージがMAXになった!

 

「こんの死に損ないがぁーーッッ!大人しく生者の踏み台になっていれば良いんだよーー!」

 

怒りで怨念を汚染していく。

 

怨叉をあげる怨念は、怒りに染まって叫ぶ破壊衝動の怨念に生まれ変わって、青黒い瘴気ではなくマグマに似た赤黒い瘴気を発生させる。

 

【グデアメール】も負けじと怨念を自分の意思に塗り替えていく。

 

手本があったから真似された。【グデアメール】に塗り潰された怨念は深海の様な色をした瘴気を発生させる。

 

「拒否。拒否。拒否。排除。」

 

赤黒い怨念と深海色の怨念が競り合ってグラードンとカイオーガの競り合いみたいになった。

 

もはや混ざり合うことすらなく、相手を消し飛ばす事しか両者の頭の中には無かった。

 

左右に分断された人馬が半身を色違いの怨念で補完して互いに向き合う。

 

騎士の決闘のような光景。ただしお互いに無手であり、下半身が馬の異形だ。

 

コイツだけは生かしてはおけぬ。初めて意見が一致して、相手の体を破壊しにかかる。

 

関節を無視して鞭のように腕をしならせ【グデアメール】に叩きつける。怯んだ瞬間追撃に移り、胴体を馬の蹄で蹴り凹ませる。

 

自ら後ろに飛んで蹴りを軽減しようとするが、とんでもない悪手だ。

 

馬は前に走るのに向いているんだよ。お前は進化したてで人馬形態の経験が薄いな?

 

俺は手本を見せるように前に走り出し、【グデアメール】の体にタックルを掛けた。

 

剣道の鍔迫り合いって知ってるか?後ろに下がった相手は吹き飛ばしやすいんだよ。

 

俺もデカい先生にビビって後ろに下がったら、飛び込んできた先生に飛ばされて、試合場から道場の壁まで転がった。

 

お前も体験すると良い。中々の浮遊感だったぜ?ちびるかと思った。

 

踏み止まる事が出来ない【グデアメール】が更に後ろに吹き飛ぶ。馬の脚が関節をあらぬ方向に曲げてしまっている。中身空っぽなんだがね。

 

トドメを刺してやるぜ〜!今日からお前の物は俺のもんだーーッッ!!死ねーーー!!

 

遠隔操作で手繰り寄せた剣で粉微塵になるまで切り刻む。これで終いだ。

 

お前の意思がなくなった体は俺が有効活用してやる・・・!

 

追い詰められた【グデアメール】の兜から深海色の炎が燃え上がった。

 

なんだ?お前の固有スキルにそんな炎を発生させるものはなかった筈・・・!?

 

完成させる前に殺し切る!!!

 

・・・・・

 

【グデアメール】の炎は【死霊術師】のジョブスキルに酷似したものだ。

 

怨念の物理操作が怨念を物理エネルギーの奔流に変換する【大死霊】の奥義《デッドリーミキサー》に通ずるものだとするならば。

 

怨念の燃焼は怨念を燃料として燃焼爆発を引き起こす【大死霊】の対である【高位霊術師】の奥義《デッドリーエクスプロード》に通じている。

 

つまり、【グデアメール】の炎は怨念で稼働するアンデッドの天敵の炎。怨念の塊であるルンバを焼き尽くす事が出来るだろう。

 

無論【グデアメール】もアンデッドなので怨念を燃やすことは自らに火をつけるという行為と同等の自殺行為だ。

 

土壇場で編み出した怨念の炎は【グデアメール】の覚悟だった。

 

【グデアメール】の全身を深海色の炎が覆っていく。俺が斬りつけた剣も赤黒い怨念を燃やして、俺にまで引火した。力を込めて斬るために籠手で握っていたのが仇となる。

 

いや、遠隔操作にせよ怨念のワイヤーを導火線のように延焼していた。

 

どちらにせよ詰みだ。もうルンバは助からない。

 

2体の人馬が青赤の炎に包まれる。

 

「い、嫌だっ!折角、折角UBMの体を手に入れたのにーー!まだ死にたく」

 

【グデアメール】が無様な醜態を晒すルンバを嘲笑うように最後の術式を発動させる。

 

【グデアメール】の最期の声が聞こえた。ルンバに馴染み深い悪意に染まった声だ。

 

FPSの、爆弾で相手ごと自決する追い詰められたプレイヤーのような。

 

「嘲笑。自決。諸共。」

 

発動術式は、怨念を物理・熱エネルギーに無制御で変換する術式。引火した怨念を対象に発動させる。

 

瞬間。

 

巨大な爆発が2体を中心に発生して怨念の全てを綺麗さっぱり消しとばした。

 

俺は【グデアメール】の覚悟の炎でラスボスのように燃え尽きた。

 

これはとある夢のVRMMOの物語。

爆発オチなんてサイテーーー!!

 

【<UBM>【忌騎暴鎧 グデアメール】が討伐されました】

【MVPを選出します】

【【ルン・バ・ンル】がMVPに選出されました】 

【【ルン・バ・ンル】にMVP特典【怨騎融鎧 グデアメール】を贈与します】

ルンバとカーソンの子供は何人欲しいかアンケート

  • 一人(抗菌と同じく特典化)
  • 双子
  • 五つ子(五等分の花嫁√(嘘))
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